無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、予約のとれないフラワーアレンジメント教室の講師、カリスマ主婦として人気を集めている咲季子。平穏な毎日が続いていくはずだった。あの日、年下のデザイナー堂本と出会うまでは。――門限は九時。打ち合わせで外出する場合は三日以上前に場所と時間を夫に報告すること。男性と一対一での打ち合わせは絶対に避けること。泊まりの旅行など論外。ややあって、堂本が言った。「なんかもう、『人形の家』って感じだな」――夫が決めた厳格なルールに従って成り立っていた「幸せ」な暮らし。堂本との恋をきっかけに、咲季子はようやくその酷いモラハラに気づき、檻の外へ羽ばたこうとする。だがある夜、すべてを知っていた夫が激高。大切なものを守るため、咲季子は二度と戻れない道へ踏み出してしまう……。衝撃のラストが心を震わす長編小説。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
村山由佳さんの小説は、まるでサスペンス映画を観ているかのよう。
ハラハラドキドキしながら、どうなっていくのだろう…とページを捲る手が止まらない。
読み手ににとても体力を使わせる作家だと思う。
登場人物に共感できるタイプがほぼいないにもかかわらず、引き込まれてしまうのは、会話がものすごくリアルだから。膨大なセリフが飛び交い、目の前で始まった諍いに自分も巻き込まれていきそうな臨場感がある。
お嬢様育ちで、悪意のかけらもなく、薔薇を自分の子供の様に慈しんで育てていた咲季子が、事件の後にとった行動は、理解できるとかできないとかの範疇を超えて、そうすることが一番自然なことのように私にも思えた。
自分の中に棲むもう1人の自分。
1人の人間の表の顔と裏の顔。
それは表裏一体でいつのまにかコントロールできなくなるという怖さ。
美しい場面は夢見るように美しく、
残酷な場面は容赦なく恐ろしい。
村山由佳さんは一つの小説を身を削る思いで
書かれているのだろうと思う。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。