村山由佳のレビュー一覧
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最近の政治家のかざす「愛国心」には心底嫌気がさしている。その理由を、この対談のなかでお二人が言語化してくれた気がする。
「過ちを過ちとして認めることからしか、国への本当の思いも生まれない(村山由佳)」「今は、過去の歴史に学ぼうとするような政治家が皆無に近くなってしまって、戦争への警戒心や、ヘイトが悪いことだという意識が弱くなってきているのが、とても恐ろしい(朴慶南)」
↑こういうことを、日本人はもっと重く受け止めるべきなんじゃないかな…。そういう人間としての努力が、日韓関係だけではなく、イスラエルやロシアの戦争に対する解決の糸口になるのだろうと思うのだけど。
猫エッセイや『風よあらしよ』を読 -
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同性の親に対する屈折。
果たして親としての愛なのか?
どうなのか?
教育か、躾なのか調教か、はたまた虐待か?
ボーダーはルールをいくら作ったとて、判断し切れるものではない。環境の違い。
環境が違っていた者同士が一つの家庭を営み始めるのが家族の最小単位であれば、どこまでがどこまでの範疇か。それぞれに委ねられる。
範囲が決まっていたとしても、定まった数値にはならない。昔の体重計が、体重を指し示す赤い針が中央に固定され、目盛りが動くように。
うまい例えが思いつかない。
この物語に書いてくれたことは、少なからずどの家庭でも起こり得ること。少なくとも、自分自身の子供時代に置き換えてみて、かなりな -
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ネタバレ凄まじいお話でした。
どこまでが史実で、どこからがフィクションなのかも分からず夢中になって読み進めました。
アングラエログロの「アベサダ」ではなくてみずみずしい一人の女性の輪郭が、吉弥の目線と彼女を取り巻く人々、そしてお定さん本人の視点を通して書き上げられていて、酷い女だとも思うのに彼女に魅入られていきます。
吉弥とお定さんの二人の心の通わせ方には胸を捕まれた思いでした。
そして吉弥自身の想いの行く末が見えたことによって想いが通じ合うという感情がよりリアルに感じられ、事件の日の彼女の想いも一段と際立つ。
村山由佳さんの文章の持つエネルギーが力強くて生き生きとしていて、まるで映画を見たように情景 -
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わかってはいるけれど。
振り返れば、何度そう思いながらもしてしまった、あるいはせずにやりすごしてしまったことか。
もどかしさや孤独感をふくめ、それでも過ぎてゆく日常。
家族それぞれの感情が、すうっと入ってきた。たとえば自分とは違った感じ方、受け止め方であったとしても、近くを流れるようななめらかさで。
これはどういうジャンルと説明すればいいのだろうと思っていたけれど、「あとがきにかえて」を読んで、ああなるほどと納得がいった。
もし、兄妹の恋という部分だけで刺激的でスキャンダラスな恋愛小説かと通り過ぎてる人があるなら「ちょっと」と呼び止めてみたい。
父の「名の木散る」でぐんと深みと重みが増す。 -
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ネタバレおいコーの最終巻が出たと知って買ってみたら、実に前作から7年も経っていた。全然話覚えてないだろうなーと思いながら読んでみたら所々朧気に覚えていた。ショーリがオーストラリア行ってたのは知らなかったあたり、前作も多分読んでないけど、シリーズを追っていた身としては結末だけはちゃんと読破したい。
ショーリが命の危険にさらされるなんて想像もつかなかった。途中であれ?これ恋愛小説じゃないの?て思った。25年も経つと自分自身も子どもから大人になっているからか、そのまま素直に読むだけでなくて深読みして味わうことができるようになった。
最終巻読めて良かったです! -
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久しぶりに良い本に出会いました。
この本の良いところは子どもも大人も都会も田舎も悪く書きすぎず、よく書きすぎていないことです。
「都会はギスギスしていて、田舎は優しい」「子どもは純粋で大人は頭が堅い」「子どもは失敗ばかりして、大人は完璧」「柔軟でポジティブな人は良くて理論的でネガティブな人はダメ」そんな描かれ方をしていないところが気に入りました。
この本に登場する大人は危ういし、他人を傷つけたり、自己防衛しすぎるところもあります。主人公・雪乃の両親はそれぞれ弱みを見せすぎていると思います。でもそれが人間らしくて私は良いなと思いました。隣の芝生は青く見えるけど年齢に関わらず完璧にできる人なんて -
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ネタバレ伊藤野枝中心かと思いきや
当時の前衛的グループの群像劇
真偽はわからないが
リアリティがある。
青踏、の時代は政治的な自由だけでなく
性に関しても自由さを求めていたとは
戦う女性がテーマだろうが
当時はこんなに戦ってたのかい
上巻ではまだ大杉栄が顔を出した程度
下巻の期待をしてしまう
ついでにさりげなく恩までうりつけるあたり老獪としかいいようがない
懐に飛び込んできた窮鳥を助けてやらねば、という侠気に自ら酔っ払っているだけで、全体重をかけてよりかかってくるようなノエの激情に流されているというのがほんとうのところだろう。
情緒的なところもありながら、それに流されない理知を持っている、