村山由佳のレビュー一覧

  • しっぽのカルテ

    Posted by ブクログ

    できたらこんな素晴らしい人間関係と環境下にある動物病院で働きたい。特に院長のキャラが良すぎて元気も強さも優しさももらえる。
    猫、犬、インコ、うさぎ、馬と、どんな話にも厳しい現実や悲しみもたくさんあるけどきちんと向き合い、どうすることが1番動物たちにとっていいかがきちんと描かれている。
    ロビンと久栄は結果良かったけどやっぱり老老介護は相手が動物でもとてもしんどいだろうと思う。
    天国で自分の名前を言う時に、きっとうちの子なら「僕、かわいいです!」って言うだろうなぁと微笑ましいやら切ないやら。
    お仕事物語だけではなく、深雪と土屋のほのかな恋愛を感じられるのも楽しい。
    どの話も涙が出るけどあったかくて

    0
    2025年12月12日
  • ロウ・アンド・ロウ(上)【毎日文庫】

    Posted by ブクログ

    広告代理店に勤める43歳の京子は、3歳年下の美容師、孝之と結婚して13年。
    穏やかな日々を過ごしているように見えていたが、なんだかお互いに遠慮しあっていた。
    ただ、これといって大きな不満はなく、いい関係でいると。
    そんな時に孝之のお店のアシスタントとして美登利がお店に通い出したのをきっかけに、夫婦ともにモヤモヤし始める‥。

    緩やかにモヤモヤしていく感じがたまらなく良い。
    美登利のあざとさというか、若さが強いというか‥。
    こんな可愛くて自分のことをたっぷり褒めてくれて気が利く子、男の人は悪い気はしないよなぁと思いつつ、女からするとパートナーの近くにいてほしくない存在だろうなあとも。
    結構ドロド

    0
    2025年12月10日
  • 雪のなまえ

    Posted by ブクログ

    きれいなタイトルに「いじめ」「不登校」から始まるストーリーとは思いませんでした。
    ためらいもなく田舎での就労を始める父、航介、悩んだ末に別居婚を選択した母、英理子そして田舎で雪を支える祖父母、茂三とヨシ江。
    お友達の大輝みんなの場面ごとの言葉がとても温かくほっこりしました。
    中でも茂三の雪にもいろいろななまえがあり、氷、雨、川、海…と変わる。人間だって自分の好きなようにやりたいように、いくらだってわがままになっていい。と言う言葉に背中を押されました。
    長野と山梨の県境の景色が自分のふるさとに重なりなつかしい気持ちでした。

    0
    2025年12月08日
  • 星々の舟

    Posted by ブクログ

     暴力をふるう父親であったり、許されない関係の恋であったり、あまり普通ではない一家のそれぞれに焦点を当てた連作短編。両親も子供も、一般論でいえば普通の幸せな人々ではないのかもしれない。ただそれぞれに自分の感情を大切にしていれば、幸せの形はいろいろあるんだ、ということを肯定してもらえる気がする小説。それぞれの章ごとに読みごたえがあって、そして手放しに幸せな話ばかりではないが、ちょっとほっとすることができるような物語だった。

    0
    2025年12月07日
  • 雪のなまえ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いじめを受けていたという事実を知った両親が
    それぞれに事実とどう向き合っていくのか
    生活環境が変わった少女の気持ちの変化を描いたものです。

    父親と娘が母親と離れて暮らすってフィクションだなぁと
    思いましたが、読んでいるうちに共感できる気持ちもあったり。
    あぁ、不器用なりの努力をしているんだと。
    父親に対する印象が最初は悪かったです。正直。
    だけど、途中から可愛い存在になっていました。
    母親が弱音を吐くシーンには心を揺さぶられました。
    わざとらしくなくそういう細やかな人物像を描ける作者さんなんだと思います。

    0
    2025年12月07日
  • 二人キリ

    Posted by ブクログ

    ほんタメ あかりん紹介本。
    なかなかの分厚さだけど、一気に読んでしまった。阿部定事件をモチーフにしている今作。

    どこかで何かが違えばそもそもの事件は起こらなかったのかな。定さんがもう少しだけでも器用に生きられていたならと思ってしまう。人の評判なんてアテにならないな・・・
    吉弥さんとRさんも気になります 笑

    0
    2025年12月04日
  • しっぽのカルテ

    Posted by ブクログ

    命ある生き物を飼う人の責任と覚悟に目を背けることなく向き合っている。
    最近愛猫を看取った身には痛いほど突き刺さり嗚咽を堪えることができなかった。
    ペットと飼い主の話だけでなく、周りの人達の人間ドラマも描かれていて、優しいだけでない読み応えある流石の村山作品だった

    0
    2025年12月03日
  • La Vie en Rose ラヴィアンローズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最近読んだ作品の中でもトップに入る面白さだった!
    夫を埋めるシーン、緊迫感があって読んでる最中に鳥肌が止まらなかった。
    薔薇は主人公にとっての生命、作中に散りばめられた数々の薔薇の香りに、うっとりしながら“感じる”そんな作品でした。

    0
    2025年12月02日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    人間の怖さが、辛くも理解もできるし多くの人が共感できるのでは、と思った。そんな事ないのかな、逆になんでそこまで、って思うのかな。お仕事に全力を注ぐ系の熱いお話と思いきやそれだけでもなくて、ああそういう終わり?!えー、、、って感じの結末だった。でも意外でもある一方、世の中そんなものかもしれないなと思うところもあって。なんだろう、でもここまで全力で欲しいと思うものがあるって羨ましくもある、かな。

    0
    2025年12月01日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者名も他の著作名も聞いたことがなかったのですが、装丁に惹かれて手に取りました。
    偶然出会えて手に取ってよかった、とても面白い作品でした。

    編集者という仕事は、著者に寄り添い、著作をより良くしていくものだと分かったけれど、自分には到底できない仕事だなと感じました・・ここまで、相手に尽くすことができるだろか。

    千紘と佳代子が距離を縮めていく様子は、読者としては楽しくもあり、佐藤編集長が言うように危ういと感じるものでもあり、ハラハラしました。

    佳代子は、自分の作品=子供と、それを受け取る読者以外へのあたりの厳しさがあまりにひどすぎると感じました。「その欠点に見えるものもまた、その人の大事な個

    0
    2025年12月01日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    YouTubeで色んな作家さんが紹介していて、
    興味を持った作品。
    読書は好きだけど、直木賞とか芥川賞にあんまり興味を持てていなかった。本屋大賞と比べると、ちょっと遠い存在。

    直木賞の選考の過程とか、作家と編集者それぞれの視点で考えていることが細かく書かれていて、直木賞について、少し理解できた。

    主人公の直木賞への執着と、そこからくる沸点の低さには、ドキドキ。
    早く賞を取らせてあげて!と思わずにはいれない。

    作者の村山さん自身も直木賞を取られていて、
    全てがリアル。
    村山さんの受賞作も読みたい。

    0
    2025年12月01日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    村山由佳さんの作品を読むのは初めて。
    読む前は「直木賞を取りたい!」という単純なエンタメ小説なのかと思っていたけど、予想のつかない展開にどうなるのだろうと引き込まれた。

    作家・出版社・書店員が一冊の本を生み出すまでに注ぐ情熱や葛藤、直木賞の選考方法や出版業界の裏側までが、作家自身の視点から描かれていて、それだけでもとても興味深くて面白かった。
    村山さん自身が直木賞の受賞者だからこそ、賞の光と影、裏側の空気までもがリアルに伝わってくる。

    フィクションでありながら、村山さんの本音や体験が巧みに織り込まれているのでは…と思わせるようなリアルさがある。
    どこまでが本音で、どこからがフィクションなの

    0
    2025年12月01日
  • 雪のなまえ

    Posted by ブクログ

    いじめを受けて、学校に行けなくなった雪乃。
    そんな雪乃を見て、父親である航介は仕事を辞め、妻の英理子を東京に残して、祖父が暮らす長野で雪乃と新生活を、それも今までやったことのない農業を始めることに。
    母親は東京で、父親は長野で農業を、雪乃はまだ学校に行けないでいるが…。

    ---

    学校に行けなくなった、ではないと思う。
    学校に行くことをやめた、ではないかと思う。
    ずっと惰性で続ける方が楽で、適当に誤魔化すことのほうが簡単。
    でも我慢する心は確実に疲弊していって、気付かないうちに壊れてしまう。一度壊れるとなかなか治らない。
    そうなる前に、学校に行くことをやめることができた雪乃はとても偉くて強い

    0
    2025年11月25日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    おもしろすぎた。

    ゾワゾワっとするというか血の気が引く瞬間たまらなかった

    私もサイン会によく行くので天羽カイン先生のサイン会とても気になる、行きたい。

    0
    2025年11月24日
  • 雪のなまえ

    Posted by ブクログ

    何回か泣いた
    人ってたぶん本来、自分自身で少しずつ回復して前を向いて生きていく力をみんなが持ってる気がする

    0
    2025年11月19日
  • PRIZEープライズー

    Posted by ブクログ

    作家と編集者の姿がリアルすぎるほど描かれているとの評判を聞き、手に取る。
    噂通りのリアリティ、罵倒されているシーンは血の気が引いた。
    同じような職業をしているのもあり、あるあると思いながらページをめくった。
    冒頭からお仕事小説だと思って読んでいたが、途中からはホラー小説かと思えた。
    死人が出ていればもはやサスペンス。
    素晴らしい小説だった。感服。

    0
    2025年11月17日
  • 二人キリ

    Posted by ブクログ

    構成の素晴らしさ!
    猟奇的な事件が、少しずつ、いろんな方向から1人の人を描き出していく。
    途中何度も息苦しくなるようなエログロに目を背けたくなる描写もあったが、吉弥さんとRの話はとても良い息抜きとなって、また先を読み進めたくなる、本当にすごい小説。
    その時の2人にしか分からない、濃密な狂気な世界の中にいたのだろうことが想像できるようになっていった。

    0
    2025年11月16日
  • 星屑

    Posted by ブクログ

    2年ぶりに再読
    主人公も良いが以外の登場人物がとても良い味を出している
    うーん、とてもいいです
    また2年くらいしたらまた読んでみよう

    0
    2025年11月15日
  • 星屑

    Posted by ブクログ

    2025.11.11〜11.16

    清々しい。歌が命なんだろうな。本当に歌が好きなんだろうな。
    昭和の歌番組を知っている人間としては、今の歌番組のつまらなさを痛烈に感じる。その原因がわかる1冊だと思う。
    私はこの作家のドロドロの恋愛ものより、このタイプの方が好きです。もっと、こういうのを書いて欲しいのに。

    0
    2025年11月16日
  • 遥かなる水の音

    Posted by ブクログ

    ボリューミーで読み応えありましたー!
    一緒に旅行してる気分に浸れる旅行記みたいでもあり、恋愛もあり、ハラハラもあり。
    最後の最後でタイトルの回収されてて、最後の最後で泣かされました!
    人を愛する、大切に思うことの偉大さ。
    私も日々、周りの人達を大切にしよう。

    0
    2025年11月06日