村山由佳のレビュー一覧
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『PRIZE』というタイトルには、勝者に与えられる賞だけでなく、「努力して獲得するに値するもの」という意味があるという。その言葉を知った上で読み始めたが、読み終えた今、このタイトル以上にふさわしいものはないと感じた。
物語は人気作家・天羽カインと担当編集者・緒沢千紘を中心に進む。作品を生み出す作家と、それを世に送り出す編集者。目指すものは同じでも、立場が違えば考え方も異なる。その緊張感や信頼関係の積み重ねが、とても丁寧に描かれていた。
特に印象的だったのは、天羽の直木賞への強烈な執着である。売り上げや人気では満たされず、文学界から認められたいという切実な思い。その姿は時に痛々しく、周囲を振 -
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ネタバレ序盤から惹き込まれて、のめり込むように一気に読んだ。今年の本屋大賞ノミネート作品だったので手に取ったけど、期待をゆうに超えてきた。
展開が早くて面白いだけでなく、登場人物が脇役まで全員魅力的。特に好きなのは、文藝の局長白鳥と編集長の石田三成。2人の仕事に対する姿勢が非常にかっこよかった。逆に天羽カインの夫だけは、出てくるだけでイライラするくらい嫌いだった。
私の人生は出版業界と全く関わりがないのに、この作品にはハッとさせるような描写がすごく多かった。
その1つは、千紘と石田三成との対比。仕事の情熱と情は別物なのがよく分かった。
天羽カインが、「偉くなると本当のことは誰も言ってく -
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あらすじから想像する以上に苦難を描いた作品
バレエに魅せられた一人のダンサーが戦争に翻弄された自身の人生を振り返る
この本の舞台は今より30年以上前で、当時ですら「戦後」という感覚はもはやなく、当然のように平和な日本を享受していた
そこからさらに時はたち、「シベリア抑留」「ソ連」「ヤルタ会談」「関東軍」などはあくまで教科書で習い試験に出される単語としての意味でしか捉えられていなかった
敗戦国としての惨めさ恐ろしさを描くと同時に、開拓民として先に住んでいた人々を追い出していたり土地を結果的に奪っていたり、大和国民と自認し周囲国を見下していたりした当時の価値観も描かれている
村山由佳さんのリーダ -
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村山由佳さん著「Row&Row」
「PRIZE」2026年本屋大賞3位、おめでとうございます。
今回の本屋大賞は非常にいい作品が多く「熟柿」も含めて上位3冊はどれが本屋大賞でも納得できるほどだったと感じている。
本作品は「PRIZE」以前に執筆された作品だが興味深かったので購読。
物語自体は凡庸で簡単に言ってしまえば不倫が絡む夫婦物語。
性描写も多く、官能小説顔負けの物語でもある。
ただ本当に凄かったのは登場人物達の心理描写。圧巻だった。
夫婦間に元々あった細かな互いへの違和感が夫の不倫を機に細かな一つ一つが繋がっていき大きな亀裂となって深い溝を作っていく。
それに至る互いの心理