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その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡した――
脚本家の吉弥は、少年時代に昭和の猟奇殺人として知られる「阿部定事件」に遭遇。
以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。
定の幼なじみ、初めての男、遊郭に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から三十数年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身……。
それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす。
性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。
作家デビュー三十周年記念大作!
Posted by ブクログ 2024年03月31日
定の置かれていた状況とその時々の心情が丁寧に描かれていた。これまで、定が強行に至った動機がよく分からなかったが納得した。
定と吉蔵には、当人同士にしかわからない愛の絆が存在し、縛られずにはいられなかったことが伝わってきた。お互い片時も離れられないくらい愛する人と出会えることは幸せだけれど、維持で...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月24日
最初はちょっと読みにくく感じたけれど、すぐに慣れて物語の中に引き摺り込まれた感じ。
阿部定事件は名前とざっくりした内容しか知らなかったので、興味が湧いてしまいこれから調べようと思う。
2人は純愛だったのかど変態だったのか。
今となってはわからないだろうけど、定のおにぎり食べてみたかったな。
読み応え...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月24日
村山由佳さんの作品には、盆地にある狭い畳の部屋に夏の湿気が溜まっているような、むせ返るような性欲を感じて大好きなんだけど、
二人キリではもうまさにそれがむわっとすごい湿度で描かれている感じでした。
度々ある「におい」の描写がなんとも生々しい…
そしてなんといっても、描かれた男性の鯔背な立ち居振る舞い...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月12日
題材的にエログロではあるし、卑猥な単語も赤裸々にふんだんに使われてあるのだが、人間の深部を奥へ奥へと掘り下げるようなアプローチに引き込まれて、すごい読書体験だったなと満足度が高い。
特殊な猟奇的事件から、かえって愛欲の普遍性みたいなものまで見せられて、、、澄まして日常生活を営む普通の人が、なんか卑怯...続きを読む
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