【感想・ネタバレ】DANGERのレビュー

あらすじ

世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。

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Posted by ブクログ

終戦から81年経って日本で戦時体験を有する方が少なくなる中、終戦前後の満州とシベリアの話を真正面から描いている本書は素晴らしかったですね。
本書のタイトルは、危険という意味のdangerとダンサーを掛け合わせた意味を持ちます。
戦争の深い闇だけでなく、バレエという光が照らしてくれる二面生があるおかげで、何とか読み終える事が出来ましたが、フィクションでありながらも大変つらい物語です。
生きる希望も勿論ですが、やはり愚かな戦争を始めない事が何よりも大事ですね。
混沌とした世界秩序の今を生きる我々にとって必読書です。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

読み終えて少し放心しました。
読みやすい文体であっという間に読めたけど、内容は重い。凄く良い作品だと感じました。
かなり食らいました。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

読み終えて、少し放心状態になってしまった。
戦争が人の人生に及ぼす影響の大きさを感じて、でもそれを私が言葉にすると薄っぺらくなってしまうようで…
村山由佳さんのお父様がシベリア抑留の経験があるということで、ある意味ライフワークのような思いをもって書かれたこの作品。
ただ戦争について語られるのではなく、バレエという切り口を使うことが戦争を知らない世代にも物語に入りやすくさせている気がした。
現代、戦中戦後の出来事が様々な人の目線で語られ、それが一つに繋がったラスト、まさに奇跡だなと感じて鳥肌がたった。
タイトル「DANGER」の意味も読み終えると、なるほど!となる。
戦争のこと、バレエのこと…村山さんが絶対に書き残しておきたいと、強く思われたということがしっかりと伝わってくるよう作品だった。

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

かなりつらくハードな内容。
村山由佳さんの作品は本当に読みやすくてあっという間に読んでしまうことがほとんどなのだけど、丹田に力を込めながら読み進めました。
戦争は本当に嫌だ。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

バレエのことも、太平洋戦争、そしてシベリア抑留のこともほぼ知識ゼロの私だったが、この一冊でいろいろなことを知ることができた。
最後に黒田さかゑさんこと翠さんが老婆として亡くなった年が66歳であることに絶句。
今の私より若いし・・・
果耶先輩が久我晴臣と踊る姿を想像しつつ、ずっとその姿を見つめ続ける一平君の思いが届くといいなあ、と願いたくなる。
しかしひどいなロシア。
っていうか今更だけど戦争ヤバイ。
ようやく乗り込めた引き上げ船にて、翠が受け取ったビラ
「不幸なるご婦人方へ支給ご注意 生きんが為、または故国へ帰らんが為、万一これまでに心ならずも不法な暴力により身体を傷つけられ、身体に異常を感じつつある方は、日本上陸ののち、知己にも故郷にも知られないよう保養所へ収容し、健全な身体に戻してから送り出しますのでまず恐れず臆せず、内密に船医に打ち明けて相談してください」
舞鶴に到着して、麻酔もないまま掻爬の手術って・・・
むごすぎる。
そして翠にひどいことをした副官ジュコフスキーの報復を恐れて名前まで変えたことも!悪いのは緑ではないのに。
とにかく戦争はダメ!
今日の新聞に、日本が武器輸出する記事が出ていたが、マズいよそれ。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

1990年代前半。ロシアの有名なバレエ団の来日公演に合わせ、出版社に勤務し大学の先輩後輩でもある水野果耶と長瀬一平は世界的振付家・久我一臣にインタビューをし、記事を書くこととなる。当初は久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語り始めた過酷なシベリア抑留体験は、思ってもみなかった方向に話は進んでいく。

昨年は戦後80年ということで、戦争を扱った小説を何冊か読んだ。その多くが日本本土での内容で、国内でこれほど酷い出来事があったのかと考えさせられたが、国外で日本人に起きた出来事には目を向けていなかった。

本書は、作者の村山さんのお父様の経験した「シベリア抑留」の経験談が元になっており、主人公の果耶は当時の村山さんと同じ年齢だそうだ。

「シベリア抑留」については、歴史で学んだ程度で、数年前に映画化されたものもあるが、当時はあまり興味がなかった。

しかし、今作はロシア人からバレエを習った青年がクラシックバレエの本場、ロシアに抑留されるという物語を村山由佳さんが描いていることに魅力を感じ、手に取った。そして、その内容は予想をはるかに上回るものだった。

戦争体験者の多くが鬼籍に入る中、このような作品は必要であり、語り継がねばならないと強く感じた。

私の中では、本屋大賞候補になった『PRIZE』と同等か、その上をいく作品だった。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

一昨年に読んだ、バレエを題材にした別の作家の小説が自分には合わなかったため、「またバレエか」と思いながら読み始めた。しかし、その印象はすぐに覆される。
本作は500ページに迫る大作であり、目を覆いたくなるほど悲惨な戦争やシベリア抑留が描かれている。読んでいるあいだ、感情を大きく揺さぶられ続けた。

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

極限状態における「バレエへの情熱」と、「戦争の惨さ」の対比が凄まじく、ずっしりとした読み応えがあった。
特に戦後の満州やシベリアでの過酷なサバイバル描写は、現在のウクライナや中東の戦争と重なる部分があり、単なる過去の歴史としてではなく、現代にも通じる生々しい痛みとして深く胸に迫ってきた。
また、重厚な人間ドラマにとどまらず、真実に迫っていくミステリー要素が絶妙なフックとなり、中盤以降の一気読みに拍車をかけた。
そして何より、翠が過酷な運命の中でもずっと想い続け、最後にようやく出会えた結末には深く救われた。極限の泥臭さと、確かな希望の光が味わえる文句なしの傑作。

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2026年04月15日

Posted by ブクログ

村山作品をそこまで読んでいないので、断定するのは恥ずかしいが「風よ あらしよ」を上回る著者渾身の大傑作と思っている。全体プロットと主題、誰に何を語らせるのかの塩梅、そして主人公たる記者の水野果耶と長瀬一平、世界的振付師の久我一臣、水野果耶の祖母さかゑの4者それぞれの生い立ちと思いから浮かび上がる、時代に翻弄されても諦めないそろぞれの夢がタペストリのように交錯する大河小説であり、涙無しでは読めない感動作。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

ものすごいものを読んだな…と読後しばらく呆然としてる。バレエの話かと思いきや、もっともっと奥底のもので、歴史とか勉強したけど、全然たりてないな、もっと戦時のこと知らなくては行けないなと思った。そしてもう二度と繰り返してはいけないということも。若い世代に伝えていかなくてはならないし、

書いてくださって、読ませてくださってありがとうございますと言いたいくらいすごかった。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

バレエと戦争がどのようにリンクしていくのか…想像を遥かに凌ぐ物語。
若き従軍看護婦の翠、さかゑ、美代子、雪絵、鞠子たちの健気さに胸が張り裂けた。また生死の狭間で彼女たちが交わす新潟弁も涙を誘う。シベリア抑留を知り、点と点が線になる…華麗な着地も感動的。

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2026年04月02日

Posted by ブクログ

バレエといえばロシア。
ラーゲリといえばロシア(シベリア)。
過去にロシアで起きたことが、今に繋がっている······。
詳しくは知らなかった現実をこの本で知りました。戦争を潜り抜けてきた一人の男性と当時の従軍看護婦たちの現実がすさまじかったです。

それぞれの上司の編集長から、ボリショイ・バレエ団の来日に向けてなにか面白い企画を、と命じられた長瀬一平と水野果耶。2人が最初に話を聞くことになったのは、世界で5本の指ともいわれる名振付家、久我一臣でした。彼の人生の話を聞くことは、戦争体験を聞くことでした。

本当に声もでないほど残酷なのが、戦争なんだと思いました。戦争が終わってもまだ悲惨なことが続いていたことを、ここまで詳しくは知りませんでした。この本を読むことで、戦争が人を人でなくしてしまうことが、よくわかりました。読んでいて辛い場面もたくさんありました。正しさの基準を変えてしまう恐ろしさも感じました。

何があってもやってはいけないことが戦争。
今、本当にそう思います。

DANGERとDANCER。
一文字違いの言葉が伝えてくれることを、しっかりと読むことができてよかったです。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

もう十数年前に亡くなっている祖父は満州にいたと聞いたことがあるし、数年前に亡くなった血が繋がっていないけれども私にとっては本当の祖母だった祖母は戦時中学校で竹槍で敵を突く訓練をしたと言っていたことを覚えている。
その時代に生きていた人たちにとって第二次世界大戦がどのような影響を持つものだったのか、今はもう物語としてしか知る術がなくなりつつある。
読みながら、もし祖父母が生きていてくれたのなら、私はきっと当時の話を聞きに行っただろうなと思った。

戦争が起こると悲惨な状況になる、という知識はあっても、それが実際に自分に近しい人に起こったことがあり、いつ自分の身にも降りかかってきてもおかしくないということを、私はこれまでほとんど意識することなく生きてきた。
そういう日本に生きてこられた幸運に胡座をかいているだけではなく、幸運を幸運にとどめず今後もこの状態が続くことが約束されるように行動しなければいけないと思った。
私に出来ることは選挙に行くことと、こういう本を誰かに勧めることくらいしかないけれど。

私の義母も「征子」さんという。
もちろん戦時中生まれだ。
戦前の小説家が戦前の生活を描いたものを読むと人々の生活は今と変わらなくて、その間にあった戦時中がいかに特殊なものだったかを思い知る。
親は子に付ける名前に願いを込めるものなのだろうが、この名前を付けるような状態であったことを思うと、本当に怖くなる。

村山由佳さんの小説は、読んでいる最中も読み終えた後も色々なことを考えるきっかけをくれる。
私のものの見方を変えてくれる。
そしてもちろんそれだけでなく、物語を物語として楽しませてもくれる。
一臣の物語、翠の物語、果耶の物語、一平の物語。
それぞれがその人なりの人生で、でも、どんな時代であっても人が人を慕わしく思う故の営みは繰り返されていくものだということに、救いを感じ、あたたかな気持ちで読み終えることができた。
とてもよい小説だと思った。

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2026年03月19日

Posted by ブクログ

プロローグ

壮絶にして壮大なる幕開け
そこは、正しく“DANGER ZONE”

ここに突入した瞬間にもう抜け出すことは出来ない
そう、最後まで見届けるまでは


決して目を逸らしてはいけない、、、



本章
『DANGER』壮絶なる輪舞曲に★5
『PRIZE』に次ぐ村山由佳さんの最新作

雑誌の編集者である、元バレエ経験者の果邪と
記者の長瀬が元バレエダンサーで現世界的演出家の久我の半生をインタビュー形式で追っていくと、
そこには壮絶なる過去が

そして、その過去と現在とが邂逅した時、偶然が
生み出した奇跡と感動の物語を解き放つ

糸は繋がっていたのだ!!

だたその糸を手繰り寄せたのは、素晴らしい登場人物たちだ


上野水香のボレロが観たい

そう思った!




エピローグ

いつものように一人掛け用の安楽椅子(登場23回目)で本書を読み終えた

“DANGER”と“DANCER”

綴は1字違いだが、当然その意味合いは大きく異なってくる
“危険”と“ダンサー”
一見、相反するようだが、実は表裏一体でもある
ダンサーにとって、怪我は命取り
正に“DANGER”故にだ



私の脳内のDANGER ZONEは、どこにあり
この先どうなってしまうのか!?
“DANCER”のように、華麗に何処かに羽ばたいて
ほしい


最後に切にそう願った(¯―¯٥)8v!




                     完

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦での上海・満州での様子と、シベリア抑留の過酷な状況を描いた作品。
振付家・久我一臣と、戦時中看護婦だった翠の語る戦争は、言葉では言い表せないほどの苦しみを感じるものでした。
過酷な状況下で、死んだ方が楽になれると思いながらも、歯を食いしばり生き抜くことを決めた覚悟。
とても悲惨な状況に目を逸らしたくなるのに、読ませられてしまう物語の吸引力に凄まじいものを感じました。内容はとても重たいのに、村山さんの言葉選びや表現が心地良く、とても読みやすかったです。
久我氏から語られる戦争から、バレエへの想いと思いがけない縁への結びつきにつながるストーリーはさすがでした。戦争について、忘れてはならない悲劇を胸にきざむことができた内容でした。

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

バレエの話かと思い読み始めたが、これはバレエもあるが戦争の悲惨さを伝えるための本だと思いました。翠と久我の生涯が切なかった。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

バレエの話、自分にわかるのか?と思ったが、むしろ戦争の話だった。
満州に住む兵士と少女たちの目線で戦争の末期が語られる。臨場感があって読むのが止まらない、久々の没入感だった。
現代と過去が交互に語られ、それが結びついていく後半は驚きもあって、それも楽しめた。

作者の戦争に対する強い思いも伝わってくる。
小説ができることってあるよねと思った。村山さんもそれを信じて書いてるのだろうなと思う。

朝井リョウが國分功一郎との対談で、「雨のように読者たちに伝えることができるのが小説だ」と言ってたのこういうことなんだろうなと思う。
戦争に負けてすぐ、満州では兵士が先に逃げ一般人を置き去りにしたこと、ソ連兵に女を差し出し命乞いをしたこと、捕虜となっても上官は威張ってたこと、男たちは生きて虜囚の辱めを受けても、女には許されなかったこと。
実感が湧かないこれらの事実を、小説の中で体験し、小説の中の登場人物に感情移入することで、腹の底から腹を立てることができる。
戦争の話なんて、今更特に聞きたくないよと思ってる人も、この小説を読むと、思いっきり戦争を「浴び」てしまう。そして、本当に本当に嫌だ!と思うことができる。

小説の力だよね。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

時は1992年。翌年のボリショイ・バレエ来日公演に向け、雑誌と週刊誌でそれぞれ特集連載を組むことになった長瀬一平と水野果耶。
彼らが取材を進めるうちに、世界的なバレエ振付家・久我一臣と、太平洋戦争中満州に渡り看護隊として従軍した副島翠の半生が交錯する。
シベリア抑留という過酷な体験を経て、なんとか帰国しても郷里では冷たくあしらわれる。戦争に翻弄される弱者の物語は、決して目を背けてはいけないものだとわかってはいても、読んでいてつらい。
自分の祖父母も戦争を体験しているのだが、その話を聞くことがないまま、皆亡くなってしまった。いつでも聞けるものと思っていたのに、いつの間にか戦後80年という時間が経ってしまい、90年代は当事者から戦争体験を直接聞くことができたほぼ最後の年代だったのかも知れないと、改めて思い知る。こうした文学作品が新たな語り部となってずっと語り継がれてほしいと思う。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ボリジョイ・バレエ団の来日が決まり、バレエに関わる連載記事を…という話から記者の長瀬一平と編集者の水野果耶が、世界的振付家・久我一臣にインタビューすることになる。
久我の半生を辿っていくうちに過酷な戦争体験をも知ることとなる。

最初は、バレエに心を奪われて稽古場に通う…というバレエダンサーとしての過酷さや身体の不調などだったが、戦争という逃れようのない渦のなかで体験した話になる。
それが、水野果耶の祖母まで関係していたとは…。

あまりにも悲惨な状況のなか、生きて帰ってこれたということは、それでも幸せだということなのだろうか。
正気でいられる精神を維持することを思うと言葉も出ない。



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2026年05月06日

Posted by ブクログ

シベリア抑留のことをしっかり読んだのは初めて。それも女性が勾留されていたのは初めて知った。バレエも関連していて読みやすい。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めは、若い男女の記者がバレエ振付師の巨匠にインタビューしに行くっていう軽い感じの話だと思ったんだけど、本の大半は第二次世界大戦とシベリア抑留で看護師をしていた女性たちがいかに酷い目に遭っていたか、という内容だった。親友「さかゑ」の名前で生きることを選んだ翠の壮絶な人生。
たまに現代の記者たちの話が挟み込まれて、ひとときの息抜きという感じ。
思っていたのとは全然違ったところに着地したし、夢にも出てくるほど恐ろしい世界だったけど、読んで良かったとは思う。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

戦前、戦時中にもバレエを踊り続けた日本人。
名振付師の久我一臣から話を聞き記事にするため
雑誌編集部に所属する水野果耶と長瀬一平は
久我一臣を訪ねる。

バレエのことは詳しくわからないが
書かれていることをイメージして読み進めた。
ダンサーが頭の中で華麗に踊っている。

戦争の色が濃くなってきたところから
物語の重厚さが増した気がする。

満蒙開拓団の過酷な運命を辿る話は
松原文枝さんの
『刻印 満蒙開拓団、黒川村の女性たち』を読み
少しの知識はあったが
それでも、『DANGER』は強く心に残る一冊となった。
村山由佳さんは中日新聞のインタビューで
「感情的な涙は、波紋が収まるのも早い。
冷静に戦争のディテールと向き合ってもらい、
読者のより深いところまで言葉を届けたかった」と語る。
今回も知るきっかけを作ってくれた一冊と出会えたことが嬉しい。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

ボリショイ・バレエ団が来日公演をすることになり、その前年に主催の新聞社系列である出版社の社員が提灯持ち的な記事を書くことになった。1人は週刊誌で週替りの取材を、もう1人は月刊誌で日本バレエ界の大物である久我一臣に取材し、これまでの彼の足跡を辿る。だが、久我へのインタビューは思わぬ方向に展開し、2人は戦争がもたらした深い傷跡に向き合うことに……。
これは挫折と再生の物語だ。戦争という大きなものもあれば、個人的な喪失もある。それぞれがいかに克服し、乗り越えていくか。その姿に感動すら覚えた。

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2026年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バレエダンサーと第二次世界大戦、シベリア抑留。女性看護師も抑留されていたのは知らなかった。ラーゲリより愛を込めてで男性でも生存は難しかったと知り、生きて日本の地に戻れた人は奇跡だっただろう。なのに日本で死んでしまった、そんな友人がいながら生き続けた水野加耶の祖母の強さ。バレエをほぼ知らないので華やかな世界の現実を見せられ、身体を壊してもなお取り憑かれる魅力を思った。日本女子は辱めを受けたら貞操を守り自死しろと言われるのに男性は違うのか?負け戦になったときに急に生き延びろと言われても、知識があっても考えたことがなかった自分が恥ずかしい。

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2026年04月01日

Posted by ブクログ

世界的なバレエ振付家久我一臣に取材をすることになった出版社の水野と長瀬。
久我のこれまでの人生は戦争と共にある過酷なものであった。
取材をしていくうちに従軍看護婦だった水野の祖母と戦地に赴いた久我との接点も明らかになってくる。
戦争の描写は苛烈で読むのも辛かったが、戦争を知らない世代も知らなくてはいけないことだと改めて思った。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

壮大な物語だった。

バレエをやるために生まれてきたと言っても過言ではない久我でも、戦争からは逃れられなくて、人前で踊りを披露するのは大分後になった。
才能があっても、時代の運なくば実を結ぶことのない厳しさを感じた。
ただ、久我の場合は、後に人の目に留まり、紆余曲折あったものの大成したのは流石だった。そんな成功した彼でも、どこか寂しさや孤独を纏っているように私は感じた。

また、果耶の祖母さかゑの体験はさらに壮絶なものであり、読んでいて辛くなるような描写もあった。人は何でこんなに残酷になれるのか。自国を拡大するためなら、多人種を奴隷のように扱うことに対して何とも思わないのか。本当に嘆かわしい。
家族の反対を押し切ってまで、従軍看護婦に戻った崇高な精神の持ち主であるさかゑに対して、その後訪れる悲劇はあんまりではないか。せめて最後、祖母は報われたのだと思いたい。

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

バレエが切り口の本だったので、読んでみましたが、なかなか本気の戦争モノでした。
これ、バレエ好きの子供が読んだら結構なトラウマレベルな気がする…

「雨と霧」と同じく、何かしらの希望やエネルギーを持って生きている人は、不思議なほどの強さを持っている。

久我さん以外のバレエ関係者はほとんどが実在の人物なので、久我さんはどなたがモデルなんだろうと思いながら読んでいました。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

戦争に翻弄されたバレエダンサーとその周囲の人々の回想の物語りだったと思います。第二次世界大戦時期の中国方面の様子、前後のシベリア方面の様子がリアリティを感じさせる描写で描かれているように感じました。
個人的には、ちょっとバラバラとたくさんのテーマがあって、全体が長いようにも思ったのも事実ですが、物語として適度にピークが散りばめられていて面白い内容と思いました。
星3つの評価といたしました。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

500ページにも迫る超大作だった。
舞台は1992年の日本で、当時のバレエダンサーの苦悩や狂気などが描かれる小説かと思っていたが、まさか戦前・戦時下・戦後のシベリア抑留にまでわたる、壮大な運命の話だったとは驚いた。
激動の時代で、彼らの人生にはそれぞれの無数の出会いと別れがあった。過酷で凄惨な状況を生き延び、長い長い別れの先に、翠と久我さんが最後に再会できたシーンには涙が込み上げた。
ここまで語り手であった、果耶先輩の物語の始まりを予期させる終わり方もよかった。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

タイトルの「DANGER」は危険を意味する。

装幀に描かれているのはバレエダンサー。
それなのに、なぜ「DANCER」ではないのか。

読み進めるうちに、その理由が見えてくる。

世界的振付家・久我一臣にインタビューすることになった長瀬一平と水野果耶。

一臣が語ったのは、バレエの歩みだけではなく過酷な戦争体験だった。

第二次世界大戦に翻弄された人々の描写には胸を締めつけられ、この無意味な戦争が今も続く現実に虚しさを覚える。

そして、一臣とさかゑ(翠)の45年ぶりの邂逅には、込み上げるものがあった。

すべては、生きていてこそ。

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2026年03月21日

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