あらすじ
世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。
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Posted by ブクログ
戦時下を生きたバレエダンサーの過酷な生涯を描いた物語。シベリア抑留と現地での暮らしの苛烈さに、戦争の非情さを改めて思い知らされる。バレエを軸に描きながらも、重厚な戦争小説として心に残る一作でした。
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日本のバレエの歴史を通して、戦時中から現代にかけてストーリーが進み、どんな状況下においても踊る熱意を強く感じました。
悲惨で残酷な時代において美しく気高いバレエが見る人たちには、ひとときの辛い現実を忘れることのできる時間だったんじゃないかなぁと
Posted by ブクログ
もうあの戦争の頃の話を記憶として語り継ぐのはギリギリの年代。一人ひとりに戦争とその物語があったのだろう。祖父母から話を聞かなかったのが今更ながら悔やまれる。
Posted by ブクログ
ええやん!長いけど。
DANGERとDANCERとかけてるのか…
あんまり、バレエとか分かってないけど、踊り子(ダンサー)は、危険。
よく水鳥が優雅に水面をスイスイ泳いでるように見えるけど、水面下は、激しく足を動かしてるような…
満州、シベリア抑留と凄い経験をしても、尚、踊るのはやはりDANGERなんかな。
これは、ダンサーの話もあるけど、戦中、戦後のツラい話しでもある。
ソ連のギリギリに参戦してきて、日本人をごっそり労働力として持って行くのには辟易とするけど、アメリカさんらも知ってるんやろな。
翠さんら、女性たちの悲惨なのも心に残る。
こんな事は、二度と起こさない!って誓って欲しい!
…
しかし、現実は、元二大強国と言われた東西の国が、すぐ終わらせるはずが、今もズルズル戦争しとる。
なぜに、懲りないんかなって思う。
両大統領とも、安全地帯でぬくぬくと決めてるから?
こいつら、最前線で指揮取らせたら、ええやん!( *`ω´)
以下、本文より
「私はね。帰国後にナデジダからいくら勧められても、ついぞキリスト教の洗礼を受けなかった。
神、というものが存在するとはまったく思えなかったんだよ。少なくとも我々の祈りに対してまともに耳を傾けてくれるような神はね」
「戦争を始めるのは権力者たちだが、翻弄されるのは常に弱者だ」
******【映画鑑賞】
o(^-^(-_-(-_-;(・_・(・o・(^~^; ジィ~
******
今回は、ビアガーデン優先の為、アマプラで!
「ミステリー・アリーナ」
これは、配信でしか観んヤツ!(^◇^;)
お〜い!唐沢寿明さん!
なんちゅうカッコしてんねん!
かんちゅうキャラ演じてんねん!
おもろいけど…
謎解き番組やけど、犯人当てミスったら…
_| ̄|○
まぁ、表と裏!陽と陰!で、両極端描いてんねんけど、表がおふざけ過ぎて…
しかし、裏は、エグいし、汚いし、エゴの固まりやし…潰さんと!
最後は、なかなかシリアス…
エンディングは、YMO♪
Posted by ブクログ
これはすごかった。
日本で戦争を経験した者があれば満州で経験し終戦後シベリアへ抑留された者もいた。
世界的バレエ振付師の久我、満州開拓団の翠の目線で戦前から戦後まで描かれた内容に胸が抉られそうになる。
いつだって被害を受けるのは弱い者たち。
どれだけの命と尊厳が奪われ、どこまで酷い目に遭わなければいけないのか。
過酷なんて言葉じゃとてもじゃないけどとうてい足りない。
そんな中、やっと叶った翠と久我の邂逅には涙が出た。
インタビューを通してバレエ経験者の水野果耶がバレエに対して前向きに、また新しい一歩を踏み出せる姿に喜びを感じられた。
ちょっとした希望、だけどとてつもなく大きい。
村山由佳さん、改めてすごいものを書く方だし最近の著書はどれも好き。
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シベリア抑留から日本へ帰還する時には私物をひとつ持ち帰ることを許されなかったと言う。
写真1枚、として。
それを考えると、好きな物や大事な物に囲まれて暮らせるわたしたちはとても幸せなのだと思う。
Posted by ブクログ
今までバレエに興味が無かったがこれを読んでちゃんと動画を観てバレエの理解を深めたいと思った。
日本のバレエの歴史も知らなかったが、勿論どんな分野のものも、歴史を語るには戦争という存在は否が応でも存在する。
過去を語る振付師の語りと、同時に描かれる戦時中の描写。とても痛ましく苦しい現実である。どんな人にも戦争の傷が生々しく残っている。
90年代の設定の作品だが、それが戦争体験を聞ける最後の年代だったのだと思う。
聞き手(狂言回し)の主人公がやけに軽い(チャラい)のは戦争を体験した人との乖離を描くためか(読者の代弁者という役割もあるかもしれない)
体験した人々は語りたくないかもしれない人も多かろうが、戦中を生きた人々の話を子や孫が聞けた最後の時代だったのだろう。
これから先、このようなフィクションでも反戦を訴え続けるべきだし、このようなフィクションを通して実際の現実について国民一人一人が調べ知るべきだと思った。
Posted by ブクログ
この本は……
ヤバいし、すごいし、考えさせられた(三大クリシェ)
はぁ?
ダメです。そんな言葉で語ってはいけません。
舐めてます、バレエ、戦争、シベリア抑留を!
今日は終戦記念日ですね。
戦後81年目。
「終戦」と言ってもそれで終わりではなかった、始まりでもあったのだ。
シベリア抑留と言う過酷な状況に追い込まれた人達が居たことを忘れてはならない。
この本にはその状況に追い込まれた若者達(衛生兵や従軍看護婦)の記録が鮮明に描かれている。
舞台は満州。
私の祖父は陸軍歩兵隊としてそこで活動したらしい。
散々聞かされた。
写真などの記録も残っており、まさに銃を撃ちまくってる衝撃的な写真もあった。
祖父はそこで撃たれ負傷した。
そしておそらくここで描かれている衛生兵や従軍看護婦達に世話になったのであろう。
その人達はシベリアへ拘束されたのに祖父は負傷したおかげか帰国出来た。
愕然、とした……
なんて恵まれてたのだろうと。
でも想像するにどちらも凄まじく過酷な環境だった事に変わりはない。どちらの方が恵まれてた、とかの問題では無いとは思うが……この本を読んだら帰国出来た祖父は運が良かったのだと分かった。
私を通して子ども達に伝える事はしてる、でも事実しか伝わらないと思う。
そこに物語が無いから。
心から訴えるには物語が必要だと思う。
自分達のご先祖さまのリアルと共に、この本を添えたい。
2026.夏
Posted by ブクログ
バレエ界のイイ話を連載するために企画された、あるバレエダンサーの生い立ちを追うルポルタージュは、いつしかソ連参戦後の満洲とシベリア抑留の壮絶な理不尽さに主題が移っていく。特に翠たち看護隊員がソ連兵の標的になる描写は悲惨極まりない。そんな中でも、一臣のバレエ経験、バレエの底しれぬ魅力が一臣と翠のかすかな希望の縦糸になっていく。またその記憶が、聞き手である若者世代の果耶と一平に受け継がれ影響を与えていく。登場人物それぞれの心の動きと決意が伝わってくる、文章の力に圧倒された一冊でした。
また、この物語における「現代」は1990年代前半で、一臣も知っている限りを話す決意をしてくれるが、先の戦争の従軍経験を語ってもらうにはこの設定がギリギリなのかなと思う。
今現在では、もう直接その記憶を聞くことはほぼ叶わないし、存命の方がいたとしても、その体験が過酷であればあるほど口を閉ざしてしまう傾向は強いだろう。記憶を語り継ぐことが難しくなる時代だからこそ、こうした史実をベースにした物語で、「そこに生きていた人たち」の存在を描いてくれることはますます大切になる思うし、今後も(村山さんに限らず)そんな作品を期待したい。
Posted by ブクログ
タイトル。途中までダンサーと読み違えていた。人はみな踊る。だから危険…なのか。悲惨で過酷な戦争の話なのに、先輩、後輩の掛け合い漫才が肩の力抜いてくれる。シベリア抑留、当然女性もいたんだ。「いつ壊れて砕け散ってしまうかわからない危うさとすべてを破壊し尽くすほど危険な美を両方とも身の裡に飼っているのがダンサーという生き物」「金輪際、国のためになることは何一つしない」同じことが80年後の今もウクライナの地で子どもまで巻き込んで繰り返されている、人間の愚かしさ。
Posted by ブクログ
読んで良かった。中国で戦争を生き抜いて、戦後はシベリアに抑留され、帰国した後にバレエダンサーとして成功していった久我と、満州に家族と渡り、看護婦として従軍し、帰国後は幸せに生きていった、さかゑ。当時のあまりにも過酷で理不尽な日々に胸が締め付けられた。戦争の頃の話は色々読んでいるが、まだまだ足りない。
Posted by ブクログ
よかった。
きらびやかなバレエの話ではなく、戦争前後のかくしておきたい話もあって。
歴史の授業って何か知らない場所の伝説のお話を聞いている感覚があったけど、最近は少しずつ繋がっていて自分が歴史の中にいる感じもしてきて。ただただ不思議な感覚。
Posted by ブクログ
あらすじから想像する以上に苦難を描いた作品
バレエに魅せられた一人のダンサーが戦争に翻弄された自身の人生を振り返る
この本の舞台は今より30年以上前で、当時ですら「戦後」という感覚はもはやなく、当然のように平和な日本を享受していた
そこからさらに時はたち、「シベリア抑留」「ソ連」「ヤルタ会談」「関東軍」などはあくまで教科書で習い試験に出される単語としての意味でしか捉えられていなかった
敗戦国としての惨めさ恐ろしさを描くと同時に、開拓民として先に住んでいた人々を追い出していたり土地を結果的に奪っていたり、大和国民と自認し周囲国を見下していたりした当時の価値観も描かれている
村山由佳さんのリーダビリティの高さは流石で子の話はどこへ行き着くのだろうかとグイグイと読まされる
個人的には内省描写や苦悩が書かれている方が好みだけれど、本書に関してはこのぐらいの展開じゃないと読み続けるのが辛いかもしれない
Posted by ブクログ
こんなに偶然が重なるものだろうか? でも
この過酷な過去には、このくらいの偶然でもなければ読むのが辛すぎる…
僕と先輩の関係性が とても良かったなー
Posted by ブクログ
一気に読みました!
ボリショイ・バレエ団の来日を盛り上げていくため連載記事を書くことなった果耶先輩と長瀬くん
2人でバレエダンサー振付師久我一臣のインタビューを軸に、久我氏の幼少期から戦争の話が続きます
バレエ特有の肉体に無理のかかるポーズがことごとく、この世のものとは思えないほどの美しいもの
そのために、女性の持つ本来の肉体にいつか重大な事故に繋がるほどの無理をかけ続けなければバレエの理想に近づけないと言うなら、その理想の型そのものを修正してゆくという久我氏…
そして創作バレエを考え、シニアのためのコンクールでパ・ド・ドゥの部分だけ、久我氏と果耶先輩で踊るという
バレエのため体を故障し心も故障してしまう
そこからの立ち直り方も含めて才能
いつ壊れて砕け散ってしまうかもわからない危うさと、すべてを破壊し尽くすほど危険な美を、両方とも身の裡に飼っているのがダンサーという生き物
だからこそ魅せられてしまう
Posted by ブクログ
シベリア抑留という過酷な戦争体験とバレエを結びつけた重厚な物語。久我が語るシベリアでの出来事は想像を絶する悲惨さで、読むのが辛くなるほどだった。一方、果耶と長瀬のエピソードが重い内容の合間の救いとなる。500ページを超える長編だが最後まで引き込まれた。苦しい場面が多いものの、ラストには希望が感じられる。戦争を描いた作品を読むたびに平和のありがたさを実感する。また、七里ヶ浜が日本バレエ発祥の地であることを初めて知り、その歴史にも興味を持った。
Posted by ブクログ
8月の終戦の時期、
この本を偶然手に取り…
生々しさに息苦しくなりつつ
一気読み。
戦争と、バレエ。
残酷な時代。
たまらない気持ちでいっぱいになりました。
Posted by ブクログ
村山由佳作品は大体読むようにしている。
この作品、表紙を見て『DANCER』じゃないんだ…と思ったけど それは終盤になって分かること。
男性ダンサー、しかも戦前から描かれていて とても好きな題材。冒頭から熊川哲也やボリショイバレエが出て来て引き込まれた。
世界的ダンサーであり振付家でもある久我一臣。彼をインタビューする水野果耶と長瀬一平。二人は大学の先輩後輩。果耶は留学経験もある元ダンサー。
久我一臣のレッスンを受けながら(羨ましい)のインタビューは彼の戦時中からシベリア抑留へと進んでいく。
満蒙開拓団で一家で満州に渡った翠の話、久我一臣の話、そして現代の二人がそれぞれに語られていく。
終戦から引き上げまでの描写が苦しく、そして約束が果たされる時には涙が込み上げた。
本当に戦争はいけない。それでもロシアの大地とバレエは美しい。
ラストまで圧巻の読み応え。読み終えたらしばし放心しました。
Posted by ブクログ
結構なボリューム(ページ数)の本だったが、村山由佳さんなので不安はなかった。きっとぐいぐい読めてしまうだろうと。
冒頭で、本作品はバレエの話だと思った。
もちろんバレエの話ではあるのだけれど、バレエを通して語られる戦争だった。
私にとっては初めての視点。
死と隣り合わせの過酷な日々の中でも、美しいものは美しいと感じ、尊厳も希望も奪われても諦めないで生きてきた人たちの壮絶さがずっしりとくる作品だった。
Posted by ブクログ
私の好きな厚みです♡
この本は、私が高校生〜社会人になり始め、まだ携帯電話は普及しておらず、ポケベルが流行っていた頃が舞台となります。
編集者の水野果耶と、記者の長瀬一平が、バレエの世界的振付家、久我一臣にインタビューするという形式で語られます。
インタビューで彼が語る過去の多くは、戦争体験なのですが、中でもシベリア抑留時代の描写は本当にしんどいです。゚(゚´ω`゚)゚。
久我さんのインタビューと並行して描かれるのは、我らが翠さん(女性)のお話。
ここでも翠さんがΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
翠さんの人生は、波瀾万丈。とにかくキツい。
満州に渡ったって聞いた時から、嫌な予感しかしませんよね(;´д`)
もうその予感、当たりまくりですよ。゚(゚´ω`゚)゚。
ほら、私なんか感情移入型じゃないですか。
泥んこになりましたとも、逃げて逃げて逃げましたとも。゚(゚´ω`゚)゚。
満州からの引き上げの話は、読んでいて辛くて悲しくて泣きたくなりますが、戦争がこんな悲惨なものだと知るためにも、戦争をしないためにも、機会があれば読んでいきたいと思います(T-T)
とても辛いけど(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
皆様の評価が超絶高くて、期待して、期待して、まだ何かある筈だ!まだ出てくる筈だ!と思っていたら終わってしまって、、、かなり引き込まれて一気読みでしたし、めっちゃ面白いのにお星様4つでごめんなさい。
少しだけ言い訳すると、これはちょっと女子には辛く悲しいお話でしたm(_ _)m
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木曜日は、健康診断の二次健診でした。
血糖値で捕まっております。゚(゚´ω`゚)゚。
ついでにLDLコレステロールも高杉くんです(-。-;
行ってすぐ、尿検査と採血。身長体重血圧。
その後保健師さんの指導。
前回一次健診の結果が出てから1ヶ月。
食べ物を出来るだけ野菜からにして大好きなお菓子パンとおやつを殆どやめたところ、
LDLコレステロール は前回値から30減。
血糖値 前回値12減
血糖値のヘモグロビンなんちゃらは、前回値0.1減
全部改善が見られました。
頑張っている項目を報告したら、食べ方も良い、食べるものも良い、運動習慣もよい、、、
でも?
「ビールをもう一本減らせませんか?」
と。
そーよね。だってそこしかないもの。他自分で言うのもなんですけど、ほぼ完璧じゃね?って思いますもん。
「すみません、私 2026/1/1 から、350mlを4本飲んでいたのを3本に改善したんです!
そりゃもう血の滲むような努力だったんです。
もうこれ以上は無理です。゚(゚´ω`゚)゚。」
と頭下げてきました。看護師さん笑ってました(^◇^;)
最後に女医さんの診察。
「たった1ヶ月で数値改善してますね!いいですね!ビール飲むの?」
「はい」
「毎日350を3本?」
「はい」
「1本減らそうか?」
「すみませんm(_ _)m
それだけは、、
それだけは頑張れません。゚(゚´ω`゚)゚。」
「ま、1ヶ月色々頑張ったんだもんね。数値は良くなっているし、じゃ、続けて頑張ってみて、来年の数値見て、また考えてみようか」
明らかに私の 1.5倍くらいありそうな看護師さんと女医さんに健康指導を受け、無事薬を貰うことなく、ビールを減らされることもなく、二次健診が終わりました (๑˃̵ᴗ˂̵)و
めでたし。めでたし。 (*ˊᗜˋ*)♡
Posted by ブクログ
戦争の話。バレエの独特の世界の話。男女のジェンダーの話。人生の生き方の話。
バレエの取材を通して語る過去。編集者の気持ちを揺さぶる壮絶な過去。そして過去と現在がリンクする。
ノンフィクションを見ているような戦争の話は、決して目を背けてはいけないと背筋をピンとさせてくれる。
目を背けてはいけない事実であり、戦争の現実。二度とこんな事があってはいけないと考えさせられる素晴らしい作品。
Posted by ブクログ
読み終えてまるで自分は副島翠(水野さかゑ)の人生を歩んできたような錯覚でどっと疲れた。
バレエの取材で定期的に世界的振り付け師でダンサーでもあった久我一臣に話しを聴きにいくことになった長瀬一平と水野果耶。
現在と過去が交互に綴られていくスタイル。
この一臣の太平洋戦争をはさんだ半生が語られていく。
そしてそこで知り合った女子看護学生たちの過酷な人生も翠の立場から語られていく。
満州からの引き揚げがいかに危険で死を覚悟してのことだったとか。
ロスケから暴力的な強姦の日々。これは決してフィクションではなく実際に起きていたことだと思うと同じ女性としてほんとに腹立たしいし、胸が潰れる思いだ。
でも日本人だって中国や韓国の女性に戦時中は同じようなことをしていたんだからほんとに戦争は絶対してはいけない、
と改めて思ったよ。
果耶の祖母である水野さかゑは癌で入院中。若い頃満州で看護学生でその友だちが副島翠。
なんで友だちの翠目線で語られているのだろう?っとずっと不思議に思いながら読んでいたら、そういうことだったのね。
ほんとの水野さかゑは気まぐれで発砲した弾が窓からふたりで顔を出してたところ隣にいたさかゑに命中して即死。
毎晩強姦されていたロスケの恨みをかい絶対見つけ出して殺すと言われたので戦後のゴタゴタに紛れて戸籍を改ざんしたってことだった。
このさかゑさん(ほんとは翠さん)結局亡くなってしまうんだけど(最後に久我氏と再会できて良かった)年齢が66歳ってあまりに若くてびっくり。勝手に80歳くらいかと思っていたよ。
あっそしたら久我氏との年齢差が変になってしまうのね。
黒川の女たち(映画)もそうだけど、這々の体で帰国して
汚い体と偏見でみられ二重にも三重にも傷ついた女性がたくさんいたことを忘れてはいけないと思った。
Posted by ブクログ
第二次世界大戦、シベリア抑留を経験し世界的バレエダンサー、振付家として活躍する久我氏にインタビューし特集を組むことになった二人の若い男女の雑誌記者。戦争の記憶と現在を行きつ戻りつ物語が進んでいく。時々読み進むのが辛くなる戦時中の描写が出てくる。何度も思うが先の大戦でも現在の戦争でも最も苦しい状況を強いられるのは弱い市民である。今は過去の過ちとその後の経過を見ることができる。現実的な新しい平和が何なのか考えていきたい。
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「父親のシベリア勾留体験からいつかはシベリアを書きたい」と思っていた著者と、「作家には各々書かなければならないテーマがある」と著者の想いを支えてきた五木寛之氏との、対談記事を目にし、読みたいと思った作品。
読み手にとっても重たいテーマ。できれば目を背けたいけど、背けずに知らなくてはならない歴史の事実。
久我にしても翠にしても、想像を絶する苦難を生きてきたはずなのに、その生き様にポジティブさを感じる。バレエの世界を重ね文芸作品として読ませてくれるところも、重たいテーマに読者が向き合えるための配慮にも思えた。久我氏が戦後どのような変遷を辿り世界的な振付師になったかも興味深いところではあった。
戦渦の火が絶えない今の時代だからこそ多くの人に読んでほしい一冊です。
Posted by ブクログ
思っていたよりずーーーっと重い話だった。
バレエに憧れ、日本で本場ロシアの女性から指導を受けるも、戦争がはじまり…。
戦時中の話が重く、辛い。どこまでがリアルか分からないけど、説得力もあり、華々しいバレエから遠ざかっていく。
でも、踊りにかける情熱が彼らを生きながらえさせてくれた。
戦争のむごさを感じ、忘れてはならない気持ちと、それでも生きる強さ、力強さも同時に感じた。
Posted by ブクログ
文中にあった「戦争を始めるのは権力者たちだが、翻弄されるのはいつも弱者だ」という言葉が、読後もずっと心に残っている。
日本におけるバレエの歴史や戦争との関わりも描かれており、その点も非常に興味深かった。時代の空気や心情が丁寧に描かれていて、単なるエンターテインメントにとどまらない奥行きと迫力を感じた。
また、物語の構成もよい。疑問に思ってたことが後半で明らかになる。先が気になってページをめくる手が止まらず、ミステリとしても十分な読み応えがあった。
今年読んだ作品の中でも特に印象に残る一冊で、きっと私の今年のマイベスト10に入る。
Posted by ブクログ
偶然にしてバレエのお話。バレエのお話だけじゃない戦争のお話が、生々しくて恐ろしい。これが世界のいろいろな場所で今も起こっているのか。人間の本性、いや男の本性なのかな、が少しづつでも柔らかくなっていくことを期待したい。
Posted by ブクログ
さすがの可読性、プロットも題材も面白いのに「現在」が1995年の平成初期、「過去」が昭和初期から敗戦とその後の話なのに、周辺と比較した「語り手」の視線と価値観があまりにも「綺麗で正しい令和」過ぎる。過去編の戦争の惨禍を語りたいけど脱臭しきれないその辺りがかなりのノイズだった。
Posted by ブクログ
ストーリー展開や何気ない風景描写に引き寄せられ、登場人物の人生に思いを寄せられたが、こんなに「偶然」は重なるだろうかという違和感に加え、戦争に関する記述が教科書的で、物足りなかった。バレエについては「そういうこともあるかもしれない」と読んだが、いきなり居酒屋でまわり始めるエピソードは実際にあるのかもしれないけど興醒め‥。戦時中のエピソードもほぼどこかで読んだり聞いたりした内容に近く、ある意味時間が遠く過ぎたことを実感した。