【感想・ネタバレ】DANGERのレビュー

あらすじ

世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る過酷な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。

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Posted by ブクログ

あらすじから想像する以上に苦難を描いた作品
バレエに魅せられた一人のダンサーが戦争に翻弄された自身の人生を振り返る
この本の舞台は今より30年以上前で、当時ですら「戦後」という感覚はもはやなく、当然のように平和な日本を享受していた
そこからさらに時はたち、「シベリア抑留」「ソ連」「ヤルタ会談」「関東軍」などはあくまで教科書で習い試験に出される単語としての意味でしか捉えられていなかった
敗戦国としての惨めさ恐ろしさを描くと同時に、開拓民として先に住んでいた人々を追い出していたり土地を結果的に奪っていたり、大和国民と自認し周囲国を見下していたりした当時の価値観も描かれている

村山由佳さんのリーダビリティの高さは流石で子の話はどこへ行き着くのだろうかとグイグイと読まされる
個人的には内省描写や苦悩が書かれている方が好みだけれど、本書に関してはこのぐらいの展開じゃないと読み続けるのが辛いかもしれない

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

こんなに偶然が重なるものだろうか? でも
この過酷な過去には、このくらいの偶然でもなければ読むのが辛すぎる…
僕と先輩の関係性が とても良かったなー

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2026年06月16日

Posted by ブクログ

一気に読みました!
ボリショイ・バレエ団の来日を盛り上げていくため連載記事を書くことなった果耶先輩と長瀬くん
2人でバレエダンサー振付師久我一臣のインタビューを軸に、久我氏の幼少期から戦争の話が続きます
バレエ特有の肉体に無理のかかるポーズがことごとく、この世のものとは思えないほどの美しいもの
そのために、女性の持つ本来の肉体にいつか重大な事故に繋がるほどの無理をかけ続けなければバレエの理想に近づけないと言うなら、その理想の型そのものを修正してゆくという久我氏…
そして創作バレエを考え、シニアのためのコンクールでパ・ド・ドゥの部分だけ、久我氏と果耶先輩で踊るという
バレエのため体を故障し心も故障してしまう
そこからの立ち直り方も含めて才能
いつ壊れて砕け散ってしまうかもわからない危うさと、すべてを破壊し尽くすほど危険な美を、両方とも身の裡に飼っているのがダンサーという生き物
だからこそ魅せられてしまう

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

読み始めたら止まらない、そんな本でした。
バレエの話から、戦争、シベリア抑留へと続いて重い場面もあるけれど、オススメしたい一冊でした。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

バレエ半分、戦争半分の大河小説。
幼少期からバレエに親しんでいるので、とても興味深く、夢中で読み進めました。
わたし自身の所属していたバレエ団の大先生らの恩師たちが生きてこられた時代であり、家族の話としては祖父母が上海〜大連〜舞鶴の経験者。
人ごとでない気がして、ドキュメンタリーかと錯覚しそうでした
読みながら、読んだ後も壮絶な時代を生きた先人たちに思いを馳せる。
暗い時代の話ながら、後味は悪くなかった。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

偶然新聞で紹介されているのを見て購入。
Netflixで不毛地帯を見ていたこともあって、シベリア抑留という共通点から派生したというのも購入の理由です。

途中読み進めるのもつらい点がたくさんありました。
私が思うに、戦時中の出来事や言動に対して様々な感想は抱いたとしても、言葉にして言えないです。今の時代を生きる自分が、あの頃のことを何も理解せずに対岸からジャッジしてるような気がして、何を言っても間違っている?軽い?と思わざるを得ないからです。

どこで見たか忘れてしまったのですが、たしか村山由佳先生が、こういった題材をエンタメとして消費していいのか悩んだというようなことを発言されてました。私も戦争ものに限らず、繊細な話題の際は、小説をはじめフィクションに触れる度同じようなことを思います。
だからなるべく事実を知ろう、学ぼうと思いました。この作品にも、巻末の参考文献にはたくさん記されていました。
自分にはそれしかできないと思うので、何があったのか出来る限り目を逸らさないでいたいです。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

こんな重い話しになるとは。
ダンサーとデンジャーをかけてデインジャーらしいのですが、デンジャーが80%以上に感じます。

編集者の長瀬くん、同じくバレエが大好きな編集者の水野果耶さん二人が、バレエダンサーの久我一臣さんの過去経験談を連載として取材していく
のだが、その過去に出会った翠さんの波瀾万丈物語となっています。

ソ連収容所での久我一臣さんの経験談も凄まじいものがありましたが、満洲で従軍看護婦として務めた翠さんの経験談は本当におそろしく、バレエどころではない展開です。

段々とロシアがキライになってしまいますが、日本兵も同じようなことをしていましたので、なんとも言えませんね。

終戦後満洲に取り残された日本兵や看護婦たちは、ソ連からの悲痛な暴力、拉致、強制労働、レイプ、そして逆らったものは射殺されるという恐ろしい歴史、アクチブというソ連での共産党活動を敗戦した日本の捕虜たちに洗脳させていた歴史も知りませんでした。

嘘のような本当の話しが描かれた小説は個人的に好みなのですが、苦手の方は読むことにちょっと苦痛を感じるかもしれません。

でも本当の「愛」があったので読んで本当に良かったです。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どん底に堕ちてなお、輝きをあきめない。

これは、スゴい作品としか言いようがない…。

タイトルがDANCERではなく、DANGER(危険)である理由は、本作を読むと明らかになる…!!

最初は、久我のバレエに対する想いが記されていたものの、読み終わったら、戦争の話だったなぁという印象が強く残っている。

シベリア抑留の過酷さなど。
久我が、戦争の悲惨な記憶を振り返るシーンを見て、これは、知ってなきゃいけないことだと、、、思った。

この本を読んで、「戦争」は、2度と繰り返してはいけない。
そう改めて感じた。

「面白かった」というよりは、「考えさせられる1冊」
多くの人に読んで、「戦争」について改めて考えてほしい。
(こういう本を多くの人に読んでほしいんだよなぁ…)

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

戦争について分かった気でいた。映画ラーゲリより愛を込めてを観て、シベリアの抑留者のことを分かった気でいた。なんて苦しい時代があったんだろう。本当に心が締め付けられ、泣いてしまった。約80年前、こんなに苦しんで亡くなってしまった命があったこと絶対に忘れてはいけない。

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Danger
Dancer
バレエの物語として興味を持つ方も、
満蒙開拓.シベリア抑留の興味から読む方もいるのだな、そこの裾野、懐の深さ。
最初から最後まで圧巻の、強い、強い物語。
最初のページ、プロローグのような見開きは極度の絶望。
私はシベリア抑留の話と関心持ち手に取ったから、まさにここから始まる壮絶な物語の心構え、身を引き締める思いだが、バレエの話とお読みになれば動揺するだろう。
意外に大手雑誌の編集部、からスタート。東京にくらす若い編集者が、歳をとりまだ現役のバレエ振付演出家を訪ねそこからさまざまなな、ロシア革命で日本に亡命してきたバレエダンサー、ロシア人の物語、縁あって上流階級の日本人が親子で上海に暮らしそこでまた上海亡命中のロシア人たちのバレエ団に参加する話、日本に戻れば赤紙招集で満蒙へ戦後はソ連抑留、戦中の日本で日本人として健気に慰問団に参加したロシア人女性、、、満州からソ連抑留までの長く辛い時間を支え合い思い合った人々、壮大な現代史、戦争と人々の歴史、芸術と戦争文化と戦争、なににもまして食べること、暴力から逃げたり諦めること、帰国を諦めなかったこと、やがて被害者という運命としても満州により良い暮らしを求め期待を胸に赴いた日本からの家族たち、行ってみたらそこに住んでいる人々を家屋や土地を奪う植民であったこと、そこから始まることに敬意を表したい、いかに時間が経とうとも忘れられない、忘れたい、忘れない記憶、バレエを取り戻したり姓名を変えて生き延びる、前に進む力。
壮大な事実に向き合う、若い編集者たち。
力強い小説.表現。脱帽。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

終戦から81年経って日本で戦時体験を有する方が少なくなる中、終戦前後の満州とシベリアの話を真正面から描いている本書は素晴らしかったですね。
本書のタイトルは、危険という意味のdangerとダンサーを掛け合わせた意味を持ちます。
戦争の深い闇だけでなく、バレエという光が照らしてくれる二面生があるおかげで、何とか読み終える事が出来ましたが、フィクションでありながらも大変つらい物語です。
生きる希望も勿論ですが、やはり愚かな戦争を始めない事が何よりも大事ですね。
混沌とした世界秩序の今を生きる我々にとって必読書です。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

読み終えて少し放心しました。
読みやすい文体であっという間に読めたけど、内容は重い。凄く良い作品だと感じました。
かなり食らいました。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

読み終えて、少し放心状態になってしまった。
戦争が人の人生に及ぼす影響の大きさを感じて、でもそれを私が言葉にすると薄っぺらくなってしまうようで…
村山由佳さんのお父様がシベリア抑留の経験があるということで、ある意味ライフワークのような思いをもって書かれたこの作品。
ただ戦争について語られるのではなく、バレエという切り口を使うことが戦争を知らない世代にも物語に入りやすくさせている気がした。
現代、戦中戦後の出来事が様々な人の目線で語られ、それが一つに繋がったラスト、まさに奇跡だなと感じて鳥肌がたった。
タイトル「DANGER」の意味も読み終えると、なるほど!となる。
戦争のこと、バレエのこと…村山さんが絶対に書き残しておきたいと、強く思われたということがしっかりと伝わってくるよう作品だった。

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2026年04月29日

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かなりつらくハードな内容。
村山由佳さんの作品は本当に読みやすくてあっという間に読んでしまうことがほとんどなのだけど、丹田に力を込めながら読み進めました。
戦争は本当に嫌だ。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

「父親のシベリア勾留体験からいつかはシベリアを書きたい」と思っていた著者と、「作家には各々書かなければならないテーマがある」と著者の想いを支えてきた五木寛之氏との、対談記事を目にし、読みたいと思った作品。
読み手にとっても重たいテーマ。できれば目を背けたいけど、背けずに知らなくてはならない歴史の事実
久我にしても翠にしても、想像を絶する苦難を生きてきたはずなのに、その生き様にポジティブさを感じる。バレエの世界を重ね文芸作品として読ませてくれるところも、重たいテーマに読者が向き合えるための配慮にも思えた。久我氏が戦後どのような変遷を辿り世界的な振付師になったかも興味深いところではあった。
戦渦の火が絶えない今の時代だからこそ多くの人に読んでほしい一冊です。

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2026年06月18日

Posted by ブクログ

思っていたよりずーーーっと重い話だった。
バレエに憧れ、日本で本場ロシアの女性から指導を受けるも、戦争がはじまり…。
戦時中の話が重く、辛い。どこまでがリアルか分からないけど、説得力もあり、華々しいバレエから遠ざかっていく。
でも、踊りにかける情熱が彼らを生きながらえさせてくれた。
戦争のむごさを感じ、忘れてはならない気持ちと、それでも生きる強さ、力強さも同時に感じた。

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2026年06月16日

Posted by ブクログ

全然何の話か知らずによんだら熊川哲也の名前が!そこからは引き込まれるように読みました。
中盤から戦争の色が濃くなり物語に深みがましていきます。
従軍看護師達の悲劇と生きようとする力をダンスという芸術とともに描いていてすごい作品

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

4.3
非常に読み応えのある作品
内容としては、1人のバレエダンサーの生涯をおうものだが、そこの大部分を戦争体験が占める
書かれてるのは、壮絶な戦争体験
現代の我々では想像できないほどのリアルがある
途中苦しくもあったけど、戦争体験していない現代の人ほど読んだ方がいいと思える作品だった

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

文中にあった「戦争を始めるのは権力者たちだが、翻弄されるのはいつも弱者だ」という言葉が、読後もずっと心に残っている。

日本におけるバレエの歴史や戦争との関わりも描かれており、その点も非常に興味深かった。時代の空気や心情が丁寧に描かれていて、単なるエンターテインメントにとどまらない奥行きと迫力を感じた。

また、物語の構成もよい。疑問に思ってたことが後半で明らかになる。先が気になってページをめくる手が止まらず、ミステリとしても十分な読み応えがあった。

今年読んだ作品の中でも特に印象に残る一冊で、きっと私のマイベスト10に入る。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

村山由佳さんの作品は没頭させてくれるので好きです。
この作品も展開に引き込まれてあっという間に読み終えました。
性的な描写で残酷な部分があり、そこは夢見が悪かったです、しかし現実はこんなレベルではなかったのでしょうね。
こういうのを読むと戦争がほとほと嫌になります。平和のありがたみが身にしみます。
バレエがわからなくても読めます、どちらかというと戦争の話です。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

バレエに興味がないので、バレエの話ということで、なかなか読む気が起きなかったのですが、読み始めたら、バレエの話というよりも戦争の話でした。
読みやすく一気に読めました。
舞台は1992年頃、若い編集者2人が振付師 久我一臣にインタビューをすることになる。久我と戦時中看護婦だった翠の戦争体験。

満州から撤退するお話だと、宇佐美まことの「羊は安らかに草を食み」
従軍看護婦のお話だと、藤岡 陽子の「晴れたらいいね」・・などが頭に浮かびました。
戦争というと、男性の兵隊さんや、国内の大空襲・原爆の話が多いですが、外国の戦地で女性も壮絶な戦争を体験してるんですよね。やっと帰国したのに差別的な扱いにも悲しくなる。

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

悲惨な戦争体験が描かれるんだけど、そこにバレエを絡めたことで希望や美しさが同時に描かれ、ただの戦争ものではない爽やかさもある。

果耶の再生物語であり、長瀬の成長物語でもあり、ほのかなロマンスの物語でもあって読後がとてもいい。

骨壷に石を入れるシーンでグッときました。

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

看護隊のさかゑさんこと翠さんの物語が壮絶すぎ
戦争とバレエ、
シベリア抑留の歴史に繋がっていく。
DANCERではなくDANGER…危険
哀しくも美しい愛の輪舞曲でした(/--)/

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

バレエの話かと思い読み始めたが、これはバレエもあるが戦争の悲惨さを伝えるための本だと思いました。翠と久我の生涯が切なかった。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

バレエの話、自分にわかるのか?と思ったが、むしろ戦争の話だった。
満州に住む兵士と少女たちの目線で戦争の末期が語られる。臨場感があって読むのが止まらない、久々の没入感だった。
現代と過去が交互に語られ、それが結びついていく後半は驚きもあって、それも楽しめた。

作者の戦争に対する強い思いも伝わってくる。
小説ができることってあるよねと思った。村山さんもそれを信じて書いてるのだろうなと思う。

朝井リョウが國分功一郎との対談で、「雨のように読者たちに伝えることができるのが小説だ」と言ってたのこういうことなんだろうなと思う。
戦争に負けてすぐ、満州では兵士が先に逃げ一般人を置き去りにしたこと、ソ連兵に女を差し出し命乞いをしたこと、捕虜となっても上官は威張ってたこと、男たちは生きて虜囚の辱めを受けても、女には許されなかったこと。
実感が湧かないこれらの事実を、小説の中で体験し、小説の中の登場人物に感情移入することで、腹の底から腹を立てることができる。
戦争の話なんて、今更特に聞きたくないよと思ってる人も、この小説を読むと、思いっきり戦争を「浴び」てしまう。そして、本当に本当に嫌だ!と思うことができる。

小説の力だよね。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

時は1992年。翌年のボリショイ・バレエ来日公演に向け、雑誌と週刊誌でそれぞれ特集連載を組むことになった長瀬一平と水野果耶。
彼らが取材を進めるうちに、世界的なバレエ振付家・久我一臣と、太平洋戦争中満州に渡り看護隊として従軍した副島翠の半生が交錯する。
シベリア抑留という過酷な体験を経て、なんとか帰国しても郷里では冷たくあしらわれる。戦争に翻弄される弱者の物語は、決して目を背けてはいけないものだとわかってはいても、読んでいてつらい。
自分の祖父母も戦争を体験しているのだが、その話を聞くことがないまま、皆亡くなってしまった。いつでも聞けるものと思っていたのに、いつの間にか戦後80年という時間が経ってしまい、90年代は当事者から戦争体験を直接聞くことができたほぼ最後の年代だったのかも知れないと、改めて思い知る。こうした文学作品が新たな語り部となってずっと語り継がれてほしいと思う。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ボリジョイ・バレエ団の来日が決まり、バレエに関わる連載記事を…という話から記者の長瀬一平と編集者の水野果耶が、世界的振付家・久我一臣にインタビューすることになる。
久我の半生を辿っていくうちに過酷な戦争体験をも知ることとなる。

最初は、バレエに心を奪われて稽古場に通う…というバレエダンサーとしての過酷さや身体の不調などだったが、戦争という逃れようのない渦のなかで体験した話になる。
それが、水野果耶の祖母まで関係していたとは…。

あまりにも悲惨な状況のなか、生きて帰ってこれたということは、それでも幸せだということなのだろうか。
正気でいられる精神を維持することを思うと言葉も出ない。



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2026年05月06日

Posted by ブクログ

シベリア抑留のことをしっかり読んだのは初めて。それも女性が勾留されていたのは初めて知った。バレエも関連していて読みやすい。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めは、若い男女の記者がバレエ振付師の巨匠にインタビューしに行くっていう軽い感じの話だと思ったんだけど、本の大半は第二次世界大戦とシベリア抑留で看護師をしていた女性たちがいかに酷い目に遭っていたか、という内容だった。親友「さかゑ」の名前で生きることを選んだ翠の壮絶な人生。
たまに現代の記者たちの話が挟み込まれて、ひとときの息抜きという感じ。
思っていたのとは全然違ったところに着地したし、夢にも出てくるほど恐ろしい世界だったけど、読んで良かったとは思う。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

戦争に翻弄されたバレエダンサーとその周囲の人々の回想の物語り。第二次世界大戦当時の中国方面の様子、その後のシベリア方面の様子がリアリティを感じさせる描写で描かれているように感じました。
個人的には、ちょっとバラバラとたくさんのテーマがあって、全体が長いようにも思ったのも事実ですが、物語として適度にピークが散りばめられていて面白い内容と思いました。
星3つの評価といたしました。

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2026年04月10日

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