村山由佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤から、由佳姉さんはとてもスピリチュアルな方なのではないかと思った。
そしてあとがきを読んで確信した。
しかもこの文庫本が発行されたのは1998年。
今よりもずっと前世についての知識は浸透してなかったはず。
とても興味深く読み、そして楽しめた。
“真に愛した男と一夜を過ごすことが、人の道にはずれたことだとはどうしても思えなかった。人の道に外れるとは、夫がしていることを言うのだ。”
おりんがはやてと関係を結ぶことを頑なに拒むシーン。
若くないから。
10も離れているから。
いやだと言っても思う通りにするのであろう?
これらは全てエゴだ。
そのエゴを見透かしたはやては一言、
「いやなのか?」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
私も恋愛体質である。
でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。
ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
ずっと持っていたい一冊。
”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もす -
Posted by ブクログ
♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~
どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。
久々の、長編もの。
久々の、村山由佳さん。
揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!
不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
ごく普通の夫の姿だ。
姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!
マイホームが夫の仕事場である場合、
妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。
バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
「でっかい決断っていうものはな、
慣れた場 -
Posted by ブクログ
40代の落ち着いた恋愛のお話
房総の古い日本家屋に住む四十代半ばの小説家ハナ
幼少期に家が隣で姉弟のように過ごした4歳下のトキヲ
二人はお互いに二度の結婚と離婚の末に出会い、普段は千葉と大阪と遠距離な恋愛をしている
季節の移り変わりと共に描かれる、ハナとトキヲの大人の物語
文学性に関しては、解説の小手鞠るいさんが指摘しているように
「雨」という単語を使わずに雨の降り始めを表現していたりと
五感のすべてを動員して想像させられるような文章が美しい
一年間に渡る四季折々の情景や生活に密着した季節感は、流石は村山由佳さんだと思う
お互いの想いにしても、激しい感情ではないけれども
落ち着いた心持 -
Posted by ブクログ
ざくざく刺さって痛かった。手元に置くために買おうか、ちょっと迷っている。
「成長期に着ていた、とても好きな服」の例えがつらかった。
大好きで、似合っていて、心が安らぎ昂ぶりももたらしてくれる、最愛の服。でもからだが大きくなって、着られなくなってしまった。でも大好きなのだ。大切にしまって、掌で優しく撫でたりする。そうすると癒されるし、なくてはならないものだと感じる…でももう、着ることはできない。骨格が違ってしまっているのだから。
それは人に対してもそうだとしても、自分のガワについても言えること。私はこれまでの「ガワ」をどうしても捨てられない。もう私の姿には合わないモノになってしまったけれど、そ -
Posted by ブクログ
再読
とにかく、モロッコの風景描写が素敵。
フェズの旧市街、マラケシュの市場、サハラ砂漠…まるで自分も一緒に旅しているような気分になる。
写真や映像以上に、文字だけで匂いや光、その場の空気感までもが頭の中に広がる。
ミントティー、ヘンナの刺青、ファティマの手…現地で見てみたいな。
風景描写もだけど、心理描写もとても繊細。
周の遺言で、サハラに遺灰をまく旅に出る4人。
弔いの旅の中で、彼らがそれぞれ大切な人への想い、自分自身の内側を見つめ直していく。
姿のない周が、彼らに寄り添う。
切なく悲しい旅のはずなのに、どことなく穏やかで優しさを感じる。
ラストまで読んで、タイトルに納得。
目に浮かぶ