あらすじ
南房総の海沿いの町で、古い日本家屋に愛猫と暮らす小説家のハナ。二度の離婚をへて、人生の後半をひとりで生きようとしたときに巡り合ったのは、幼少期を姉弟のように過ごした幼馴染のトキヲだった――。四季のうつくしい巡りのなかで、喪失も挫折も味わったふたりは心も体も寄せ合いながら、かけがえのない時を積み重ねていく。あたたかな祝福に満ちた、大人のための傑作恋愛小説。
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村山由佳さん、初でとても良かった。
近すぎて遠い存在だった幼馴染のトキヲとの、はつ恋。お互いに人生の紆余曲折を経て、酸いも甘いも経験して、再会して、人生を一緒に編むようになる。
『汝、星のごとく』に似ていて、学生時代のまだ恐れを知らない眩しすぎる恋愛とは程遠いけれど暖かくて大木の幹のような恋愛。
月毎の草花や旬の食べ物、季節の移ろいを感じるも良し、大人の恋愛小説として、関西弁のトキヲにときめくのも良し。
個人的には認知症を患った母と、取り残され着実に老いてゆく父とハナの家族の描写がとても好きだった。哀愁たっぷりで鼻がツンとするような切なさがあるけれど、リアルで暖かくてホッとした。
「彼があのトキヲであるからこそ、父親だって素直に甘えられるし、リラックスしていられる。何もわかっていないように見える母親でさえ、そうだ。ぱっと見はいかにもむくつけきトキヲに、こんなにも安心して肩を預けているのは、その二つの手がもっとずっと小さかった頃に自分の肩の上にあったのを、どこか心の深いところで覚えているからかもしれない。」
「特別な日のとっておき、などと構えなくても、人生には特別でない一日なんかないのだから、毎日、気分の上がるものを選んで、着て、めいっぱい使う。使われるのがモノの使命だ。使命を全うさせてやらずにとっておくだけでは、それこそもったいない。」
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古い日本家屋の庭の、四季折々の草花や生き物たちの息吹が、鮮明に丁寧に描かれていて、美しい。
何度も読み返して、じっくり味わいたい文章たち。
小説家のハナは、50歳過ぎとは思えない可憐さだし、
恋人のトキヲも40歳過ぎとは思えないたくましさとカッコ良さ。
でも大人同士の余裕もあり、素敵なカップルだなぁ。
お互いの寂しさをちゃんと伝えて、でも自分の領分(仕事や家族のこと)はしっかりやって、愛を育んでいる。
正に「大人の恋愛小説」。
巡る季節を共に生きている幸せを噛み締めたくなる、そんな小説でした。
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幼なじみだった2人が、また出会って過ごす。なんだかいいなって思いました。自然や食べもの、家族や近所の人とのつながりなどの情景も幸せに想像できてよかった。
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トキヲさんの言葉が私の心に寄り添ってくれて癒されました!
子供の頃から普通の家庭じゃなくて、私にだけ母親や祖父や母親の再婚相手やその子供の弟に暴言吐かれたり、暴力振るわれたりされて躁鬱になって、今も辛い日々を過ごしてるんですけど、心が救われました!
この小説に出会えて幸せを感じました!
ありがとうございます!村山由佳先生!
Posted by ブクログ
2025/02/17
ずっと気になってた村山由佳さんのこの本をやっと読み終えることができました。
タイトルからも滲み出る素敵な話の感じ。実際に読んでみてもやっぱり素敵な話でした。
幼少期の幼馴染であるハナとトキオはそれぞれご結婚や離婚を経験し、子どもいたりと人生の次のステップに進んでいたもの同士で再開し、改めて恋人関係から作り上げていくお話です。
大阪に拠点があるトキオと、南房総で暮らすハナはとても遠距離な恋愛をしていますが、お互いに気持ちが通じ合っていると言うのはこう言う関係のことなのかと、それぞれの話を読むにつれてその感じが増していきます。
恋愛に年代や年齢は関係ないんだなと思う一冊です。
Posted by ブクログ
村山さんに再びハマっている。
主人公のハナは大人の女性だけどどこかかわいらしくて好きだし、トキヲは関西弁や言動の色々に魅力を感じる。
恋愛、家族の話も、日々のくらしもどれもよかった
面白かった!
Posted by ブクログ
キュンとする作品でした。
と言っても、青春ラブロマンスではなく、
恋の駆け引きでもなく、日常を切り取って描いた作品でした。
なんかホッコリしました。
Posted by ブクログ
解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
私も恋愛体質である。
でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。
ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
ずっと持っていたい一冊。
”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もするであろう自分を感じられる。こんなことは初めてだ。この感情をなんという名前で呼べばいいのかわからない”
”せっかく今を一緒に過ごしているのに、また離れなくてはいけなくなることばかりを考えて、悲しさや寂しさを先回りして感じてもなにも意味はない”
”人は、その時の精いっぱいで行き、流れ流されて何処かへ辿り着く。流れ着いた先で日々を愛おしく思えるなら、それを幸せと呼ぶのだろう”
”人生にはとっておきなんてない。毎日がとっておきなのだから”
”あなたは余命1ヶ月と宣告されました。最後の日々を誰と過ごしたいですか?”
”誰にされても不快だった「頭ぽんぽん」がトキヲにされると心地いい”
”台所と風呂とトイレの掃除にはクエン酸とハッカ油を少し加えると水垢も落ちて香りもいい”
”過去を美化し過ぎて、自分を責めて後悔するのはあかん”
”自分のことすら好きでいられなかったら、人生を愛おしみ、日々の生活に花を飾ろうとも思えないだろう”
”お互いの記憶の一つ一つが二人を繋ぐ物語になる”
Posted by ブクログ
40代の落ち着いた恋愛のお話
房総の古い日本家屋に住む四十代半ばの小説家ハナ
幼少期に家が隣で姉弟のように過ごした4歳下のトキヲ
二人はお互いに二度の結婚と離婚の末に出会い、普段は千葉と大阪と遠距離な恋愛をしている
季節の移り変わりと共に描かれる、ハナとトキヲの大人の物語
文学性に関しては、解説の小手鞠るいさんが指摘しているように
「雨」という単語を使わずに雨の降り始めを表現していたりと
五感のすべてを動員して想像させられるような文章が美しい
一年間に渡る四季折々の情景や生活に密着した季節感は、流石は村山由佳さんだと思う
お互いの想いにしても、激しい感情ではないけれども
落ち着いた心持ちの中で本当に相手の事を想い、また想われているというのがわかる
遠距離な事情、親や家族との関係など、若い頃にはなかった事情が付帯しているけれども、大人の恋愛はこうありたいと思わせられる雰囲気を感じる
読んでいる途中で作家の経験がどこまで投影されているのか、不安になる
作中でも、エッセイと小説のどちらの方がフィクション要素が強いかについて語られている
エッセイはどこまで出すのか線引きができるけど、物語の場合は境界線を引くことができない
これは正にこの物語が自伝的なものである証左なのではないかと思った
離婚歴や房総での季節に密着した生活、そして幼い頃からの想い人との関係
若干の差異はあるものの、かなり自己を投影して書かれてあるのでは?と邪推してしまう
村山由佳さんの作品の中で、黒ムラヤマ色が出始めてからはあまり好みではないなと感じていた
四半世紀に渡って刊行されたシリーズが完結してしまった後は、もう白ムラヤマの作品は読めないのかと思った
この作品は、黒ムラヤマ要素はない(ちょっとだけ顔を覗かせかけるけど)
かといって消去法で白ムラヤマ作品というわけでもなく
それなりに人生経験を積んで、紆余曲折があった末の二人の関係性に感じる
母親との確執
親に読まれると何を言われるかという強迫観念からの白い物語
認知症を患った母親からの開放
それらを経てこの物語に至ったと考えると、純白な白ムラヤマ作品だけでなく今後の作品にも期待が持てた
Posted by ブクログ
『恋というのは、若者の特権だと思っていた』
私も思ってました。
でも歳を重ねたからこその関係性だったり、身を焦がすような恋でなく、ゆったり同じ温度の人と時を過ごす大人な恋愛がすごく良かった。
運命の出会いに年齢は関係ないんだな〜
恋愛だけじゃなくて丁寧な暮らしにもまた、魅せられてしまった。素敵なお話でした。
Posted by ブクログ
恋愛小説がそこまで得意ではない私もこちらは好きでした。家や自然、食事といった暮らしの描写がとても美しく、読んでいて心地よかった。空気が澄んでいる感じ。
2人のなんか甘酸っぱいところもありつつ、収まっている関係性が良かった。
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大人の少し余裕があるけれど、若い頃にはなかった悩みがプラスされてからの恋愛。
作者の私小説なのか?と勘ぐったりして。
小手鞠るいさんの解説の熱量がとても良かったです。
Posted by ブクログ
大人の恋愛小説。
著者のエッセイなどを読んでいる人はすぐ分かると思うけど、これは著者自身の私小説?と思うような設定の数々。本当のところはどうなのでしょう。
特に何か大きなことが起きるわけではないけれど、房総の自然の描写・季節の移り変わり・隣のお爺ちゃんとの交流など優しい部分と、恋人との深く濃い愛情のつながり、高齢親との関わり方などが交わって、なんとも言えない情緒のある作品だった。
読後調べてみると、著者のデビュー25周年記念作品で、やはり編集者から「今のパートナーとの幸せな感じを小説でかいてほしい」との要望で書かれたものらしい。
それなら、かなり赤裸々だなぁとも思った。
Posted by ブクログ
甘すぎない大人の恋愛小説。
とにかく描写が綺麗で、季節や温度を感じられる心地の良い文章にうっとり。
関西弁好きの私は、トキヲのセリフにいちいちとろけました(笑)
高齢の親や仕事のことで若い人ほど突っ走れないけどこんな恋愛素敵だな。
小手鞠るいさんの解説に共感しすぎた笑
Posted by ブクログ
人生の後半をひとりで生きようとしていた小説家のハナ。
喪失も挫折も知って辿り着いた、バツ2アラフィフ女子、最後の恋。
それは、はつ恋の相手であり、心身を委ねる深さも初めての恋。
大人のための恋愛小説。
……まあ、多少は思いました。
結婚を2回失敗して、それでも自分で稼げて、人生の後半でまた恋ができる女性って、私の周りにはいないなあと。
でも、それではあまりに侘しい。小説にならない。それもまた、ならなくはないけれど。
恋を求める気持ちはわかる。
でも、好きな人が来るといそいそ料理をするというのは、私はもう無理かなあ。先日のお盆で、いつもより多めの食事を作り続けただけでも、もう十分でございます。
そんな現実感を挟みながら読んでいると、この小説が描こうとしているのは、単純な「人生最後の恋」ではないのだと思えてきた。
家族も、親も、子どもも、それぞれの仕事も、これまでの人生も。
それらを捨てるのではなく、それぞれ収まるところへ収めたうえで、残りの人生を生きていく。
『はつ恋』が『ハルメク』2017年5月号から2018年10月号まで連載された作品だと知ると、なおさら腑に落ちる。
『ハルメク』は、人生後半を迎えた女性の「これから」を応援する生活・人生情報誌。
そう考えると、ここで描かれる「幸せ」は、若い頃のように恋だけが人生の中心になることではないのかもしれない。
いろいろなものを抱え、いろいろなものを諦め、それでも自分の人生を自分で引き受ける。
そのうえで、言いたいことを言えて、心も身体も委ねられる相手がいる。
それは確かに、人生の後半に訪れる幸せなのだろう。
そして「はつ恋」というタイトル。
ツルゲーネフの『はつ恋』を意識したものなのかは、作者自身の明言を確認できなかったけれど、もしそうなら面白い。
少年が初めて知る恋ではなく、人生をひと通り生きてきた女性が、もう一度「初めて」を知る恋。
Posted by ブクログ
特に何か起こるわけでもない、穏やかな恋愛小説。
少女漫画に出てくるようなキラキラした恋人でもないし、身を焦がすほどの燃える恋でもないし、ライバルも出てこない。
常にべったりではなく、適度な距離感で生きている二人。
幼馴染だからこその関係性なのか、40代という年齢のせいなのか、流れる時間がゆっくり感じられました。
二度の離婚を経験して、それなりに恋愛して、もう一人でもいいかと思った先に待っていた再会。
そこで本当に初めての恋と呼べる相手に出会えた。
人生捨てたもんじゃないって思えますね。
Posted by ブクログ
季節を移ろいを感じられる大人の恋愛小説。二度の離婚を経て、いろいろな感情を味わった2人だから、恋の駆け引きはなし。メンタルの落ち着いた2人に共感できる場所がたくさんあった。
Posted by ブクログ
2026/06/13
南房総の町の古民家で暮らす主人公のハナ。
2度の離婚を経験し、現在は幼馴染で恋人のトキオと遠距離恋愛中だ。
庭のたくさんの植物と共に紡がれる大人の恋愛小説。
作品の中で、若い頃の恋愛は不自由だったと書かれている。
将来のこと、出産のこと、家族のこと…考慮することがたくさんあるから。
そこにはとても共感した。
でも50代になって、ただシンプルに好きだと思える人と共に生きるというのは、どういう感じなんだろうなぁ。
しかも、古民家でたくさんの植物に囲まれて、自然を感じながら暮らす毎日はとても自由で憧れてしまう。
特にいいなと思ったのは、庭を通じた近所のおじいさんとの交流。
「庭はひとを繋ぐ。」
ご近所付き合いは避けられがちだけれど、人と人が程よい距離感で交流を深めることはとても心地よいことなのだろうなと思う。
恋愛小説ではあるけれど、人が季節と共にただ生活を営む姿が、とても印象的な作品だった。
Posted by ブクログ
恋というのは若者の特権だけではない。
こんなにも純粋で無垢な相手への気持ちがある恋愛を、歳をとってもできることは素敵。
自分が大変な時にふと逢いたいと言える・面と向かって感情を爆発させて怒ることができる。どちらも恋愛において大事なことに思えた。
Posted by ブクログ
大人の恋愛を描いた物語。
若い頃の恋愛は、相手との将来を考えてしまい、恋愛そのものを楽しむことができないこともありますが、大人の恋愛にはそういった不自由さが少ないのが魅力。喪失も挫折も味わっている大人だからこそ、相手を思いやる気持ちに深みが出るように感じました。
自然描写や情景描写が心地良く、2人の関係性を彩っています。とても癒される恋愛小説でした。
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エッセイなのかと言うくらい情景が鮮やかで温かく、季節を感じながら二人の人生も垣間見た。読み終えたあとも二人の世界が心に残っていて、その余韻が心地よかった。
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元幼なじみ、バツ2同士の大人な恋。
大人になったからこその余裕、焦り、仕事とのバランス、親の心配など、様々な情景が丁寧に描かれている。
ハナの住む家の四季が移ろうのを感じながら、2人の恋の行方を微笑ましく見守ることができる。
読む年代によって感じることが変わりそう。
大人の遠距離恋愛っていいなぁ。
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二度の離婚を経験しているから得られた恋かもしれないけれど、ハナの今の生活が羨ましい。恋する人とは遠距離恋愛になっているけれどいずれは2人で暮らすことを望んでいる。時々気持ちがすれ違いケンカもするけれど2人の気持ちの根っこのところは強く結ばれているようだ。思いやる気持ちがなければこんな大人の恋は成立しない。定年間際の旦那を持つ同年代は熟年離婚を考える人が多い傾向にあるのにこんな大人の恋をしている人も現実にいるのかと思うと羨ましすぎる。いや、少数派だろうー田舎暮らしも生活力があるからこそ成立するということで現実はどうなのか…
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大人の静かな恋愛小説。
酸いも甘いも経験してきたからこそ出来る、お互いを思いやり情愛深い生き方。
ドキドキするような事件や展開はないけど、
たまにはこういうのもいいね。
四季折々の自然の描写、ていねいな暮らしの主人公。自分には出来ないだろうけど憧れる
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田舎の静かな生活が描かれたお話が好きなのですが、どちらかというと男女の愛情がメインに感じました!
しかし、作中に出てくる季節の移り変わりを感じる花の名前を覚えたくなりました!
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読み進むと、語り手となっている主人公のハナと作者の村山女史とがピタリと重なってくる。
ハナは、自身が自覚しているかなり強烈な恋愛体質、人一倍の寂しがりや、過去に2度の離婚歴、そして千葉の南房総での猫との暮らしなどを考えると、村山女史そのものではと想像してしまう。
生まれて半世紀になろうとしているハナは、もしも自らの心を占める男性が再度出現した時でも、常に恋人気分を味わっていたい性分だ。
がしかし、そんな詮無い願いを語っても寂しいばかりと悟り、これからは一人の豊かな人生後半を過ごそうと、理想郷を求めて千葉南房総へ移り住んだ。
そんな時、38年振りに弟のような存在だった幼馴染のトキヲと再開する。
トキヲもまた2度の離婚歴があるのだが、二人は何故かお互いに繕うことなく素直な付き合いが始まり、3度目の結婚に至る。
トキヲは地元の大阪で一人親方として建築仕事に従事していることもあり、南房総と大阪との遠距離夫婦としての生活だ。
人生の山も谷も越えてから再会した二人は、南房総の美しい牧歌的な風景を背にして、まるで初恋のような瑞々しい恋愛をする。
実際に、人生経験豊富な男女が中年になって落ちた恋なら、ハナとトキヲ夫妻のように、お互いを拘束することなく自然体で付き合えるのかも知れないなと思った。
Posted by ブクログ
40代の大人の恋愛話。房総と大阪の遠距離恋愛を、季節の移り変わりと共に書かれた小説。年老いた親や嫁に行く娘の話しなどこの世代にある話が盛り込まれていました。タイトルのはつ恋は、主人公ハナの相手トキヲが、幼馴染みのハナに幼少期に抱いていた恋心。展開はそんなに激しくないので、ゆったりした物語好きにはよいかもと思います。
Posted by ブクログ
40代で再開した幼馴染の2人の恋模様を描いた作品で、始終2人の甘い雰囲気と小気味良い掛け合いを楽しめる作品でした。
本作の主人公は小説家である「ハナ」と大工である「トキヲ」。幼馴染である2人はそれぞれ2度の結婚と離婚を経験したのち、恋人となる。本作は月ごと+大きな出来事があった時の15個の章に分かれ、2人のその時々のやり取りが描かれるといったストーリー。
全体として2人が寄り添い合う姿が印象的な作品でしたが、それが2度の結婚と離婚を繰り返した40代の主人公たちが繰り広げているということに意味がある作品かなと。
本作でも触れられているのですが、大人になるにつれ分別がつくようになり「恋の賞味期限」が切れたのではないかと悩める方も多いのかと思います。
しかし、想い人の行動に胸がときめくことも、お互いふざけ合って笑い合うことも、子どものように喧嘩することも年齢は関係ないんだよと言わんばかりの展開で、恋に億劫になっている大人の人を励ましているように感じました。
ただ個人的には、ちょっと甘い部分に若干胃もたれしたこともあって評価としては普通になりました。