あらすじ
南房総の海沿いの町で、古い日本家屋に愛猫と暮らす小説家のハナ。二度の離婚をへて、人生の後半をひとりで生きようとしたときに巡り合ったのは、幼少期を姉弟のように過ごした幼馴染のトキヲだった――。四季のうつくしい巡りのなかで、喪失も挫折も味わったふたりは心も体も寄せ合いながら、かけがえのない時を積み重ねていく。あたたかな祝福に満ちた、大人のための傑作恋愛小説。
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Posted by ブクログ
村山さんに再びハマっている。
主人公のハナは大人の女性だけどどこかかわいらしくて好きだし、トキヲは関西弁や言動の色々に魅力を感じる。
恋愛、家族の話も、日々のくらしもどれもよかった
面白かった!
Posted by ブクログ
解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
私も恋愛体質である。
でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。
ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
ずっと持っていたい一冊。
”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もするであろう自分を感じられる。こんなことは初めてだ。この感情をなんという名前で呼べばいいのかわからない”
”せっかく今を一緒に過ごしているのに、また離れなくてはいけなくなることばかりを考えて、悲しさや寂しさを先回りして感じてもなにも意味はない”
”人は、その時の精いっぱいで行き、流れ流されて何処かへ辿り着く。流れ着いた先で日々を愛おしく思えるなら、それを幸せと呼ぶのだろう”
”人生にはとっておきなんてない。毎日がとっておきなのだから”
”あなたは余命1ヶ月と宣告されました。最後の日々を誰と過ごしたいですか?”
”誰にされても不快だった「頭ぽんぽん」がトキヲにされると心地いい”
”台所と風呂とトイレの掃除にはクエン酸とハッカ油を少し加えると水垢も落ちて香りもいい”
”過去を美化し過ぎて、自分を責めて後悔するのはあかん”
”自分のことすら好きでいられなかったら、人生を愛おしみ、日々の生活に花を飾ろうとも思えないだろう”
”お互いの記憶の一つ一つが二人を繋ぐ物語になる”
Posted by ブクログ
大人の少し余裕があるけれど、若い頃にはなかった悩みがプラスされてからの恋愛。
作者の私小説なのか?と勘ぐったりして。
小手鞠るいさんの解説の熱量がとても良かったです。
Posted by ブクログ
元幼なじみ、バツ2同士の大人な恋。
大人になったからこその余裕、焦り、仕事とのバランス、親の心配など、様々な情景が丁寧に描かれている。
ハナの住む家の四季が移ろうのを感じながら、2人の恋の行方を微笑ましく見守ることができる。
読む年代によって感じることが変わりそう。
大人の遠距離恋愛っていいなぁ。