村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よかったです。
とてもすてきな小説でした。
農業をやりたいと言う父親といじめで学校へ行けなくなった小五の雪乃が、曾祖父母が住む田舎へ移住します。離れて暮らす母親との関係や父親の強い思いを読んで、この家族の強さを感じました。小説は周囲の人たちとの交流を通して変化していく雪乃の気持ちをうまく表現していました。
いじめは絶対に許せないことだということ。本当に強い人は、弱音が吐ける人だということ。誤りはきちんと認めて、謝罪すること。多くの場面で、考えさせられた読書でもありました。
小説の始めの頃の雪乃と終盤の雪乃は、気持ちの持ちようがすっかり変わっていました。一年かけて様々な経験をして、ようやく心の傷にかさぶたが出来てよかったと思いました。何よりも雪乃が、待つだけじゃダメだと気づいたことが、一番の突破口だったと思いました。自然に恵まれた環境と、雪乃のことを本当に心配してくれる人たちの言葉が、徐々に染み込んでいったことが大きな要因だったのではと思いました。
また、自分の子どもがつらい目にあったときに変わってあげたいと思う親心は、すごく心に染みました。
裏表紙のストーブの周りに干された五つの手袋。読んだ後に見ると、すごくいい光景に思えました。
季節的には、今の時期にぴったりの一冊でした。
〈目次〉
プロローグ 夢と自由と
第一章 新天地
第二章 美しい眺め
第三章 人間の学校
第四章 名前
第五章 サイダーの泡
第六章 一人前の仕事
第七章 寄り合いの夜
第八章 訪問者
第九章 起き上がり小法師
エピローグ 雪のなまえ -
Posted by ブクログ
全話面白かった!
周りにこういう女の子居たなぁって
どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!
特に刺さったのは
「こっちを向いて」というお話。
仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。
でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO
最後の「獣の夜」は、臨場感がすごい文章で、めちゃくちゃ惹き込まれました。
早く誕生日の友達をサプライズで会場まで連れて行かないといけない、皆が待ってるのに!と焦りつつ、ジビエフェスで楽しくなっちゃってどうでもよくなってきてる主人公。
責任感vsどうにでもなれ( ´∀`)⭐︎
の感情がずっと主人公の中で戦ってるのに、どんどんお酒と料理追加していくのおもろい!笑
わぁーー確かに!!!ってなった文章抜粋
↓ ↓ ↓
「いない人を否定したら女の友情はひびが入りだす。」
「今、自分が置かれている境遇に似た人と仲良くなる。女がともだちを作るときの条件は、基本的にそこにある。ただいま現在の悩みを共有できることが、女にとってともだちになる大切なポイントになりやすい。」
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Posted by ブクログ
久々に、寝る間も惜しんで読みきった。
どの章も良かったが、強いていうなら最終章が一番印象的かな。
慰安婦のことや、戦争中の訓練の詳細が生々しく、衝撃を受けた。
私の祖父は生前、兵役中のことを一切話したがらなかったが、理由がわかった気がする。
謝りたい人に謝れない、
ありがとうを伝えたくても伝えられる術がない、
喜ぶ顔が見たくても、思い出すのは悲しそうな顔ばかり…
そんな後悔の中を生き続けていくということ。
これが、遺された者にとっての一番辛いことなんだろうな。
伝えたい言葉は、ちゃんと伝えていこう。
伝えられることは、当たり前では無いのだから。 -
Posted by ブクログ
下巻。
上巻はあんなにゆるく話が進んでいたのに
下巻になった途端、驚く出来事が次々に
起こっていき、一気に読んでしまった。
ーーなんて後味のいい
″不倫小説″なんだ‥‥ーー
下巻の帯に書いてあるこの文章。
読む前は何が起こるのかと疑問に思っていたけれど、読み進めて行くと納得だった。
複雑ではあるが、もうこれ以上の、
ある意味のハッピーエンドはないのではないか。
こんなにドロドロに不倫をし続けて、
孝之は本当に馬鹿だった。
まんまと美登利に落とされただけなのに、
『自分はまだまだいける』と
自信がついたのだろう。
アホだなぁ。
ある事故によって苦しむことになったが
これも″自業自得″と誰もが思うだろう。
最後までとことん馬鹿だった。
上巻・下巻とあり、ページ数の多い
物語だったけれど、続きが気になりすぎて
久しぶりにこんな一気に読み終えた。
ドロドロしていて本当に面白かった。
2025.12.15(月)
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Posted by ブクログ
広告代理店に勤める43歳の京子は、3歳年下の美容師、孝之と結婚して13年。
穏やかな日々を過ごしているように見えていたが、なんだかお互いに遠慮しあっていた。
ただ、これといって大きな不満はなく、いい関係でいると。
そんな時に孝之のお店のアシスタントとして美登利がお店に通い出したのをきっかけに、夫婦ともにモヤモヤし始める‥。
緩やかにモヤモヤしていく感じがたまらなく良い。
美登利のあざとさというか、若さが強いというか‥。
こんな可愛くて自分のことをたっぷり褒めてくれて気が利く子、男の人は悪い気はしないよなぁと思いつつ、女からするとパートナーの近くにいてほしくない存在だろうなあとも。
結構ドロドロの話が始まると思っていたが、まだ始まらず‥。焦ったい‥。
とても面白い。下巻が楽しみ。
2025.12.10(水) -
Posted by ブクログ
いじめを受けて、学校に行けなくなった雪乃。
そんな雪乃を見て、父親である航介は仕事を辞め、妻の英理子を東京に残して、祖父が暮らす長野で雪乃と新生活を、それも今までやったことのない農業を始めることに。
母親は東京で、父親は長野で農業を、雪乃はまだ学校に行けないでいるが…。
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学校に行けなくなった、ではないと思う。
学校に行くことをやめた、ではないかと思う。
ずっと惰性で続ける方が楽で、適当に誤魔化すことのほうが簡単。
でも我慢する心は確実に疲弊していって、気付かないうちに壊れてしまう。一度壊れるとなかなか治らない。
そうなる前に、学校に行くことをやめることができた雪乃はとても偉くて強いと思う。
逃げる、ってとても勇気がいる。
残った人たちに後で陰口を叩かれるかもしれないし、逃げた先がまた違う闇かもしれない。
逃げられる強さをもつ雪乃、そして、そこに理解を示した父親の航介がとても素敵だと思った。
そして、長野の学校に通う同い年の大輝や曾祖父である茂三、曾祖母であるヨシ江など、周りにいる人たちが本当に温かくて、農業の手伝いを通して成長していく雪乃が何より輝かしく感じた。
きっと彼女は絶対に強く生きることができると思う。
弱さは強さの裏返し。表も裏も弱いなんてこと、この世にないんじゃないかなって思った。
最後のフリーライターによる解説で、この話には重要な要素が3つあって、1つは『いじめと不登校について』、2つめは『地方移住と田舎暮らし』、3つめに『就農』とされていて、他にも別居婚(週末婚)や過疎地での高齢者の生活などの要素が物語に詰め込まれていると解説されている。
本当にその通りで、複数の要素が詰め込まれているからこそ、物語に厚みが出て、吸い込まれるように読んだのだと思う。
ちなみに、わたしはこのフリーライターの解説に加えて、雪乃自身は気付かないけど淡い初めての恋心の語られ方も好きで、結構大事な要素な気がする。
『大人ってかわいそうだな、と思ってみる。寂しいとか、会いたいとか、もっと一緒にいたいとか。そんな風な言葉をなかなか素直に口に出せない。』
ある意味まっすぐな雪乃のこの言葉が、突き刺さりました………。
大人ってかっこ悪いね。
この文字量でも分かるように、本当にこの物語は久しぶりに熱中して読むことができた。
ずっと読んでおきたくて、わざと少しずつ読むくらいには。
都会のカフェで涙をこらえながら読んだのだけど、最後の章でもう我慢できなくて、ギャン泣きしてしまった…
良かった、すみっこの席で。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの最終巻を読みたくて、1作目から再読しようと試みて5年経っていました。第1刷を買ってからずっと家に積読していたとは…
ただ、言えることは1作目から読み直して、しっかりとおいこーのシリーズに浸り直してよかったと思います。
誰もが納得できる終わり方ではないかもしれないが自分としては言うことなしでした。
心を取り戻していく前半は読者としても涙腺崩壊。後半はこのままバッドエンドなんか認めたくないとはらはらしながらも残り少なくなっていくページを捲り。
最後は、やはり勝利とかれんで締めくくられてほんとによかった。
いつかどこかでまたこの作品を読み返したくなる時がくる気がします。
ただの恋愛小説ではなく、家族や友人、愛の物語でした。