あらすじ
父、愛猫に続いて、確執の深かった母を亡くした著者。その母の葬儀で、1匹の猫と出会う。小さなその猫が、止まっていた時間をふたたび動かし……。「譲れないことも、許せないことも、人生に一つか二つあれば充分」「どれほどしんどく思えても、生きてゆく途上で起こるたいていのことは、そう――とりあえず、〈命とられるわけじゃない〉のだ」など、経験からつむぎだされた優しい箴言も随所に。今がしんどい人、老いゆく心身に向き合う人、大切なものを失った人、親との関係に悩む人、そして猫を愛するすべての人に贈る1冊。愛らしい猫たちや美しい軽井沢の写真を、カラー口絵と本文にたっぷり収録!
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Posted by ブクログ
読んでいても猫のかわいさが伝わってくる!
村山由佳さんの猫エッセイを読むと私も猫を飼いたくなります。
お絹との出会いは本当に運命?としかいいようのないもので、猫のほうがこんなに人に懐くということがあるんだな、と驚きました。
Posted by ブクログ
村山さんのエッセイ本は、読んでいてとても心地よいので、すごく好き。
今回は、もみちゃんが亡くなって一年経った日のこと。
実のお母さんが亡くなり、そこに運命と言える絹糸登場。
読んでいて、その出現の仕方や、初めから「この人」って決めているかのようなお絹の行動に、わたしも、もみちゃんが用意してくれたんやー!って思えて、うれしかった。
しかし、お絹、かわいすぎる。。。
Posted by ブクログ
まさにお絹とは運命的な出会い。
もみじ亡きあと著者にとってもお絹(旧名は大福)にとっても双方幸せな出会いだったんだね。
飼いたいと思えばすぐ飼える(半外猫で著者のご実家の南房総の隣家に人から譲ってもらった)環境がうらやましい。
うちは重度の猫アレルギーの息子がいて昔、保護猫を飼い始めたら死にかけた(その時検査で初めてわかった次第)猫は泣く泣く姉にもらってもううことに…。
どんなに猫が飼いたくても飼えなく辛さ。
このエッセイを読むと猫の可愛さが思う存分味わえて幸せになれる。
今、現在父親がっ飼ってた青磁(ラグドール)は亡くなったらしいので一番高齢の銀次、スーパーの張り紙?で見つけた保護猫の兄妹のサスケと楓、運命の出会いお絹とその子たちの朔とフツカの6匹。
軽井沢で幸せに暮らしているんだね。
いとこの旦那様も(背の君)ほんとうに良さげな人で良かった。
Posted by ブクログ
一気に読んでしまった。
そうそう。わかるわ〜という話がたくさん。
最愛の猫、もみじちゃんを失って
自分の母親を失って
そんなときに会ったばかりの人に寄ってきて
ゴロゴロ喉を鳴らす猫ちゃんが居たら。
うん、連れて帰りたくなる。
母親が逝った時にまったく泣けなかったことや
自分の子供を愛せないという話は共感できた。
他人の子供は可愛いし、猫は無条件に可愛い。
最後の銀次の話もほんわかした。
Posted by ブクログ
村山さんのネコ愛があふれています。1歳にも満たない絹糸が子を産むシーンは読みながら力が入りました。そして少し目頭が熱くなりました。同じネコを愛する人間として村山さんという作家がいらっしゃることをとてもうれしく思ってしまうのです。今後にも期待します。
Posted by ブクログ
村山由佳のエッセイを読むのは「晴れ時々、猫背」以来。
いや、20年近く音信不通だった友人を出会ったような気持ちでした。これまでの村山由佳さんの人生を知らずにいる(エッセイを読んでいない)ので、彼女の懊悩や葛藤の重さ深さを共有できずにいます。
それでも、昔から感じている親だから愛することができるわけではない、というのは少なからず共感できる部分であり、いずれ自分も同じく送る立場になるであろうことを考えると、どんな感情を抱くのかは不安ですね。
なんというか、自分の場合空虚な気がする。これまでの暗い感情があるにせよ、何も感じないような気がする。喪失感も解放感も。冷たいかな。冷たいよな。
でも、祖母が亡くなった時もそうだったんだよな。祖父が死んだ時は涙が止まらなかったけども、あれは人が死ぬ、近しい人が死ぬということに対する理解がなかったからなんだというのが自己分析。それを経験してしまった以上、衝撃が来る前に、心が防御するんだと思います。
愛情はかけられている自覚はあるし、不幸な生い立ちなわけでもない。それでも、家族である以上当然であると思われる親愛の情というもの、それが少ないのです自分は。
何か足りない欠けている自分には、それを埋め合い支え合う存在は現れないのでしょう。そばにいるけど気づかない、なんて自分に都合の良い解釈なんてできない。
ジュブナイルの黄金時代が好きでなのは、自分には手に入らなかったものであるからという実感があるからこその、憧れが強く出ているんだと思います。
黒い部分が溢れ出そうになってきたので、この辺で。黒い自分語りしてもね。そこに溺れてしまって抜け出せない。