村山由佳のレビュー一覧
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ネタバレおいコーの最終巻が出たと知って買ってみたら、実に前作から7年も経っていた。全然話覚えてないだろうなーと思いながら読んでみたら所々朧気に覚えていた。ショーリがオーストラリア行ってたのは知らなかったあたり、前作も多分読んでないけど、シリーズを追っていた身としては結末だけはちゃんと読破したい。
ショーリが命の危険にさらされるなんて想像もつかなかった。途中であれ?これ恋愛小説じゃないの?て思った。25年も経つと自分自身も子どもから大人になっているからか、そのまま素直に読むだけでなくて深読みして味わうことができるようになった。
最終巻読めて良かったです! -
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ネタバレ伊藤野枝中心かと思いきや
当時の前衛的グループの群像劇
真偽はわからないが
リアリティがある。
青踏、の時代は政治的な自由だけでなく
性に関しても自由さを求めていたとは
戦う女性がテーマだろうが
当時はこんなに戦ってたのかい
上巻ではまだ大杉栄が顔を出した程度
下巻の期待をしてしまう
ついでにさりげなく恩までうりつけるあたり老獪としかいいようがない
懐に飛び込んできた窮鳥を助けてやらねば、という侠気に自ら酔っ払っているだけで、全体重をかけてよりかかってくるようなノエの激情に流されているというのがほんとうのところだろう。
情緒的なところもありながら、それに流されない理知を持っている、こういうことに向いていると思いますよ、
その誇らしさがみるみるノエの新しい背骨になってゆくのをあきらは肌で感じた -
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ネタバレ序盤から、由佳姉さんはとてもスピリチュアルな方なのではないかと思った。
そしてあとがきを読んで確信した。
しかもこの文庫本が発行されたのは1998年。
今よりもずっと前世についての知識は浸透してなかったはず。
とても興味深く読み、そして楽しめた。
“真に愛した男と一夜を過ごすことが、人の道にはずれたことだとはどうしても思えなかった。人の道に外れるとは、夫がしていることを言うのだ。”
おりんがはやてと関係を結ぶことを頑なに拒むシーン。
若くないから。
10も離れているから。
いやだと言っても思う通りにするのであろう?
これらは全てエゴだ。
そのエゴを見透かしたはやては一言、
「いやなのか?」
「いやならいやと言え」
と、おりんがどうしたいのかを聞く。
このシーンだけでもはやてはいい男だと思った。
この視点25年も前に由佳さんは着眼している。
益々由佳姉さんが好きになった。
ただひとつだけ。
ラストの終わり方はあれで良いのか??と思っていたら、これはおいしいコーヒーシリーズのスピンオフなんだね。
あとがきで由佳さんはこう書いてます。
「読んでくださる方たちに、読んだことを後悔させない小説を書き続けたい」
他の作品も、追います!! -
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ネタバレ解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
私も恋愛体質である。
でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。
ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
ずっと持っていたい一冊。
”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もするであろう自分を感じられる。こんなことは初めてだ。この感情をなんという名前で呼べばいいのかわからない”
”せっかく今を一緒に過ごしているのに、また離れなくてはいけなくなることばかりを考えて、悲しさや寂しさを先回りして感じてもなにも意味はない”
”人は、その時の精いっぱいで行き、流れ流されて何処かへ辿り着く。流れ着いた先で日々を愛おしく思えるなら、それを幸せと呼ぶのだろう”
”人生にはとっておきなんてない。毎日がとっておきなのだから”
”あなたは余命1ヶ月と宣告されました。最後の日々を誰と過ごしたいですか?”
”誰にされても不快だった「頭ぽんぽん」がトキヲにされると心地いい”
”台所と風呂とトイレの掃除にはクエン酸とハッカ油を少し加えると水垢も落ちて香りもいい”
”過去を美化し過ぎて、自分を責めて後悔するのはあかん”
”自分のことすら好きでいられなかったら、人生を愛おしみ、日々の生活に花を飾ろうとも思えないだろう”
”お互いの記憶の一つ一つが二人を繋ぐ物語になる” -
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♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~
どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。
久々の、長編もの。
久々の、村山由佳さん。
揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!
不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
ごく普通の夫の姿だ。
姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!
マイホームが夫の仕事場である場合、
妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。
バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
「でっかい決断っていうものはな、
慣れた場所にいたんじゃ
いつまでたってもできねえもんなのよ」
矢島の言う通り!
結婚、仕事、子育て、
女性が抱える問題は、いつの時代もたくさんある。
涼子のように仕事を生きがいにしていても、
病気や老いや、先々の不安はつきもの。
支えあう友人や仲間が必要だ。 -
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40代の落ち着いた恋愛のお話
房総の古い日本家屋に住む四十代半ばの小説家ハナ
幼少期に家が隣で姉弟のように過ごした4歳下のトキヲ
二人はお互いに二度の結婚と離婚の末に出会い、普段は千葉と大阪と遠距離な恋愛をしている
季節の移り変わりと共に描かれる、ハナとトキヲの大人の物語
文学性に関しては、解説の小手鞠るいさんが指摘しているように
「雨」という単語を使わずに雨の降り始めを表現していたりと
五感のすべてを動員して想像させられるような文章が美しい
一年間に渡る四季折々の情景や生活に密着した季節感は、流石は村山由佳さんだと思う
お互いの想いにしても、激しい感情ではないけれども
落ち着いた心持ちの中で本当に相手の事を想い、また想われているというのがわかる
遠距離な事情、親や家族との関係など、若い頃にはなかった事情が付帯しているけれども、大人の恋愛はこうありたいと思わせられる雰囲気を感じる
読んでいる途中で作家の経験がどこまで投影されているのか、不安になる
作中でも、エッセイと小説のどちらの方がフィクション要素が強いかについて語られている
エッセイはどこまで出すのか線引きができるけど、物語の場合は境界線を引くことができない
これは正にこの物語が自伝的なものである証左なのではないかと思った
離婚歴や房総での季節に密着した生活、そして幼い頃からの想い人との関係
若干の差異はあるものの、かなり自己を投影して書かれてあるのでは?と邪推してしまう
村山由佳さんの作品の中で、黒ムラヤマ色が出始めてからはあまり好みではないなと感じていた
四半世紀に渡って刊行されたシリーズが完結してしまった後は、もう白ムラヤマの作品は読めないのかと思った
この作品は、黒ムラヤマ要素はない(ちょっとだけ顔を覗かせかけるけど)
かといって消去法で白ムラヤマ作品というわけでもなく
それなりに人生経験を積んで、紆余曲折があった末の二人の関係性に感じる
母親との確執
親に読まれると何を言われるかという強迫観念からの白い物語
認知症を患った母親からの開放
それらを経てこの物語に至ったと考えると、純白な白ムラヤマ作品だけでなく今後の作品にも期待が持てた