【感想・ネタバレ】ダブル・ファンタジー(下)のレビュー

あらすじ

“オレ様”な志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、取材で訪れた香港で、大学時代に関係をもった先輩・岩井と偶然再会する。夫とも志澤とも異なる“草食系”の岩井との友情にも似た性的関係は、嬉しい誤算となり、彼女をさらなる境地へ導く。そうして男たちとの情事に昂ぶり、乱れ、甘やかな罰を受けることに没頭する度に、生々しい“本当の自分”を確認していく奈津。性の彷徨、官能の果てで見たものは…。作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。

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水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大林。同時に4人と関わるのではなく、常に好きな人は一人というところが女性の特性なのかも。(移行期は交錯しますが……) 心も体も満たされたくて、妥協せず彷徨い続ける奈津の姿は、濃厚な官能表現がありながら、力強く清々しくもあります。かつて恋をしていた人にも、いま恋をしている人にもオススメしたい大人のための小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

綺麗な官能小説。
同作者の「放蕩記」もそうだが、「なっちゃん」というあだ名が自分と同じだから、占ツクの夢小説読んでるみたいな感覚になった。

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2025年03月31日

Posted by ブクログ

はぁ……読み疲れた……

仕事中の香港で昔少し付き合った事がある大学の先輩 岩井にバッタリ出くわす。
香港に詳しい岩井はいろんな所へ奈津を連れて行き満足させる。
別れ際のエレベーターで奈津は言葉を口にする
「友情のエッチしませんか?」
岩井とのセックスは志澤とは正反対だった。志澤の動のセックスに対し岩井は静のセックス。でもそれが奈津の軀にさらなる火をつける。奈津の軀を全て知り尽くしているような愛撫に奈津は何度も果てる。
これ以上軀の相性がいい男はもういないと思った。
しかし奈津の性欲の強さは次第に強くなる。
出版社主催のパーティーで知り合った坊主に誘われホテルで一夜を過ごしたが、たったの十五分で事が終わり不完全なまま分かれてホテルを出る所、出版社主催のパーティー後志澤を尋ねた時にいた役者大林と出くわす。
その後暫くして夫省吾の伯父が亡くなった事で少し落ち込んでいた奈津に大林からメールが届く
「どこかで飲みませんか」
指定された場所はホテルの一室。
必然と軀を重ねる二人。
志澤とも岩井とも違うセックスに奈津は虜になっていく
休暇中、家族旅行でバリ島に行き帰って来た岩井にもう奈津の相手としての居場所はなかった。
どんどん男を変えていく奈津。しかし軀は満足しても心は寂しさを隠さずにはいられなかった。


凄いなぁ、登場人物全てダメ人間て……
下巻は岩井との情事が中心。岩井から離れて大林に移っていく様を寂しく読み進めました。
後、どうしても気になったのは脚本家、志澤
良く言う「芸人は遊んで芸の肥やしにする」を地で行ってる人間
しかし、どうしても器の大きい人間には見えない。
表は虚勢を張って他人を威圧し自分を一生懸命大きく見せようとするがどう見てもどうしようもないただのエロ親父。でした。
なぜこんな批判のような事を書くのかと言うと……凄く面白かったから!
映像化される小説ってやっぱり面白い!
それに官能部分はへたな官能小説より興奮しました。
エロ親父の自分が言うので間違いありません!「まる」

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2018年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

起承転結が大きなドラマではないけれど、今を激しく生きるヒロインに引っ張られてページを捲る手が止まらない。
上巻よりも面白かった。
ヒロインが振り切れたからだろう。
どんなに自由になっても寂しさは付きまとう。
良いラストだった。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

たくさんある恋愛の脚本、芝居の設定を演じている感覚なのかなと思う。1つ終わったらまた次の作品へ。
どれも嫌いではないけれど、今夢中になっているのは目の前で進んでいるストーリー。

この先ずっと、奈津は激しく燃え上がって燃え尽きてを繰り返すのだろうか。
それが不幸なのかどうかはわからない。
自分が納得する生き方が正解なんだと思う。




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2024年05月25日

Posted by ブクログ

手近な肉欲に抗えず、長期的な視野に立てなくなったのは、焦りを覚えたところもあるのかもしれないが、幸せになることを手放したともいえる。いや、はなから幸せなんて捨ててたのかも。

結局は解像度が高い人間が勝つということなのか。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

野獣系の男から、今度は草食系の男に。ようやく落ち着くのかと思いきや、ジョーカー的な男が現れて、今度はそちらへ。
草食系の男の嘆きが哀しい。

結局、主題は、
自由とは、すなわち孤独である。
自由とは自己責任。自分でしたことは、自分で責任を取るしかない。
てことかな。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

上巻の方が苦しかった。下巻はある生き方の「行きつく先」を見せてもらった感じ。

・決して幸福な生き方とは言えないが、それでも今この生き方を選べる限り、奈津はそうするしかないのだろう。身体の熱を冷まし続けることと、自由を求めるのであれば、この結末しかあり得ないのかな。
・自らの「賞味期限」が来た時、奈津はどうするのだろうか。その頃に奈津が枯れ果てていれば良いものの、そうでなければ地獄だ。
・この生き様、この苦しみ、この悦びを作品に昇華できる奈津の才能は幸いだ。凡人はこの生き方に呑まれ、ただ身を持ち崩し、倦んで人生を終わるだろう。その意味で、非常に救いのある舞台設定である。これが無かったら、マジで悲惨。
・手に入れるためには、手放さないといけないのだ。特に、にんげんというものは。

今の私には「昇華」の方法がない。新しい可能性を掴むために、今手の中にある大切なものを手放す勇気もない。ただ「このまま死ぬのはいやだなぁ」とだけ思うだけで、ぼんやり日々を過ごしている。
ので、とりあえず、筆を執った。私だってやってやる。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

坊主のくだりとかクソかと思ったけど。
みんな同じ、結局そんなもん。どちら側にもなりうるということかしら。これ、最後まで読まないとなやつですね。
自由とはさびしい。そこは共感できるなー。
結局のところ不倫してる岩井先輩はあれやねんけどなんか嫌いにはなれない。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

今まで好きだった相手に、1つのきっかけで冷めてしまうこともあり、この作品ではその過程がわかりやすく書かれていた。

同じ言葉でも、その時の相手に対する好感度により感じ方は違ってくるのだということも物語で感じさせられた。

★印象的なフレーズ
「ああ、まずい。たいていのわがままなら飲み下してもみせるけれど、こと寂しさに関してだけは、自分は本当に、ほんとうに駄目なのだ、、、、、、。」

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

『志澤とのセックスで、ほんの何度かだけ垣間見た性愛の極み ー あの境地を、もう一度味わいたいという飢えが、奈津にはある』。

誰もが知っているはずなのに、誰もが嫌いではないはずなのに、そして誰もがその世界を夢見るはずなのに、それでいて人前では決して口にすることのない世界、それが『官能』な世界でしょう。そんな『官能』な世界が描かれた作品をあなたは読んだことがあるでしょうか?

一方で、そんな『官能』な世界を描いた作品は書く側にも悩みがあるようです。”ベッド・シーンをどう書くかということは、非常に悩ましいことでした”と語る村山由佳さんは、その理由を”セックスを通じて、それぞれの男に違う意味合いをもたせるように書き分けなければいけませんから”とおっしゃいます。

そんな村山さんが“自分の殻を破りたい”と挑戦されたこの作品。上下巻で600ページという物量を圧倒的な『官能』の世界に魅せるこの作品。上巻で『官能』な世界に溺れていった主人公・奈都のその後を描いたこの作品。物語はいよいよそんな『官能』の行き着く先を見る下巻へと突入します。

『夕方六時。約束の時間ちょうどに、ペニンシュラの「ザ・ロビー」まで迎えに来た岩井良介』とともに香港の街へと出かけた主人公の奈都。『あなたは、香港は何度目なんですか』と訊かれて『今回が初めてです』と返すと『へええ、それは嬉しいなあ』と案内役ができる喜びを素直に語る岩井のことを『キリン』だと思う奈都。『草食動物なのだ。だからこそ、彼と一緒にいると安心できるのかもしれない』と思う奈都は、『どこから見ても血に飢えた肉食獣』の志澤と岩井を比較します。そして、『ああ、まただ。考えないと決めたのに』と思う奈都は、結局翌日も岩井と過ごします。そして、『自分は、岩井と寝たいのだろうか』と自問する奈都は『志澤から、もういいかげんに気持ちを切り離さなくてはいけない』とは思うものの『かつての記憶をどう掘り返してみても』岩井が『志澤以上の仕事をして自分を満足させてくれるとは思えない』と考えます。『男なら誰でもいい、わけではないのだ』、けれど『志澤とのセックスで、ほんの何度かだけ垣間見た性愛の極み』、『あの境地を、もう一度味わいたいという飢えが』自分にあると思う奈都は『悲しいことに、女には賞味期限というものがある』と自分の年齢のことを思います。そんな奈都は夫の省吾のことを思い出します。省吾の元を離れて三ヶ月が経過した今も『今すぐ戻ってきてくれとは言わないからさ』という夫と『週に一度くらいは電話で話している』奈都は、『ナツッペの気がすむまで、東京にいていいから』と優しく声をかけてくれる夫を『こんなにも理解のある夫を持って幸せだ、と感謝するべきなのだろうか』とも思います。しかし、『もう、あの場所へは戻れない』、『ようやく手に入れた自由を、この期に及んで手放す気にはなれない』と思う奈都。そして、『バーを出たのは、十二時を少しだけ回った時刻だった』と、岩井とエレベーターを待つ奈都は、『ありがとう。東京へ戻ってからも、たまにはお酒でも飲みましょうね』とお礼を言いかけます。しかし、そんな口から出たのは違う言葉でした。『私と ー 友情のエッチ、しませんか』。そして始まった岩井との男と女の関係の中で、『早くいかなくちゃ、なんて考えなくていいから。こっちに気を遣ったりしないで』と優しく囁く岩井に溺れていく奈都の『官能』な物語が描かれていきます。

“自分の殻を破りたいということがありました”と語る村山由佳さんが描く『官能』な物語は、下巻に入ってその『官能』な側面にどんどん光が当たっていきます。そんな『官能』に浸る相手として、上巻では『自称役者の』出張ホストの男、演出家の『志澤一狼太、五十六歳』、夫の高遠省吾、そして最後に大学時代の先輩・岩井良介が下巻での存在感を予感させながら登場しました。そして、下巻では、そんな岩井と香港の街を彷徨う奈都の姿が描かれるところから物語は始まります。『志澤から、もういいかげんに気持ちを切り離さなくてはいけない』と思う一方で『岩井をそのためのテコに使うのは決して褒められた話ではない』と逡巡する奈都は、大学時代の記憶から彼との展開には期待していませんでした。『自分でするよりはましだろうと思った』、『けれど。嬉しい誤算』だったと展開する『官能』な時間。そんな『官能』を『せり上がる頂点。まっさかさまの墜落』と描く場面は見事な比喩に彩られています。『ガラスの針に刺し貫かれるかのような、ほとんど痛みと区別がつかない快感の波動』というその瞬間も奈都を放さない岩井は、『海老のように跳ねまわる腰をかかえこむようにして押さえつけると、ぷっくりと充血しきったそこにむしゃぶりつき、食らった』という強烈な表現。『神経が剥き出しになったしこりを、またしても尖った舌先でまさぐられ、吸いたてられ、耕されて』、『悲鳴をあげながら暴れ狂った』という奈都は『つらい。快感が鋭すぎて、つらい』と感じます。その表現は『腹筋が収縮し、臍の下が攣りそうになる。きつく閉じた瞼の奥で、目の玉がでんぐり返りそうだ』と極まります。そんな風にして岩井に溺れていく奈都が描かれるこの『官能』シーンは、下巻の物語の中で岩井良介という存在を読者に強く印象付けます。

そんな下巻の物語には三人の男性が登場します。一人は上記した大学時代の先輩でもある岩井。次に『精神科医でありながら三十代で仏門に入り、今は仙台で寺を預かる身』という僧侶の祥雲。そして、俳優の大林一也と『官能』を満たすために男を求め続ける奈都。しかし、一方でそんな奈都は自らが行なっている行為を冷静に見据えてもいきます。『夫の省吾と暮らしながら志澤と「浮気」をし、志澤に突き放されて岩井と「浮気」をし、岩井では満たされない寂しさに大林と「浮気」をした』と『官能』を求めて男を彷徨うかのように生きる奈都。そんな奈都は『自分にとってはどれもが「恋」だったなどと言い張っても、誰が信じてくれるだろう』と冷静に自身を見据えます。

そして、奈都は、自分の生き方の原点が母親にあるのではないかと気づいていきます。『しつけっていうより、むしろ恐怖政治っていうか』と厳しい母親の元で育ったという奈都は、『うっかり口答えでもしようものなら容赦なく頬を張りとばされる』と自らが育った過去を岩井に語ります。そんな話を聞いて『あなたは、いまだに〈母の娘〉なんだ。その支配から逃れられずにいるんだ』と語る岩井。そんな『母の娘』という考え方を作品に入れたことを”女性は永遠に母親から支配を受ける対象であるという宿命がある。意識しているかどうかにかかわらず、多くの女性が大なり小なり母親への複雑な愛憎を抱えているんじゃないでしょうか”と語る村山由佳さん。そんな村山さんはそのことが”いいほうに働いて自分を律する何かになればいいんですが、足枷になると辛いですね”と続けられます。『どうしていつまでも断ち切れないんだろう』と母親から離れた今もその影響下にいる自分を感じる奈都の姿は、村山さんが指摘する辛さを体現する存在として描かれているのだと思います。上巻で執拗に描かれた夫の省吾からの強い束縛、そして下巻で指摘される離れても逃れられない母親からの影響、そんな強い支配から逃れようともがき続ける奈都は、『官能』の世界の快楽にその逃げ場を求めたのだと思います。しかし、結局は、そんな中で”「いい子」でいなければいけない状況を自ら作ってしまう弱さ”が奈都にはあるとおっしゃる村山さんは、この作品を書きながら”私自身も奈都と一緒になって悩みぬいていました”と執筆の際の苦悩を語られます。

この作品は下巻に入って『官能』を極めつくすと言っていいくらいに全編にわたって複数の男性との『官能』世界の描写が繰り広げられます。その表現の頂点はどこなのかと思われるくらいに『官能』表現の激しさはどんどん極まっていきます。『太い指が一本、ゆっくりと差し入れられる。奈津は、懸命にそこに力をこめた』、『おしっこだって言う人もいるけど、違うでしょ』、そして『奈津は、獣の声をあげた。だめだ、深すぎる。壊れる… ゆるして、と叫んだ気がする。ごめんなさい、とも』と際限なく描かれるそのシーンは激しさを増し続けます。しかし、不思議なのはそこに穢らわしさを感じないことです。奈都の思いに読者も囚われていく、相手の男性の姿も消え去ってそこに見えるのは『官能』の中に身を浸す奈都の姿のみというこれらのシーン。”本来言葉にするのが難しい感覚を、的確に描いて、読者の感覚を翻弄したい、引きずり回したいという野心があるんです”とおっしゃる村山さん。そんな村山さんの”エキサイティングな部分における一番の挑戦が私にとっては性描写、ベッド・シーンなのかもしれません”と続ける意気込みの強さとその圧巻の筆の力をまざまざと実感しました。

『ここまで来た以上、もう後戻りはしない』と強い思いを自らの行動の先に抱く主人公の奈都。そんな奈都が『官能』の快楽の世界に身を委ねていく様がこれでもかと描かれるこの作品。上巻を圧倒する濃密な『官能』シーンの連続に危うく放心しそうにもなるこの作品。しかし、読み終えて感じるなんとも寂しい感覚に主人公・奈都が背負う人生の寂寥感をそこに感じました。そんな奈都の感覚をまさかのジョン・レノンとオノ・ヨーコのアルバム「ダブル・ファンタジー」に重ねるこの作品。一冊の作品の中で、人の心の根底にある感情に鮮やかに光を当てた、そんな作品でした。

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2022年04月25日

Posted by ブクログ

奈津が、言った言葉も、言われた言葉も自分に思い当たるところがあり、結構刺さる。省吾の情けないところも、私にもそんなところあるなあと思ったり。省吾に自分の気持ちを通せない時も、凄くその気持ちよく分かるなぁ(現在進行形)と思ったり。。。実体験凄い多いんじゃないかと思うくらい、描写がリアルな気がした。
津の年齢が近くて、仕事してて、家庭の外にも世界があるなど、共通するところがあるからかも。
一人暮らし、本当に羨ましい!
官能的な部分が多い割に凄く読み込めた。
でも、好みの問題なんだろうけど私は志澤さんと、大林より、岩井さん派だな。

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2021年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村山先生の著作で初めて読んだ本。奈津の最後の決断が意外だった。次に村山先生の著作を読むなら不倫の無い恋愛小説が読みたいと思った。

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2018年09月24日

Posted by ブクログ

男女の情愛の話が書かれているのに、どこかエロさよりも結婚、恋愛ってなんだろうってところを考えさせられる作品。

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2018年06月08日

Posted by ブクログ

官能小説を読むのが自分にあまり向いてない気がした

ずっと浮気しててイライラしたものの、主人公の性格に己を重ねてしまうところはあった

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

志澤が突然冷たくなったのはその後の何か物語に繋がるのかな?(実は病気になって余命宣告されたからとか)って勝手に想像してたけど、ただ飽きて捨てられただけっていう( ̄^ ̄)

捨てられてメンヘラ化してたナツも性欲満たすために男なら誰とでも寝るような女やし、登場人物皆性欲すごい笑
全員、性に翻弄されすぎやん笑
最後の彼氏の事は本当に恋愛として好きになったのか?でも結局恋愛=性欲やもんな。笑
恋愛から冷める時が1番怖い。に共感した。

実写化されたドラマを1話だけ観てみたけど、志澤とのメールのやりとりが省略されてて、ただただやりたいだけの強面エロじじいできしょすぎた笑
仕事で会ってすれ違いざまに耳元で「なぁ、俺とセックスしたいか?」って聞いてくるジジイキモすぎるやろ笑
小説では、メールでじわじわ仲良くなっていって、お互いの恋愛テンション高まってのあのセリフやったのに、そこ省略したらキモジジイでしかない。笑

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

約20年前に、女性の性欲をちゃんと描き、話題作となったことは頷ける。文章だって、さすが直木賞作家、文句なしに上手い。のだが、この作品の恋愛至上主義的なところや、全体的に恍惚としているようなところ(あえてその雰囲気を中和させるために俗語を用いるとほぼずっと『色ボケ』している様子)が、読んでいて小っ恥ずかしくなってきて、その世界観に浸りきることはできなかった。
その意味で、私はこの作品の中で言うと省吾的な部分があるのかもしれない。奈津のパンパンになったファンタジーのガス抜きをするように、私も「ナツッペ」と呼ぶなどするだろう。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

いろんな相手と性的関係を持っていますが、お互いに家庭がある以上、100%を相手にあげられるわけではなくて。
それは家庭の有無に関係ないかな。
どれくらい相手に望むか、そのバランスが崩れるとしんどいですね。

同じ相手の同じ言動なのに、あれほど嬉しかったものが鬱陶しくなる。
人間の心は不思議です。

相手に振り回されるほど溺れる恋も、穏やかに浸れる恋も、どれが正解というわけでもなくて。
誰に対しても、他にも関係を持つ男性がいることを隠していないという点では、誠実とも言えるのかな。
きっと彼女は一人の人に留まるタイプじゃないんだと思う。

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2025年06月25日

Posted by ブクログ

内容をよく知らないで読んだらびっくりした。
官能小説だと思って楽しんだ。
香港の戯曲の話がどうなったのか気になる。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

上巻はモラハラ夫がいたこともあり、褒められはしない行為だけど志澤とのやりとりになんとなく共感はできた
下巻は性に対して自由奔放な主人公が自分勝手に見えてしまい、キリンと呼ばれる大学時代の先輩が少し気の毒な気持ちになった…
とはいえ人間の三大欲求のひとつであり、“関係依存”に心当たりのある自分にとっては、主人公をあっさり嫌悪することもできないなと思う

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

物語の構成上では一部と二部に分かれている訳ではないが、実質的に本巻の展開は上巻の流れを受けての謂わば「第二幕」と云ってもいい。脚本家の奈津が夫と別居中に複数の男と床を共にする筋書は、その業界なら日常茶飯事なのかどうかはわからぬが、一般庶民の私には今ひとつ理解し難い行動に映る。岩井との逢瀬にしても、彼の妻子に対する描写が殆ど無いため、まるで未婚者同士の恋愛のように思えてならず、現実味を欠く。花火大会における幕切れはとても良かった。自由であるとは、こんなにも寂しいことだったのか、の一文が心に響く

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2024年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終始、奈津の考えに寄り添うことが出来なかった。
性にだらしない女だ…と。

でも奈津を全面的に否定するつもりもない。その人の価値観や考え方は幼少期の環境によるものが大きいのだと私は思っているからだ。奈津も両親の呪縛から逃れられない被害者のひとりなのかもしれない。

素敵なパートナーがいて、天職があって、埼玉の田舎に大きな家があって、一見幸せな女性にみえるけど。
現状に満足出来ず、色んな男と関係を持ってみて、奈津は最後に気づく。


結局、普段の小さな幸せに感謝できないと、人って幸せになれないのかな〜。

私には同棲中の彼女がいるが、彼女がこうなってしまったら…と考えただけでも不安になるな〜。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

読み終わった後、報われない気持ちになった。
うーん。
気持ちに余裕がある時に読んでよかった、読後に疲労感(笑)

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2021年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

性欲が抑えきれない35歳の脚本家・奈津。

下巻に入り新たな男性が登場する。

結果的に一夜を共にした坊主はほんのチョイ役で、下巻の中盤までは仕事で訪れた香港で偶然再開した岩井との関係が描かれます。

「私と一一友情のエッチ、しませんか」

そう、岩井との関係は奈津から誘ったものです。

岩井も妻帯者でいわゆるダブル不倫。

そして岩井との関係を続けながら俳優の大林との関係をも持ってしまう。

奈津...

何故か愛おしく感じてしまいました。


説明
内容(「BOOK」データベースより)
志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、テレビの取材で訪れた香港で、大学時代の先輩・岩井と久しぶりに出会う。夫とも、志澤とも異なる、友情にも似た岩井との性的関係は、彼女をさらなる境地へと導く。抑圧を解放した女性が、官能の果てで見たものは?作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村山/由佳
1964年、東京生まれ。大学卒業後、会社勤務、塾講師などを経て、93年「天使の卵~エンジェルス・エッグ」で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。主な著作に、第4回中央公論文芸賞・第22回柴田錬三郎賞・第16回島清恋愛文学賞を受賞した『ダブル・ファンタジー』「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2021年05月05日

Posted by ブクログ

自分自身の欲というものをまるっきり正確に捉えることは、案外難しい。プライドの高い女なら尚更だろう。自分はこうあるべきだ、こういう人間だ、と思い込めば思い込むほどにその理想を叶える欲求が満たされこそすれ、芯にある本能がどこかに置き去りにされてしまう。そして気づかぬ内に蓄積されていく。最も恐ろしいのは、それを制御する糸が千切れる瞬間だと思う。
主人公の奈津の弱さと強かさと、ある種の思い切りの良さが好きだ。けれど多くの場面で辟易ともする。恐らく自分と似た性質が根本にあるからだろう。私も数年後になれば、奈津のように女としての人生を馬鹿みたいに全うし悩み抜くのだろうか。そんな日は一生やってこないで欲しい、ような、怖いもの見たさで少しだけ好奇心を煽られる、ような。
結局、一人で歩いていく人間にとって寂しさというものはすれ違う人の数だけ訪れるけれど、どれも長続きはしないのだろう。奈津のような女にとって、独りは、不治の病だ。肉体を繋げたところで、本当に埋没したかった穴は溝を深めるばかりだろう。そのことに気づかぬ彼女は成熟した大人のようでいて、ただただ我儘な子供のようだと思った。
余談だが、多くの女性は《キリンのまなざし》の男に恋する願望を持っている気がする。変わってしまった先輩に、その後幸せな日常はあったのだろうか。

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2020年05月04日

Posted by ブクログ

村山由佳を読むのは10年ぶりぐらい。「天使の梯子」「海を抱く」等を読んだことがあるのですが、すごく読みやすい。良い意味で、少女漫画の延長線のような。かといってラノベとも違う。なんだろう、この読みやすさ。

恋愛における男女のすれ違いだったり、女性が、受け身ばかりじゃなく能動的に、自分の欲しいもの欲しがったっていいじゃない、と思えるような。でもそんな一言で片付けられるような容易いものじゃなくて、そこに生まれる葛藤や罪悪感、女々しさなどなども描かれていて、興味深く読めました。

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2019年02月20日

Posted by ブクログ

会社で読んでて罪悪感を感じてしまうほど、官能的な内容でした。
映画化されてるんですよね。どんな感じなんだろう・・・。

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2019年01月13日

Posted by ブクログ

果てしなく広がる海を泳ぎ、大きな自由を感じる。
ただ水はいくらでも透き通り自由が溶け出していく。
そこに残る感触はすこし冷く物悲しいだけ。

(以下抜粋)
○「こうしてみると、母親が娘に及ぼす影響ってほんとうに大きいんだなあ。呪縛って言ってもいいくらいに」(P.129)
○<でもね、なっちゃん。俺、愛してるって言葉だけは妻にしか言いません>
 いいんだよ、と奈津は微笑んだ。
 先輩のそういうところも大好きだよ。
 心の底からそう言いながら、こころの底から寂しかった。(P.204)

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2018年12月16日

Posted by ブクログ

上巻では省吾のモラハラ的な支配と志澤との濃密な関係が主だったけど, 下巻は奈津の「自由こその不自由」な葛藤に重きが置かれている。正直下巻は読んでいて良い気はしなかった。彼女の心の闇やタイトル「ダブル・ファンタジー」の意味が明かされるわけだけど, 1mmも共感ができない, 結局職業人としても女としても自立しきれない姿に同性だからこそ苛立つ。
私は杏子さんみたいな女友達がほしい。一緒にスパ行ってただただ体内・心内の毒素を吐き出す会やりたい。

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2018年11月01日

Posted by ブクログ

ストーリー展開が気になって気になって読み終えた頃には深夜3時。
もう十分おなかいっぱいなんだけど続編があるらしい…。

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2018年07月17日

Posted by ブクログ

主に女性の恋愛というか、性欲の話だと思った。作者もそのような人なんだろうなと思いながら読んだ。女性は男性に言い寄られてすぐに寝る、優位に立ってると思い込むけど実際はあばずれだとどこかで見下されるのだ。仕事も男性よりして、奔放な性生活をして、気持ちよくなりながら書いたんじゃないかと思った。

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2018年03月18日

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