あらすじ
“オレ様”な志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、取材で訪れた香港で、大学時代に関係をもった先輩・岩井と偶然再会する。夫とも志澤とも異なる“草食系”の岩井との友情にも似た性的関係は、嬉しい誤算となり、彼女をさらなる境地へ導く。そうして男たちとの情事に昂ぶり、乱れ、甘やかな罰を受けることに没頭する度に、生々しい“本当の自分”を確認していく奈津。性の彷徨、官能の果てで見たものは…。作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
...続きを読む水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大林。同時に4人と関わるのではなく、常に好きな人は一人というところが女性の特性なのかも。(移行期は交錯しますが……) 心も体も満たされたくて、妥協せず彷徨い続ける奈津の姿は、濃厚な官能表現がありながら、力強く清々しくもあります。かつて恋をしていた人にも、いま恋をしている人にもオススメしたい大人のための小説。
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Posted by ブクログ
はぁ……読み疲れた……
仕事中の香港で昔少し付き合った事がある大学の先輩 岩井にバッタリ出くわす。
香港に詳しい岩井はいろんな所へ奈津を連れて行き満足させる。
別れ際のエレベーターで奈津は言葉を口にする
「友情のエッチしませんか?」
岩井とのセックスは志澤とは正反対だった。志澤の動のセックスに対し岩井は静のセックス。でもそれが奈津の軀にさらなる火をつける。奈津の軀を全て知り尽くしているような愛撫に奈津は何度も果てる。
これ以上軀の相性がいい男はもういないと思った。
しかし奈津の性欲の強さは次第に強くなる。
出版社主催のパーティーで知り合った坊主に誘われホテルで一夜を過ごしたが、たったの十五分で事が終わり不完全なまま分かれてホテルを出る所、出版社主催のパーティー後志澤を尋ねた時にいた役者大林と出くわす。
その後暫くして夫省吾の伯父が亡くなった事で少し落ち込んでいた奈津に大林からメールが届く
「どこかで飲みませんか」
指定された場所はホテルの一室。
必然と軀を重ねる二人。
志澤とも岩井とも違うセックスに奈津は虜になっていく
休暇中、家族旅行でバリ島に行き帰って来た岩井にもう奈津の相手としての居場所はなかった。
どんどん男を変えていく奈津。しかし軀は満足しても心は寂しさを隠さずにはいられなかった。
凄いなぁ、登場人物全てダメ人間て……
下巻は岩井との情事が中心。岩井から離れて大林に移っていく様を寂しく読み進めました。
後、どうしても気になったのは脚本家、志澤
良く言う「芸人は遊んで芸の肥やしにする」を地で行ってる人間
しかし、どうしても器の大きい人間には見えない。
表は虚勢を張って他人を威圧し自分を一生懸命大きく見せようとするがどう見てもどうしようもないただのエロ親父。でした。
なぜこんな批判のような事を書くのかと言うと……凄く面白かったから!
映像化される小説ってやっぱり面白い!
それに官能部分はへたな官能小説より興奮しました。
エロ親父の自分が言うので間違いありません!「まる」
Posted by ブクログ
起承転結が大きなドラマではないけれど、今を激しく生きるヒロインに引っ張られてページを捲る手が止まらない。
上巻よりも面白かった。
ヒロインが振り切れたからだろう。
どんなに自由になっても寂しさは付きまとう。
良いラストだった。
Posted by ブクログ
たくさんある恋愛の脚本、芝居の設定を演じている感覚なのかなと思う。1つ終わったらまた次の作品へ。
どれも嫌いではないけれど、今夢中になっているのは目の前で進んでいるストーリー。
この先ずっと、奈津は激しく燃え上がって燃え尽きてを繰り返すのだろうか。
それが不幸なのかどうかはわからない。
自分が納得する生き方が正解なんだと思う。
Posted by ブクログ
手近な肉欲に抗えず、長期的な視野に立てなくなったのは、焦りを覚えたところもあるのかもしれないが、幸せになることを手放したともいえる。いや、はなから幸せなんて捨ててたのかも。
結局は解像度が高い人間が勝つということなのか。
Posted by ブクログ
野獣系の男から、今度は草食系の男に。ようやく落ち着くのかと思いきや、ジョーカー的な男が現れて、今度はそちらへ。
草食系の男の嘆きが哀しい。
結局、主題は、
自由とは、すなわち孤独である。
自由とは自己責任。自分でしたことは、自分で責任を取るしかない。
てことかな。
Posted by ブクログ
上巻の方が苦しかった。下巻はある生き方の「行きつく先」を見せてもらった感じ。
・決して幸福な生き方とは言えないが、それでも今この生き方を選べる限り、奈津はそうするしかないのだろう。身体の熱を冷まし続けることと、自由を求めるのであれば、この結末しかあり得ないのかな。
・自らの「賞味期限」が来た時、奈津はどうするのだろうか。その頃に奈津が枯れ果てていれば良いものの、そうでなければ地獄だ。
・この生き様、この苦しみ、この悦びを作品に昇華できる奈津の才能は幸いだ。凡人はこの生き方に呑まれ、ただ身を持ち崩し、倦んで人生を終わるだろう。その意味で、非常に救いのある舞台設定である。これが無かったら、マジで悲惨。
・手に入れるためには、手放さないといけないのだ。特に、にんげんというものは。
今の私には「昇華」の方法がない。新しい可能性を掴むために、今手の中にある大切なものを手放す勇気もない。ただ「このまま死ぬのはいやだなぁ」とだけ思うだけで、ぼんやり日々を過ごしている。
ので、とりあえず、筆を執った。私だってやってやる。
Posted by ブクログ
坊主のくだりとかクソかと思ったけど。
みんな同じ、結局そんなもん。どちら側にもなりうるということかしら。これ、最後まで読まないとなやつですね。
自由とはさびしい。そこは共感できるなー。
結局のところ不倫してる岩井先輩はあれやねんけどなんか嫌いにはなれない。
Posted by ブクログ
今まで好きだった相手に、1つのきっかけで冷めてしまうこともあり、この作品ではその過程がわかりやすく書かれていた。
同じ言葉でも、その時の相手に対する好感度により感じ方は違ってくるのだということも物語で感じさせられた。
★印象的なフレーズ
「ああ、まずい。たいていのわがままなら飲み下してもみせるけれど、こと寂しさに関してだけは、自分は本当に、ほんとうに駄目なのだ、、、、、、。」
Posted by ブクログ
奈津が、言った言葉も、言われた言葉も自分に思い当たるところがあり、結構刺さる。省吾の情けないところも、私にもそんなところあるなあと思ったり。省吾に自分の気持ちを通せない時も、凄くその気持ちよく分かるなぁ(現在進行形)と思ったり。。。実体験凄い多いんじゃないかと思うくらい、描写がリアルな気がした。
奈津の年齢が近くて、仕事してて、家庭の外にも世界があるなど、共通するところがあるからかも。
一人暮らし、本当に羨ましい!
官能的な部分が多い割に凄く読み込めた。
でも、好みの問題なんだろうけど私は志澤さんと、大林より、岩井さん派だな。
Posted by ブクログ
女性作家による女性の官能小説
主人公の奈津は35歳の脚本家。性欲の強い女性。
夫と共に田舎で暮らすが、夫は主夫。
下巻です。
香港で大学時代の先輩の岩井と出会います。
そして、岩井と関係を持つことに。
ダブル不倫ですね。
TVでよく盛り上がるやつ。
お互い割り切っているっていう感じです。
そんな岩井との関係を続けながら、今度は俳優の大林と関係を持ってしまう。
そこから、新たな境地に。
奈津という女性、自由を求め、自由になると同時に孤独になってしまい、誰かに依存してしてしまう。
そんな感じを受けました。
上下巻通して、いろんなタイプの男と関係を持ったことになりますが、結局は何を求めていたのだろう?って思います。
自由とは孤独..
Posted by ブクログ
志澤が突然冷たくなったのはその後の何か物語に繋がるのかな?(実は病気になって余命宣告されたからとか)って勝手に想像してたけど、ただ飽きて捨てられただけっていう( ̄^ ̄)
捨てられてメンヘラ化してたナツも性欲満たすために男なら誰とでも寝るような女やし、登場人物皆性欲すごい笑
全員、性に翻弄されすぎやん笑
最後の彼氏の事は本当に恋愛として好きになったのか?でも結局恋愛=性欲やもんな。笑
恋愛から冷める時が1番怖い。に共感した。
実写化されたドラマを1話だけ観てみたけど、志澤とのメールのやりとりが省略されてて、ただただやりたいだけの強面エロじじいできしょすぎた笑
仕事で会ってすれ違いざまに耳元で「なぁ、俺とセックスしたいか?」って聞いてくるジジイキモすぎるやろ笑
小説では、メールでじわじわ仲良くなっていって、お互いの恋愛テンション高まってのあのセリフやったのに、そこ省略したらキモジジイでしかない。笑
Posted by ブクログ
約20年前に、女性の性欲をちゃんと描き、話題作となったことは頷ける。文章だって、さすが直木賞作家、文句なしに上手い。のだが、この作品の恋愛至上主義的なところや、全体的に恍惚としているようなところ(あえてその雰囲気を中和させるために俗語を用いるとほぼずっと『色ボケ』している様子)が、読んでいて小っ恥ずかしくなってきて、その世界観に浸りきることはできなかった。
その意味で、私はこの作品の中で言うと省吾的な部分があるのかもしれない。奈津のパンパンになったファンタジーのガス抜きをするように、私も「ナツッペ」と呼ぶなどするだろう。
Posted by ブクログ
いろんな相手と性的関係を持っていますが、お互いに家庭がある以上、100%を相手にあげられるわけではなくて。
それは家庭の有無に関係ないかな。
どれくらい相手に望むか、そのバランスが崩れるとしんどいですね。
同じ相手の同じ言動なのに、あれほど嬉しかったものが鬱陶しくなる。
人間の心は不思議です。
相手に振り回されるほど溺れる恋も、穏やかに浸れる恋も、どれが正解というわけでもなくて。
誰に対しても、他にも関係を持つ男性がいることを隠していないという点では、誠実とも言えるのかな。
きっと彼女は一人の人に留まるタイプじゃないんだと思う。
Posted by ブクログ
上巻はモラハラ夫がいたこともあり、褒められはしない行為だけど志澤とのやりとりになんとなく共感はできた
下巻は性に対して自由奔放な主人公が自分勝手に見えてしまい、キリンと呼ばれる大学時代の先輩が少し気の毒な気持ちになった…
とはいえ人間の三大欲求のひとつであり、“関係依存”に心当たりのある自分にとっては、主人公をあっさり嫌悪することもできないなと思う
Posted by ブクログ
終始、奈津の考えに寄り添うことが出来なかった。
性にだらしない女だ…と。
でも奈津を全面的に否定するつもりもない。その人の価値観や考え方は幼少期の環境によるものが大きいのだと私は思っているからだ。奈津も両親の呪縛から逃れられない被害者のひとりなのかもしれない。
素敵なパートナーがいて、天職があって、埼玉の田舎に大きな家があって、一見幸せな女性にみえるけど。
現状に満足出来ず、色んな男と関係を持ってみて、奈津は最後に気づく。
結局、普段の小さな幸せに感謝できないと、人って幸せになれないのかな〜。
私には同棲中の彼女がいるが、彼女がこうなってしまったら…と考えただけでも不安になるな〜。
Posted by ブクログ
性欲が抑えきれない35歳の脚本家・奈津。
下巻に入り新たな男性が登場する。
結果的に一夜を共にした坊主はほんのチョイ役で、下巻の中盤までは仕事で訪れた香港で偶然再開した岩井との関係が描かれます。
「私と一一友情のエッチ、しませんか」
そう、岩井との関係は奈津から誘ったものです。
岩井も妻帯者でいわゆるダブル不倫。
そして岩井との関係を続けながら俳優の大林との関係をも持ってしまう。
奈津...
何故か愛おしく感じてしまいました。
説明
内容(「BOOK」データベースより)
志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、テレビの取材で訪れた香港で、大学時代の先輩・岩井と久しぶりに出会う。夫とも、志澤とも異なる、友情にも似た岩井との性的関係は、彼女をさらなる境地へと導く。抑圧を解放した女性が、官能の果てで見たものは?作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村山/由佳
1964年、東京生まれ。大学卒業後、会社勤務、塾講師などを経て、93年「天使の卵~エンジェルス・エッグ」で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。主な著作に、第4回中央公論文芸賞・第22回柴田錬三郎賞・第16回島清恋愛文学賞を受賞した『ダブル・ファンタジー』「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
自分自身の欲というものをまるっきり正確に捉えることは、案外難しい。プライドの高い女なら尚更だろう。自分はこうあるべきだ、こういう人間だ、と思い込めば思い込むほどにその理想を叶える欲求が満たされこそすれ、芯にある本能がどこかに置き去りにされてしまう。そして気づかぬ内に蓄積されていく。最も恐ろしいのは、それを制御する糸が千切れる瞬間だと思う。
主人公の奈津の弱さと強かさと、ある種の思い切りの良さが好きだ。けれど多くの場面で辟易ともする。恐らく自分と似た性質が根本にあるからだろう。私も数年後になれば、奈津のように女としての人生を馬鹿みたいに全うし悩み抜くのだろうか。そんな日は一生やってこないで欲しい、ような、怖いもの見たさで少しだけ好奇心を煽られる、ような。
結局、一人で歩いていく人間にとって寂しさというものはすれ違う人の数だけ訪れるけれど、どれも長続きはしないのだろう。奈津のような女にとって、独りは、不治の病だ。肉体を繋げたところで、本当に埋没したかった穴は溝を深めるばかりだろう。そのことに気づかぬ彼女は成熟した大人のようでいて、ただただ我儘な子供のようだと思った。
余談だが、多くの女性は《キリンのまなざし》の男に恋する願望を持っている気がする。変わってしまった先輩に、その後幸せな日常はあったのだろうか。
Posted by ブクログ
村山由佳を読むのは10年ぶりぐらい。「天使の梯子」「海を抱く」等を読んだことがあるのですが、すごく読みやすい。良い意味で、少女漫画の延長線のような。かといってラノベとも違う。なんだろう、この読みやすさ。
恋愛における男女のすれ違いだったり、女性が、受け身ばかりじゃなく能動的に、自分の欲しいもの欲しがったっていいじゃない、と思えるような。でもそんな一言で片付けられるような容易いものじゃなくて、そこに生まれる葛藤や罪悪感、女々しさなどなども描かれていて、興味深く読めました。
Posted by ブクログ
果てしなく広がる海を泳ぎ、大きな自由を感じる。
ただ水はいくらでも透き通り自由が溶け出していく。
そこに残る感触はすこし冷く物悲しいだけ。
(以下抜粋)
○「こうしてみると、母親が娘に及ぼす影響ってほんとうに大きいんだなあ。呪縛って言ってもいいくらいに」(P.129)
○<でもね、なっちゃん。俺、愛してるって言葉だけは妻にしか言いません>
いいんだよ、と奈津は微笑んだ。
先輩のそういうところも大好きだよ。
心の底からそう言いながら、こころの底から寂しかった。(P.204)
Posted by ブクログ
上巻では省吾のモラハラ的な支配と志澤との濃密な関係が主だったけど, 下巻は奈津の「自由こその不自由」な葛藤に重きが置かれている。正直下巻は読んでいて良い気はしなかった。彼女の心の闇やタイトル「ダブル・ファンタジー」の意味が明かされるわけだけど, 1mmも共感ができない, 結局職業人としても女としても自立しきれない姿に同性だからこそ苛立つ。
私は杏子さんみたいな女友達がほしい。一緒にスパ行ってただただ体内・心内の毒素を吐き出す会やりたい。
Posted by ブクログ
主に女性の恋愛というか、性欲の話だと思った。作者もそのような人なんだろうなと思いながら読んだ。女性は男性に言い寄られてすぐに寝る、優位に立ってると思い込むけど実際はあばずれだとどこかで見下されるのだ。仕事も男性よりして、奔放な性生活をして、気持ちよくなりながら書いたんじゃないかと思った。