あらすじ
“オレ様”な志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、取材で訪れた香港で、大学時代に関係をもった先輩・岩井と偶然再会する。夫とも志澤とも異なる“草食系”の岩井との友情にも似た性的関係は、嬉しい誤算となり、彼女をさらなる境地へ導く。そうして男たちとの情事に昂ぶり、乱れ、甘やかな罰を受けることに没頭する度に、生々しい“本当の自分”を確認していく奈津。性の彷徨、官能の果てで見たものは…。作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
...続きを読む水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大林。同時に4人と関わるのではなく、常に好きな人は一人というところが女性の特性なのかも。(移行期は交錯しますが……) 心も体も満たされたくて、妥協せず彷徨い続ける奈津の姿は、濃厚な官能表現がありながら、力強く清々しくもあります。かつて恋をしていた人にも、いま恋をしている人にもオススメしたい大人のための小説。
...続きを読む感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
起承転結が大きなドラマではないけれど、今を激しく生きるヒロインに引っ張られてページを捲る手が止まらない。
上巻よりも面白かった。
ヒロインが振り切れたからだろう。
どんなに自由になっても寂しさは付きまとう。
良いラストだった。
Posted by ブクログ
終始、奈津の考えに寄り添うことが出来なかった。
性にだらしない女だ…と。
でも奈津を全面的に否定するつもりもない。その人の価値観や考え方は幼少期の環境によるものが大きいのだと私は思っているからだ。奈津も両親の呪縛から逃れられない被害者のひとりなのかもしれない。
素敵なパートナーがいて、天職があって、埼玉の田舎に大きな家があって、一見幸せな女性にみえるけど。
現状に満足出来ず、色んな男と関係を持ってみて、奈津は最後に気づく。
結局、普段の小さな幸せに感謝できないと、人って幸せになれないのかな〜。
私には同棲中の彼女がいるが、彼女がこうなってしまったら…と考えただけでも不安になるな〜。
Posted by ブクログ
性欲が抑えきれない35歳の脚本家・奈津。
下巻に入り新たな男性が登場する。
結果的に一夜を共にした坊主はほんのチョイ役で、下巻の中盤までは仕事で訪れた香港で偶然再開した岩井との関係が描かれます。
「私と一一友情のエッチ、しませんか」
そう、岩井との関係は奈津から誘ったものです。
岩井も妻帯者でいわゆるダブル不倫。
そして岩井との関係を続けながら俳優の大林との関係をも持ってしまう。
奈津...
何故か愛おしく感じてしまいました。
説明
内容(「BOOK」データベースより)
志澤とのかつてないセックスを経験した奈津は、テレビの取材で訪れた香港で、大学時代の先輩・岩井と久しぶりに出会う。夫とも、志澤とも異なる、友情にも似た岩井との性的関係は、彼女をさらなる境地へと導く。抑圧を解放した女性が、官能の果てで見たものは?作家・村山由佳が新境地を切り開いた金字塔的小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村山/由佳
1964年、東京生まれ。大学卒業後、会社勤務、塾講師などを経て、93年「天使の卵~エンジェルス・エッグ」で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。主な著作に、第4回中央公論文芸賞・第22回柴田錬三郎賞・第16回島清恋愛文学賞を受賞した『ダブル・ファンタジー』「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)