あらすじ
大手居酒屋チェーン「山背」に就職し、張り切っていたはずの健介が、命を絶った。異変に気づけなかった恋人の千秋は自分を責め、悲しみにくれながらも、彼の両親と協力し、健介の名誉を取り戻すべく大企業を相手に闘いを挑む。しかし「山背」側は、証拠隠滅を図ろうとするなど、卑劣極まりない――。小さな人間が闘う姿に胸が熱くなる感動長篇。
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泣きました。
色んな感情を覚えました。
健介が命を絶つまでは健介目線と千秋目線でお話しで構成されていて、後半が山背との闘いのお話しだったのだけれど、健介目線のお話しがあったからこそ、後半歯痒くて泣けたんだと思います。
過労死、過労自殺がなくなりますように。
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大企業の奢りとその経営陣の余りにも理不尽な非人間的な対応。自分が主人公の悔しさや葛藤が入り込んでしまいながら読み進めました。
周りの人達を動かしていく婚約者の力は小説ながら迫力が有り素晴らしいタッチで心を動かされた素晴らしい作品です。
この作者の違う書も読んでみたいと思います。
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恋人の過労死という重たいテーマと、企業との戦いを着実に描きながら(おそらくたくさんの取材を重ねられていると推察される)、周囲の人との心の交流を丁寧に描き、全編を通して、爽やかな印象で読み進めた。主人公の千秋の芯の強さは本当に魅力的。人生、何が起きても、しっかりと、しなやかに、生きて進んでいくことが大事、と強く伝わってくる作品だった。
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ブラック企業で働く数多の社員たちが目指すべき正しい働き方がどのようなものであるべきか、考えさせられまず。問題を問題と言える風潮を少しでも大きくしたいものです。
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10年ぶり2冊目の村山由佳。
もうちょっと読んでいると思っていた。多分誰かと混同している。
日本では懲罰的損害賠償がほとんど認められないのだが、この裁判が珍しく支払いを命じられた判決だったことを知る。
その是非について知識もないので意見はないが、そこに至るまでの苦しさを想像しなければいけないなと思う。
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一人の誠実で情熱溢れる好青年の「過労死」。
それを防ぐことが出来なかった彼女が彼が種まきした人達と共に巨大な彼の勤務先と闘い勝利する物語。
その過程が丁寧に優しく描かれていたのが印象的で最後は彼の人柄を表すような爽やかな読後感が心地良い。
女性作家ならではの彼の残像表現も秀逸。
Posted by ブクログ
大手居酒屋チェーンで働く健介は、激務と過度なパワハラで命を絶つことに。健介の両親と恋人の千秋は、真相を求めて戦いを挑む
理想論を語り自分に酔いしれる口が上手い人間は、どうも信用がてきないと思ってしまう。政治家然り、どこかの会社社長然り。
コツコツと弱音を吐かずに仕事する人は、何倍も凄いと思うけど、怒りを持ったり、愚痴をこぼすことも大切だと思う。
会社という組織は決して慈善団体ではないことは分かっているけど、成長もなく人口が減少していくだけの日本で先の展望も見えない社会は決して健全なものではないと思いました。
山背の対応ぶりがあまりにお粗末すぎて、この会社の法務部や総務部はキチンと機能しているのかと、心配になってしまいました。
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内容は知らず、古本屋で手に取った本。
巨大企業に立ち向かう!というストーリーは痛快で読みやすくて、好みです。
フィクションですが、どのように取材をして、情報を集めて、書き上げていったのだろう…と、感心しました。
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ワタミをモデルとしたブラック企業と、自殺に追い込まれた恋人の名誉を晴らすために闘う話。
段々と精神的・肉体的に追い込まれ、衝動的に死を選んでしまう状況が目に浮かぶような描写で、故人を悼む人々の悲しみがとにかく辛かった。
それをバネにして、悲しみをぶつけながら闘う姿に元気をもらった。
Posted by ブクログ
大きな企業へ就職が決まった時の喜びと前途洋々とした希望、自分への大きな自信と、しばらく働いて生じてくる違和感と絶望感、自分への残念感を思い出した。受け入れられない嫌悪感、でも逃げ出すことができない。わかるのは、世の中の裏の顔と自分の甘さ、そして諦め方。前半が苦しすぎて、ラストの晴れ晴れした気持ちになかなか追いつかない。つらいー。どうか千秋がこれから幸せになりますようにと祈る…。
Posted by ブクログ
村山由佳だからと手にとった本。
恋愛小説かと思って読み始めてみれば、健介やばくない?大丈夫?と過労死するぞ、と思ってたら…。ああ、これはワタ○だよね?あまりちゃんと知ってはいなかったけどこういう事件あったよね、そこから創ったお話しなんだなとおもいました。仕事は面白いし、責任もあるからつい残業、休出をしてしまうけど、ちゃんと寝てちゃんと食べて、働きすぎないようにしようって心から思いました。
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色んな人から語られる彼の当時。
多方向から光を当てる事で初めて浮かび上がる実像。
泣いたわー。
重ーく暗ーくなりがちで、読後メンタルがどんよりしそうなテーマに、上手くエンタメカラーを織り交ぜてあったと思う。
前半しっかり二人の幸せエピソードあってこそ、後半彼女がそこまでする動機に説得力があるんだな。
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本の表紙からは想像できない内容でした
○タミの社長の顔がよぎりました…
○通という会社も。
賢い千秋と息子思いの両親だからこそ成し遂げたこと。 途中読んでいても辛く、どうにかして逃げてほしかった
責任感があるとそうもいかないし そういう精神状態ではないことも明らだが。
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経営がワンマンであればあるほどに、なり得るブラック企業。
そして、そこで働いている人がまっすぐであればあるほど、気づかないうちに精神的に追い詰められていく環境。
知らないだけで、まだそんな会社があるんだろうなと思いました。
新卒で入社するとその会社が基準になり、組合がないことに疑問を感じなかったり、過剰すぎるサービス残業も周りがやっているから当たり前みたいになることを防ぐ手立てがないものかと思う。
この話の中で追い詰められた彼のような人が出ないような社会になって欲しい。
ワンマン企業、同族経営はブラック企業に陥りやすそうだなぁと個人的に思う。
Posted by ブクログ
精神的に追い詰められる。言葉で責められ、こちらの言い分はこれっぱかしも聞いてはくれない。自分には何の価値も無いように思ってしまう。そんなことは無いと思い直すエネルギーさえもが涸れてしまう時……
逃げ出そう、見切りを付けよう、そうなる前に。
Posted by ブクログ
村上さんの作品というと、「おいしいコーヒーの入れ方」や「天使の卵」「ダブルファンタジー」など多くの恋愛小説を書いていますが、社会派問題を取り入れた小説も書いているとは初めてでしたので、興味本位で読んでみました。
中盤までは、企業によるパワハラ、理不尽な上司など健介がどのようにして、自殺に追い込まれたのか丁寧に描かれています。恋人の千秋もめげずに頑張っている姿に新人時代の頃を思い出しました。困難な状況において、何かと自分でしなければと追い込まれてしまいますが、その時こそ周りの助けを借りる。後になってみると、そういった発想がありますが、当時にしてみると、自分でやらなければ、他人に迷惑をかけたくないという思いが巡ります。そういった健介の気持ちが痛いほどわかります。グイグイと世界観に引き込まれました。あらすじで分かってはいましたが、死へのカウントダウンが近づくにつれて、辛すぎでした。
仕事の風景だけでなく、2人の恋愛模様も描かれています。
お互い忙しい時にどう会話していくのか、次第にヒビが入っていく様子も丁寧に描かれていて、リアリティーがありました。
中盤以降は、健介の死後、両親と千秋が会社を相手に奮闘していきます。
会社を守るためなら、証拠隠滅や証言をさせないなど、あらゆる手を使う描写に酷いの連続でした。
それでもめげない千秋の姿に熱くなり、ページが止まりませんでした。約500ページというボリューミーでしたが、世界観に引き込まれたせいか、あっという間に進んでいた自分がいました。
果たして、この戦いの結末とは?
精神的な苦痛の状況下の中で、どう自分は判断できるのか。客観的に見ることで自分だったら、こうするということを対策できるのではと思いました。
後ろから背中を押してくれる感動の小説でした。
Posted by ブクログ
星は実質3.5
題名の「風は西から」は奥田民生の曲名。
恋人は将来地元の居酒屋を継ぐため、外食チェーンに就職。就職試験の際、創業者のカリスマ性にあこがれを感じていた。
しかし、入った会社は超がつくほどのブラック企業で、恋人は自らの命を絶ってしまう。
なぜ、恋人は自死しなければならなかったのか?会社は何をしてくれたのか?今後も自死を選択する人が出てくるのではないか?
突然、大切な人を失った人は残された家族とともに会社に真実を明らかにすべく、戦いを始める。
また、この会社が絵に描いたようなクソ会社。しかし、作中で描かれる会社の人間は実際に居そうでこれもまた怖い現実。
Posted by ブクログ
ほぼ一気読み。
過労自殺は、他人事だと思ってしまえば、そんな酷いはずはないと楽観的に捉えてしまうけれど、実際に信じられないような過酷な状況の中で働いている人がいるという事実は知る必要があると思う。
過労自殺ではないけれど、似た経験がある私、本書の『残された大切な人がどのような想いになるか、考えられなくなる程追い詰められていた』というような内容に少し救われた。
村山由香さんの本は読みやすくて好き。