あらすじ
想い出をひもとくと、人生の味わいはぐっと深まる。デビュー作『天使の卵』がベストセラーとなり、南房総・鴨川でのゆたかな自給自足生活。出奔そして離婚、東京での綱渡りの日々。常識はずれな軽井沢の家で新たな生活、3度目の結婚――。そんな村山由佳の大胆な生きざまと、作家としての30年を支えてきたものとは? 季節・猫・モノをキーワードにひもとく、極彩色の記憶たち。人気作家になって抱えた葛藤、編集者との関係、20年隠してきたある猫の秘密、過去の恋愛の数々など、初めて明かすエピソードも満載。年若いあなたの肩を「案外、大丈夫よ」とやさしくたたき、人生後半戦のあなたに「この先が楽しみ」と思わせてくれる、滋味あふれるエッセイ集。
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Posted by ブクログ
デビュー30周年記念エッセイ。
今回、続けてエッセイを4冊読み切った。
作品の中にも、自伝的な要素を感じられていたけど、
エッセイで、より深く村山作品を理解できた気がする。
母親との確執は、どんなに傷ついたことだろう。
え?と思うエピソードが満載だった。
それも、小説の肥やしになっているのだろうけど。
「もっと愛してほしかったとは思わない。
ただ、愛させてほしかったな、と思う」
胸が苦しくなる言葉。
2度目の夫は、なんて奴!
たくさんの借金のせいで、必死で働いた話は、今回初めて知った。
波乱万丈な人生の中で、たくさんの命と出会い別れを繰り返し、今の幸せがあるんだ、と知った。
全部全部、小説の中にぶち込んで、これからもたくさんのストーリーを読ませてほしい。
家が主人公のストーリー、楽しかった♪
Posted by ブクログ
いいな、村山さんの文章は。
最後、「わたし」として語ってる「家」の話がいい。
一人前の家になるには、生と死を経験してる、
この家で生まれ、この家で亡くなる
そんな、歴史があって一軒(人)の
一人前の立派な家(人)になる。
そんな感じ、、、
家の歴史を辿ってみると自分がどんなふうに
生きてきたか、家族とのたくさんの想い出、
両親がどうやって暮らしてきたのか、
色んなことがわかるなぁ。
歳時記、、のおしまいに家がでてきて
すごくうま〜く締めくくってるなぁ。
とっても、変わったお母さんの話は他の本で
読んでいたけれど、村山さんを作家にするべくして
お母さんが現れたんじゃないだろうか。
よく子どもは親を選んでくると言われてるけれど
これを読んだら、またそれがすごく腑に落ちた、
他の本も読んでみよ。
Posted by ブクログ
小説は然る事ながら、エッセイも読ませる村山由佳先生。豊かな語彙力、柔軟な表現力が共感を呼ぶ。12の季節に合わせ、来し方を語り、可愛い愛猫の写真もいい。掌編小説『我が家の言いぶん』が優しく胸に響く。
Posted by ブクログ
村山由佳さんの本はすべて読んでいるわけではないけれど
SNSもフォローしてエッセイを読み
どのような生活を送っていらっしゃるのか興味がある。
お母様との確執。
P5で
〈こんなにたくさん母について語ることになるとも、
またその語り口がそれこそ『前とは違うやつ』になるとも
予想していなかった〉
そう書かれている。
共感する部分もあり、恋愛の話では違うと感じたり。
素直な語り口がジンワリと染みてきて
やはり今回もエッセイに救われた気持ちでいる。
Posted by ブクログ
エッセイ。
珍しく猫エッセイではない…!笑
もちろん頻繁に登場はするし、写真もあるので可愛い猫ちゃんも楽しめる。
季節とともに振り返る子供の頃の話が多いかな。最後に書き下ろしのショートストーリー付き。まさかの家視点で面白かった。ホールみたいな部分が改装されてどうなっているのか、写真か映像を見てみたい。
あと以前SNSでハープを趣味でやられているとのことで、いつかエッセイに登場しないかなぁと待っているけど、全然出てこない…!笑
Posted by ブクログ
村山さんのエッセイ本が大好きだ。
軽井沢の情景をありありと想像できる文面。
猫たちが目の前に現れているかのような文面。
それらがとても心地よく、読んでいると知らぬ間に私の身体は軽井沢や、猫たちのもとに行く。
背の君のことや、過去の旦那さんたちのことは知っていたが、お母様のことは、ここまで知らず。
「え?うそでしょ」と思うような数々の言動。
そりゃ、生き心地が悪かったのは無理ないと思った。
でも、今は、7匹の猫たちと背の君と、モミちゃんに囲まれて生きていらっしゃる。
人生、何があるかわからんなーと思いつつ、読み終えた。
最後の家の独り言も最高。
良い本を読んだなーと思う。
Posted by ブクログ
今まで村山由佳さんの小説は読んだことがあったけれど、エッセイは初めてでした。ても、小説のあとがきなどで村山由佳さんの言葉は聞いてきてたので初めての感じがしませんでした。
このエッセイを読みながら思い浮かべていたのは小説「はつこい」でした。あの小説に登場するのが村山由佳さんと"背の君"なんだろうなと思いながら読みました。
お父さんに対する後悔のところは私も読みながら切なくなり、お母さんの顔色をうかがいながらの子供時代は私の幼少期と同じだなと思いました(私の場合は祖父母でしたが)。
これより以前のエッセイも読みたくなりました。
Posted by ブクログ
字が大きいのであっという間に読み終わります。
村山さんのエッセイを読んでいるファンの方には当たり前なのかもしれませんが、ペットのネコたちの家系図も添えて欲しかった(笑)。
いとこの方と一緒に暮らすことになったんですね。軽井沢のおうちも素敵でもっと見たくなりました。
収録されているエッセイの中では、最初の夫のもとを離れて、保証人を頼むのに苦労する話が印象的でした。
Posted by ブクログ
母親との確執があったのは知ってたけど、確かにこのエッセイを読む限り私もこんな母親に育てられたら顔色ばかり伺う子になってたかもな。
子どもの意見が聞かず自分がいいと思ったのを押し付ける。(クリスマスプレゼント然り)でも父と兄は良き理解者だったみたいで救われたわ。
二度の離婚を繰り返し今は”背の君”と呼ぶいとこの男性と穏やかな結婚生活を送っているご様子。猫8匹と。
猫の写真も掲載されていて癒やされたわ。それにしても”もみじ”は可愛かった。
Posted by ブクログ
白も黒も、どんなムラヤマさんも好きで、著書は(多分)全部読んでいるので、
ふんふん、なるほどね~
と思いながら読んだ。
馳星周さんの留守宅を預かるあたりは羨ましすぎるが、軽井沢の暮らし、これからももっと発信してほしい。
そして背の君といつまでも仲良く(余計なお世話ですが)。
Posted by ブクログ
大きな文字で書かれていて、サラッと読めます。
小説家らしいというか、芸術家さんらしいというか、生き方も考え方も共感できる部分は少ないけど、だからこそ物語が書けるんだろうと思う。
Posted by ブクログ
エッセイ。
夫とケンカして家を飛び出して、家族には余計な心配をかけたくないから仕事相手に保証人になってほしいって言うのはなんというか、もやっとした。ただまぁ、だったら「自分が味方になるから力になれることがあったら何でも言ってね」なんて言わないでほしかっただろうなと思う。そんなこと言われたら頼るよね。
Posted by ブクログ
デビュー30年記念碑的エッセイ。
卯月から弥生までの12の季節に端を発した父、母、猫、学校、夫、住居、それぞれとの想い出エッセイと書き下ろし掌編。
Posted by ブクログ
2023/10/26リクエスト 4
村山由佳さん、デビュー30年なのですね。
ここまで作家を続け、恋愛も結婚も離婚も経験されてることに敬服。
ここ20年の作品は発売とともに、それ以前のものは後に読んだが、毎回ここまで書くとは、と驚く。
それでも毎回新作を手に取るたび、前作を超えている。
それは自らの経験なのか、書く力なのか、なかなかできることではない。このエッセイで時折語られる母親との関係性、生家のご家族、今のご主人、過去のご主人、ネコなど様々なことが理解できた気がする。
本当は奈津と名付けられる予定だった話、だから
『ダブル・ファンタジー』『ミルク・アンド・ハニー』
にでてくるのか!
同じものを食べて心から美味しいと喜び会えるかどうかが結婚生活の肝。
これは本当にそうだろうな。
あとは金銭感覚も違うと大変だけど。
自分のキャパ以上の仕事を受け、2番目の元夫の多額の借金返済をしたとのこと。誰にでもできることではないが、村山由佳ならやりきって、さらに素晴らしい作品を書くのだろう、と納得もする。
今のご主人と末永くお幸せに。