村山由佳のレビュー一覧
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動物病院を舞台に、飼い主と動物、病院で働く人達の物語。どのお話しも、動物の命を引き受けることの責任を強く感じさせられる内容でした。
愛犬と暮らす私にとって、『それは奇跡ではなく』は、どうしても自分の境遇と重なってしまいます。いつか久栄さんのように、愛犬を苦しみから解放してあげるために決断しなければいけないこと。飼い主としての責任を改めて痛感しました。
物語のサイドストーリーとして、土屋高志と深雪の関係が描かれていますが、『カウンターの端をつかむ男の手と指は、乾いて荒れてはいるものの、清潔で大きい。首の腱をくっきり浮き上がられせてこちらを向いた彼の視線が、ようやく深雪の上に戻ってくる。』という描 -
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読み終えてまるで自分は副島翠(水野さかゑ)の人生を歩んできたような錯覚でどっと疲れた。
バレエの取材で定期的に世界的振り付け師でダンサーでもあった久我一臣に話しを聴きにいくことになった長瀬一平と水野果耶。
現在と過去が交互に綴られていくスタイル。
この一臣の太平洋戦争をはさんだ半生が語られていく。
そしてそこで知り合った女子看護学生たちの過酷な人生も翠の立場から語られていく。
満州からの引き揚げがいかに危険で死を覚悟してのことだったとか。
ロスケから暴力的な強姦の日々。これは決してフィクションではなく実際に起きていたことだと思うと同じ女性としてほんとに腹立たしいし、胸が潰れる思いだ。
でも日本 -
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ネタバレどうしても、直木賞が欲しい
出版業界、直木賞選考について、作家を取り巻く環境など。
本好きな人に薦めたい1冊。
直木賞。
それは、作家である天羽カインが、「喉から手が出るほど、切望していた賞」だ。
出せば売れるだけでは、もう足りない。
文壇、同業者から、"認められたい"。
賞を取って、自分に自信を持ちたい。
そんな承認欲求は、誰にでもあるのではないでしょうか…?
これほど、人間の欲望をリアルに描かれているのが凄すぎる…!
作家と編集者との距離感。
これって難しいよな。
そう、カインと千紘の関係を見て思う。
天羽カイン先生の作品「テセウスは歌う」
発売された -
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村山由佳さんというと私が若い頃は恋愛小説を書いておられたような…
今回はその頃以来で、話題だから読もうと思ったものの、正直今更惚れた腫れたもなぁと思っていた。
が、全然違って、何がなんでも直木賞が欲しい女性作家の話だった。
こんなの直木賞受賞者しか書けないわけで、何よりそれがレア。
それだけでなく筆力もすごかった。
先が気になって細切れ時間でひたすら読んで、最後も驚いた。
いい意味で予想外に面白かった。
ちなみに出てくる作家名はこれはこの人だなとめちゃくちゃわかりやすい人もいて、それ以外の編集者なんかも読む人が読んだらどこの誰とわかったりするんだろうか、そもそもカインみたいな作家がいたりし -
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健康な時は、血液 リンパ 肝臓や腎臓などを通って体外に排出される ストレス、老化によって体内に溜まるようになるといろいろな問題が起きる。それは動物人間でも同じことが言える。苦しんでいる動物は安楽死がある人間にはない。それは雑処分とどこが違う1分でも生きて欲しいと思う、エルザ動物クリニックの院長の北川さん、少し変わった人と思っていたが、モンゴルで育ったそのモンゴルで最愛だった馬は狼に襲われ、足を負傷し、父親が生かしておけないのですぐ殺して肉とした。その時父親は最後までよく見とけと言った。クリニックの院長はその時苦しみ悲しいことだけど、馬にとってそれが1番の幸せ今になって思った
深雪は自分にとって -
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「父親のシベリア勾留体験からいつかはシベリアを書きたい」と思っていた著者と、「作家には各々書かなければならないテーマがある」と著者の想いを支えてきた五木寛之氏との、対談記事を目にし、読みたいと思った作品。
読み手にとっても重たいテーマ。できれば目を背けたいけど、背けずに知らなくてはならない歴史の事実。
久我にしても翠にしても、想像を絶する苦難を生きてきたはずなのに、その生き様にポジティブさを感じる。バレエの世界を重ね文芸作品として読ませてくれるところも、重たいテーマに読者が向き合えるための配慮にも思えた。久我氏が戦後どのような変遷を辿り世界的な振付師になったかも興味深いところではあった。
戦渦 -
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現役の作家が直木賞の裏側や編集者との濃密な関係性をここまで丸裸に描くなんて、あまりにも挑戦的だと思った。そしてこの生々しい出版業界を描いた作品自体が本屋大賞の候補作になっているという現実のリンクもおもしろい。ノミネートの時は作中にあるような「受けるか、辞退するか」のやり取りが本当にあったのかな笑。
それにしても、物語後半、それまで絶大な信頼を寄せていた編集者の千紘が後半で見せた豹変ぶりにはリアルな怖さで鳥肌が立った。人間の執念というか、出版に関わる人間の業のようなものが恐ろしい。
どこまでがフィクションで、どこからがリアルなのか。出版界、そして賞レースの光と影を覗き見ることができて本当にす