村山由佳のレビュー一覧
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女性マネジャー桐絵の目線から見る、少女ミチルのサクセスストーリー。
ライブハウスでミチルの歌声に惚れ込んで以降、彼女のスカウトから、その後に待ち受ける困難の数々。
絶妙なタイミングで嫌なキャラを発揮する先輩マネジャーの峰岸や、オーディションチャンピオンの真由。
良い方向に進んで行くだろうと予想しながら読んでいても、(ここで突き落とされるの?)(この出来事がそこに繋がるのか)と、ストーリー展開が激しく、読んでいてドキドキした。
読み進めていくにつれ、登場人物の魅力が増していき、関係性の変化などにもウルッとくる。
特にミチルの博多弁で紡がれる言葉や、純粋で素直なキャラクターは、桐絵でなくとも -
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今年の直木賞シーズン真っ只中に話題になっていたので、読んでみました。
いや〜、とにかく主人公・天羽カインのキャラが強烈!
ここまで自分の欲をストレートに口にする人、なかなかいないと思う。
「あたしゃ直木賞が欲しいんだよ! 欲しいったら欲しいの!! なんであたしが評価されないのよ!!」
この感情が四六時中ビシビシ伝わってくるんです(笑)。
おそらくモデルは実在すると思うのですが、一人ではない気がします。
強烈な性格の作家を2〜3人ほどブレンドして、その濃い部分を一人に集約したのが天羽カイン、という印象(完全に私の想像です)。
あそこまで感情的な人、リアルではなかなかいないですよね。
遠くから -
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昭和の初めに世間を騒がせた「阿部定事件」の小説。
私個人は「行き過ぎた愛情のために愛人の命を絶っただけでなく、さらに異常行動をとった女性の事件」というくらいしか知らずにいましたが、本作によって詳細を知りました。
この有名な事件は、その異常性のために人々の下世話な関心を集め、その後に興味本位の著作や映画が多数作られたらしいですが、本作はそれらと全く趣を変えて、一人の女性としての「定」の人間性に光を当てています。
架空の人物が事件関係者の証言や年老いた「定」本人の回想をヒアリングする形式になっており、語り口調であることがリアリティーに寄与していてすごく惹き込まれました。事実と創作が上手く融合し -
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ぼんやりした恋愛小説を読んだ反動で、とびっきりのドロドロ泥沼恋愛小説読みたくなって!
・性に淡白な着物屋の奥さん✖️実はマゾど変態旦那
・幼少期に叔父に性的虐待を受けてSに目覚めたキチガイ奥さん✖️サイコパスオラオラ旦那
↑この2組の夫婦がそれぞれパートナー交換して泥沼不倫していくお話。
スワッピングする前は2組とも、表面上は普通の夫婦だった。それが、本性を出せる相手になった途端、ここまで欲望丸出しの生き物に変わってしまうものか( ̄O ̄;)
着物屋の奥さん✖️サイコパスオラオラ旦那
の組み合わせは禁断の恋って感じで、ドキドキする。好きにならないようにって考えたらもう好きやんそれ( ・∇・ -
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75歳父、65歳母、50歳長男、35歳次男、34歳長女、30歳次女。上二人は前妻の子。長女は母の連れ子で、父は違うと思っていたら、前妻が存命中に父とデキて、できた子。それを知らないまま次男と長女は愛し合ってしまったという過去があった。母が急死した、その後を描く連作短編。
『雪虫』愛し合った妹と血がつながっていたことを知り、勢いで家を出、北海道に住みついて15年の次男。アンティークショップを営み、妻と二人の子供がいるが、飲み屋の女の子と寝るような生活。母の死の連絡をもらい、帰って過去と対峙。母の秘密を知る。
『子どもの神様』もともと不倫関係だった父と母、隠れて愛し合っていた兄妹。そんな家族を