村山由佳のレビュー一覧

  • PRIZEープライズー

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    売れっ子小説家天羽カノンは直木賞にノミネートされるが受賞に至らない。待ち会では、受賞ならず、がわかると手当たり次第に物を投げるほど荒れる。
    「どうしても直木賞が欲しい」
    じゃあ、獲りに行きましょう、と天羽の担当編集者である緒沢千紘はのめり込むように並走をする。そうして二人三脚で作り上げた新作「テセウスは歌う」が3度目の直木賞候補となる。今までの全てを説明する冗舌体の地の文、あれもこれもと事情を抱え込むキャラクター、泣けとばかりに迫ってくるエモーショナルなセリフ回しがなりをひそめ、全体の印象が風通しよくタイトになった。
    リアルの世界でもこんなに編集者は作品に口出しするのだろうか?そうだとしたらす

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    2025年12月30日
  • PRIZEープライズー

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    登場人物の中で一番常識人そうな編集者が、作家に執着して徐々に常軌を逸していく、狂気な様子がホラーで怖くて、彼女の物語の方が強烈だった。
    承認欲求に囚われた作家さんの、滑稽なドタバタ劇はむしろ喜劇で。とち狂った幼稚な行いも、創作に携わる人間のこだわりと純粋さ故かもと思えて、自分には関わって欲しくないはた迷惑な人だけれど、微笑ましくも感じた。

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    2025年12月29日
  • PRIZEープライズー

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    読後は、長距離を走り終えたような感覚。スッキリとした爽快感などはなく、数日はドッと重い疲労感が残りそう。
    ◯◯賞の受賞がきっかけで本を手に取り、素晴らしい作品や作家に出会えた経験は多い。読書好きとして、そうした賞の存在は確かにありがたい。
    けれど正直なところ、賞という先入観が邪魔をして、自分にとっての純粋な「本の良し悪し」を判断できなくなることもある。作家にとっても、賞の存在は毒にも薬にもなるのだろう。
    他者の評価を気にする限り、心が自由になることは難しい。そんなことをこの本から学んだ。

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    2025年12月29日
  • 雪のなまえ

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    村山由佳さんの小説はなんと美しいのだろうか。
    人物の心情の描写も、風景描写も、物語自体も本当に美しい。
    村山さんには世界がとても繊細で、美しく見えてるんじゃないかと思う。自分にも、世界が美しく見える瞬間がある。だいたい夕暮れである。それは、家の近くの目黒川沿いの景色であったり、新幹線から見る景色であったり、旅行先で見る景色であったりする。その瞬間、身体全体に高揚感と満足感が広がっていく。それに近いイメージと感覚が、村山由佳さんの文章を読むと浮かび上がってくる。

    早く読み進めたいという気持ちと、一文一文しっかりと読みたい気持ちが矛盾する。
    結局自分の場合は早く読み進めたい欲求を抑えきれず、あと

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    2025年12月29日
  • ロウ・アンド・ロウ(下)【毎日文庫】

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    涼子と孝之

    夫婦の物語に美登利が加わり
    他の男性や女性も絡んで
    どうなるのだろう……

    残念な人と一緒になってしまった
    涼子さんは自分の人生を生きるために
    ちょっとした回り道をしたのかな
    彼女のようなパキッとした性格は好きだなぁ
    ついつい正直に言ってしまう所もね

    「ロー・アンド・ロー ♪
    ロー・アンド・ロー ♪
    ふーりーかーえ~るな ロー~♪」
    と頭のなかで歌が浮かぶので
    ググってみたら「黒の舟歌」
    真っ直ぐ進むのも
    左右どちらかに曲がるのも
    自分の漕ぎかた次第だね

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    2025年12月28日
  • 雪のなまえ

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    あなたがあなたであるためなら、そこから逃げていいんだよ。
    逃げることは必ずしも悪いことじゃないんだなあ。逃げることも一種の強さだと思うの。
    もちろん逃げないことも当たり前に強いんだよ。でもそうすることによってあなたがあなたらしさを失うなら。私は逃げたっていいような気がする。

    子どもって何も考えていないようで、小さな体で精一杯考えてる。周りに迷惑をかけないように、精一杯考えてる。
    不登校の雪乃は父親の実家で療養生活を始めるんだけど、慣れてきた雪乃にかけたおばあちゃんの言葉が身に染みたな。今この時楽しいことを選んで、それだけで生きていく訳にはいかないし、そうやって生きていくとどこかでダメな人間に

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    2025年12月27日
  • PRIZEープライズー

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    村山由佳氏の作品は初めて読んだ。面白かった。
    直木賞作家だからそこ書ける、直木賞の背景。
    主人公は二人。ひたすら直木賞を獲得したい女性作家。
    そして全てを賭けて彼女の直木賞を取らせるために尽くす編集者。
    本屋視点の本屋大賞と作家が選ぶ直木賞の違いを登場人物が語る。これが納得感がある。
    そして終盤にいよいよ直木賞の発表。伏線は中盤にあった。こんな終わらせ方をするんだ、という。
    なんとも釈然としない結末。あとを引く。

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    2025年12月27日
  • しっぽのカルテ

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    長野の獣医連作短編集。傷ついた猫を拾った、犬と同じく飼い主が老いる、鳥飼う妻に対して夫モラハラ等。

    とても良かった。ペットを飼いたくても飼えない自分でも色々想像できる。

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    2025年12月26日
  • PRIZEープライズー

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    面白かったです
    主人公は、作家・天羽(あもう)カイン
    本屋大賞受賞、映像化作品多数、出せばベストセラーの超人気作家
    それなのに、直木賞が獲れない。。。
    何度も直木賞候補に選ばれながらも落ち続ける
    どうしても直木賞が欲しい作家

    2社の担当編集者、緒沢千紘、石田三成をも巻込んで
    天羽カインを含めた3人の視点でお話は展開する
    天羽カインは、賞〈プライズ〉である直木賞を獲得することはできるのか。。。
    作家とは、編集者とは、を生々しく感じられる興味深いお話でした

    直木賞受賞、吉川英治文学賞も受賞など数々の文藝賞を受賞
    でも本屋大賞を受賞していない村山 由佳さんの書いたお話
    って点も面白かったです

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    2025年12月21日
  • PRIZEープライズー

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    ネタバレ

    執念が生んだ狂気。
    正直、カインも千紘もまったく好きにはなれない。
    カインは横暴で配慮や優しさというものがない。
    千紘は周りが見えていない危うさと自分を過信しすぎている。
    ただ作品にかける情熱、その点に置いては感心、尊敬した。
    出版業界の裏側もありありと描かれ、より一層本を大切に読もうと思った。
    徐々に2人だけの世界になっていき、狂気が加速していきどうなっていくの!?と思っていたところにあのラストとは…
    正直、千紘に対してざまあみろという気持ちもあったが、それ以上にカインの作家としての矜恃に心動かされた。
    彼女はこれからどんな作家になっていくのだろうか。

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    2025年12月20日
  • PRIZEープライズー

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    本好きの人に読んでもらいたい本。作者の一文一文にかける想いをもっと想像して、味わって読みたい。また、強すぎる情熱と危うさは紙一重だなと思った。

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    2025年12月15日
  • ある愛の寓話

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    人ならざる愛しきものたちで繋がれる人々。

    たまたま角を曲がっていたら綺麗な宝物が落ちていたみたいに、ものすごく得をした気持ちになりました。

    グレイ・レディが1番好き。

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    2025年12月15日
  • PRIZEープライズー

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    文学とは何なのか。
    直木賞とはどんな文学賞なのか…
    作家さん達がどれだけの思いで作品を創り上げているのか…

    一度読んだだけでは読み切れていない感覚もある
    けれど…
    小説というものを文学に変えていくために、説明を加えるよりむしろ削ることで、余韻を残したり読者に想像させる
    この作業を作家と編集者が信頼関係を頼りに行っているということ。
    その絶妙な信頼関係が作品の出来を大きく左右させるということに、ただひたすら驚いてしまった。

    そして、この作品にもなんだか思わせぶりで多くを語らないセリフや文章が散りばめられていて…読み解けないまま、何度も何度もページを行ったり来たり…
    結局、NSFMさんのレビュ

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    2025年12月13日
  • しっぽのカルテ

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    生きる者もあれば、死を迎える者もある。救いたいけど、救えない葛藤の中でもがく苦しみ、院長先生の過去の話で涙が溢れた。

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    2025年12月10日
  • PRIZEープライズー

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    作家と編集者の関係は読者にとっては関係ないけど気にはなる。
    この本で関係が良くわかったが、書かれていることは事実とはまた違うんだろうな。

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    2025年12月10日
  • ありふれた祈り おいしいコーヒーのいれ方 Second Season IX

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    ネタバレ

    勝利、最終巻でも悲惨な事故に巻き込まれる(笑)
    ここまで来ると不幸体質か?
    と思うけど、最後に1番欲しいものを手に入れられて良かったね!
    村山先生、連載中に大変なこともたくさんあったかと思いますが、26年間執筆大変お疲れ様でした。

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    2025年12月09日
  • PRIZEープライズー

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    読んだ後、本を大切にしたい、なるべく書って読みたい、と思った。
    改めて、多くの人が一冊の本を作るために関わっていることも。

    超売れっ子女性作家の賞への剥き出しの欲求、賞レースの選考方法や、出版業界の裏側を少し垣間見た一方、小説が時代を経て多様化する娯楽としても、エンタメのジャンルを超えて文学として、本当に必要なのか、必要とされているのかを考えさせられた。

    人との距離も同じく。
    ラストまで高まる、女性編集者の狂気に似た作家への思いと、救い。

    と同時に、既存の作家やモデルだろうとされる作家もたくさん現れ、とても面白かった。

    この作家、本当にいたらいいなぁ、とも。

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    2025年12月09日
  • 雪のなまえ

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    いじめから不登校になった小学生が主人公。一筋縄ではいかない地方移住の難しさ、いじめの問題、家族の形などいろいろな要素が詰まった作品。まわりの人たちの優しさや自然、農作業の描写など村山由佳さんの筆力はやっぱりすごい!
    読み終わって人の温かさで心があたたまりました。爺やん婆やんの言葉にじーん(涙)

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    2025年12月08日
  • PRIZEープライズー

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    これはフィクションですか?と思わず聞きたくなってしまうほど、なんだかリアルで怖かったです。
    作家や編集者の関係性や、出版する書籍に関わる人達の仕事がよく分かり新たな発見もあり楽しめました。

    天羽カインの自分の欲しい物を絶対に獲りたいという執念が凄い。
    それと緒沢千紘の誰かに必要とされる優越感から分別を失っていく怖さ。
    後半は何かが狂っていく怖さがあって一気読みでした。

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    2025年12月08日
  • 雪のなまえ

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    東京で通っていた小学校でイジメを受け、不登校になった少女雪乃。
    父親と共に曾祖父母の住む長野の田舎に移住し、そこで出会う人たちや自然との触れ合いを通して成長するとともに、閉ざしていた心の扉を少しずつ開いていく。
    作中に描かれていた昔ながらの知恵などは、現代の、特に都会に生きる人には忘れがち、もしくは知らないことも多いだろう。
    インターネットやAIにばかり頼るのではなく、そういったものにも改めて目を向けてみたい。

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    2025年12月07日