村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読む前に勝手に歩太の想像をしていた。歩太が新しい恋をして、春妃を少しずつ過去にしていく話なのだと思っていた。想像だけで目を背けたい気持ちになっていた。
いい意味で裏切ってもらえた。
歩太の春妃への想いは、若気の至りでも、美化された思い出でもなく、人生の芯に残り続ける純愛だったのがこの天使の柩でも新たに証明された。
生まれてくるはずだった子供の年齢を数えながら生きていく描写があまりにも苦しかった。
喪失から立ち直る話ではなく、喪失を抱えたまま、それでも人は生きていけるのかを描いていた。
今回のキーパーソンである茉莉。彼女は単なる傷ついた少女ではない。ネグレクト、虐待、性的搾取、監禁に近い、あ -
Posted by ブクログ
『天使の卵』の方が鮮烈で、痛みや美しさがむき出しだった分、個人的にはより強く心を掴まれたし好みだなと思った。
けれども、『天使の梯子』には、喪失のその後を描く目新しさ、静かな深みがあった。
この作品は、ただの恋愛小説ではなく、哲学チックだったのが印象的で、罪と赦しの物語だったと思う。
大切な人を失ったあと、自分のせいだ、いやあいつが悪いと責め続けてしまう。罪悪感は、いなくなった人への愛でもある一方で、生きている人間の時間を止めてもしまう。歩太や夏姫を見ていると、その苦しさが痛いほど伝わってきた。
だからこそ、この物語における救いは大きい。
誰かが劇的に救済してくれるわけではない。同じように傷