村山由佳のレビュー一覧

  • 風は西から

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    大手居酒屋チェーンで働く健介は、激務と過度なパワハラで命を絶つことに。健介の両親と恋人の千秋は、真相を求めて戦いを挑む

    理想論を語り自分に酔いしれる口が上手い人間は、どうも信用がてきないと思ってしまう。政治家然り、どこかの会社社長然り。
    コツコツと弱音を吐かずに仕事する人は、何倍も凄いと思うけど、怒りを持ったり、愚痴をこぼすことも大切だと思う。

    会社という組織は決して慈善団体ではないことは分かっているけど、成長もなく人口が減少していくだけの日本で先の展望も見えない社会は決して健全なものではないと思いました。

    山背の対応ぶりがあまりにお粗末すぎて、この会社の法務部や総務部はキチンと機能して

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    2024年06月05日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    たくさんある恋愛の脚本、芝居の設定を演じている感覚なのかなと思う。1つ終わったらまた次の作品へ。
    どれも嫌いではないけれど、今夢中になっているのは目の前で進んでいるストーリー。

    この先ずっと、奈津は激しく燃え上がって燃え尽きてを繰り返すのだろうか。
    それが不幸なのかどうかはわからない。
    自分が納得する生き方が正解なんだと思う。




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    2024年05月25日
  • 妖し

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    〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
    不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
    背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
    不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
    色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う

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    2024年05月11日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    手近な肉欲に抗えず、長期的な視野に立てなくなったのは、焦りを覚えたところもあるのかもしれないが、幸せになることを手放したともいえる。いや、はなから幸せなんて捨ててたのかも。

    結局は解像度が高い人間が勝つということなのか。

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    2024年05月09日
  • 夜明けまで1マイル somebody loves you

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    すごく読みやすくてあっという間に読み終わった!
    共感できるようなできないような。主人公の涯が近くにいたらなんか魅力的で好きになりそう。笑
    「僕らはやがて、どちらからともなく腕をまわし合い、1度だけ、ぎこちないキスをかわした。この国で育った僕らは友だちのキスなんてものを知らないし、ましてやそれは恋人同士のキスとも違っていた気がするけれど、少なくともあの時の感情にはいちばん相応しかったと思う。」この文章がめっちゃ好き。恋人同士でもなくただの幼なじみなんだけど、この時は2人ともそれがいちばんふさわしかったってなんかすごくしっくりきた。

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    2024年05月09日
  • はつ恋

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    甘すぎない大人の恋愛小説。

    とにかく描写が綺麗で、季節や温度を感じられる心地の良い文章にうっとり。

    関西弁好きの私は、トキヲのセリフにいちいちとろけました(笑)
    高齢の親や仕事のことで若い人ほど突っ走れないけどこんな恋愛素敵だな。

    小手鞠るいさんの解説に共感しすぎた笑

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    2024年05月07日
  • 風は西から

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    内容は知らず、古本屋で手に取った本。

    巨大企業に立ち向かう!というストーリーは痛快で読みやすくて、好みです。

    フィクションですが、どのように取材をして、情報を集めて、書き上げていったのだろう…と、感心しました。

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    2024年04月29日
  • 嘘 Love Lies(新潮文庫)

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    暴力と身動きできなくなる息苦しさが最後まで続き、読み終わるまで辛かった。登場人物たちそれぞれが相手を大切に思うがゆえの嘘が読者には全員分分かる仕組み。

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    2024年04月27日
  • 女ともだち

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    女ともだちがテーマというだけあって
    共感も怖さも面白さもあって
    感情が良い意味でぐちゃぐちゃになる。

    短編だからサクッと読めるし
    作家さんによって文体も違うから
    一気読みというよりは作品ごとに間を開けて読んだ。

    最後の獣の夜が近い女ともだちが見事に描かれてて読みながらもドキドキした。

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    2024年04月27日
  • 女ともだち

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    女の子のころから感じていた女としての楽しさ、生きにくさ、めんどくささ、近くてうざったく思えるときもある母親との関係性など、さまざまなものを感じて大人になったなと自分の人生を重ね合わせながら読むことができる。
    これを読んだ男性陣はどのように感じるのか気になる。笑 きっと恐怖だろう。

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    2024年04月21日
  • Row&Row

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    登場人物のキャラが立っていて、面白かった。
    途中の夫の不倫に対する言い訳や、なかなか向き合わない主人公にモヤモヤしつつ読み進めた。
    仕事ができて、周りから評価もされている主人公にとっては、いい終わり方だったと思う。

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    2024年04月20日
  • 天使の梯子

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    他人を納得させるより、自分の心を納得させるほうが余程難しいというのはわかる気がします。誠実な人間ほどそうなんじゃないかな。
    これ、天使の卵の10年後のお話なので、これから読むつもりなら、そちらを先に読むことを強く推奨します。その方が、夏姫の心情により深く寄り添うことができるかと。

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    2024年04月20日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    天使の卵を読んで、天使の梯子を読んで、それから読むべき、このへヴンリーブルー。
    この順番を守らないと、これはただの叙述詩としか捉えられないと思います。
    順番さえ間違えなければ、とても心に染みる素敵な1冊として心に残ること間違いなし。
    少し長めの『あとがきにかえて』がついています。由佳さんの日記の一部だということですが、いや、これがまた面白い!パンツのくだりなんか最高。これで1冊作ってくれたら絶対読む♪けど、ないかな(笑)

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    2024年04月20日
  • 記憶の歳時記

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    今まで村山由佳さんの小説は読んだことがあったけれど、エッセイは初めてでした。ても、小説のあとがきなどで村山由佳さんの言葉は聞いてきてたので初めての感じがしませんでした。
    このエッセイを読みながら思い浮かべていたのは小説「はつこい」でした。あの小説に登場するのが村山由佳さんと"背の君"なんだろうなと思いながら読みました。
    お父さんに対する後悔のところは私も読みながら切なくなり、お母さんの顔色をうかがいながらの子供時代は私の幼少期と同じだなと思いました(私の場合は祖父母でしたが)。
    これより以前のエッセイも読みたくなりました。

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    2024年04月14日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    第一章からフルスロットルだねー
    官能小説のままで終わるんかねー
    と思いきや、後半では夫婦関係の崩壊や浮気相手からの放擲が緻密に描かれる。

    結婚して10年経って伴侶の長所と短所の天秤が狂い始める、性生活の均衡が崩れる、いやはなから均衡を保っていたわけじゃない。要するに我慢していただけで、伴侶が能天気にもその我慢に気づかず気遣えず、限界がきてしまった。いや我慢を自覚する出逢いがあった。

    我慢し過ぎると、解放された後の際限の無さは猟奇的になる。下巻が楽しみなのと、上巻で物語の幕を引いても良かったのではむしろその方が良いのではという二律背反。

    それにしても、相手に依存し始めてしまった時の自信の無

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    2024年04月11日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」見損ねてるからみたいな。
    個人的には、保坂和志さんの猫本読みたくなった。

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    2024年04月09日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    6人の作家さん毎に色が異なる厚手の紙の本。
    写真はもちろんカラー。

    角田光代さん
    「トト」は2冊フォトエッセイを読んだので知ってる。
    「トトが来る前は自分中心で、辛いことがあると全身で向かい合っていたのでしんどかった。」が、
    「トトが来てからは、とりあえずトトにご飯をあげなきゃ、といった気持ちの逃し方ができた。」そうだ。
    角田さんは犬が好きで、「トト」は犬の要素を持っていると言っていたのを思い出した。
    他の猫よりも人懐っこいのかな。

    村山由佳さん
    猫が大好きなんですね。
    「もみじ」に対する想いは尋常ではなく、エッセイを何冊も出しているみたい。
    「もみじ」の生まれる瞬間にも立ち会ってるし、亡

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    2024年03月28日
  • ダブル・ファンタジー(下)

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    野獣系の男から、今度は草食系の男に。ようやく落ち着くのかと思いきや、ジョーカー的な男が現れて、今度はそちらへ。
    草食系の男の嘆きが哀しい。

    結局、主題は、
    自由とは、すなわち孤独である。
    自由とは自己責任。自分でしたことは、自分で責任を取るしかない。
    てことかな。

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    2024年03月23日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    束縛系の夫から、野獣系の男へ。さもありなん。
    ただの浮気というわけではなく、主人公の才能を潰している夫から、野獣系の男がきっかけとなって解放されていくお話。

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    2024年03月23日
  • 星々の舟

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    主人公が変わっていくスタイル。
    毎主人公に感情移入してしまい、まだまだ続きが読みたくなるくらい濃い。
    でも終わり方が絶妙で、それぞれの幸せへの指針を見つけた終わり方。色々考える。
    毎回そこ?っていう語り手になってくけど終盤にはそんな気持ちがひっくり返されていることが面白かった。

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    2024年03月23日