あらすじ
生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
さらっと読める短編がただただ心地よく、優しく染み込んでくる。
そして恋が本物でも、愛を失うことはあるんだよねえ。
それでも村山さんは知っている。
”いつか思い出の奥にしまわれてしまったとしても、
かつてそのひとと心をやりとりしたっていう記憶だけは、永遠に残る”
やっぱりこの人の作品好きだなあ。
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こんなに素敵な「永遠」、自分も経験したいような情熱的ででも思いやりのある恋と主人公達。
毎度のことながら世界観に引きこまれます。
涙が出そうな場面もあり、ページが少ないながらもぎゅっといいものが
凝縮された本でした。
もっと読みたかった、という意味で★4つ!
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5に近い4。
村山さんの作品の中では、今まで読んだ中では最高の1冊だと思います。ほんの短い小説だけど、映画のタイアップとして雑誌の付録として書かれたお話だけど、完成度がとても高い。結構どろどろした題材なのに、読後、なぜか心地よい気分になる、不思議な1冊。
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相手を思いやるばかりにストレートに気持ちを伝えることができない。いずれも生き方に不器用な人達ばかりだ。もどかしいばかりの不器用さがいとおしい。生き方は眩いばかりに前向き。清々しい。恨みながら生きても笑い合って生きても同じように人生は過ぎてゆく。笑い合って生きて行きたい。
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「卒業」という映画とのコラボレーションで、その映画のサイドストーリーらしいけど、これだけでも十分独立して読める。
短いのですぐに読み終わる。
短大卒業を迎える弥生と、亡き母である葉月さんのお話。
弥生の幼馴染の青年の視点。
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一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく。たとえ、かたちを変えて、いつか思い出の奥にしまわれてしまったとしても―。
だから、人と人の絆って深いんやね。
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そんなに厚い本ではなかったので、一気に読みふけってしまった。
この作品自体が「卒業」という映画のコラボレーションとしてサイドストーリー的に製作されたらしいけれど、一本の作品として非常に独立していて全然それを感じさせなかった。
筆者があとがきで書いているように、私も 永遠 など存在しないと思う。
だけど、もし刹那の中のきらめきがいつまでも色褪せないものだとしたら、それが永遠なのかもと少し考えた。
一瞬の想いの永遠を切なく描く、とてもいい作品です。
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私はまだ見ていないのですが、この『永遠。』は内山理名さんと堤真一さん主演の映画『卒業』のサイドストーリーなんだそうです。登場人物・舞台の重なりはあるものの基本的に独立したもの同士なのでどちらから手にとってみてもいいし、また二つを知ることで物語を違った角度から見ることができより一層楽しめるようになっているようです。なんでも映画と小説のコラボレーションは日本では初の試みだとか。
この本の表装・デザインは私が今まで出会ったことのある本の中でも最大級に好きなものです。上の画像ではよく見えないけれど、泡が立ち昇っているかのように見えるその表装は途切れ途切れではあるものの決して終わることのないタイトル通りの「永遠。」を感じさせてくれます。白地に薄い水色というのも洗練されていてお気に入りです。(今映ってる画像じゃないです。変わったのかなあ・・・今のも綺麗ですが)
真山さんの人柄の良さというか、不器用な一途さがすごく愛しく感じます。葉月さんの言うように口にだすとこぼれてしまうものって本当にたくさんあると思うんです。だからこそ大切な想いは胸の中にしまっておきたいのだけどそれでは相手になかなか伝わらない。それでも口にしなくても伝わるもの、感じるられるものは確かにあるのだとそんなことを思いました。
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恋愛ものは苦手だけど村山由佳ってどんな作家?って気になり、一番薄いこの本を手に取りましたが面白かったです。
このページ数でここまで引き込まれるとは思いませんでした。
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内山理名と堤真一主演の映画『卒業』のために書き下ろされた短編。
一緒に読むと、“ああっ!”って思います。
後付けの小説と思えない程、その世界に溶け込んでおり、同時に映画『卒業』が村山作品の雰囲気を持った映像作品であることに気付かされます。
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生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった──葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ──。
もともとは映画のサイドストーリーとして描かれた作品だそうだが、この小説だけでも十分に人物相関や物語描写が目の前に浮かんでくる。
別れざるを得なくても、たった一人愛した恋人と娘のためにお金を振り込み続けた真山悟という人物の生き様に感動した。
Posted by ブクログ
村山由佳の永遠。を読みました。「卒業」という映画とのコラボレーションで書かれた中篇小説でした。村山由佳らしい切ない恋心が描かれています。ところで、本編よりあとがきに書かれている村山由佳のエッセイが気に入ってしまいました。甘いラブストーリーを書くことができて、写真を見る限り美人で、エッセイも面白い女性なのに、実際にやっていることは天然でボケが入っているというキャラクターがとても魅力的ですね。ますますファンになってしまいました。
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難解な本に向かっていてなかなか進まずちょっと疲れた時の休憩として、さらっと読めそうなこちらを手に取った。
村山由佳さんのずいぶん前の作品。映画のアナザーストーリーだそう。
思ったことをなかなか口にできない人を、「鈍いのではなくて、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあることを知っているから」と言えるのは素敵な愛だ。。
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読み終えた後、真山悟からの視点からも描いてあったらと思ったのですがあとがきを読んでこの小説が映画のサイドストーリーだと知りました。映画も見てみたいと思います。
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サクッと読める小説だ。
心に染みるフレーズがあった。
P54 思ったことをなかなか口にしてくれないのは、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあるってことを、よく知っているからなんだな、ってね。
P67 誰かに何か、大事なことを伝えるときはね。心の底からよーく考えてからにしなさい。それは、私があのひとから教わったこと。言葉にしたとたんに終わっちゃうってこと、世の中にはいっぱいあるから。
言葉のもつ威力って強いな。
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不器用な生き方。
自分が変われるチャンスになればいいのかな。
内容(「BOOK」データベースより)
生きることに無器用なひとなのね。それが私にはいとしかった―葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ―。
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ちょっと物足りないな、もっと続きが読みたいな、と思ったら卒業という映画のアナザーストーリーだったらしい。映画も見てみたいと思った。
葉月さんの「誰かに何か、大事な事を伝えるときはね。心の底からよーく考えてからにしなさい。それは私があのひとから教わったこと。言葉にしたとたんに終わっちゃうことって、世の中にはいっぱいあるから」という言葉が心に残った。素敵な言葉がたくさんあって読みやすかった。
Posted by ブクログ
映画のサイドストーリーとは知らずに、薄いしすぐ読めるだろうと思って手にとってみました。
映画本編を知らずとも話はわかるし、これ単体でも十分楽しめました。むしろ、映画を見たくなってきました。
近いうちに映画もみたくなる、そんな短編でした。
Posted by ブクログ
徹と弥生は幼なじみ。21歳と20歳。友達以上恋人未満。
どちらも複雑な家庭で、徹の母は小さい頃出て行き、弥生の父は誰かよくわからない。
弥生の母、葉月さんは2年ほど前に亡くなり、短大の寮に入っていた弥生は卒業して今日、実家に帰る。
徹は弥生を迎えに来て、水族館で待っている。
過去の色々なことを思い出している徹。
こういう感じの短編でした……
ビックリしたのは本の三分の一から四分の一くらいが後書きだったことでしょうかσ(^_^;
本編は30分ほどで読み終わってしまいました、肩透かし……。
そしてやはり本編も肩透かしな感じでした。
切ない系のお話かもしれないけれど……うーん、あまり強烈な感じでもないです。
全体的にとても綺麗だけれども、弱いというか、ほんの日常の1ページに収まってしまいそう。
弥生の「先生」との交流などももっとかかれていたら違うかなあ、とは思うけれど……。
もっとも短編?なので これぐらいが書き込める限界なのかもしれませんね。
ちょっと物足りないかなあ。
Posted by ブクログ
「"この男は、あたしが幸せにしてやるんだ'"ってそう思えるかどうかよ。」
「想いは、永遠なの。一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく。たとえ、かたちを変えて、いつか思い出の奥にしまわれてしまったとしても、かつてそのひとと心をやり取りしたっていう記憶だけは、永遠に残るのよ。そうちょうど、海の底に沈んだ宝石みたいにね」
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亡くなる前に母は、娘弥生と幼なじみの俺に話してくれた。
かつての恋人であり、弥生の父である人について。
「一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく」
忘れたくても忘れられないのは、自分にとって大切な人だったから。
後書きの長さに驚いた。
無駄な部分がなくスパッと簡潔にさらりと書かれてる)^o^(
Posted by ブクログ
「卒業」という映画のコラボレーションとしてつくられた小説らしい。それを知らずに読み始めたのだが、小説は小説で閉じた世界で構成されているので気にならなかった。
100ページほどの短い小説で、登場人物も少ないが、その代わりにひとりひとりの切ない心理が細かく描画されていると思う。
この小説を読みおえると、映画も観てみたくなった。
Posted by ブクログ
タイトルの「。」ってなんだよ。『モーニング娘。』かよ。と心の中でツッコミを入れつつ読んでいたが、何となく納得。あとがきにあるように、「一瞬のことであれずっと心の中で輝き続けるもののこと」という意味での永遠なのだとか。
映画のサイドストーリーらしいが映画は見ていない。小説単体で読んでも楽しいと思う。ヒロインやヒロインの実父の心の内についてあんまり語られて無いので、その辺いろいろ想像できて楽しかった。
Posted by ブクログ
話はとても短く、中篇小説を読んでいる気分になった。
でも、その短い中でのストーリー展開は確かに一つの流れを作り上げていた。
元となった映画『卒業』を思わず見たくなる、そんな作品。