【感想・ネタバレ】すべての雲は銀の…(上)のレビュー

あらすじ

誰も愛せない。壊れた心に降り積もる物語。心変わりした恋人由美子が選んだのは、こともあろうに兄貴だった。大学生活を捨てた祐介は信州菅平の宿「かむなび」で、明るさの奥に傷みを抱えた人々と出会う。 (講談社文庫)

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Posted by ブクログ

端的に言えば、失恋した青年が立ち直る話。

ただそれだけなんだけど、環境の変化や新しい出会い、恋愛の痛いのも苦いのも、淡いのもビビットなのもありつつ、奇をてらった展開ではなく、主人公の気持ちの移り変わりが丁寧に描かれていると思った。

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2014年05月03日

Posted by ブクログ

主人公は普通の大学生。
幼い頃から敵わないと思ってた優秀な兄貴に大好きな彼女を奪われ、
二人の裏切りにへこみまくってるところから物語が始まる。

そんな彼が同級生のすすめで、信州の宿で働くことになり、
様々な人との関わりを通して少しずつ再生していくという話。

宿の主、子連れの女性、近所の人たち、花屋の女の子ふたり、、、
などなど、ここに挙げてない人も含めて、みんなそれぞれしっかりとした
キャラがあって、物語の脇を固めています。

事件とか謎とか涙とか、そういうのは特にない。
ただ淡々と宿での毎日が展開するんだけど、決して退屈ではない。
むしろページをめくる手を止められないんだよね。

再読して思ったけど、やっぱりこの本は傑作です。
個人的にはこの物語の続編を書いてみたいな。

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2012年05月04日

Posted by ブクログ

ゆっくり読み過ぎて確か読み終わるのに1年くらいかかった。
描写がとても綺麗で、恋人に振られ複雑な心境の祐介の心の痛みや煮えたぎるような怒りや、どうしようもない気持ちはよく伝わってきた。
今度は通して読みたい。

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2012年10月19日

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表題は「すべての雲は銀の裏地を持っている」というどこかの国のことわざで、どんな不幸にもいい面はある、というような能天気な意味だそうです。その表題のとおり、いろいろな不幸を抱えた登場人物たちが明るくけなげに会話をして仕事をして信州の厳しい自然の中で生活していくという物語です。村山由佳の文章は読みやすく、ソフトクリームのような感触ですが、この小説もあっという間に読み終えてしまいます。主人公の男の子はタイプは違うにしろ、本質的にはほとんどきみのためにできることの主人公と同じに感じられます。このタイプの男の子が村山由佳の理想の男性像なのかもしれません。ところで、この物語の瞳子さんは忘れがたくなります。こんな人が身近にいたら人生も楽しくなるだろうに。

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2011年07月28日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかった作品。
ガツガツと読んだ。
それだけこのお話に引き込まれていったんだと思います。
まさに非現実空間なかむなび。
祐介が変わっていく様子などがきゅんっときた。
瞳子さんの自由奔放っぷりが羨ましかった。
園主も頑固だけど筋が通っていて素敵だと思います。
続きが早く読みたくて仕方なかった!

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2011年02月27日

Posted by ブクログ

村山由佳の作品では一番好きな本。
信州の田舎宿で大学生が有機生活をしていく話。
THE 鉄腕ダッシュのダッシュ村のように、そしてこの物語のの「かむなび」のように、有機な生活に憧れる。
自分が思い描く理想の生活を物語として語ってくれるから、この小説が大好きだ。
そして、この話を読んでいる今まさにこの瞬間に、物語と同じような農作業をしているのも面白い。場所は千葉だけどね(-ω-;)
話として、体験として実演しているのであります。

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2011年02月09日

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恋人由美子の心変わりの相手が兄貴でさえなかったなら、ここまで苦しくはなかったのかもしれない──傷心の祐介は、大学生活から逃れるように、信州菅平の宿「かむなび」で働き始める。頑固だが一本筋の通った園主、子連れでワケありの瞳子・・・たくましく働く明るさの奥に、誰もが言い知れぬ痛みを抱えていた。

人間は、誰もが心に何かしらの痛みを抱えている。それを見事に表現している。
園主の考え方には納得できる部分もあり、花綾や美里の「花」に対する仕事への想いなど、細部までこだわった人物描写はさすがだと思った。

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2011年01月14日

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人間模様。田舎でのんびり。ものすごい溜息を吐きながら読んだ。畑に生っている柿は何のためにあるかが心に残った。「おいしいコーヒーのいれ方」以外の他の作品も読みたい。

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2017年05月21日

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とりあえず物語の舞台が良い。信州のペンションで働くことになった祐介、働くことより心のリハビリが目的という感じがします。
祐介が駅(町の中)からペンションへと移動するまでの描写が好きです。町の賑やかさから遠ざかっていくように、祐介にとって辛い現実からも遠ざかっている感じ。どこかそれが逃げてるような雰囲気にもとれるんだけど、あたしはこの主人公のヘタレ具合もわりと嫌いじゃないです。
むしろ瞳子さんやタカハシにキツイことを言われてるけれど、やっぱりどう考えても、祐介がヘタレだということを除いたとしても、由美子はフェアじゃないと思うのです。
祐介自身も恋人の心変わりっていってるけど完全な裏切り行為だと思う。由美子が両天秤かけたようにしか見えないんです。心変わりなら祐介に別れを告げれたはずなのに由美子はそれをしなかったのだから。
そんな女のことをグチグチといつまでも引きずってる祐介にはイラッとさせられますが、それを差し引いても「かむなび」での生活が魅力的でした。自然と共存するってこういうことかもしれないです。
それなのに田舎独特の嫌なところなんかもあったりしてぐいぐい読めました。結婚式をプロデュースするところなんかも、3人の一生懸命さが伝わってきました。

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2013年12月28日

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あっけらかんとしてさっぱりした人程他人に見せない影があるもんだな。

それにしても主人公を取り巻く人物たちの厳しい中にも垣間見える優しさがなんとも言えずほっこりした気分になる。
辛いことを乗り越え人ならではの優しさが感じられる。

下巻はどういう展開になるのか続きが気になる。

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2013年08月27日

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長野の民宿での田舎生活については、どれも人が生き生きしていて、心温まる場面がたくさんある。
でも登場人物それぞれが抱えるものはかなり重いものばかり。

本の内容としては、
「Every cloud has a silver lining」
どんなことにも表と裏がある、どんな幸せにも不幸はついてるし、その逆も然り。みたいなことがメインなのかな。

自分が幸せかどうかは自分だけが知っていればいいし、自分だけが決められる、とか。

田舎での生活を、閉鎖的で利便性も悪くて気候環境の厳しい嫌な場所として捉える人もいれば、自給自足の生活に生き甲斐を感じたり、都会の喧騒から離れて静かに暮らせるのが美徳と考えたりする人もいて、
要は全てその人の考え方で幸せにも不幸にもとれる。

登場人物の抱えるものの重さと、民宿での心温まる描写のコントラストが上記のメッセージ性を強くしていると感じた。

結局、どんなに辛いことがあっても、二度と前と同じには戻れない状況に陥っても、周りに助けられながら、気持ちに折り合いをつけて生きていかなければならないんだなあっていうのが読み終わった時の感想。

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2013年02月25日

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2012.5.6~2012.5.10

登場人物:大和祐介、瞳子

信州を舞台にした青春小説。辛い立場にいる様々な人間が、また前を向いて歩きだす様を丁寧に描いています。読んだあと、独特の爽快感がありました。

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2012年05月14日

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村山由佳さんの小説です。

情けない、フラフラな主人公と自分を重ね合わせてしまい、読みながらへこみ、へこみながら読みます。

でも、本当にいい作品ですね。

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2012年03月20日

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ネタバレ

村山由佳さんと初めて出会った作品。

長野を舞台に恋に苦悩している少年が
日々を重ねていくうちに
自分の殻を破っていく物語。

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2011年06月03日

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全2巻(上・下)。恋愛不信に陥った都会人が田舎の牧場で癒されていく、という話。村山由佳はこういう話を書かせると上手い。

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2011年03月06日

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失恋の痛みから逃げるために田舎に逃げ出した主人公とそれを包み込む温かな人達。
いつかは帰る場所があったとしても、ここには安らげる時間が流れている。

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2010年08月22日

Posted by ブクログ

恋人の笠松由美子を兄にうばわれた主人公・大和祐介は、恋人や家族といった濃密な人間関係のなかに走った亀裂に耐えきれなります。「とにかく東京から離れたい、兄貴と由美子の気配を感じないで済むところならどこでもいい」という思いにみちびかれた彼は、親友のタカハシのすすめにおうじて、信州菅平の農園「かむなび」でアルバイトとして働きはじめます。

読みはじめた当初は、自然のなかで過去の傷が癒されていくといったストーリーだと思っていたのですが、そうではなく、うっとうしいくらい濃密な人間関係のなかで戸惑いつつも、たくましくなっていく祐介の姿に焦点を当てた物語のように思えました。ちょっとナイーヴな自然礼賛に流れるところもありますが、園主の神山十兵衛、姪の瞳子さん、その息子の健太、源さん、茂市つぁん、美里ちゃんと花綾ちゃんの花売娘コンビなど、登場人物がみんな魅力的に感じます。

結婚式の花の飾りつけを全部まかせるといわれて、美里が「一番やりにくいお客よね」といったのに対して、花綾ちゃんが「一番やりやすい、お客さんよねー」といったところに、おっとりしているように見えて芯の強い彼女の性格が感じられ、強く印象にのこっています。

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2021年01月23日

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ちょっと不思議な感覚。ロースタートからちょっとずつアクセルを踏み込んで、上巻が終わった今がちょうど半馬力くらいに思える。
この本の中で移り変わっていったのは季節と、美里ちゃん、花綾ちゃん。そして由美子と兄貴。
変わらないのはかむなびに流れてる田舎の雰囲気と園主のスタンス。
主人公祐介と瞳子さんは、同じとこぐるぐるしてて変われてない(でも実際はちょっとずつ前に進んでる)という対比に思えた。
下巻はこの2人それぞれに更にスポットが当たっていくんだろうなと予想してます。
引き続き緩やかに加速するような物語であってほしい!

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2020年04月28日

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失恋は切ない…
日常から離れた場所で体をうごかし、なにかに没頭すれば心は癒えるのかな
色んなひとに出会って少しずつ変われるのかな…

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2016年07月18日

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実の兄に恋人を寝取られた傷心の祐介は実家を離れ信州で働くことになる。
恋人に振られただけなら、たぶんここまでショックではないのだろうな。
主人公の1人称で語られているだけに、その兄と恋人は不幸になれと思うくらい腹立たしい(たぶん、ならないのだろうけど)。
信州の自然の描写や、村山さんの透明感のある文章は素晴らしいけど、主人公の「~ス」という会話文が、どうにもわざとらしく感じるので、☆は3個で。

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2014年10月31日

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大好きな村山先生の本の中で、まだ読んでいなかった作品。兄に恋人を取られた祐介が、逃げるように菅平のかむなびで働き始めます。これは上巻

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2014年10月18日

Posted by ブクログ

それぞれの傷を負い、出口のない自分の居場所を失った人々が、信州菅平のペンション「かむなび」に引き寄せられ、徐々にそれぞれの出口を見つけ歩き始めるというストーリー。ハッピーエンドでもなく、その逆でもなく、人生はまだまだ続くし、その一歩一歩の途中であるという終わり方は嫌いじゃない。
作中の、個性についての園主の言葉や、瞳子さんの逆の発想にはっとさせられたり。
「個性」とは、「人と違うもの」ではなく、「どれだけ沢山の人に共感してもらえるか」なるほどその通りだと思った。

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2014年08月30日

Posted by ブクログ

舞台になっている周辺に多少の土地勘あり。
楽しく読めました。田舎ぐらし、楽しそうだけど、実際大変なんだろな。

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2013年09月04日

Posted by ブクログ

小説は他人の人生を擬似体験できる。

実兄に恋人を奪われ、失意の中、信州の民宿で
バイトする大学生の裕介。
そこで出会った3歳の男の子にいきなり、
「とーちゃん」と呼ばれ面食らう。

もちろん僕にはそんな経験は無いし、
これからも有り得ないシチュエーション。

村山由佳サンの作品は感情移入しやすく、
まるで自分が体験している感覚になる。

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2013年01月12日

Posted by ブクログ

まあ上巻だから中途半端に終わったわけだけど。

一度くらい大学休んで、ぼーっとするのもよかったのかもな。

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2012年03月12日

Posted by ブクログ

考え考え、言葉を選ぶようにしながら、彼女は静かにポットを置いた。「私が言おうとしたのはね。つまり幸福とか不幸って、ものすごく個人的な問題だってことなの。(中略)ただ確かなのはね。まわりの九十九人までが全然たいしたことないと思ったって、本人が不幸だと思ったらそれは不幸なんだっていうことよ。その反対に、はたから見てどんなに救いのない状況でも、当人が少しでも満足できるなら、それはりっぱに幸福でありうるんだわ」
そう言って、彼女はひとつうなずいた。まるで自分自身を納得させているような感じだった。

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2012年01月09日

Posted by ブクログ

花屋って、かわいいイメージがあるけど、大変なんだなぁ。



兄貴が悪い、兄貴が悪い言ってるけど、小さい頃の君も十分酷いよね。

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2011年06月23日

Posted by ブクログ

詳しい感想は下巻で書きます。

兄貴に彼女を取られちゃった祐介には同情するけど、いつまでもクヨクヨすんなよ!と言いたくなります。兄貴も彼女も登場してないので、主人公に対する感情移入が微妙です。

瞳子さんも明るい奥さんかと思いきや重たそうな過去ありだし、ちょっと暗いよ。
誰もが傷みを抱えて生きてる、ってテーマだから仕方ないか…下巻で何が起こるか楽しみです。

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2011年05月19日

Posted by ブクログ

上下巻を読み終わっての感想
下巻の方が上巻よりも登場人物の内面の細かい描写が増えて、ストーリーの先が知りたくて、読むスビードが上がった。
別の視点からnストーリーでも構わないので、今後の「かむなび」の綿々の物語も読んでみたいと思いました。

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2010年08月14日

Posted by ブクログ

読み始めました。 
主人公の男の子が逃げる。 
で、逃げた先で、預言者のようなお姉さまと出会いました。 
まだ30ページしか読んでません。

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2012年10月04日

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