あらすじ
10人の豪華執筆陣が〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。
暑い日になぜか起こる奇怪なある出来事、風鈴の音が呼び覚ますもう一人のわたしの記憶、死んだはずの母が見えるわたし、病院から届いた友人のSOS、旧いブザーを押す招かざる客……。
それは不思議な夢か、それとも妄想か……。あなたが見ている世界は本物ですか? 極上の奇譚小説をあなたに――。
感情タグBEST3
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あまり「妖し」じゃなかったんですが
一番良かったのは
窪美澄先生の 「真珠星 スピカ」
死んだ母親が娘を こっくりさんを使って
守る話で 愛情に不意打ちされて
かなり泣けました さすが
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面白かった。
なんとも言えない不思議な妖しい話ばかり。
特に恩田陸さんの金沢の話が好きだ。恩田陸さんのユージニアも金沢が舞台だったな。なんとも印象に残る話だった。恩田さんの、金沢に対する特別な思い入れを感じる。
ちょっと乙一さんのような妖しいオムニバスだった。
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〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う
Posted by ブクログ
「喪中の客」終始いやな予感にドキドキさせられ、身構えていたのにやはり最後にゾクリ。やられた。
「細川相模守清氏討死ノ事」時代物は苦手だが我慢して読み続けただけの価値はあった。読後爽快!ニンマリ
「フクライ駅から」なーんだネット系の都市伝説かぁ…期待せず読み進めたら意外な展開になり引き込まれた。フェスタのその後を知りたくなる。
「真珠星スピカ」なんて素敵な家族。泣けた。
「わたしキャベンディッシュ」バナナに対する認識が変わった。シゲルの味が気になって仕方ない。
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以前読んだ妖のアンソロジーと同じかと思いきや少しテイストが違った。
でもどれも一通り面白かった。
その中でも武川佑さんの短編が素晴らしかった。
日本史に明るくない私が読んでも目が離せない凄まじい熱量。読めない字も吹き飛ばすほどの強風がふく文章。本を持つ手が肘まで熱くなるような引き込まれ方をする物語に久々に出会った。まるでVRの映像を観たような読後感。
うーん、アンソロジーにハマりそうだな。
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特に「マイ、マイマイ」と「李果を食む」が印象に残った。
マイ、マイマイ
過去の体験は今の自分を作っている。その事実を物理的なものに例えて、体からぽろっと抜け落ちる表現がおもしろかった。
自分が持っている価値観に案外無自覚だったりするよなと思った。
李果を食む
兄弟それぞれの事実に基づいた認識が、同じものを見ているはずなのに、捩れの位置みたいに全く違うものとして突き進んでいく感じ、徐々にどれが真実が分からなくなる奇妙さが読んでいておもしろかった。
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ゾクっときたのは「曇天の店」・「フクライ駅から」・「喪中の客」くらいだな。
ちょっとイマイチ、って思いながら読んでいた最後に、めちゃゾクっとくる「喪中の客」。
小池真理子さん、さすがです。
恩田陸さんの「曇天の店」は良かったけど、余韻がありすぎて笑
「フクライ駅から」は読み終わってから思わず作者を確認。
朱川湊人さんだったか!
窪美澄さんの「真珠星 スピカ」もよかったかな。
コックリさん、懐かしい。
あとは、イマイチな印象。
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ちょっと怖い話のアンソロジー。
どの作品も、良かったのですが、あえて1つというなら、風鈴が出てくる話かなあ。
読んだことのない作家さんに出会えるので、アンソロジーはおすすめです。
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10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。
恩田陸『曇天の店』
北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。
米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。
村山由佳『ANNIVERSARY』
小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切っている気持ちになるのはしんどいですね。何回も繰り返すのかな。おかしくなりそう。
窪美澄『真珠星スピカ』
いじめられてる女の子。死んだお母さんが自分だけには見えている。空気の読めない担任(隣のお兄ちゃん)、いいお姉さん感がすごい保健の先生、不器用なお父さん。中学生の女の子の一人称で書かれていて、思春期のヒリヒリやヒヤヒヤが感じられてよかったです。ラストのお父さんのセリフ、泣いちゃいました。
彩瀬まる『マイ、マイマイ』
鈴白くんと別れることになるだろう。好きなのに。鈴白くんの落とした白い石には、彼の“恥”が入っていた。マイマイを戻さない選択をした主人公が偉いなと。
阿部智里『李果を食む』
兄弟で同じ現象を体験してるはずなのに、見てるものがまっっったく違う。怖い。スモモ?リカ?どっち!? 読み返しました。
朱川湊人『フクライ駅から』
友人が精神病院に入院した。彼の妹曰く、彼が都市伝説の生みの親だという。それがきっかけでおかしくなったと。しかし、友人は主人公にだけあるメッセージを送ってきて。人の裏の顔。そして、ラストは自爆していくのかな。疑心暗鬼のおまじないをかけられたのだろうか。こうなったらもう、戻れない。怖い。
武川佑『細川相模守清氏討死ノ事』
時代もの。幕府から追放された細川清氏と、彼に仕える小姓、孫七郎。彼らと烏天狗の因縁。時代ものは分からないところもあるのですが、アクションあり、情ありでおもしろかったです。烏天狗になるのは嫌なことかもしれないけれど、なってしまったら、それすら嘲笑うようになるのかな。
乾ルカ『かぐわしきひと』
自殺した双子の兄の遺品整理中に見つけた写真。そこに写っている美女に魅入られて…。そっちか!と見事にだまされました。残酷で美しい話。
小池真理子『喪中の客』
鳴らないはずのブザーが鳴った。訪ねてきたのは、妹の不倫相手の妻。終始、不穏な空気が流れていて、ゾクゾクしました。ラストは怖いからあんまり想像しないようにします。笑
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短編集は知らなかった作家さんに出会えるのが楽しい。
今回いちばんのお気に入りは村山由佳さんのANNIVERSARY。
「俺が寂しいの」に不意にきゅんとしてしまった。
話のあらすじとはズレちゃうけど、こんな旦那さんと結婚したいなあとしみじみ思いました。笑
真珠星スピカはちょっとうるっと来たし、
マイ、マイマイは思春期のムズムズ感を思い出したし、
わたしキャベンディッシュはぞわっとした。
一冊で色んな感情を引き出される本でした。
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「怪異」をテーマにした奇譚アンソロジー10篇。
作家それぞれの色々な「妖し」が表現されてます。
冒頭の恩田陸さんの「曇天の店」 ページ数少ないのに終盤で一気に不穏な空気にしていくのが秀逸。
「李果を食む」阿部智里 どっち?どっち?表現の生々しさが印象的だった。
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【収録作品】「曇天の店」 恩田陸/「わたしキャベンディッシュ」 米澤穂信/「ANNIVERSARY」 村山由佳/「真珠星スピカ」 窪美澄/「マイ、マイマイ」 彩瀬まる/「李果を食む」 阿部智里/「フクライ駅から」 朱川湊人/「細川相模守清氏討死ノ事」 武川佑/「かぐわしきひと」 乾ルカ/「喪中の客」 小池真理子
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十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?
「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
そちらの方が、より、恐ろしい。
Posted by ブクログ
【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…
そんな中、
なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
窪美澄の「真珠星スピカ」
母と娘、父と娘。
このそれぞれの【2人きりの時間】には
切なさとやりきれなさ、
それに希望が詰まってる。
まだ読んだことがない作家さんも多かった。
少しずつ読んでみたい。
Posted by ブクログ
評価は三ツ星半と言ったところか。
タイトルどおり「妖し」を共通テーマとした異なる作者による短編集であり、それぞれに異なる趣きの作品からなっており、飽きることなく読み終えることが出来た。