雑学・エンタメ - 中央公論新社作品一覧

非表示の作品があります

  • 梅棹忠夫著作集1 探検の時代
    -
    1~23巻6,194~11,748円 (税込)
    卓抜な着想。緻密な論理。大胆な展開。地球時代の日本が生んだ独創的思想家の知的構築。  <目次> 探検隊の見習士官/山と旅/探検の時代/探検記をよむ
  • 現代の戦略
    3.0
    ルトワック、クレフェルトと並ぶ現代三大戦略思想家の主著、待望の全訳 古今東西の戦争と戦略論を検証しつつ、陸・海・空・宇宙・サイバー空間を俯瞰しながら、戦争の本質や戦略の普遍性について論じる イントロダクション 拡大し続ける戦略の宇宙 第一章 戦略の次元 第二章 戦略、政治、倫理 第三章 戦略家の道具:クラウゼヴィッツの遺産 第四章 現代の戦略思想の貧困さ 第五章 コンテクストとしての戦略文化 第六章 戦争の「窓」 第七章 戦略経験に見られるパターン 第八章 戦略の文法 その一:陸と海 第九章 戦略の文法その2:空、宇宙、そして電子 第一〇章 小規模戦争とその他の野蛮な暴力 第一一章 核兵器を再び考える 第一二章 戦略史における核兵器 第一三章 永遠なる戦略 現代の戦略MODERN STRATEGY
  • チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史
    3.0
    本書の主軸をなすのは、西洋のラテン・アルファベットを基にして作られた「近代」の象徴としてのタイプライターと、中国語との間にある距離感である。その隔たりゆえに中国語そのものに「問題」があるとみなされ、それを克服するための「パズル」が形作られることになる。常に西洋の「本物」のタイプライターを意識しつつ、この「パズル」を解こうとしていく人々の群像を描いていくなかで、漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源に至るまで、さまざまな話題が展開されている。タイプライターというモノを起点としつつ、それの単なる発明史をはるかに超える射程を持った本であり、関心や専門を問わず広く読まれるべき一冊である。 目次 謝辞 序論そこにアルファベットはない 第1章近代との不適合 第2章中国語のパズル化 第3章ラディカル・マシン 第4章キーのないタイプライターをどう呼ぶか? 第5章漢字圏の支配 第6章QWERTYは死せり!QWERTY万歳! 第7章タイピングの反乱 結論中国語コンピューターの歴史と入力の時代へ 訳者解説 注 索引
  • 作家の証言 四畳半襖の下張裁判 完全版
    5.0
    「ワイセツとはなにか」 猥褻文書摘発事件に一流作家が集結 圧巻の証言集を開廷50年目にして復刊 〇被告人 野坂昭如 〇特別弁護人 丸谷才一 〇証人 五木寛之、井上ひさし、吉行淳之介、開高健、中村光夫、金井美恵子、石川淳、田村隆一、有吉佐和子 発禁となった短篇「四畳半襖の下張」、栗原裕一郎による書き下ろし解説を収録した完全版 丸谷才一 「後世、四畳半襖の下張裁判とは何であつたかを概括する史家は、まづ何よりも、それが日本最初の、日本文学に関する文芸裁判であつたことを言はなければなるまい」 野坂昭如 「人間の精神的営みは、どのような存在からも自由であること、その当然の帰結として、『四畳半襖の下張』という小説が、どのような意味、見地からも猥褻文書に該当しないことを、主張しつづけます。一小説家として、また一人の人間として」 井上ひさし 「これはもうほんとうに、わかんないなら実はおれが書いたと言いたいくらすばらしい作品ですね」 石川淳 「『古事記』以来、やはりこれは神事にはそういう男女のことが関係するというならわしの(中略)その「おまつり」の儀式です、『四畳半……』に書いてあることは」 有吉佐和子 「小説書きというのは、私もそうですけれども、好奇心は人一倍強いわけで、野坂さんは牢屋に入るということは欣喜雀躍として入るんじゃないかと。私はそれをたいへん心配しております」
  • 柳田國男全自序集(合本版)
    -
    『最新産業組合通解』(明治三五年)から『海上の道』(昭和三六年)まで、著作活動六〇年。生涯に刊行した一〇一冊の自著に寄せた序跋文と解説を年代順に初集成。全業績を一望のもとにおさめるオリジナル自著解題集。 〈解説〉「柳田國男による柳田國男」佐藤健二
  • 富士日記(上中下合本) 新版
    -
    夫、武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間を、澄明な目と無垢な心で克明にとらえ、天衣無縫の文体で映し出す日記文学の白眉。愛犬の死、湖上花火、大岡昇平夫妻や土地の人々との交流……。執筆に加え講演、選考会など多忙をきわめる夫、季節のうつろい、そして夫の病。「忙しくくたびれて」日記を付けられなかった二年間をはさんで、ふたたび丹念に綴られた最後の一年。昭和三十九年七月から五十一年九月までの日記を収録。田村俊子賞受賞作。巻末に関連エッセイを収録。
  • 源氏供養(上下合本) 新版
    -
    「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • 江藤淳はいかに「戦後」と闘ったのか
    -
    いま、批評の「海賊の唄」を聴け――。天才的頭脳、喧嘩、結核、そして真実を熱愛する心。「孤高の批評家」の激動の人生を通して描く戦後日本精神史!  片山杜秀氏推薦――「イデアを徹見し、犬語を解し、珊瑚海に日本兵の幽霊を幻視する。それが本当の江藤淳だ。そんな彼が「廃墟」と「奴隷」の戦後と闘う。にもかかわらず江藤は反近代的詩人になれぬ。あくまで近代的散文家。その断裂が江藤を謎めかせる。詩心旺盛な著者はその難関を猛突破。江藤の真実を今日的に解き放つ。雄渾な江藤論かつ激烈な戦後批判の書」。 【目次】 第一章「廃墟」と「奴隷」という主題系 第二章 埴谷雄高と丸山眞男との遭遇 第三章「作家は行動する」季節 第四章「批評の批評」という活路 第五章 国家と私 第六章 文芸時評は戦場である 第七章 小説江藤学校 第八章「戦後」との訣別 第九章「閉された言語空間」への憤怒 第十章 名辞以前の世界へ
  • 日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題 文化の架橋者たちがみた「あいだ」
    -
    日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を初めて明らかにする。
  • 日本秋景 ピエール・ロチの日本印象記
    -
    明治初期に日本を訪れた仏海軍士官ロチ。開業間もない鉄道と人力車で神戸・京都・奈良・東京・日光などを巡る。日本人と日本の風物に鋭い観察眼を向け、鮮烈な筆致で驚きを綴る。 目 次 第一章 京都 聖なる都 第二章 江戸の舞踏会 第三章 二人の老人がつくる驚きの料理 第四章 皇后の装束 第五章 三つの田舎の言い伝え 第六章 日光の聖なる山 第七章 サムライたちの墓にて 第八章 江戸 第九章 「春」皇后
  • 「作戦」とは何か 戦略・戦術を活かす技術
    3.0
    「戦略」については、古今多くの論考がなされ、広く注目を集めてきた。しかし現在、欧米の軍事専門家が最重要視しているのは「戦略(strategy)」と「戦術(tactics)」を架橋する「作戦(operation)」の考え方である。日本ではもともと作戦という言葉が幅広い使われ方をしていることもあり、この概念はいまだ理解が進んでいないが、戦争を取り巻く状況が変化した現代にあって、その役割を学ぶのは喫緊の課題であろう。本書では「作戦」の歴史的経緯をふまえたうえで、現在論議されている具体的な事例を検討する。 目次 序論 ポスト冷戦時代における作戦の特色―「軍隊行動の三レベル」  第一部 作戦の起源 第1章 作戦のない軍隊運用―絶対君主時代の戦闘回避主義 第2章 「大戦術」の開発とナポレオン戦争   第3章 ジョミニとアメリカ南北戦争   第4章 クラウゼヴィッツの「戦略」とモルトケの作戦  第二部 冷戦期までの作戦 第5章 米軍の消耗戦方式―封印された作戦の概念   第6章 ソ連軍の縦深作戦 第7章 フラーとハートの士気喪失作戦    第三部 ポスト冷戦時代の作戦 第8章 「緊要で、脆弱な『重心』」の追求   第9章 「影響」重視の考え方 第10章 複雑な「問題」と「システミック作戦デザイン」 おわりに
  • 樋口一葉赤貧日記
    4.0
    貧乏なのに、紙幣の顔。生まれは裕福、晩年は借金三昧。いくら稼ぎ、いくら借り、何を買い、何を思ったのか?金銭事情で読み解く、日本初の女性職業作家の新しい姿。
  • 平和と美の使者として 森下洋子自伝
    -
    広島に生まれた少女は3歳でバレエに出会い、長じて世界中で「東洋の真珠」と絶賛された。偉大なアーティスト、ヌレエフやフォンテインからの宝物のような学び、日本バレエ界を共に牽引してきた清水哲太郎との珠玉の絆、松山バレエ団が紡ぐ命慈しむ舞台への祈り……。唯一無二の歩みを秘蔵エピソードと共に語る。読売新聞連載「時代の証言者」に大幅加筆のうえ単行本化。
  • 八女茶 発祥600年
    -
    〈八女の玉露はなぜ高級? なぜうま味が濃い? 〉   日本茶のなかでも高品質な玉露の産地として知られる福岡県八女。  室町時代、明より茶の種が持ち帰られ、栽培方法が伝えられてから、2023年で600年の節目を迎えた。  全国的にみると小さな産地である八女は、いかに高級茶葉の産地となったのか。  独特な気象条件のもと機械化をせず、手摘みにこだわるなど徹底した手法を貫き、品評会で全国に名を轟かせる「八女伝統本玉露」の圧倒的なうま味、甘み、冴え。一杯の茶が忘れられない体験になるとも言われる。  今、八女茶は世界的シェフやソムリエとコラボレーションにより、世界へ羽ばたこうとしている。  日本一の玉露を作る茶の匠を追いかけ、八女茶の魅力に迫る一冊。八女茶の六百史掲載。
  • 歌舞伎役者 市川雷蔵 のらりくらりと生きて
    3.5
    早世した映画スター市川雷蔵の出自が歌舞伎役者だったことは知られている。では、雷蔵はなぜ歌舞伎から離れたのか? そして歌舞伎に戻りたかったのか? 1964年正月、日生劇場で10年ぶりに歌舞伎の舞台を踏み、「勧進帳」の富樫を演じた雷蔵の心のうちは? 生誕90年、初めて明らかになる「歌舞伎から見た雷蔵」。
  • ストックホルムの旭日 文明としてのオリンピックと明治日本
    -
    「いかに速く走るか」。――近代の到来は「文明」に、国際スポーツの場で国と国とが同一ルールで競い合うという新しい要素を加えた。コーチングの技術などが革新的に発展を遂げるなか、「文明国」の名乗りを上げたばかりの明治日本はスポーツという洋学をどう受容したのか。漱石『三四郎』や嘉納治五郎の欧米視察記、画期的指導書など陸上競技にまつわるテクスト・写真を精読、世界の頂点とされたオリンピックに二人の若きアスリートが挑むまでを描く。
  • 初期万葉論・後期万葉論 合本
    -
    『初期万葉論』 万葉集の「見る」という語は、自然に対して交渉し、霊的な機能を呼び起こす語であった。人麻呂の解析を中心に、呪歌としての万葉歌、秘儀の方法としての歌の位置づけを明らかにする。 人麻呂の挽歌を中心に古代日本人のものの見方、神への祈りが鮮やかに描かれる、それまでの通説を一新した、碩学の独創的万葉論。 『後期万葉論』 中国の文学や思想の影響が強まった万葉後期、変容する古代国家が残した歌は、その時代の心のありようを伝える。旅人・憶良・家持の分析を中心に、七夕などこの時期からの風習や言葉についても明らかにする。 『初期万葉論』に続く、独創的万葉論。人麻呂以降の万葉歌の精神の軌跡を描き、文学の動的な展開を浮かび上がらせる。
  • 徳川時代はそんなにいい時代だったのか
    -
    徳川日本は、明るくも暗くもなかった、と西尾幹二は言ったが、その通りであろう。時代は誰にとってもいちようではありえない。富豪にはいい時代でも、下層民にはいい時代ではない。徳川時代はそういう意味で、人によって違う時代だったが、とかく人はどちらかに片付けたがるものらしい。そう簡単に片付くものではない徳川時代について、私の知る範囲で語ってみたい。(本文より) 不都合な徳川時代の真実とは。小林秀雄が「紫式部」ではなく「本居宣長」を書いた本当の理由とは。徳川時代について、歴史小説や舞台、大河ドラマ、時代劇などもとりあげて様々な角度から考察する。
  • 江戸の大詩人 元政上人 京都深草で育んだ詩心と仏教
    -
    元政上人は、法華宗の僧侶としてだけでなく、漢詩、和歌、文筆に秀でた江戸時代有数の文化人として知られていた。  元政上人の名前を知る人は、今となってはほとんどいないかもしれない。まさに“忘れられた詩人・文学者”である。けれども、松尾芭蕉や、井原西鶴、北村季吟、小林一茶、宝井其角、与謝蕪村といった江戸時代を代表する文化人たちがこぞって元政上人を仰ぎ、讃嘆していた人であり、宮沢賢治の「雨ニモマケズ手帳」にも「元政」の名前を挙げて上人の短歌がメモされていたことなどを知れば、没後三百五十年の歳月を経た今、元政上人を改めて見直すことも、日本文化の源流を知る上で重要なことであろう。――「はしがき」より
  • 私の作家評伝
    -
    彼らから受け継ぐべきものとは何か―― 近代日本文学の代表的な文豪十六人の作家と人生を、独自の批評精神で辿り直し、彼らが現代に残した文学的遺産の正体をさぐる、異色の評伝集。 本書は、著者の代表的な長篇小説『別れる理由』と同時期に連載(1968~81年)された評伝シリーズの日本文学篇(海外篇はのちに『私の作家遍歴』として刊行された)。 世界文学にも造詣の深い著者が、いかに深く日本文学を読み込み、その達成を受け継いだかを最も示す評論であり、〈その作家自身の内面にもぐりこんで作品を読み直す〉〈特に、男女関係に鋭く着目する〉など、余人に真似のできない、著者ならではの躍動的な批評眼が発揮された著作でもある(連載中に芸術選奨文部大臣賞)。 また完結時には、本作で試みられた〈評伝中の作家自身の内面にもぐりこむ〉〈自分を評伝の登場人物のように外面的に書く〉という往還的な筆法が、のちの後期コジマ・ノブオの特異な作風=メタ私小説の領域を切り拓いたことを自身、語っている(中野好夫との対談「伝記文学の魅力」1975より)。 そうした重要作でありながら、本作は長らく、『別れる理由』などの派手な経歴の陰に隠れ、注目されてこなかった。 本文庫版は、新潮選書版全三巻(1972~75)を合本にした潮文庫版(1985)を底本とし、さらに、書籍初収録となる柄谷行人・山崎正和との貴重な鼎談を巻末に収録。 日本文学における近代の遺産と現代の基礎づけ、そして彼/女ら=我々と世界文学との接点を再考する上で、いまなお重要な観点を豊富に内蔵した一書として復刊する。 【目次】 永遠の弟子(森田草平)/順子の軌跡(徳田秋声)/狂気と羞恥(夏目漱石)/美貌の妻(森鷗外)/女の伊達巻(有島武郎)/東京に移った同族(島崎藤村)/男子一生の事業(二葉亭四迷)/不易の人(岩野泡鳴)/其中に金鈴を振る虫一つ(高浜虚子)/平坦地の詩人(田山花袋)/明治の弟とその妻(徳冨蘆花)/渋民小天地(石川啄木)/闇汁(正岡子規)/多佳女の約束(続夏目漱石)/神をよぶ姿(泉鏡花)/同じ川岸(近松秋江)/ひとおどり(宇野浩二) 〈巻末鼎談〉「漱石と鷗外の志と現代」柄谷行人×山崎正和×小島信夫(1973)
  • ウィーンに六段の調 戸田極子とブラームス
    -
    岩倉具視の娘極子は、幕末維新期の動乱の中で育ち、旧大垣藩主戸田氏共と結婚。ダンスと英会話が得意な彼女は、鹿鳴館の名花とうたわれた。 夫がオーストリア・ハンガリー特別全権公使に任命され、ともにウィーンへ。戸田家の音楽教師ボクレットは極子の演奏する日本の楽曲を採譜し、出版。ブラームスはその楽譜を手に極子実演を聞き、楽譜に書き込みを行った。 極子は日本と西洋音楽の交流の一端を担った。また、彼女の縁戚に連なるヘーデンボルク兄弟が現在ウィーン・フィルに在籍するなど、興味深いエピソードも紹介。 目次 プロローグ 《ウィーンに六段の調》 第一章 岩倉具視の娘 第二章 極子の結婚まで 第三章 氏共留守中の日本 第四章 鹿鳴館 第五章 戸田伯爵夫人極子 第六章 間奏曲 第七章 戸田伯爵夫妻ウィーンへ 第八章 ウィーンに響く箏の音 第九章 極子の後半生 エピローグ 極子の音楽遺産 あとがき  戸田極子関係系図  戸田極子関連年譜  主要参考文献  人名索引
  • 文春の流儀
    3.5
    『週刊文春』や『文藝春秋』の元編集長が経験した事件や出会った人々を綴る。政治家、文豪、ジャーナリスト、経営者、タレント、元軍人、そして無数の現場……。好奇心を武器に足を運び、手を動かして生まれた仕事の数々! そして取材の光と影や、芥川賞・直木賞の舞台裏、昭和史を彩った出来事などを通して、マスコミの役割も垣間見える。
  • 柳田國男全自序集I
    -
    著作活動六〇年、生涯に刊行した一〇一冊の自著に寄せた序跋文と解説を年代順に初集成。全業績を一望のもとにおさめるオリジナル自著解題集。第Ⅰ巻には『最新産業組合通解』(明治三五年)から『居住習俗語彙』(昭和一四年)までを収録する。全二巻。 〈解説〉「柳田國男による柳田國男」佐藤健二
  • 名場面でわかる 刺さる小説の技術
    4.5
    名場面があれば小説は勝てる!人気書評家の著者が、小説の名場面を例に、「読む技術」と「書く技術」を指南。
  • 日本近代小説史 新装版
    5.0
    文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説史を一冊で案内する。文学史的な事実の集積を越え、文学表現が生まれてくる社会状況や作品間の影響関係にも言及。主要な作品には内容紹介を添え、読書ガイドとしての利用も企図した。肖像に加え、本や雑誌の写真を多数収録。好評旧版の新装にあたり、近代文学に文化史的・メディア論的にアプローチする手がかりとして、「「近代日本文学」の成り立ち」を付した。
  • 浮き世離れの哲学よりも憂き世楽しむ川柳都々逸
    4.0
    「諦めきれぬをどうあきらめた 諦めきれぬとあきらめた」──人の心のありようをうたった都々逸から、「箪笥屋は離れ座敷を嫁の部屋」など、ちょっとエロティックな川柳、破礼句(ばれく)、「世の中ね顔かお金かなのよ」といった回文まで、三五〇余りの句や歌を通して、日本人の心の機微、男女の情愛や性愛の世界を読み解くエッセイ集。
  • 漫画を描く 凛としたヒロインは美しい
    4.0
    1960年代のデビュー以来、数々のヒット作を世に送り出してきたマンガ家・里中満智子。近年は自らの創作のみならず、日本マンガ界を牽引する立場としての活動も高く評価され、文化功労者にも選出された。 「すべてのマンガ文化を守りたい」との想いを胸に走り続けてきた75年の半生を自ら振り返り、幼少期から現代、そして未来への展望までを綴る。 高校生にしてプロの漫画家デビューを果たした著者だが、決して順風満帆ではなく、ジェンダーギャップで叱責をあびたり、読者からの抗議を受けたり、がんを患ったり、まるで朝ドラを見ているような半生が、これでもかと詰められている。顔の広かった著者ならではの、レジェンドのマンガ家たちとのやりとりも、多数収録。 当時を知る人には共感を、当時を知らない世代には新しい発見をもたらす1冊。
  • 勝手に大相撲審議会
    4.0
    デーモン閣下「吾輩の場合は、一見、力技のように見える、正統派の押し相撲を取る力士がもっと評価されていいと思う。突き押しにもテクニックがあるのだから。」 やくみつる「横綱には横綱の勝負の格というものがあるよね、横綱らしい相撲が見たいなあ、場所を通じて。」 ――自他ともに認める好角家・やくみつるとデーモン閣下の両氏が、神事から興行への歴史、相撲との出会い、思い出の取組、技巧派と力相撲の変遷、四股名のあれこれ、引退後の白鵬問題などを語り尽くした激論沸騰の熱血対談!
  • パクチーとアジア飯
    3.0
    好き嫌いがキッパリ分かれるパクチーの爆発的なブームとともに、 いま日本には第二のアジア飯ブームが到来している。 ガパオ、パッタイ、カオマンガイ……。 いつから日本人はこれほどまでにスパイスとハーブの香りの虜になったのか。 『Hanako』『きょうの料理』『オレンジページ』『dancyu』など時代を鮮やかに映しだしてきた雑誌や、アジアを舞台にした映画、小説、日本に急増する移民が広めた食文化を丹念に紐解きながら、日本人をとりこにしたパクチーとアジア飯の喜びの謎に迫る。 のびゆくアジア、どこか懐かしいアジアを愛し、旅し、食べ歩いている すべてのニッポンの女子に贈る。アジア飯の魅力の源泉をさぐる一冊。
  • その悩み、大胸筋で受けとめる 棚橋弘至の人生相談
    3.5
    八方塞がりの連載、上司からの圧、低い自己肯定感、離婚の踏ん切りどき、人生の意味……。 誰しも抱く悩みに新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が向き合う。 自ら悩み、もがきながら3年間の連載で見出したプロレス的思考からの導きは――マッチョな言葉でズバリ解決? いいえ、「全力で受けとめ、そっと背中を押す」系でした。 人生いつも崖っぷち、逆境と痛みを知る46歳プロレスラーが 心に沁みる名言を続出。 書籍化にともない、新たに同世代ミドルたちの不安への「神」回答も。
  • 「コミュ障」のための社会学 生きづらさの正体を探る
    3.1
    人づきあいが苦手な「コミュ障」(コミュニケーション障害)。この呼び名で、あなたは自虐的に振る舞っていますか? それとも知人をからかっていますか? 悩みを抱える読者は自分自身のメンタルを掘り下げる心理学に関心があるかもしれません。しかし、本書は「社会学」という道具を使って、自分の視野を広げて「壁」を取り払うためのポイントを紹介します。私たちは、なんらかの情報や知識、あるいは年齢や職種といった属性から、異なる「メガネ」をかけています。このメガネの存在に気づかせてくれるのが社会学の諸理論というわけです。また、著者自身が他者と分かち合えなかった具体的なエピソードを絡めながら、少しずつ自分の見方を広げていく知の旅を提供します。著者は「岩本先生の授業が一番人気の理由がわかった」と内田樹氏からもお墨付きをもらった人気講師。面白くてためになる白熱教室へようこそ!
  • 読売新聞「シングルスタイル」編集長は、独身・ひとり暮らしのページをつくっています。
    3.7
    クリスマスや年末年始って「家族の時間」ですよね。独身・ひとり暮らしのみなさんはどうしていますか?素朴な疑問から旅行会社と「みんなでクリぼっちナイト」ツアーを実現し、「ひとりの年末年始」「オンライン婚活」「ソロ・ウェディング」を特集した異色の読売新聞連載「シングルスタイル」をついに書籍化! 50代、自身シングルの森川暁子編集長は、日本全国の独身・ひとり暮らしの皆さんの物語を求め、今日も店開きをしています。
  • 横丁の戦後史 東京五輪で消えゆく路地裏の記憶
    3.0
    横丁には庶民に活力を与える不思議な力がある。そんな「戦後」の呑み屋横丁が、東京五輪開催に際し、絶滅の危機に瀕している。横丁をつくり、横丁に生きた名もなき人々は概して記録を残していない。このままでは、昭和の香り残るパラダイスは、人々の記憶から消えてしまう。そんな危機感から、筆者は立ち上がった。テキヤ、よそ者、周縁に置かれたひとびと。「みんな」で作った横丁の歴史を掘り起こした「横丁ジャーナリズム」の真骨頂。
  • 銀婚式
    4.5
    中村橋之助と、その息子3人の4人が同時襲名する中村家。その歌舞伎役者一家と成駒屋を妻として支えてきたのは、今も芸能界で活躍中の著者、三田寛子だ。「梨園の妻」といえば苦労人のイメージが強い。自らは一線を引いて家のために尽くす女性がほとんどである。そんな中、芸能人として休まず活躍を続けながら、母として、妻として走り続けられた原動力、秘訣は何か? 50歳を迎え、結婚25周年、4人同時襲名という節目の年に、半生を語った
  • 純烈 人生相談室 僕のお腹で、泣けばいい
    3.0
    「世の中は不公平です」「カレが結婚してくれません」「夫と家庭内別居状態です」「パワハラ正社員が怖くて眠れません」「余命3年です」「右目を失明し、不安で押し潰されそうです」「母の延命を拒否してしまいました」「助けてください」……。 こんな時代、みんな崖っぷちです。頑張らなくていい。そのままでいいんです。 『婦人公論』大人気連載 読者悩み相談室「脱衣所からこんにちは」、待望の書籍化! 鳴かず飛ばずの日々を送り、競馬で破滅しそうになり、複雑骨折で一時は歩行不可能と宣告されて……。いまでこそ紅白の舞台に立つ純烈だけど、リーダー酒井一圭の人生は、山→谷底→谷底→谷底→ちょっと山……。自身、苦しい時代が長かったからこそ、大好きなんです、ひと様の悩み相談が。こんな時代、人生は誰もが崖っぷち。みんなそれぞれの理由で息苦しい。そんな時には泣けばいい。僕の胸で、いえ「お腹」で泣いてください。
  • 母

    3.8
    母が嫌いだった。わたしの脳内は母の固定観念で支配され、わたしはわたしが嫌いだった。母から逃げるように飛び出した東京、タバコとパチンコに溺れた日々、愛想もお金も無いわたしを雇ってくれた水商売&雀荘、ひと時の夢を見せてくれたオトコ、“笑い”で幸せを運んでくれた先輩たち、そして、自分より大事な存在となった娘……。自分のことが嫌いだったオンナ・青木さやかが、こじれた人生を一つ一つほどいていく。生きることの意味を追い求めるヒューマンストーリー。 母との確執やギャンブル依存症など、自身の経験を赤裸々に綴った「婦人公論.jp」で話題沸騰中の「47歳、おんな、今日のところは○○として」に、書籍だけのオリジナル原稿を加筆。
  • ファウスト 悲劇第一部
    3.6
    あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作の第一部を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。 〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年
  • 華の碑文 世阿弥元清
    NEW
    -
    南北朝の激しい抗争の余韻が尾を曳き、不安定な世相が続いた室町時代。 大和猿楽座に生まれた世阿弥は、父・観阿弥が洗練させた能を受け継ぎ、辛苦を重ねて大成させた。 逃れられない“血”の宿命を背負い、「能」とだけ向き合って芸の道を究め、後世に残る真の芸術の粋へ高めた世阿弥の感動の生涯を描く傑作歴史小説。〈解説〉澤田瞳子
  • 源氏供養(上) 新版
    4.0
    「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • 八代目正蔵戦中日記
    -
    噺家・八代目林家正蔵(後の彦六)が残した膨大な日記より、昭和一六年一二月一日から二〇年八月三一日の記述を摘録。清貧に徹した長屋での暮らしぶり、謹厳実直で「トンガリ」とあだ名された反骨精神がにじむ活き活きとした筆致に、蝶花楼馬楽時代の名人の素顔が窺える。戦時下における東京下町の日常を伝える貴重な一級資料でもある。 目 次 おぼろげな父の記憶 花柳衛彦 優しかった父 藤沢多加子 昭和十六年(十二月一日から) 昭和十七年 昭和十八年 昭和十九年 昭和二十年(八月三十一日まで) 巻末エッセイ     林家正雀  他人様を思って生きた師匠  戦い抜いた師匠 文庫版刊行に寄せて 編者解説     瀧口雅仁  馬楽時代の戦中日記をまとめて  正蔵が確かな目で見続けたもの 文庫版のためのあとがき 登場人物・登場日付索引
  • 小林秀雄の眼
    4.0
    小林秀雄は何をどう見ていたのか。批評眼が冴えわたる小林の言葉を選び抜き、江藤が丁寧な解説を施した名言+随想集。精神と批評とに関する四十三章。 【目次】 小林秀雄の眼(全43章) 小林秀雄をめぐって  小林秀雄の肉声  小林秀雄没後十年  批評という行為(対談)西尾幹二×江藤淳 解説 二人の「絶対的少数派」 平山周吉
  • 谷崎潤一郎伝 堂々たる人生
    -
    七十歳をすぎてなお数々の傑作を書き続けた文豪谷崎の生涯は、一方でスキャンダルと逸話にみちた生涯でもあった。三度の結婚、妻譲渡事件、人妻との密通、あいつぐ発禁――。本書は伝説や通説に惑わされることなくその実像に肉迫する本格的評伝である。 目 次 まえがき――大谷崎と私 第一章 作家の「誕生」 第二章 汽車恐怖症前後 第三章 長男としての潤一郎 第四章 結婚と支那旅行――大正中期の谷崎 第五章 小田原事件――佐藤春夫と妻千代 第六章 関東大震災前後――横浜から関西へ 第七章 妻君譲渡事件と和田六郎――昭和初年の谷崎 第八章 古川丁未子の真実――谷崎第二の妻 第九章 「松子神話」の完成まで 第十章 谷崎をめぐる人々 第十一章 『源氏物語』から敗戦まで 第十二章 京の谷崎――戦後の日々 第十三章 渡辺千萬子と晩年の谷崎 第十四章 「女中綺譚」と「猫犬記」 最終章 終  焉 主要参考文献 跋文〔元本あとがき〕 文庫版のためのあとがき 谷崎関連家系図 人名索引
  • 本業はオタクです。 シュミも楽しむあの人の仕事術
    3.6
    「いつもオタク現場にいるあの人、一体なんの仕事をしているんだろう?」 ソシャゲに延々お金を注いだり、推しているアイドルのツアーに合わせて全国を飛び回ったり……。すべてを惜しみなく推しに注いでいる彼女たちはいったいどんなお仕事をして、時間とお金をやりくりしているの? そんなリアル女子のおしごと事情をインタビューでひもとくWeb連載「オタ女子おしごと百科」が本になりました! ベストセラー『浪費図鑑』でおなじみの劇団雌猫が、日々趣味と仕事の両方にいそしむオタク女子たちにインタビュー。「仕事とオタ活の両立」の工夫や、知られざる「オタ活に向いた仕事」も徹底取材。 さらに、本書ならではのオリジナル要素として、悪友たちが実践している働き方のアンケート調査結果や、悩める悪友のためのキャリアコンサルタント・西尾理子先生のお話も収録。 仕事とシュミ、どっちも頑張る女子のための、新しい働き方指南本です! ■内容紹介 ◇仕事は仕事、シュミはシュミ! 「切り替え」オタク女子インタビュー ◇仕事でもシュミを強みに! 「公私混同」オタク女子インタビュー ◇私たちのキャリア、どうすれば? 「お仕事選び」のプロに聞いてみた ◇オタク女子が幸せに働いていくには? 劇団雌猫座談会 ◇悪友たちの"おしごと"事情 ◇あなたのお仕事と推し事の両立のコツを教えて!
  • おしゃれも人生も映画から
    3.5
    ◆ベストセラー『服を買うなら、捨てなさい』のスタイリストと、ハリウッド女優のファッションにも詳しい映画ジャーナリストによる激辛放談。30年来の仲の二人は、おしゃれも恋愛も人生も、映画から学んだと断言します。 ◆「映画は、ちょっと先の未来を見せてくれる」という二人が、今こそ観てほしい映画をピックアップ。ファッションと映画という華やかな世界で活躍し続けてきた二人が語る、オシャレ観、恋愛観、人生観は、これからを生きる女性たちに、勇気と希望を与えてくれます。 ◆トレンドの最前線にいるハリウッド女優の話や、リアル女子の手本となったファッションアイテムについてなど、女性が気になるポイントも登場。映画通の人はもちろん、仕事や子育てで映画を観ることから離れてしまった人、今まで映画を観ることの少なかった人も、「もう一度映画を観てみたい」と思える1冊
  • 日本の海の幽霊・妖怪
    3.0
    海妖伝承を系統立てて研究した民俗学者の遺稿集。私家版としてごく少部数のみが刊行され、「幻」とまで評された名著がついに復刊!  305ページ
  • ヴィジュアル版 沖縄文化論 忘れられた日本
    -
    身体全体がふくれあがるような日々だった。ふれるものすべてに問題を発見し、ぎりぎり集中して行った。――一九五九年に本島、久高島、宮古島、石垣島、竹富島、そして六六年に久高島を再訪。沖縄に恋をした芸術家が見た舞踊、歌、そして神事からの日本再発見。毎日出版文化賞受賞作。著者撮影による写真口絵六四ページを収録。 〈随筆〉岡本敏子 〈解説〉外間守善/赤坂憲雄 (目次より) 沖縄の肌ざわり 「何もないこと」の眩暈 八重山の悲歌 踊る島 神と木と石 ちゅらかさの伝統 結 語 増補 神々の島 久高島 本土復帰にあたって あとがき  「一つの恋」の証言者として岡本敏子  新版に寄せて 岡本太郎の『沖縄文化論』を読む外間守善  解説赤坂憲雄

    試し読み

    フォロー
  • 漱石の読書と鑑賞
    3.0
    僕の門下生からこんな面白いものをかく人が出るかと思うと先生は顔色なし。――新刊の感想から、門下生の作品添削、雑誌への売り込みまで。漱石の書簡に現れる同時代文学評を、佐藤春夫が編年でまとめ、解説を付し、「書簡中に見る諸家作品選集」を編集する。 〈巻末付録〉エッセイ=内田百閒/漱石宛て書簡=芥川龍之介・久米正雄
  • 文明の生態史観 増補新版
    4.0
    一九五五年、京都大学の学術探検隊に同行し、西アジア諸国を歴訪した著者。その体験から生まれた視点により、対立ではなく平行進化として東西の近代化を捉え、〈中洋〉を提唱する。六〇年代にかけての東南アジア、アフリカ各国訪問を経て、比較宗教論へと連なる論考の集成に、著者の到達点を示す「海と日本文明」(二〇〇〇年)を増補する。 〈解説〉谷泰
  • カラー版 新大陸が生んだ食物―トウモロコシ・ジャガイモ・トウガラシ
    3.5
    カレーや肉じゃがなど、日々の献立に欠かせないジャガイモ、季節を感じさせるトウモロコシやカボチャ、激辛のトウガラシや魅惑のチョコレート……。これらはすべて中南米を原産とし、15世紀末以降、世界中に広まった新しい食物である。その「ふるさと」を訪ねると、味も形も色もユニークでバラエティーに富む原産種が栽培され、加工や調理にも工夫が凝らされていた。多彩な食物と人間の関係をカラー写真と文章でたどる。
  • 無想庵物語
    -
    芥川・谷崎に勝る博識で「日本のアナトール・フランス」と呼ばれ、文学的成功を願いながらも、無軌道な生活の末に失敗した作家、武林無想庵。その親友山本露葉の息子として、若き日にパリで生活を共にした著者、山本夏彦。無想庵と彼をめぐる人々について哀惜深く綴り始めた評伝はやがて、著者自身の青春の謎と絡まりだす……。〈辛口コラムの達人〉が遺した唯一の長篇作品にして、最高傑作との評価も高い、第41回読売文学賞受賞作。復刊に際し関連エッセイ二篇を増補。 〈カバーイラスト〉辻まこと 〈解説〉finalvent
  • 辛酸なめ子の独断! 流行大全
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 読売新聞夕刊「popstyle」不動の人気コラム待望の書籍化!時代のキーワードが250語収録。経済・社会風俗・科学・芸能、時事ワードのクロニクル……時代に踊らされる私達のすべて! 【登場する流行(一部)】 レジェンド/スメハラ/アイス・バケツ・チャレンジ/自撮り棒/ YouTuber /肩ズン/コールドプレスジュース/新ハチ公像/日本刀ブーム/イケメンすぎる首相/スカンツ/超いいね! /ハイヒールもう無理/バスタ新宿/日本語ロゴブーム/ポケモンGO /最後のリッツパーティー/新幹線清掃/ペンパイナッポーアッポーペン/プレミアムフライデー/オリーブオイルの量/メルカリの闇/うんこ漢字ドリル/パンダ誕生/アムロス/ AIスピーカー/ダサいセーター世界選手権/ざんねんないきもの/羽生結弦展/やばい日本史/筋肉体操/高輪ゲートウェイ/令和ビジネス/ KONMARI /東京五輪チケット/かぶる傘/ハンディーファン/タピオカ漬け丼/イートイン脱税/サブスクリプション/ぴえん/モーニングルーティン/マスク不足/アマビエ/縄跳びダンス/ワーケーション/スパダリ/ clubhouse/ピクトグラム…
  • 寂聴精撰 美しいお経
    -
    仏を祈る時は、ただその仏さまの真言をとなえればいい――。般若心経から宮沢賢治の「雨ニモマケズ」まで。不安に心がさいなまれた時に口にしたいお経や詩歌を、寂聴師が厳選。新装版 内容 仏に帰依する誓い――「三帰依文」 仏前でまずあげるお経――『懴悔文』 子供が欲しい時――『観音経』 相手を思いやる想像力――宮沢賢治「雨ニモマケズ」 極楽の花の香りにつつまれる――『阿弥陀経』 口に出して読めば心が静まる――『法句経』六〇番 長寿の秘訣――夢窓国師疎石 家康に教えた長寿法――天海僧正 生れた時もひとり、死ぬ時も――『一遍上人語録』 人の生涯の時間は決められている――「白骨の章」 人間はもともと仏――白隠禅師『坐禅和讃』 人の世は好いことずくめではない――慧澄『仏心印記饒舌談』 別れの詩、サヨナラダケガ――于鄴、井伏鱒二の訳詩 常にプラス思考で生きるには――空海『性霊集』 愛する人に死別することは――空海『性霊集』 嘆き悲しんでばかりいても――空海『性霊集』 虚心に阿弥陀仏を信ぜよ――蓮如『御文』 中将姫の「当麻曼荼羅」――中勘助『鳥の物語』 わたしを平和の道具に――アッシジの聖フランチェスコ 生き抜いた女の見事な一生――鈴木真砂女 祇王寺の尼僧の波瀾万丈――高岡智照尼 ぎゃてい、ぎゃてい、はらぎゃてい――『般若心経』 美しい日本を歌う僧侶――道元、明恵、良寛 それぞれの仏さまの真言……ほか、全71篇。
  • 演劇入門 増補版
    -
    生涯に一度、私の演劇観を具体的に述べ、一冊にまとめておきたい――。演劇人、シェイクスピアの翻訳者としての旺盛な著作活動の中から戯曲論、翻訳論、演出論、演技論等を自ら厳選。待望された著者唯一の入門書であると同時に演劇理論家としてのエッセンスを提示する。全集未収録の単行本版に「醒めて踊れ」を増補した決定版。 〈解説〉福田 逸 ■目次 Ⅰ 劇と生活/演劇の特質/劇場への招待 Ⅱ 戯曲読法/ことばの二重性/シェイクスピア劇のせりふ Ⅲ 演技論 Ⅳ 演出論/シェイクスピア劇の演出 Ⅴ 日本新劇史概観 * 醒めて踊れ あとがき 解説 演劇理論家としての福田恆存 福田逸
  • 日本の民俗学
    -
    民俗学とは何か。表題作ほか「国史と民俗学」「実験の史学」など学問実践の体系化を目指した論考によって「方法としての民俗学」を浮き彫りにする文庫オリジナル論集。折口信夫との対談、生涯と学問について語った「村の信仰」を併せて収める、柳田学入門の決定版。〈解説〉佐藤健二 【目次】 I 日本の民俗学 郷土研究ということ/日本の民俗学/Ethnologyとは何か/日本の民俗学/ 郷土研究の将来 /国史と民俗学/実験の史学/ 現代科学ということ/日本を知るために Ⅱ 柳田国男・折口信夫対談 日本人の神と霊魂の観念そのほか 民俗学から民族学へ――日本民俗学の足跡を顧みて Ⅲ 村の信仰――私の哲学
  • 中世の秋(上)
    -
    二十世紀を代表する歴史家ホイジンガが、フランスとネーデルラントにおける十四、五世紀の人々の実証的調査から、中世から近代にかけての思考と感受性の構造を、絶望と歓喜、残虐と敬虔の対極的な激情としてとらえ、歴史の感動に身をおく楽しみを教える。中世人の意識と中世文化の全像を精細に描きあげた不朽の名著。 【目次】 第一版緒言 Ⅰ はげしい生活の基調 Ⅱ 美しい生活を求める願い Ⅲ 身分社会という考えかた Ⅳ 騎士の理念 Ⅴ 恋する英雄の夢 Ⅵ 騎士団と騎士誓約 Ⅶ 戦争と政治における騎士道理想の意義 Ⅷ 愛の様式化 Ⅸ 愛の作法 Ⅹ 牧歌ふうの生のイメージ ⅩⅠ 死のイメージ ⅩⅡ すべて聖なるものをイメージにあらわすこと 史料解題
  • 暴走司会者 論客たちとの深夜の「激闘譜」
    -
    1987年4月にスタートした「朝まで生テレビ!」。著者は、ときに強引すぎるとの批判を受けつつも、その独特の司会ぶりで、原発、天皇、右翼など“日本のタブー”に挑み、30年間にわたって番組を牽引してきた。野坂昭如氏、大島渚氏など放送開始時から存在感を示した出演者から、堀江貴文氏ら最近の若手論客まで、多彩なパネリストたちによる“論戦”を一挙に振り返る。 目次 第一章 「公平でない」「発言しすぎる」は、私にとっての褒め言葉 第二章 手応えを感じた原発論争 反対派と推進派が直接対決 第三章 自粛ムードの中、あえて天皇と天皇制を論じる 第四章 野坂昭如抜きには成り立たなかった差別問題論争 第五章 野村秋介との対話で確信、右翼とも議論はできる 第六章 ときには同志、ときには好敵手 野坂、大島、西部……素顔の論客たち 第七章 本物っぽく見えた麻原彰晃 宗教を扱う難しさを実感 第八章 対米従属か、自立か 安全保障をめぐり意見は真っ二つ 第九章 これからは彼らが主役 若手論客に教えられること
  • まんがでわかる 定年後 黄金の7法則
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 25万部突破のベストセラー新書『定年後』、待望のまんが化! 自営業などを除けば誰もがいつか迎える定年。シニア社員、定年退職者などさまざまな人たちへの取材で、定年後の「現実」を明らかにした著者監修のもと、人生の後半戦を真に豊かに生きるための「黄金の7法則」を伝授します。 まんがを読むだけで、名著『定年後』のエッセンスが身につきます。 <あらすじ> 大手商社に勤める進一(40歳)は、日々真面目に仕事をこなしていた。 ある日、会社の辞令で子会社に出向することに。 自分が中軸から外されたことにとまどいを隠せない進一。 そんな中、大学時代の先輩で今はフリーカウンセラーとして 活躍する奈々と出会い、悩みを打ち明ける。 奈々から「人生の後半戦を幸せにする方法」を教えてもらうことで、 日々の生活を見直し、好転させていくストーリー。
  • ドミトリーともきんす
    4.2
    不思議な学生寮「ともきんす」に暮らす〈科学する人たち〉朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹……彼らが遺した文章と一組の母娘の出会いを描く、高野文子11年ぶりの新作コミック。
  • マヤ文字を解く
    4.0
    碑や絵文書に残された不思議な文字。天文や暦の計算、王朝や都市の盛衰を刻んでいることが最近明らかになった。そのファンタスティックな絵文字を読むための手がかりはどこにあるのか。マヤ文字の第一人者が魅力を解き明かす。  327ページ
  • ロシア的人間 新版
    5.0
    今やロシアは世界史の真只中に怪物のような姿をのっそり現して来た――。千変万化するロシア国家の深奥にあって、多くの人を魅了する魂のロシアとは何か。プーシキンからドストイェフスキー、チェホフにいたる十九世紀の作家たちの精神を辿りつつ、「ロシア的なるもの」の本質に迫る。 〈巻末エッセイ〉江藤 淳〈解説〉佐藤 優 目 次 序 第一章 永遠のロシア 第二章 ロシアの十字架 第三章 モスコウの夜 第四章 幻影の都 第五章 プーシキン 第六章 レールモントフ 第七章 ゴーゴリ 第八章 ベリンスキー 第九章 チュチェフ 第十章 ゴンチャロフ 第十一章 トゥルゲーネフ 第十二章 トルストイ 第十三章 ドストイェフスキー 第十四章 チェホフ 後記(北洋社版) 後記 井筒先生の言語学概論 江藤 淳 解説 佐藤優
  • 花鳥風月の科学
    3.6
    「花鳥風月」に代表される日本文化の重要な十のキーワードをとりあげ、歴史・文学・科学などさまざまな角度から分析、その底流にひそむ「日本的なるもの」の姿を抉出させる。著者一流の切り口が冴えわたる、卓抜の日本文化論。

    試し読み

    フォロー
  • 明治世相百話
    -
    活気あふれる明治から大正へ三十余年、新聞人のとらえた庶民の文化と世相の歩み。下町の風俗文化、演芸娯楽に名物、書画骨董、もろもろ見聞の宝庫。

    試し読み

    フォロー
  • 日本の幽霊
    3.0
    ありもしない怪異がなぜ起り、居もしない幽霊がなぜ出没するのか。昔なつかしいお化けのエピソードも豊かな民俗学者の幽霊研究。〈解説〉矢代静一

    試し読み

    フォロー
  • オスカー・ワイルド 「犯罪者」にして芸術家
    NEW
    3.7
    『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの画像』など多くの著作と数々の警句で知られる「世紀末芸術の旗手」オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれ、オックスフォード大学在学中から頭角を現した青年期に始まり、同性愛裁判に敗北し、保守的なイギリス社会から追放される晩年まで。「私は人生にこそ精魂をつぎ込んだが、作品には才能しか注がなかった」――どの作品よりも起伏と魅力に富んだ彼の生涯をたどる。
  • 推理小説作法 増補新版
    -
    推理小説とは何か? そしてその作法とは? 日常的な発想法のヒント、創作メモの取り方、プロット作り、ストーリイの構成……鮎川哲也とともに戦後の本格ミステリシーンを支えた巨匠による、超実践的創作指南。 多くの実作者・読者から支持を得てきた定評ある名著に、自身の作家人生をふりかえる晩年のインタビュー・エッセイ二篇を増補。 〈解説〉円居挽 【目次】 第一章 推理小説に作法があるか 第二章 推理小説とはなにか 第三章 発想の方法 第四章 創作メモの活用 第五章 プロットを練る 第六章 ストーリイについて 第七章 実作篇「三幕の喜劇」 終 章 補遺と提言 ミステリー随想 楽我鬼集  附篇 インタビュー 現役最高齢の推理小説作家(2004) エッセイ 隅の老人の思い出(2003)
  • 百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成
    3.5
    「婦人と言えども人である」などと言われた創刊期より一世紀。 女の公と私、上半身と下半身を見つめ続けた一四〇〇冊余を繙けば、祖母が、母が、私たちが歩んだ時代が浮かび上がる。 大正の「非モテ」、女タイピストの犯罪者集団、ウーマン・リブとセックス、主婦論争…… トンデモ事件から時代を動かした論文までを読み解く! 「表紙ギャラリー」も収録 〈解説〉中島京子
  • 中国の神話
    4.0
    無体系のまま放置されていた中国の神話を、豊富な史料から発掘し、その成立・消失過程を体系的に論ずる。これらの神話はアジアから、遠くギリシャ・ローマとモチーフを共有する。日本神話理解のためにも必読、碩学による傑出した神話論である。  353ページ
  • 疎開日記 谷崎潤一郎終戦日記
    3.0
    第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。 〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
  • すごい毒の生きもの図鑑 わけあって、毒ありです。
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「自然にはキケンがいっぱい! でも、みんな精いっぱい生きてるんです」 世界には、毒をもった生きものがたくさん存在します。その生態は多種多様。環境に合わせて進化するうち、毒によって身を守ったり、獲物を捕まえるなどして生き残ってきました。本書では、毒を使って生きる動物や植物を、ポップでなイラスト&マンガとわかりやすい文章で、楽しみながら教えます。 特に夏のレジャーで山岳や川辺、海辺などを訪れる際、安全に楽しむための豆知識も充実。いざという時の対処法も収録しました。 監修は薬科大学客員教授の船山信次先生。子どもにもわかりやすく丁寧な解説で、親子で安心して楽しめます。全ての文字はルビ付きで、子どもだけでも読むことができます。 【教養が身につく中公新書からうまれた本 シリーズ第2弾!】
  • 戦後と私・神話の克服
    5.0
    戦後の「正義」に抗い、自身の「私情」に忠実であることを表明した「戦後と私」、三島由紀夫、石原慎太郎、大江健三郎を論じた卓越した批評「神話の克服」。「私」三部作ほか、癒えることのない敗戦による喪失感と悲しみを文学へと昇華した批評・随想集。自作回想「批評家のノート」初収録。 〈解説〉「江藤淳と『私』」平山周吉 【目次】 Ⅰ 文学と私/戦後と私/場所と私/文反古と分別ざかり/批評家のノート  Ⅱ 伊東静雄『反響』/三島由紀夫の家/大江健三郎の問題/神話の克服  Ⅲ 現代と漱石と私/小林秀雄と私 解説 江藤淳と「私」(平山周吉)
  • 日本の星 星の方言集
    4.7
    星の文人・野尻抱影が三十余年の歳月をかけ蒐集した、星の和名七百種の集大成。各地に埋もれた星の方言をまとめ、四季の夜空をいろどる星の生い立ちを、農山漁村に生きてきた人々の生活のなかに探る。日本の夜空に輝く珠玉の星名が、該博な知識と透徹した詩人の直観力とをもって紡がれていく。 〈解説〉石田五郎
  • 大江戸長屋ばなし
    -
    江戸庶民のほとんどが住んでいた長屋。大家は親も同然といわれ、入居希望者の人柄の見極めに始まり、夫婦喧嘩の仲裁冠婚葬祭の仕切りまで、店子たちの世話を焼いていた。一方、店子は年に一度の井戸浚いや、煤払いなど、季節の行事の取り決めを守りつつ貧しくも長閑に暮らしていた。そんな江戸っ子の日常を小咄、落語に絡めて活写する一冊。

    試し読み

    フォロー
  • かぶき讃
    -
    「なまめける歌舞妓びとすら ころされて、いよ 敗れし悔いぞ 身に沁む」(昭和二十一年)と詠んだ折口信夫は、戦中から戦後、歌舞伎について度々論ずるようになる。防空壕の中で死んだ中村魁車、上方歌舞伎の美の結晶実川延若、そして六代目尾上菊五郎。役者論を軸に、豊穣な知とするどい感性で生き生きと描く独特な劇評集。

    試し読み

    フォロー
  • 軍神 近代日本が生んだ「英雄」たちの軌跡
    NEW
    4.0
    かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
  • 性と暴力のアメリカ 理念先行国家の矛盾と苦悶
    3.8
    ※電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 唯一の超大国として、最も進んだ科学技術を誇るアメリカ。だが、キリスト教の倫理観に縛られ、二億挺を超す銃が野放しにされるなど、「性」と「暴力」の問題については、前近代的な顔を持つ。それはなぜか――。この国の特異な成り立ちから繙き、現在、国家・世論を二分する、妊娠中絶、同性愛、異人種間結婚、銃規制、幼児虐待、環境差別、核の行使などの問題から、混迷を深めるいまのアメリカを浮き彫りにする。
  • ブッシュマンとして生きる 原野で考えることばと身体
    4.0
    南アフリカのボツワナに暮らす狩猟採集民、セントラル・カラハリ・ブッシュマン。丹念な会話分析と出来事を根底から把握する身体配列を手がかりに、その独特なセンスを浮かびあがらせる。権力と強制と傲慢を徹底して嫌い、みずからの生きる世界と粘りづよく交渉を重ねる彼らの社会は、私たちにもう一つ別の生の形がありうることを示している。直接経験に根ざした「等身大の思想」の実践を呼びかける、フィールドワークの結晶。
  • 弔いの文化史 日本人の鎮魂の形
    3.3
    日本人は天災や戦争によって非業の死を遂げた者をどのように弔ってきたのか。『古事記』『日本書紀』を起点に仏教説話集『日本霊異記』の世界に分け入り、念仏結社を作った源信、女人救済を説いた蓮如らによる弔いの作法を歴史的に辿る。さらに死者の霊を呼び寄せる巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬や花嫁・花婿人形の奉納など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。
  • バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年
    4.2
    バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。
  • 物語 食の文化 美味い話、味な知識
    3.8
    長く人類はまずいものを繰り返し食べてきた。「美味しいものをお腹いっぱい食べたい」という欲求が強いのも無理はない。美味、珍味の探求は世界の人々の日常行為となっており、たべものへの関心は高まり続けている。本書は、食材、調理法、食事のしきたり、さらに各地各時代の食文化などを広く紹介するものである。味覚の満足、心躍る会食、そして健康増進のために、たべものについての正確な知識は欠かせない。図版多数。
  • 日本怪談集幽霊篇(上)
    4.0
    幽霊は実在するか? 現代の科学は、もちろん幽霊の存在を認めていない。だが、古来、多くの日本人が同じような体験をしてきたのには理由があるはずだ。日本人の集団感覚を浮き彫りにする「幽霊体験資料集」。上巻にはマボロシ、人魂、生霊など「魂と肉体の遊離」についての例話、幽霊屋敷、浮かばれない霊などを集める。  197ページ
  • 動物園・その歴史と冒険
    4.0
    人間の野望が渦巻く「夢の世界」へようこそ。動物園は、18世紀末のヨーロッパに誕生した。しかし珍種を集めて展示する「動物コレクション」は、メソポタミア文明に遡るほどの歴史をもつ。近代に入ると、西洋列強は動物を競って収集。動物といっしょに「未開人」まで展示し人気を集めた。果ては「恐竜」の捕獲や絶滅動物の復元計画も登場。異国風建築から、パノラマ、サファリ・パークやテーマ・ズー、ランドスケープ・イマージョンまでのデザインの変遷をたどりながら、動物園全史と驚異の冒険譚を描き出す。
  • 安彦良和の戦争と平和 ガンダム、マンガ、日本
    3.0
    『機動戦士ガンダム』の生みの親の一人であり、マンガ家として歴史や神話を題材にした傑作を世に問うてきた安彦良和。『宮崎駿論』などで注目される気鋭の批評家が20時間にわたって聞き取った、『機動戦士ガンダム』の神髄とマンガに込められたメッセージとは? 2019年は『機動戦士ガンダム』テレビ放送開始から40周年。戦争・歴史マンガの多彩で豊饒な作品世界、日本の歴史、あの戦争、いまの社会――。40年を超える、過去から未来への白熱討論!
  • 食の人類史 ユーラシアの狩猟・採集、農耕、遊牧
    3.4
    人は食べなければ生きていくことはできない。人類の歴史は、糖質とタンパク質のセットをどうやって確保するかという闘いだった。今では、西洋では「小麦とミルク」、東洋では「コメと魚」のセットとして摂取されることが多いが、山菜を多食し、採集文化が色濃く残る日本のように、食の営みは多様である。本書は、ユーラシア全土で繰り広げられてきた、さまざまな生業の変遷と集団間の駆け引きを巨細に解読する。
  • 江戸の温泉三昧
    -
    草津では小林一茶が江戸との往復時にたちより、俳句を詠んだ。一茶自身湯治が好きで覚え書きや感想を残している。また熱海を訪れた中級武士たちは新鮮な海の幸に感激してグルメ三昧、弁当を持って寺社詣でに出かけた。道後・有馬などの大歓楽地では、小金のある連中が名産・名物を買い漁り……。古代の湯浴みに始まり、江戸期に急速に広がった温泉文化の有り様や魅力を語る。
  • フランス文学講義 言葉とイメージをめぐる12章
    3.8
    近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
  • 続・東北―異境と原境のあいだ
    -
    「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。
  • 幸福な離婚 家庭裁判所の調停現場から
    -
    現在の日本では、結婚した夫婦の約3組に1組が離婚する。また、毎年結婚するカップルの約4組に1組が、夫婦のいずれかが再婚である。結婚と離婚は切り離せない時代となった。そこで、離婚となった場合、家族メンバーの幸福が最大限満たされるよう、図っていく必要がある。 著者は長年、少年非行をメインに研究してきた。重大な少年犯罪は機能不全に陥った家族との関係が切り離せない。その一環として、家族問題に関心を持ち、みずから10年以上にわたり家庭裁判所の家事調停委員を務めてきた。これまでに、離婚を中心として200件以上の家事事件の調停を担当。家事事件の最前線において、当事者に寄り添いながら解決を図ってきた。 本書では、著者の家事調停委員としての経験をもとに、現場での具体的なケース(29例)を引きながら、幸福な離婚に至る可能性を探ってゆく。離婚への備え、必要な知識が得られるようケースを選択し、子どもを含む家族メンバ著者のーの幸福を最大化する解を提示する。離婚について考え、備えるための最良の手引き。
  • シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか
    4.3
    久しぶりに実家に帰ると、穏健だった親が急に政治に目覚め、YouTubeで右傾的番組の視聴者になり、保守系論壇誌の定期購読者になっていた――。こんな事例があなたの隣りで起きているかもしれない。中にはネット上でのヘイトが昂じて逮捕・裁判の事例が頻発している。そのほとんどが50歳以上の「シニア右翼」なのである。若者を導くべきシニア像は今は昔だ。これは決して一過性の社会現象ではなく、戦前・戦後史が生みだした「鬼っ子」と呼ぶべきものであることが、歴史に通暁した著者の手により明らかにされる。 そして、導火線に一気に火を付けたのは、ネット動画という一撃である。シニア層はネットへの接触歴がこれまで未熟だったことから、リテラシーがきわめて低く、デマや陰謀論に騙されやすい。そんな実態を近年のネット技術史から読み解く。 かつて右翼と「同じ釜の飯を食っていた」鬼才の著者だからこそ、内側から見た右翼の実像をまじえながら論じる。
  • 作品集 講釈場のある風景
    4.0
    漱石・荷風ら文豪が愛した高座の空気。小島政二郎が筆をふるった芸人の生きざま。談志がかきくどく名人たちへの思慕。寂聴が小説に描いた古老の語り口――講談専門の寄席「講釈場」をめぐる明治から昭和期の随筆、小説を集成したオリジナルアンソロジー。 〈対談〉神田伯山・長井好弘 目次 第一部 随筆  講釈場のある風景  『硝子戸の中』より  夏目漱石  『日和下駄』より 第七 路地  永井荷風   築地草  永井荷風   鴎外、漱石、荷風と講釈  有竹修二   席亭の風景  有竹修二   八丁堀一夕話  有竹修二  講釈を語る   講談はどこが面白いか  小島政二郎   釈場通い  小島政二郎 三代目神田伯山のこと  有竹修二   講釈師たち  立川談志 第二部 小説   世話物  小島政二郎   一枚看板  小島政二郎   花野  瀬戸内寂聴    著者略歴  本書に登場する主な講談師たち  巻末対談  あのころの客席から講談の未来が見える  ――明治、大正、昭和の講談ファンが語り継いできたもの  長井好弘×六代目神田伯山  人名索引
  • 石原慎太郎・大江健三郎
    3.0
    一九五〇年代半ばの鮮烈なデビューから〝怒れる若者たち〟の時期を経て、それぞれの一九六八年へ――。同世代随一の批評家が、盟友・石原慎太郎と好敵手・大江健三郎とに向き合い、その文学と人間像を論じた批評・エッセイを一冊にした文庫オリジナル作品集。 〈解説〉平山周吉 ■目次 【一九六八年】 知られざる石原慎太郎 私にとって「万延元年のフットボール」は必要でない 【石原慎太郎】 石原慎太郎論/「肉体」という思想/「言葉」という難問/『完全な遊戯』/『日本零年』  * 顔/石原慎太郎と私/石原慎太郎のこと/『石原慎太郎文庫』によせて/偉大なアマチュア 【怒れる若者たち】 新しい作家達/政治と純粋  * シンポジウム「発言」序跋/文学・政治を超越した英雄たち/今はむかし・革新と伝統/生活の主人公になること 【大江健三郎】 大江健三郎の問題/自己回復と自己処罰/『死者の奢り・飼育』/『個人的な体験』/私の好敵手/大きな兎/谷崎賞の二作品/大江健三郎氏のノーベル文学賞受賞
  • 楽しい孤独 小林一茶はなぜ辞世の句を詠まなかったのか
    4.0
    老(おい)が身の値(ね)ぶみをさるるけさの春 一茶 一人暮らしの貧しい老人である自分は価値のない存在としてみられている……一茶は、 世間の冷酷な視線ですら面白がって俳句にしてしまいます。本書は、苦難を超えて生き抜いた一茶の俳句を味わいながら「人生という旅」を楽しむためのガイドブックです。
  • 分断のニッポン史 ありえたかもしれない敗戦後論
    3.5
    災害、感染症、格差……いま各所で「分断」が叫ばれる。だが歴史を遡ると、敗戦直後には国が分割される恐れが実際にあり、分断統治や架空戦記を描いた小説・マンガが人気を博してきた。欧米の学界ではこうした「歴史のif=反実仮想」の歴史学は重要な研究として認知されてきたが、本書は本邦で数少ない試みである。さらに震災等による列島分断を描いた未来小説も検証。最悪のシナリオを描いた作品群から、危機克服のヒントを学ぶ。  おもな登場作品は井上ひさし『一分ノ一』等の歴史改変小説、佐藤大輔『征途』等の架空戦記、小松左京『日本沈没』等の未来小説、『国境のエミーリャ』等のマンガ作品etc. 計100超。
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作
    4.0
    「非」フィクションとして出発した一方、ニュースのように事実を伝えるだけでもないノンフィクション。本書では、水俣病を世に知らしめた『苦海浄土』、ベストセラー『日本人とユダヤ人』に始まり、『テロルの決算』や『捏造の科学者』、大震災や核密約を扱った作品など、一九七〇年代から現在に至る名作・問題作を精選。小説とも報道とも異なる視点から同時代を活写した作品群を通して現代日本の姿を浮き彫りにする。
  • ぼくが戦争に行くとき 反時代的な即興論文
    -
    「君の魂のゴミタメのなかにしか荒野は見いだされないことを、君は知っているのか?」ぼくの内なる戦場、ロマン・ロラン論、関西 学院大学での演説、ロビンソン宣言、石井輝男やゴダールなどの映画論。また演劇論から賭博論まで、時代を抉り対峙した批評やエッセイを収録。反時代的な著作の初文庫化。〈解説〉宇野亞喜良
  • 万葉集の起源 東アジアに息づく抒情の系譜
    4.7
    日本人は、恋をしたり、愛する人を失ったりすると、その心を俳句や短歌に詠んできた。それは最古の歌集『万葉集』以来、受け継がれてきた心性だ。『万葉集』では、人を恋しいと思う気持ちはどう歌われているのか。さらに時代を遡ると、それらの歌のルーツはどのようなものだったのか。著者は、今も歌垣で恋歌を、葬儀で挽歌を歌う中国少数民族の歌文化にその原型を求め、日本人の抒情表現の本質を明らかにする。
  • 神になった日本人 私たちの心の奥に潜むもの
    4.5
    古来、日本人は実在した人物を、死後、神として祀り上げることがあった。空海、安倍晴明、平将門、崇徳院、後醍醐天皇、徳川家康、西郷隆盛、そして名もなき庶民たち――。もちろん、誰でも神になれるわけではない。そこには、特別な「理由」が、また残された人びとが伝える「物語」が必要となる。死後の怨霊が祟るかもしれない、生前の偉業を後世に伝えたい――。11人の「神になった日本人」に託された思いを探りながら、日本人の奥底に流れる精神を摑みだすとしよう。
  • 百鬼園先生雑記帳 附・百閒書簡註解
    -
    名著『阿房列車』シリーズでお馴染みヒマラヤ山系氏による百鬼園文学の副読本。「百閒先生日暦」「『冥途』の周辺」「漱石をめぐって拾遺」ほか七篇を収録。「百閒先生書簡註解」は、昭和二十三年五月から二十六年九月までの著者宛の書簡に丹念な註解を施した貴重な資料である。〈解説〉田村隆一 【目次】 百閒先生日暦/漱石山房圖そのほか/漱石書簡/「冥途」の周邊/ 漱石をめぐって拾遺/百鬼園先生御馳走帖/阿房列車小遣帖/ 百閒座談抄/雑爼 附・鬼苑先生當用帖/鬼苑先生映像そのほか 百閒先生書簡註解 〈解説〉田村隆一
  • 南洋通信 増補新版
    4.0
    二十八日ノ船デ暑イ所ヘ行ツテ来マス――。一九四一年に南洋庁の官吏としてパラオに赴任した中島敦。その目に映った「南洋」とは。小品『南島譚』『環礁』に加え、南洋群島(ミクロネシア)から妻子に宛てて毎日のように綴られた多くの書簡を収録。 〈巻末エッセイ〉土方久功 【目次】 南島譚  幸福  夫婦  雞 環礁――ミクロネシヤ巡島記抄――  寂しい島  夾竹桃の家の女  ナポレオン  真昼  マリヤン  風物抄 書簡 昭和十六年六月―昭和十七年三月  巻末エッセイ  トン  土方久功
  • 太宰治
    4.5
    太宰治から「会ってくれなければ自殺する」という手紙を受けとってから、師として友として、親しくつきあってきた井伏鱒二。井伏による、二十年ちかくにわたる交遊の思い出や、太宰の作品解説を精選集成。「あとがき」を小沼丹が寄せる。中公文庫版では井伏の没後に節代夫人が語った「太宰さんのこと」を増補。 目 次  I 太宰治の死 亡 友――鎌滝のころ 十年前頃――太宰治に関する雑用事 点 滴 おんなごころ 太宰治のこと 太宰と料亭「おもだか屋」 琴の記 太宰治と文治さん  II あの頃の太宰君 「ダス・ゲマイネ」の頃 御坂峠にいた頃のこと 「懶惰の歌留多」について 余 談 戦争初期の頃 甲府にいた頃 報告的雑記 太宰君の仕事部屋 御坂峠の碑 蟹田の碑  III あとがき〔『富嶽百景・走れメロス』〕 解 説〔『太宰治集上』  あとがき(小沼丹)  太宰さんのこと(井伏節代)
  • 日本妖怪変化史
    3.7
    幽冥界には妖しい力があって絶えず人間界に災厄を加えんと恐ろしい糸を操っている…そう信じて、鬼に食われ、狐狸に誑かされ、幽霊に悩まされてきた日本人。多くの文献から収集した記事をもとに、妖怪変化の正体を多面的に明らかにし、古来の風俗に人間の妄執の移り変わりを見る。大正十二年に発表された表題論文ほか、「文芸上に表われたる鬼」「火の玉」を収録。中公文庫版に図版を追加し、本文の補訂をおこなった新版。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした本