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母が嫌いだった。わたしの脳内は母の固定観念で支配され、わたしはわたしが嫌いだった。母から逃げるように飛び出した東京、タバコとパチンコに溺れた日々、愛想もお金も無いわたしを雇ってくれた水商売&雀荘、ひと時の夢を見せてくれたオトコ、“笑い”で幸せを運んでくれた先輩たち、そして、自分より大事な存在となった娘……。自分のことが嫌いだったオンナ・青木さやかが、こじれた人生を一つ一つほどいていく。生きることの意味を追い求めるヒューマンストーリー。
母との確執やギャンブル依存症など、自身の経験を赤裸々に綴った「婦人公論.jp」で話題沸騰中の「47歳、おんな、今日のところは○○として」に、書籍だけのオリジナル原稿を加筆。
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Posted by ブクログ
この本に「母」とタイトルをつけたのすごいな。
内容としては青木さやかさんの自叙伝で、貧乏な下積み時代から一転、お金持ち有名人になるまでの経緯が書かれている。よって私のような凡人ならきっと『青木さやか物語』だとか『こうしてさやかは作られた』みたいなタイトルをつけると思う。「『母』ってタイトルなのにそこまで母のこと書いてないやん!」というクレームめいたレビューも散見される。
ただしタイトルを『母』とすることで、本書は単なる芸能人エッセイの域を超えた、深い物語になっている。
つまり冒頭と結末にお母さまとのエピソードを持ってきて、そしてタイトルを『母』とすることで、母について書いていない部分も、すべて母との確執を経た結果論のように見えてくるのだ。失礼な言い方になるけれど、「母親がこうだと子どもはこう育つ」という見本を披露されているような。「母」という枠組みを設けることにより、青木さやかさんの波乱万丈ストーリーに1本芯が通ってくる。
青木さやかさんには才能や度胸があったから、母への嫌悪を「母がいちばん嫌う仕事で成功してやれ」というパワーに変えて今日があるのかもしれないが、なかなか毒親育ちの娘がこんな人生を辿れることは稀だろう。自分もがんばろうとはとても思えないけど、こういう自分の癒し方もあるな、と思わされる。
「母が嫌いな原因が書かれていない」というクレームレビューもあるが、そう書けるのは親といい関係を築けている証拠だろう。私自身うっすら母が嫌いで、でもその理由や嫌いになった瞬間などをはっきり言語化するのは難しい。日々の積み重ねで生まれた感情だし、嫌い!と突き放しきれない部分もある。青木さやかさんも原因は書かなくていいし、書けないのだと思う。
そもそも本書には、書かれていないことがとても多い。ブレークした理由とか、結婚と離婚の理由とか、あるいはお母さまが亡くなった瞬間とか。そうした一見ドラマチックなポイントは、青木さやかさん的にはどうでもいいことなのかもしれない。書かないことを選択できるのが、とてつもなくかっこいい。そしてその余白が、本書に凄みを加えている。
Posted by ブクログ
お母さんとの確執の他にも、芸人として売れる前の若い頃の暮らしやバイト先での出来事なども書かれていて、とても濃い人生を送られてるなと思った。ずっとずっとお母さんのことが大嫌いで、疎ましく思っていた青木さんが、お母さんの晩年にホスピスで仲直りをする冒頭のシーンは感動。青木さん自身が母になったことや、病気を患ったことでいろいろお母様に対して心変わりもあったと思う。文中に「自分のことを大切にできないから、娘のことを大切にするのも難しい」といった内容があったが、やはり何はともあれ、人生においては自分を大切にしないといけないのだな、と読み終えて感じた。
Posted by ブクログ
青木さやかさんの実母との確執を軸にしたエッセイ本です。結構前から気になっていた本でしたが、青木さやかさんのお話を聞く機会があり、手にとってみました。青木さやかさんのトークショー等、参加されたことある方、いらっしゃいますでしょうか?もう、あまりのトーク力にびっくり!!面白いだけでなく、号泣しました。もう少しで嗚咽するところでした。大人なので我慢しました。本書も、トークショーの内容と被るところが多かったのですが、笑って、泣いて、読後は清々しいような、切ないような、暫く何とも言えない余韻に浸れるお話でした。親から子どもへの愛って、人それぞれであって、それが上手く伝わらない場合ももちろんあり、歯痒いなぁ。そんななか、あとがきの最後の一文が、この本を綺麗にまとめてくれていると思います。エッセイといえば向田邦子のさんのお話も好きでしたが、青木さやかさんも同じくらい面白かったです。
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