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浅井長政 信長に反旗を翻した勇将
浅井長政は近江浅井家の三代目となる戦国武将である。天下統一を目指す織田信長と同盟を結び、長政の将来は前途洋々のはずだった。ところが信長と訣別し、ついには信長に攻め滅ぼされてしまう。そのため長政には家をも潰し、己の優柔不断のために悲劇的結末を招いた不甲斐ない武将という印象が常につきまとう。だが長政には信長を裏切ってまで貫かねばならなかった信念があったはずで、そこにこの作品で試みた新たな長政像を提示する鍵があると著者は言う。とはいえ長政が信長を裏切った理由は、著者自身も最後まで推測できなかったと言う。最強の織田軍団と三年余も戦い続けられた理由こそ、信長の天下統一を阻止せんと長政が意地を示したからではなかったかと、控えめに述べるに留まっている。二十九年の短い生涯を終えるに際し長政は、命は助けてやるという情けを頑なに断り、堂々自刃したという。散り際の潔さに長政の勇将ぶりが見事に描出されている。 -
ミルキー
ハマる、落ちる、とける。大人の女の危険な恋。林真理子のビターな恋愛小説――「人妻とのつき合いは、いろいろな味をそのつど男に与える」……産休明けで、諸橋陽子が職場復帰した。広告代理店に勤める奥村裕一は、妊娠前の陽子と、数回関係をもっていた。子どもを産んで、以前より美しくなった彼女を、裕一は誘うが……。という表題作「ミルキー」を含む、女の秘密がぎっしり詰まった12作の短篇集。女の顔は、恋の数だけ何度も変わる、美しく、いやらしく……。恋とセックスのためなら女はどこまでもずるくなる。背徳の恋愛ストーリー集。ハマる! 大人の女の恋愛小説! -
秘密結社ペンギン同盟
望口駅前に建つ「ホテルコペン」は朝食ビュッフェが評判な、真心溢れるおもてなしの宿――というのは表の顔。その正体は、人間に進化したペンギンたちの秘密結社【ペンギン同盟】の隠れ蓑だった! ひょんなことから、そんなホテルのベルガールとしてスカウトされた犬洗ライカは、組織の“裏の仕事”も手伝うことに。武器はかわいさと善意、内容は無償の人助けというが、彼らの本当の目的とは一体――。 6羽のクールなペンギンたちがあなたの心もお腹も満たす、痛快・連作ミステリー。 ☆【モフモフ配信中!!】鳩見すたの〈ほっこりモフモフ〉シリーズ☆ 『アリクイのいんぼう』/『ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん』/『秘密結社ペンギン同盟』 -
監獄に生きる君たちへ
廃屋に閉じ込められた六人の高校生たち。あるのは僅かな食糧と、一通の手紙――。【私を殺した犯人を暴け】 差出人は真鶴茜。七年前の花火の夜、ここで死んだ恩人だった。 謎の残る不審な事故。だが今更、誰が何のために? 恐怖の中、脱出のため彼らはあの夜の証言を重ねていく。 児童福祉司だった茜に救われた過去。みんなと見た花火の感動。その裏側の誰かの不審な行動。見え隠れする嘘と秘密……この中に犯人がいる? 全ての証言が終わる時、衝撃の真実が暴かれる。 一気読み必至。慟哭と感動が心に突き刺さる――! 発売から大重版が続く『15歳のテロリスト』『僕が僕をやめる日』松村涼哉の、慟哭の衝撃ミステリーシリーズ、待望の最新作。 -
恋する母たち
夫がいても、息子がいても、恋はするわ。 名門高校に息子を通わせる縁で出会った3人の母たち。 浮気相手と失踪した夫を待つ杏、 不倫夫に悩むセレブ妻・まり、 専業主夫を持つバリキャリ妻・優子――三様の人生はやがて交錯し始める。 それぞれが夫に不満や諦め、怒りを抱え、 落第寸前の息子たちへの不安も募る。 これまで築き上げてきた人生、キャリア、そして家族―― 守るべき尊さと、何か物足りない虚しさを奥底に秘めた3人がふとした瞬間に向き合ったのは、「妻」でも「母」でもない、「女」としての自分だった。 平凡な毎日に突如現れた“恋”との出会いは、母たちの人生に何をもたらし、何を失わさせるのか。 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』などの代表作がある柴門ふみの同名漫画を原作に、『セカンドバージン』『大恋愛~僕を忘れる君と』など社会現象を巻き起こした名ドラマを世に送り出した大石静が脚本を執筆。 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗という豪華キャストが織りなす母たちの惑い、揺らぎ、エロスが話題となったドラマでは、心に響くセリフも多数。 読み返す度に、彼女たちの迷いに共感し、よろめきにトキメキ、強さに背中を押されるサプリメントのような一冊です。 -
真夜中あやかし猫茶房
癒やしの猫カフェ、夜だけ営業中 両親と死別した高校生の村瀬孝志は、生前に父が遺していた言葉に従って、小野進次郎という顔も知らない異母兄に会いに行くことに。鄙びた町で喫茶店を営む彼を訪ねた孝志を出迎えてくれたのは、一匹の白い猫だった――。その後、なんとか進次郎と顔を合わせた孝志は、にわかには信じられない話を聞く。なんと進次郎は“呪い” にかけられたせいで、満月の日以外、昼間は猫になってしまうのだという。日中の進次郎のサポートと、夜だけ営業する猫と触れ合える茶房・みかげ庵の手伝いを条件に、孝志は進次郎との同居生活を始めるが…。 人の想いが交錯する、猫と癒やしのあやかし物語。 -
悦楽王 鬼プロ繁盛記
バカでもエロでもええじゃないか! 鬼才、最後の自伝的小説――自らを「サディストではない」と言い切る著者は、いかにして雑誌『SMキング』を立ち上げ、官能小説の大家となったのか? たこ八郎、渥美清ら多彩な人々との交流、’70年代アングラカルチャーの勢い、破天荒な私生活。「どんな風に生きてもいい」と教えてくれた鬼才が、最後に著した自伝的小説。 ◎「明るさと暗さの引き立て合い。まさに、これこそ、団鬼六という作家の真髄ではないでしょうか。そして、『SMキング』の三年間が、その明るさを演出したとは考えられないでしょうか。」<山田詠美「解説」より> -
小早川隆景 毛利を支えた知謀の将
安芸の小豪族から身を起こし、一代で中国十カ国の大大名となった謀将・毛利元就。彼には、「毛利の両川」として彼の死後も毛利宗家を支え続けた二人の優れた息子があった。吉川元春と小早川隆景。とくに三男・小早川隆景は、長く元就の孫の輝元を補佐し、豊臣政権のなかで毛利家の地位を磐石なものに押し上げていった。本書は、豊臣秀吉も絶大な信頼を寄せた名将・小早川隆景の堂々たる活躍を描いた長編小説である。父・元就に従って戦塵に生きた青年武将時代から、羽柴秀吉の毛利攻めに冷静に対処、時勢を見誤らずに無事講和を結ぶ壮年期の隆景。やがて秀吉の知遇を得るや、四国攻め、九州攻め、文禄の役と戦功を重ねていく。そして晩年……秀吉の甥であり、のちに関ヶ原の寝返り劇の主役となる金吾中納言秀秋が毛利家の養子になる危険を察した隆景は、秀秋を自らの養子に願い出る苦渋の決断を下す。無私の心に徹し、自らの宿命に殉じた男のさわやかな生涯! -
スクールポリス
“警察が治安を守り、教師を教育に専念させる”ため設立された学校内警察制度。アメリカや韓国に次ぎ、日本初のスクールポリス・嶋田隆平が赤嶺中学にやってきた。嶋田は独自の職務理念を貫き、波乱を巻き起こしながら、セクハラ・授業妨害・ネットへの晒し行為・ストーカー……生徒や教師たちの間に潜んでいた問題を次々と暴き出して――。息つく間もない展開で感涙のラストまで駆け抜ける、極上のエンターテインメント小説! -
ミセス・ノイズィ
大スランプ中の小説家・吉岡真紀(ペンネーム水沢玲)は、実家近所のマンションに引っ越し早々、隣家の女・若田が発する騒音に襲われた。 若田は早朝にもかかわらず、ベランダに干した布団を激しく叩きつけ、轟音を撒き散らすのだった。真紀の苦情を物ともせず“音”はエスカレート。 執筆はいっこうにはかどらず、夫や幼稚園に通う5歳の娘との関係も悪化する一方。 心の平穏を失った真紀は隣人とのいざこざを小説に書いて反撃に出ることに。 その作品「ミセス・ノイズィ」は評判を呼ぶが、やがてSNSで炎上、二人の女の運命を狂わせる大事件へと発展して……。 2019年秋、東京国際映画祭・スプラッシュ部門のワールドプレミアで大反響、劇場公開が熱望されながら、 コロナ禍で公開が延期となっていた話題の映画作品を監督自らが小説として書き下ろした、衝撃の一作です! -
風花の舞
能楽・葛城流の十二代家元の息子・瑞生(みずお)は後継争いの渦中にいた。京都で新作を舞うことが決まった瑞生は、後援者のすすめで鞍馬教の里で“魔王尊を地下王国シャンバラからお迎えするための祭り”に恩寵を授けられる少年の役となる。そのクマラの儀を経て、大祭で新作を奉納舞いすることが、家元の望みだった。だが、この鞍馬の風に吹かれた時から、瑞生を取り巻く運命は大きなうねりとなって葛城流を揺るがし始める……。 少年神〈サナート・クマラ〉に捧げられた能をめぐる、絢爛たる一大叙事詩。長篇耽美ミステリの傑作。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。 -
秋山好古 明治陸軍屈指の名将
司馬遼太郎著『坂の上の雲』の3人の主人公の1人であり、ビジネスマンを中心に多くのファンを持つ明治陸軍の名将・秋山好古。しかし彼の一生を詳細に追った評伝小説は、これまであまり書かれていない。本書は、手練の作家が様々な資料を駆使しつつ、「日本騎兵の父」と称えられた伝説の将軍の生涯を、正面から描ききっている。伊予松山藩士の家に生まれた好古は、貧しさから軍人の道を選び、創設まもない陸軍士官学校で「騎兵科」に進んだ。「騎兵」という兵種は、当然ながら従来の日本には存在しない。フランス留学を経て研究を重ねた好古は、日清戦争では自ら訓練した騎兵隊を率いて従軍。やがて日露戦争の火蓋が切られると、寡兵をもってロシアの大騎兵団を防ぎ、戦史を飾る激戦を繰り広げることになる。豪胆にして細心、戦場ではつねに前線に立ち、部下を思いやる心を忘れなかった指揮官。その人間的魅力を余すところなく描いた、著者渾身の力作小説である。 -
雪あかり 曽野綾子初期作品集
新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より> -
やわらかい砂のうえ
圧倒的共感度で大注目の著者が贈る“人生がいとおしくなる”恋愛小説。ためらいなくつないだ手を、離せるように、隣を歩くあなたを信じたい。世の中の「あたりまえ」につまずいてばかりいた万智子。でも、自分のままでいたいと願うことで世界は変わってゆき……。砂丘の町で育った万智子は大阪の税理士事務所で働く24歳。顧客のウエディングドレスサロンのオーナー了さんに頼まれ、週末だけお手伝いのアルバイトをすることに。了さんに連れていかれた「あつまり」で万智子は美しくてかっこいい年上の女ともだちに出会う。そんなある日、サロンに早田さんという男性が現れ、人生はじめての「恋」のときめきを感じる万智子だったが……。きれいになるのは誰のためかをぜったい間違えたらあかんでー自分を好きになりたい万智子の、小さな勇気を抱きしめたくなる成長物語。 -
境界線
主演・佐藤健、共演に阿部寛、清原果耶、林遣都、吉岡秀隆、倍賞美津子らで映画化が決定した『護られなかった者たちへ』に続く、「宮城県警シリーズ」第2弾! 「誰にでも境界線がある。 越えるか、踏みとどまるか」 中山七里 2018年刊行の『護られなかった者たちへ』と同じく宮城県警捜査一課を舞台に、東日本大震災による行方不明者と個人情報ビジネスという復興の闇を照らし出していく。震災によって引かれてしまった“境界線”に翻弄される人々の行く末は、果たして。「どんでん返しの帝王」・中山七里が挑む、慟哭必至の骨太の社会派ヒューマンミステリー小説。 《あらすじ》 2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だったことがわかる。笘篠の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明のままだった。遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きていたという。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのか――笘篠はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行するが、そこで目にしたのはまったくの別人の遺体だった。 妻の身元が騙られ、身元が誰かの手によって流出していた……やり場のない怒りを抱えながら捜査を続ける笘篠。その経緯をたどり続けるもなかなか進展がない。そのような中、宮城県警に新たな他殺体発見の一報が入る。果たしてこのふたつの事件の関連性はあるのか? そして、笘篠の妻の身元はなぜ騙られたのか――。 -
見えない星に耳を澄ませて
音大のピアノ科に通う曽我真尋は、たまたま参加した大学の授業で人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした。大人の声に耳を閉ざす少女、キラキラと飾った虚構の自分しか愛せないパーソナルスタイリスト、探し求めた愛情を見付けられず無気力に生きる中年男性……様々なクライエントと音を通じて向き合ううちに、真尋自身も自分が抱えた秘密と向き合うことになり――。 私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない。美しい旋律と共に、生き抜く強さを与えてくれる感動の一冊。 -
回想の太宰治
濃やかな愛情と明晰な目がとらえた人間・太宰治――太宰治は、文字通り文学のために生まれ、文学のために育ち、文学のために生きた「文学の寵児」だった。彼から文学を取り除くと、そこには嬰児のようなおとなが途方に暮れて立ちつくす姿があった。戦中戦後の10年間、妻であった著者が、共に暮らした日々のさま、友人知人との交流、疎開した青森の思い出など、豊富なエピソードで綴る回想記。淡々とした文にも人間太宰の赤裸な姿が躍如とする好著。 ◎「これは、凄い本に出会ったものであります。質も量も。明晰さも、たしかさも、怖ろしさも。科学者の随筆みたいな、美しい揺るぎのない日本語で、太宰治は凝視され、記憶され、保存される。この著者が、昭和の初期に、太宰の妻であり、ともに暮らし、子をなして、日々会話し、身の回りの世話をし、親戚や食卓や経済を共有していたかと思うと、トカトントン。そこらの男の何十倍も聡明だった女の記録であり、記録をよそおった文学であります。」<伊藤比呂美「解説」より> ※本書は、『回想の太宰治』(昭和58年6月 講談社文庫刊)を底本としましたが、「アヤの懐旧談」を削除し、『増補改訂版 回想の太宰治』(平成9年8月 人文書院刊)より、「蔵の前の渡り廊下」「南台寺」「父のこと、兄のこと」「『水中の友』」の4篇を収録しました。
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