国内小説 - 講談社作品一覧

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  • 傷だらけの放浪
    4.0
    大富豪の殺害を巡り、逃げる美貌の養女と追う若き刑事。笹沢ロマン・ミステリーの会心作! ――殺人容疑の汚名を晴らす、人間の執念と愛の葛藤。……大学の理事長で億万長者の江口正次郎が殺され、捜査の手は一族にのびる。だが、それぞれに不審な点のある、近親者たちのアリバイ捜査の結果は、二転三転する。一方、担当刑事の一人である若き矢代は、被害者の養女で美貌の千秋を、ぴったりとマークしていた……。
  • 愛の生活・森のメリュジ-ヌ
    4.0
    《わたしはFをどのように愛しているのか?》との脅えを、透明な日常風景の中に乾いた感覚的な文体で描いて、太宰治賞次席となった19歳時の初の小説「愛の生活」。幻想的な究極の愛というべき「森のメリュジーヌ」。書くことの自意識を書く「プラトン的恋愛」(泉鏡花文学賞受賞作)。今日の人間存在の不安と表現することの困難を逆転させて、細やかで多彩な空間を織り成す、金井美恵子の秀作10篇。
  • 野良猫を尊敬した日
    4.0
    現代を代表する人気歌人であり評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍する著者による最新エッセイ集。無邪気になれなかった子供時代、何もなかった青春、そして大人になっても未だ世界とうまく折り合えない日常。 人生、そんなに頑張らなくてもいいんじゃない? 自分らしく生きていい。ユーモアを織り交ぜて描く、ちょっと変で愛しい、魅力のエッセイ62篇。
  • 誰かが見ている
    4.0
    ★★★★★第52回メフィスト賞受賞作★★★★★  ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。 「夏紀ちゃんがいなくなりました」 なんと、千夏子の子が保育園から消えたという。 不安を募らせる千夏子のもとに、二本目の電話が。 その電話は<彼女>からのものだった――。 4人の女性が抱える「女」としてのジレンマを鮮烈に描き切った究極のサスペンス!
  • 君が笑うまで死ぬのをやめない 雨城町デッドデッド
    4.0
    新居に棲みつく呪われた女。 彼女を救うために俺は―― 1万回死ぬことを決めた! 陽気なバカの辞書に不可能はない。 切なく笑えて、驚き泣ける。青春タイムループ小説! 大学進学に伴い、引っ越したアパートには悪霊が棲んでいた。 霊に刺殺された灰原雅人は死の直前に巻き戻る。部屋に入れば殺される――。しかし男たるもの寛容さも必要だ。殺されたくらいで逃げるようでは大学生は名乗れない。かくして灰原は女の霊と同居を始めた。死と隣合わせの毎日で、彼女の事情を解決すべく。 これは赤の他人の幸せを追い求める、“時をかける馬鹿”の物語。
  • 完パケ!
    4.0
    たった一つのことにすべてを賭けた、あの輝かしい日々。 経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作のドラマ映画を撮れるのは、たった一人。感覚の安原と理性の北川。お互いの才能を認め合いながらも性格がまったく合わない二人は、同じ題材を使ってコンペで勝負をすることに。撮影は、前途多難の幕開けとなったが――。
  • 塚原卜伝十二番勝負
    4.0
    剣の極意を求める壮絶な決闘を描き、剣豪小説に新しい息吹をもたらした会心作。剣の聖地・鹿島に生まれ、香取神道流の奥儀を極めて、17歳で武者修行の旅に出る。めざすは、諸流達人の集まる京都だ。一人の若者が古今無双の剣士と称されるまでの名勝負をリアルに描き、謎多き塚原ト伝の実像に迫る、長編力作。
  • 考えるよろこび
    4.0
    江藤文学への最高の入門書。『漱石とその時代』執筆当時に行った、若き著者の知性とユーモア溢れる講演録。表題作の他「転換期の指導者像」「英語と私」など、全6編――アメリカから帰国し、名作『漱石とその時代』を準備中の、1968年から69年にかけて行われた若き日の6つの講演。現代における真の「英知」とは何か……歴史を探り、人物を語り、表現の謎に迫り、大学や国際化の意味を問う。軽妙なユーモアと明快な論理、臨場感あふれる語り口で、読者を一気に江藤文学の核心へといざなう。多くの復刊待望の応え、甦った歴史的名講演集。 ※本書は、講談社文庫『考えるよろこび』(1974年9月)を底本としました。
  • 拳豪伝
    4.0
    時は幕末、「拳骨和尚」物外の、愛と武勇の遍歴ー幕末の動乱の世を生きた「げんこつ和尚」武田物外(もつがい)の、愛と武勇の遍歴。武家の長男に生まれながら、幼時の喧嘩で相手が死んでしまい、剃髪する。剣と柔術の道を極め、京都・壬生(みぶ)の新選組道場に現われてその荒稽古を嘲り、近藤勇の挑戦を受ける晩年まで、人並み外れた怪力の持ち主の、気骨の生涯をたどる痛快時代巨編。
  • アメリカ ハーブ紀行
    4.0
    ハーブ復興の地から陽気な楽しみ方。バジルのそばにユリやナスがすまし顔! ヒューマンで温かなハーバルライフ公開。ハーブを楽しむ新ヒント! --ハーブ・ルネサンスの地、アメリカ。自然回帰の波にのって蘇ったハーブが、いかに暮らしに根付き、社会に溶け込んでいるか。フィッシャー家の5代にわたるハーブ料理のレシピ、実地に体験した苗作り、森につくったリタイア後の農場、進んだ園芸療法……などを通し、堅実でヒューマンなアメリカ流ハーバルライフを公開。
  • 日本近代文学の起源 原本
    4.0
    「歴史主義的普遍性」の基盤を大胆に覆す鋭い知性。 新たな思考の視座を極めて丹念に布置・構築して行く、最も現代的な「知の震源」柄谷行人の、鮮やかにして果敢な挑戦。 名著『マルクスその可能性の中心』につづく柄谷思想の原点となる歴史的快著。
  • 陽気なクラウン・オフィス・ロウ
    4.0
    こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。 ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より>
  • ぼくらの世界
    4.0
    栄光のホームズ賞授賞式会場で起きた殺人事件。薫クンの推理は? ――ぼく、栗本薫。ぼくが書いた「ぼくらの時代」という推理小説が、かの有名なシャーロック・ホームズ賞をもらうことになったんだ。ところが、こともあろうにその授賞式の会場で、薫クンの担当編集者が殺された。トイレのドアに残されたのは「XY」の文字……。ユ-モア感覚にあふれた、待望の長編青春ミステリー。〈「ぼくらの時代」PART3〉
  • プラトン的恋愛
    4.0
    読者にも作品を書くことのエロティシズムを共有させる、研ぎぬかれた文学。泉鏡花賞受賞作ーーあなたの名前で発表された小説を書いたのはわたし……との書き出しで届く奇妙な手紙は、小説を発表するたびに必らず送られてきた。小説を書くことによって、初めて彼女との関係が始まるのだ……。書くことに内包されたエロティシズムの悦楽と恐怖とを、読者=作者に鋭く突きつけた、現代文学の成果。泉鏡花賞受賞作品。
  • 小説 疾風伝説 特攻の拓 Version28
    完結
    4.0
    風神ヒロシ&雷神キヨシが、蠅王初代・来栖奈緒巳と国道16号で相まみえるッ‥!そして、爆音小僧七代目・鮎川真里は、聖龍連のてっぺんを掴んだ男・八尋渉と一触即発ッ‥!『特攻の拓』コミックス全27巻の続編!横浜、横須賀、湘南の族を巻き込んだ大乱闘“B突事件”のその後――。
  • あやめ 鰈 ひかがみ
    4.0
    幽明の境を彷徨う魂。交響し合う3つの物語――冥界への入り口に咲くというあやめの名を持つスナックで、同級生との再会を待ち望む男。酒宴のために仕入れた鰈を詰めたアイスボックスを抱えたまま、地下鉄から降りることのできない男。横たわる妹のひかがみに触れた手が、噛み千切られる妄念に陶然となる男。妖しく絡み合う3つの物語。木山捷平文学賞受賞作。
  • 嵯峨野より
    4.0
    嵯峨野の自然と人生を流麗に綴る好エッセイ―― 剃髪して京都の郊外嵯峨野に庵を結んだ著者が、樹木、野の草をはじめ四季の自然を愛し、それに対することで自分の来しかた、人生、世の移ろいを深くとらえ、さわやかな感動を読む者に与える好エッセイ。 吾れ、常に、ここにおいて、切なり、と心につぶやく。すると、心の中に涼しい風がおこり、もやもやした俗情がさっぱり吹き払われる……。剃髪して京都・嵯峨野に庵を結ぶ著者が、草花、樹木をはじめ四季の自然を愛し、それに対することで自分の人生、世の移ろいを深くとらえ、さわやかな感動を与える好エッセイ。
  • 家を建てるなら
    4.0
    『もう頬づえはつかない』の著者が描く家への幻想。幸せになる自慢の家――家をもつことは、幸せなことなのか? 『もう頬づえはつかない』の作者が、約30年経って描く、建築家庭小説集。家を建てたり、リフォームしたりするときに、家族が直面する願望、希望、断念などのドタバタには、考えるべき人間的問題が潜んでいる。新しい家族の心のかたち。<『家なんか建てなきゃよかった』改題作品>
  • この悲しみの世に
    4.0
    異父姉弟とも知らず不倫の愛におちた人妻。聖地への旅に始まる至高の愛を描く問題作。極限の愛と悲しみを描く恋愛大作! ――私たちが「この悲しみの世に」あると思うこと以外の認識は、すべて幻想です……。不倫の愛におちた人妻・節子と年下の青年・善彦は、ある日、自分たちがこれまで別れ別れに生きてきた異父姉弟であると気づく。断ちきれぬ愛の流れのままに、節子は男子を出産した。聖地への旅に始まる、至高の愛を描く、長編小説。
  • おやつストーリー
    4.0
    究極のスウィート・メモリー、美味しく懐かしいお菓子大コラム! きっとあなたも好きだった、嬉し懐かし美味しいお菓子。泉麻人が甘味に挑戦します! ――セブン‐イレブンやニコマート、あるいは町のお菓子やさんの戸を開けた瞬間、遠足の前の日みたく、胸がワクワクときめいてしまう。そんな気持ちを忘れないすべての人に捧げる、嬉し懐かし、とっても美味しいお菓子大コラム。ミルキー、つくんこ、おっとっと……etc.。いっぱい詰まった、究極のスウィート・メモリー。
  • 蘭を焼く
    4.0
    著者の50年に及ぶ文業のうちでも、第一の傑作短篇集――男女の関係性の善悪は、つねに社会の規範の中にあるが、ここに登場するヒロインたちは、もっとも女性的に生きることで、社会への反逆者となり、そこには満ちあふるるエロティシズムと頽廃とが生と死を越えて、抽象にまで至る愛のリアリティをもって存在する。表題作のほか「公園にて」「予兆」など、8篇を収録。
  • 水の砦 福島正則 最後の闘い
    4.0
    奇策で幕府に挑む! 時代小説大賞受賞作――改易・配流された福島正則は、捨身の闘いに立ちあがった。相手は、徳川幕府の重臣・本多正純(まさずみ)。執拗な攻撃に、正則は、陣屋の周辺に流水要塞をめぐらし、水の砦を築いて防戦する。大久保党と闇の宰領から、二重三重に仕掛けられた恐ろしい罠。幕府に挑んだ最後の武将の、悲哀と不条理を描ききる、第5回時代小説大賞受賞作。
  • 慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代
    4.0
    夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨の七人がみな、幕末維新動乱真っ只中の慶応三年生まれの同い年だということに、著者が興味を感じ続けてきたことからすべてが始まる。明治期の文学に造詣の深い著者が膨大な文献を渉猟することで浮かび上がってきた、七人の傑物たちの姿や相互に絡み合う関係を生き生きと筆致で描くことで、明治初期から日清戦争までの時代を鮮やかに浮かび上がらせる本書は、2001年講談社エッセイ賞を受賞した。鋭い批評性を保ちながらも、ひたすら頁を繰っていきたくなる面白さに満ちた文芸評論の傑作。
  • 十津川警部C11を追う
    4.0
    友は本当に復讐するつもりか? 迫真のトラベル・ミステリー――高校時代の友人・宮下が、当時の級友に復讐を画策しているらしい、と聞かされ、十津川警部はおどろく。8年前、大型バンの事故で、宮下が妻を失くした際、5人の級友が同乗していたという。十津川は半信半疑だったが、その5人を乗せたSLが山奥の鉄橋から墜落して、不安は現実化した! 第一人者の旅情推理傑作集。
  • ぼくのフェラーリ
    4.0
    誰にも言えなかった祖母との約束。心あたたまる感動作! ――12歳の和也に届けられた、時価数千万円もするフェラーリ。その理由は、1年半前の大騒動にあった。大金持ちの祖父・大輔が、遺言書を隠すため、突然、失踪。和也は、祖母・ちよとともに大輔を探すうちに、ちよに関する秘密を知る。児童文学界で絶賛された、祖母と孫の心温まる物語。<第7回椋鳩十児童文学賞受賞作>
  • 鎮西八郎為朝
    4.0
    波濤を越えて京をめざす、源為朝の強弓武勇伝――源家の嫡流に生れた源為朝は、2メートルを越す長身に巌(いわお)の筋骨、八人張りの強弓を楽々と引く超人であった。若くして都を追われ、たちまち九州を征したが、保元の乱の京によび戻される。不本意な合戦に敗れて伊豆大島に流されるが、そこには……。南の海に自由を得た清々しい英雄、武者の理想を描く長篇小説。
  • 日はまた熱血ポンちゃん
    4.0
    ポンちゃんのパワーで明日からみんな元気! 幸せな明日をつかむ! ――アフリカでのステキなひとときや、ギター勝負に大興奮の夜。ポンちゃんと愉快でクールな仲間たちとの、祭りのような日々は、明日も続く。「VIVA ME!」と、ラ・フィエスタな人生をひたすら追求するポンちゃん。毎日を楽しく過ごすための名言満載! ページを開けば幸せがあふれてくる、大人気エッセイ。
  • 池波正太郎を歩く
    4.0
    私たちは小説の舞台に立ち、歩き、池波正太郎の道程をたどることができる。梅安の遠州藤枝、鬼平の谷中、真田太平記の信州上田、そして幸村終焉の大坂……あの名場面の舞台を訪ねて――男の在り方、気概ある生き方を、時代小説やエッセイに著した池波正太郎。その珠玉の数々を、いま一度熟読し、池波文学の道程をたどりたい。そうした想いから、筆者は、各地を訪ね歩いた。土地ごとの人情に触れ、酒を愉しみ、舌鼓を打つ。『仕掛人・藤枝梅安』などの19編の舞台を、旅して記した、充実の1冊。
  • 雪あかり 曽野綾子初期作品集
    4.0
    新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より>
  • 回想の太宰治
    4.0
    濃やかな愛情と明晰な目がとらえた人間・太宰治――太宰治は、文字通り文学のために生まれ、文学のために育ち、文学のために生きた「文学の寵児」だった。彼から文学を取り除くと、そこには嬰児のようなおとなが途方に暮れて立ちつくす姿があった。戦中戦後の10年間、妻であった著者が、共に暮らした日々のさま、友人知人との交流、疎開した青森の思い出など、豊富なエピソードで綴る回想記。淡々とした文にも人間太宰の赤裸な姿が躍如とする好著。 ◎「これは、凄い本に出会ったものであります。質も量も。明晰さも、たしかさも、怖ろしさも。科学者の随筆みたいな、美しい揺るぎのない日本語で、太宰治は凝視され、記憶され、保存される。この著者が、昭和の初期に、太宰の妻であり、ともに暮らし、子をなして、日々会話し、身の回りの世話をし、親戚や食卓や経済を共有していたかと思うと、トカトントン。そこらの男の何十倍も聡明だった女の記録であり、記録をよそおった文学であります。」<伊藤比呂美「解説」より> ※本書は、『回想の太宰治』(昭和58年6月 講談社文庫刊)を底本としましたが、「アヤの懐旧談」を削除し、『増補改訂版 回想の太宰治』(平成9年8月 人文書院刊)より、「蔵の前の渡り廊下」「南台寺」「父のこと、兄のこと」「『水中の友』」の4篇を収録しました。
  • 北陸の海に消えた女
    4.0
    自殺か、他殺か? 初冬の海に殺意が漂い、殺人事件の容疑者は水死体に……。十津川の推理は? 傑作ミステリー集――北陸・山中温泉で、製薬会社の役員が、背中を刺され殺された。黒いコート姿の若い女性に、容疑がかかるが、彼女は、海岸で水死体となって発見される。所持品のバッグからは、殺された役員と同じ型の血液が付着したナイフが! 十津川警部の執念の捜査が、事件の真相を暴く、という表題など、全4編の傑作短編ミステリー集。
  • 透明な季節
    4.0
    ミステリーの傑作。江戸川乱歩賞受賞作。ぼくは夜明けまで犯人を追っていた……――ポケゴリが死んだ。しかも、殺されたのだ。あの憎い配属将校の死は、とても喜ばしい。殺した奴は、ほんとうに偉い、と思う。でも、あの美しい薫さんが、あいつの奥さんだったなんて、ぼくの胸は、張り裂けそうだ。……戦時下の学園生活を舞台に、年上の女性に淡い思慕を抱く一中学生の体験を描く、青春推理長編。江戸川乱歩賞受賞作!
  • 松島・蔵王殺人事件
    4.0
    十津川警部、ニセ名刺のナゾを追う! ――区議会議員の名刺を持った男性の死体が、上野公園で発見され、多摩川では、会社社長の名刺を持った女性の死体が……。被害者の名刺は、どちらもニセ物だった。十津川と亀井は、身元調査のため松島へ向かうが、情報提供者は失踪していた。さらに、捜査に協力した亀井のかつてのマドンナも、行方不明に。傑作トラベル・ミステリー。
  • 最終ひかり号の女
    4.0
    最終ひかり号個室に男の死体! 傍に香水の残り香が! 性感あふれる旅行推理傑作集。消えた美女の謎に悩み、噂の美女を追う、十津川警部の奮闘――東京駅発の最終ひかり号グリーン個室に、毎晩、美女が乗る。ある夜、そのひかり号個室で、会社社長が殺された。現場には、香水の妖しい残り香が……。謎の美女が、その夜限りで消えたのを知り、彼女こそ事件の関係者と確信した十津川警部は、ある秘策を実行に移した! 絶好調のトラベル・ミステリー傑作集。
  • 恨みの陸中リアス線
    4.0
    北へ走る三陸鉄道を襲う殺意。殺人予告を知りながら救えなかった、十津川警部痛恨の事件――北へ走る三陸鉄道リアス線の車内で、水産会社社長が殺された。男の身元を知って、十津川は自責の念にかられる。殺害予告の脅迫状に怖えた被害者の娘が、父の死の前日、捜査一課に助けを求めていたのだ。そして、上野で起こった第2の殺人が、十津川を宮古へと向かわせた。怒りに燃え真相に迫る十津川警部の推理。
  • 釧路・網走殺人ルート
    4.0
    公金横領の上に、殺人者の汚名まで着せられた会社員の逃亡ドラマ! 逃亡者の陰の真相を追う十津川警部――会社の金1億円を持ち出して、北海道に逃走した古谷は、寝台急行の車中で愛人と合流するが、そのときすでに愛人は、何者かに殺されていた。古谷は、横領犯に加え、殺人犯の汚名まで着せられる。なおも彼を追い詰めてくる、謎の男の正体は? そして意外な真相とは? 十津川警部らが北海道を駆ける長編。
  • 阿蘇殺人ルート
    4.0
    死者が殺人を予告? 十津川警部を翻弄する謎――火の国での殺人を予告する手紙が、東京警視庁に届いた。だが、差出人とみられる井上は、成城の自宅で死体となって発見された。3日後、阿蘇の雄大な裾野を走る急行「火の山」の車内で、不動産業者が殺される。そして再び、事件の続発を予告する電報が、警視庁へ。発信人は何と井上! 十津川警部を翻弄する奇怪犯罪とは?
  • 「内向の世代」初期作品アンソロジー
    4.0
    1970年、文芸誌『文芸』は2度にわたり、当時たびたび芥川賞候補に挙げられていた若手作家5人を集め、「現代作家の条件」「現代作家の課題」と題した座談会を開く。翌年、小田切秀雄に「内向の世代」と呼ばれる彼らは、現代作家に大きな影響を及ぼすことになる。本書は座談会出席者の一人黒井千次氏が、初期作品の中から瑞々しい魅力を放つ中短篇を精選した作品集。収録作家:後藤明生、黒井千次、阿部昭、坂上弘、古井由吉。
  • 東京サイテー生活 家賃月2万円以下の人々
    4.0
    バブル崩壊後のライフスタイル提言。「何か」にチャレンジする心を失わず、風の吹くママ、気の向くママに生きる。「住めば都」の精神が、未来を開く! ――日本の首都・東京で、家賃2万円以下でも、楽しく暮らす痛快な人々。時間に追われず、モノに縛られず、金に執着しない。風の吹くまま、気の向くまま。自分の中の「何か」にかけ、その感触を大切にしている若者。それは、何年か前のあなたの姿、何年か後のあなたの姿、あるいは、現在のあなたの姿なのかもしれない。
  • オホーツク殺人ルート
    4.0
    北海道と伊豆で女性が怪死! 新機軸の野心作――北海道の観光地めぐりだけ、という好条件のアルバイトに、狂喜した女子大生ふたり。存分に旅を楽しんだあと、彼女らは別行動をとる。ところが直後、ひとりはサロマ湖畔の砂丘に埋められた! 同じ頃、伊豆下田では、女性作詞家の死体が発見された。2つの事件の背後に浮かんだ人物とは? 新境地をひらいた、トラベル・ミステリーの傑作。
  • 伏龍 海底の少年特攻兵
    4.0
    志願した少年たちは「人間機雷」部隊に配属された。知られざる海の特攻隊! ――潜水服に酸素ボンベを背負って海底に潜み、竹竿の先に装着した機雷で、アメリカの上陸用舟艇を迎え撃つ……。本土決戦に備え結成された伏龍特攻隊に配属されたのは、まだ15~16歳の少年たちだった。不完全な装備と急を要する日程が、訓練中の彼らを次々と死に追いやる。そして終戦目前、部隊を震撼させる事件が起きた!
  • 香りの花束 ハーブと暮らし
    4.0
    自然と仲良し! 光と風と大地の贈物、ハーブの不思議な魅力で、心はヘルシー! ハーブっておもしろい。庭がなくても仲良し! セロリ、セイジ、ローズマリー、タイム、ルウ……ハーブは光と風と大地の贈物、自然の恵み。1粒の種子から花を咲かせ収穫し、スパイス、料理、ポプリに香水、薬や入浴剤、染めに……。あなたもハーバルライフ、楽しみません? ハーブの魅力でヘルシィに変身(心)デス。<「香りの花束ハーブのある暮らしから」改題作品>
  • 家族が「がん」になったら 誰も教えてくれなかった介護法と心のケア
    4.0
    家族だから悩むこと 家族だからできること――家族は、患者さんのいちばんの味方です。だからといって、すべてを抱え込んで悩んでは、つらいもの。病院の選び方や移り方、衣食住でのちょっとした工夫、病人の気持ちへの寄り添い方、そして、家族自身の心のケア。自らも母親の介護を経験したホスピス医が、病院では教えてくれない、具体的な本音のアドバイスを贈ります。
  • 影の告発
    4.0
    デパートの満員のエレベーターの中で、殺人事件が発生。被害者は、私立高の校長・城崎達也と判明。白昼、しかも衆人環視の中での大胆不敵な犯行の手がかりは、名刺と母娘の古い写真しかない。偶然、事件現場に居合わせた千草検事が、捜査の指揮をとることになった……。本格派の第一人者の代表作。日本推理作家協会賞受賞作品。
  • ひまわり弁護士
    4.0
    オホーツク海に面した紋別市は、弁護士過疎の町。そこに単身乗り込んだ松本三加は、新米弁護士だ。だが着任早々、自閉症の若者が自転車で死亡事故を起こすという、難しい事件にぶつかった……。27歳の女性が、町の人々の万(よろず)相談所として、孤軍奮闘する姿をさわやかに描く、ドキュメンタリー。 ◎「この作品にノンフィクションの新しい風を感じた」<田原総一朗> ◎「よく『松本三加現象』といっていまして、若い女性で一種のスターというか、注目の的になったわけですけど、一般の市民も何かあれば松本さんに相談しようか、というような、彼女はそういうちょっとした心の支えというようなものになったんですよ」<本文より>
  • 頭脳のスタジアム 一球一球に意思が宿る
    4.0
    「一球たりとも根拠のないサインは出しません」「僕のピッチングスタイルは“自然の力”を借りたもの」「毎晩、頭の中でイメージング」「力が入らない楽なポイントが分かれば、無意識の意識が生まれる」「マウンドには、人を殺しに行くという感じ」……松坂大輔/城島健司/松中信彦/和田毅/宮本慎也/和田一浩/五十嵐亮太/豊田清……自分の感覚を言語化できる、8選手への珠玉のインタビュー集。 ◎「脳の叡智が地球と交わる時、選手の身体に野球の神様が降臨する。」<茂木健一郎>
  • 坂口安吾と中上健次
    4.0
    闘う知性が読み解く、事件としての安吾と中上――日本の怠惰な知性の伝統の中で、「事件」として登場した坂口安吾と中上健次。二人は、近代文学の根源へ遡行しつつ、「自然主義」と「物語」の止揚を目指す。安吾は、自らを突き放すような他者性に文学の「ふるさと」を見出し、中上は、構造に還元することなく、歴史の現在性としての「路地」と格闘する。闘う知性としての安吾と中上を論じた、74年から95年までの批評を集成した、伊藤整文学賞受賞作。 ◎「文学」とは、どんな秩序にも属さず、たえず枠組を破ってしまう荒ぶる魂であった。文学をやっている人がすべてそうなのではない。むしろその反対である。文学という枠組を吹き飛ばすようなもの、それが「文学」だった。私と中上は文壇において暴風雨のような存在であった。そして、われわれがともに敬愛していたのが坂口安吾である。(中略)私は安吾を高く評価していた。しかし、小説家としてではない。私にとって、彼の作品は、哲学であり、歴史学であり、心理学あり……、それらすべてをふくむ何か、要するに、「文学」であった。<「著者から読者へ」より>
  • 畏怖する人間
    4.0
    その出発以来、同時代の「知」に、圧倒的な衝撃を与えつづけて来た著者の、秀れた光芒を放つ第一評論集。群像新人文学賞受賞作「意識と自然――漱石試論」をはじめとし、その後の『マルクスその可能性の中心』『日本近代文学の起源』『探究1』『探究2』など、柄谷行人のその後の力業を予告する、初期エッセイ群。
  • 意味という病
    4.0
    日本のシェークスピア論のパラダイムを批判し、明晰な論理と思考の下に、新しい「マクベス」像を描く、柄谷行人の初期秀抜エッセイ「マクベス論」をはじめ、秀作『マルクスその可能性の中心』につながる、その明視力の圧倒的展開を収録。
  • のんびり各駅停車
    4.0
    わけもなくぶらりと乗る!! ――速く楽にという時代、だからこそ、各駅停車で旅を深く楽しむ。奥羽本線、上越線、北陸本線、関西本線、高徳線、鹿児島本線……。車窓から眺めただけでは見ることのできない駅周辺の風景や、街の歴史や人情が、すべての駅に降りることで見えてくる。JR完乗の著者が、厳選した路線を、写真と文で綴る贅沢な旅。
  • 花に舞う・日本遊民伝 深沢七郎音楽小説選
    4.0
    時を越え人々の日常に寄りそうもの──。 「音」に着目し選びぬいた作品九篇。 演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。 日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
  • もっと美味しくビールが飲みたい! 酒と酒場の耳学問
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    さあ読んだら呑みに行こう! ぐわっと呑んだらまた読もう! ビールのプロがお伝えする「うっまー!」の教室――ビールの肴に、水がいいってホント? ビヤホールで一番美味しく飲める席は? プロ並みに注ぐ秘訣って? 無礼講の由来は? 地名にまでなったビール名とは? などなど、酒場で盛り上がること間違いナシの話がてんこ盛り。専門家が伝授する、ビールを1120%美味しく飲む方法&薀蓄。飲む前に読め、読んだら飲め!
  • 日本警察の解剖
    4.0
    盗聴事件や警察官の犯罪で揺らぐ聖域の全貌。なぜ「21面相」は捕まらないのか? 警察幹部の相次ぐ政界進出は何を意味するのか? 世界でも第一級だといわれながら、不祥事が続出しているのはなぜか? 姿を見せない公安警察の水面下の闘いやVIPを守るSPの活動を描きながら、いま警察に何が起きているのか、どんな人間が警察を動かしているのかを鋭く追及する。30年余も取材し続けてきた日本一の「警察ウォッチャー」が揺らぐ聖城を解剖した話題の作品。
  • 寵児
    4.0
    ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を〈想像妊娠〉を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞作品。
  • 週刊誌血風録
    4.0
    雑誌ジャーナリズムを知り尽くす著者が描く「もう一つの昭和史」。こんなおもしろい時代があった! ――長嶋茂雄の結婚披露宴で、新郎新婦に「肉迫」したかと思えば、アラン・ドロンの夜を大追跡! 川端康成、吉永小百合から力業でコメントを引き出し、三島由紀夫の自決報道に全力投球……。週刊誌業界で活躍すること40数年、取材する側、される側の知られざる「実像」を描くノンフィクション。取材現場の裏側を活写!
  • 星になれるか
    4.0
    実名で綴るとっておきの秘話――直木賞受賞、睡眠薬中毒、そして離婚。編集者を経て作家となった著者ならではの、ハード・ボイルド・グラフィティ。吉行淳之介、野坂昭如、長部日出雄、星新一、佐野洋、小松左京、司馬遼太郎らも登場。ミステリー界の裏面史を実名、秘話、とっておきエピソードで描いた、ファン必読、疾風怒濤のミステリー開拓時代。
  • 花づとめ
    4.0
    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 異端のメス 心臓外科医が教える病院のウソを見抜く方法!
    4.0
    医療現場の驚愕エピソード満載……レントゲン写真は自ら保存すべし。薬価のカラクリ。「善人医者」は恐ろしい――20年間にわたり、心臓外科の最前線に立ち続けるカリスマが、皮膚で感じた、医療現場のあるがままの混乱とカラクリ、そして希望を、ホンネで熱く吐露した。望ましいのはとにかく臆病な医者、高価な最先端医療機器は信用できるか、新薬は「新」たに儲かる「薬」、新しい手術方法の問題点……。目からウロコが落ちる医療エッセイ。
  • 「非まじめ」のすすめ
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    今日のさまざまな問題や行きづまりは、ぐうたらな不まじめや、頭から湯気をたてるまじめでは、もはや乗りこえられず、その2つを超えた「非まじめ」発想によって、はじめて解決できるのだ! リーダーにもフレッシュ・ビジネスマンにも必ず役立つ、ロボット工学の第一人者による、まったく型やぶりな発想法。
  • 東京恋物語
    4.0
    大人の恋の激しさ虚しさを描く都会風俗小説。東京を描く大人の恋物語――銀座マダムをやめて愛人ぐらしに甘んじる雅が、行きつけの飯倉の喫茶店で出会った男は、かって雅が崇拝した夜の女王の情人だった。男から、死んだ女王の思いがけない素顔を聞かされるうちに、雅の人生にも転機が……。大都会の特色ある町を背景に、その町にふさわしい男女の恋の光彩を描き上げた、出色のラヴ・ストーリイ8編。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    4.0
    「生きることは、死ぬまでのひまつぶし」 『100万回生きたねこ』の佐野洋子 最後の肉声 『100万回生きたねこ』を通してめぐりあった佐野洋子とサイバラ&リリー。 抱腹絶倒トークの向こうに、「生」への真摯な思いが炸裂!
  • プライベート・ライブ
    4.0
    芸能人カップルの壮絶な日常演技と奇妙な愛――奇矯な行動で知られるスターと結婚した女優の平晶子は、新婚早々から夫の奔放なふるまいに悩まされる。不貞、暴力、麻薬……。失望し、愛想づかしをはじめるのだが、一方で、世間に対して、妻の姿を演技してみせる自分自身に、いつしか酔ってゆく……。特異な男女関係のあやを濃厚に描く文芸秀作集。
  • アジアへごはんを食べに行こう
    4.0
    タフでなくても生きていける!? アジアで学んだシンプル生活。アジアの台所で覚えた美味しいごはん。身体を気持ちよくする、ふだん着の暮らし――私の元気の素は、ごはんです! いちばん好きな場所は、台所。タイ、マレーシア、インド、ネパール……力を抜いて自然に生きる大切さを、アジアの旅で学んだ。身体に優しい食べ物、モノを増やさない工夫。そう、バックパックの旅を同じように暮らせれば、最高。アジア的シンプル生活のヒントが満載!
  • 京都大原 名旅館の殺人
    4.0
    紅葉燃えさかる洛北・大原の三千院にほど近い橋から、拝むように手を合わせた女性が転落死する。女性は、気鋭のプロデューサー・源田がリニューアルを手掛けた名旅館「源(げん)・雲上楼」の辣腕支配人だった。カメラマン星井裕は、事件の背景に老舗旅館の誇りをかけた「お家騒動」があると推理する。TBS系列「美食カメラマン星井裕の事件簿」ドラマ原作、「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 京都紅葉寺の殺人
    4.0
    高層ビル群やテーマパークの建設計画を打ち立てた「京都再生会議」。その座長・塩崎が、謎のメモを残し殺害される。警察は計画に真っ向から反対する東山安寧寺の僧・光雲に疑いを向けるが……。紅葉の撮影で京都を訪れたカメラマン星井裕は、元妻で刑事の美雪、科捜研の蘭とともに、事件の真相を探る。グルメ探偵が活躍する、ドラマ化もされた「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 10歳の放浪記
    4.0
    NHK「わたしが子どもだったころ」で大反響! 10歳のわたしはホームレスだった――お父ちゃん、明日はご飯を食べられる? 昭和35年、10歳の著者は、父とともに、東京・池袋でホームレスとして暮らしていた。健気に生きる少女を支えてくれたのは、貧しくも心優しい人々だった。40年以上も胸に秘めてきた、つらく悲しい記憶を辿る著者の心の旅。生きる人すべてを勇気づける、児童作家の壮絶な自叙伝。
  • 星と脚光 新人俳優のマネジメントレポート
    4.0
    芸能界は事件がいっぱい! 天然新人俳優×全力マネージャー 私があなたを星(スター)にして見せる! 気鋭の舞台演出家が描くお仕事青春小説!  弱小芸能事務所・天神マネジメントに転職したまゆりが、オーディションで目を付けた、天真爛漫な新人俳優マコト。彼は破天 荒な行動ばかりでまゆりを振り回す。二人は人気2.5次元舞台の出演を二人三脚で目指すのだが、マコトの暴走、大手事務所の妨害、 さらに過去のスキャンダルと、舞台デビューはトラブル続きで!?  気鋭の舞台演出家が芸能界の光と闇を描く、お仕事青春小説!
  • ルパンの星
    4.0
    シリーズ累計30万部、待望の新作! Lの一族の娘・三雲華は、刑事で夫の桜庭和馬とともに娘・杏の育児に追われていた。 一方、北条美雲は失恋の痛手を負い所轄でくすぶる日々。 ある日、美雲の管内で元警察官が殺され久しぶりに和馬とタッグを組むと、捜査は意外な方向へ――。 ドラマ化でファンが急増した「ルパンの娘」シリーズ待望の第4弾〈文庫書下ろし〉
  • 大江戸えねるぎー事情
    4.0
    かつて世界第一の規模を誇ったころの江戸は、じつに無駄のない省エネ都市として栄えていた! その知られざる豊かな知恵を掘り起こし、尨大なエネルギーを消費して「無」へと突き進みつつある現代人の生き方に警鐘を鳴らすべく、精密なデータをもとに両時代の暮らしを比較活写する、異色の新文化論。図版の多数掲載。意外や意外、江戸時代の快適生活がわかる新・江戸論の決定版!
  • お市の方 戦国の凰
    4.0
    信長の妹、浅井三姉妹の母、柴田勝家の妻。戦国一の女性(にょしょう)の気高き生涯――織田信長の妹として生まれ、仇敵へと転じる浅井長政に嫁ぎ、茶々(ちゃちゃ)、初(はつ)、小江(おごう)の三人の娘を守り育て、最後は信長の重臣・柴田勝家の妻となった。明日を約束されない時代で、波乱の生涯を生き抜いた、市(いち)。最後まで「想い」を貫こうとした相手は、誰だったのか? 新たな着想で、戦国随一の女性の真実に迫る歴史小説。
  • アジアの旅人
    4.0
    とろりとした熱気に包まれて、路地裏の屋台でボーッとする幸せ! ふと眠気に誘われた旅人は、豊饒(ほうじょう)なるアジアの地で、しばしまどろむ。楽園・バリの哀しみ、旬の国・ベトナムの元気、幻のヤシ酒をめぐる冒険、せつなさと怠惰に酔いしれたバンコク留学の日々……。変わりゆくアジアの昨日・今日・明日を描く! ひたすら歩いて見て触ったアジア。アジアの知恵と豊穣を伝えるトキメキの旅読本!
  • 長征 毛沢東の歩いた道
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 中国革命を成功に導く鍵となった行軍の全貌を写真と証言で再現――長征は、中国史上もっとも重要な事件である。8万の紅軍は、国民党・蒋介石の襲撃を避けて、1万2500キロの撤退を開始した。毛沢東はこの行軍の成功により、その後の30年間、最高指導者として中国を担っていく道を切り拓いた。天安門事件前後の中国大陸を世界で初めて取材して、この大長征を再現した大作。
  • 甲比丹
    4.0
    三方を海に囲まれた、外国人特別居留地・長崎出島。商館長(カピタン)ヘンミーのもとにおくられた遊女照葉(てりは)は蘭学者の娘。オランダ語を解するがゆえに、幕府と薩摩藩との暗闘に翻弄されるのだった。 都会の恋人たちを描いて定評のある著者が、父の勧めにより壮大なスケールで挑んだ唯一の大河時代小説。惜しまれる未完の大作で絶筆!
  • 巨泉流 成功!海外ステイ術
    4.0
    誰にでも実現可能な「外国暮らし」実践法! ――「一生懸命働いたから、あとはゆっくり楽しもう」を実行した著者が、サラリーマンにもできる「ゆったり海外生活」の実践法を伝授。自分にあった国や土地の見つけ方、安い航空券・良い滞在施設を確保する手段、趣味の楽しみ方、そして、肝心なお金の手当。準備は早くはじめるほど有利だ! <『巨泉(2)』改題作品>
  • SF三国志
    4.0
    『三国志』の英雄たちが宇宙に飛び出し大活躍――三惑星共和国を、独裁的に支配しようとする曹操。自由な世界を守るため、関羽・張飛ら猛者を引き連れ、劉備はついに立ち上がる。とはいえ、まったく不利な状況。名参謀・諸葛孔明や美女・蝶蝉を味方に引き入れ、どう戦うのか? 大人気『三国志』の英雄豪傑美女が宇宙で活躍する、興奮の傑作スペース・ファンタジー!
  • 少女よ、大志を抱け
    4.0
    等身大の自分を愛したい元気なエッセイ集――女も30になると、かつて恥ずかしかったことが、すでにちっとも恥ずかしくなくなったりしている。だが、人生は不思議なものだ。その分、思いもしなかったことを「恥ずかしい」と思うようになったりするもの。『結婚しないかもしれない症候群』の著者が、ポジティブに駆けぬける姿をつづった「等身大」生き方論。
  • 元寇
    4.0
    1巻1,089円 (税込)
    チンギスハーンの再来である英雄フビライは、果たして黄金の国・ジパングの夢にとりつかれたのか!? モンゴル平原に興った史上最強の騎馬帝国・元が、日本を襲い蹂躙せんとす。迎え撃つのは、精強な鎌倉武士団。我が国最大の国難=蒙古襲来を、巨視的スケールの中で描き切る。世界史のミステリーに挑む、傑作歴史冒険小説。
  • 崖

    4.0
    刑事が追う、女が逃げる……。過去のある男と女が出会ったのは、殺人事件の疑惑の中だった。女は本当に財産目当てに夫を焼き殺したのか? はぐれ刑事の追う美女には、隠された過去が。だが遺産狙いの殺人容疑がかけられても、女はしたたかで隙を見せない。違法捜査へ踏み込んだ刑事は窮地に立たされ、執念も実を結ばず終わるのか? だが、ひとり背景を追い続ける刑事が突き止めた意外な真相とは? 欲望の闇の底から浮かびあがる哀しい人間の営みと生きる哀しみが胸に迫る、二転三転の社会派ミステリー。
  • 雲雀の巣を捜した日
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    すさまじき小説家が作り事でない想いを綴り忌憚なく心の内を覗かせる! 私小説を断筆するとした「凡庸な私小説作家廃業宣言」、「私の思想」から「死のやすらぎ」、そして「言葉について」……。作家の覚悟と矜持を示したエッセイ集。 ――私は三十八歳でふたたび東京へ来てから二十一年、ほとんどこの市九郎のごとき懺悔の執念で、私の私(わたくし)小説を書いて来ました。懺悔と言うのは、人間としてこの世に生れて来たことが、すでにそれだけで重い罪であるからです。(「凡庸な私小説作家廃業宣言」より)
  • イエスに邂った女たち
    値引きあり
    4.0
    遠い昔、愛に渇き、病に苦しみ、夫に裏切られ、子を失い、人をネタンだ女たちが、人生の途上、イエスに出会った……。イエスはその時、どうされたのか? 人間の夢、歎き、祈りのこもった出会いの物語を、名画を通し、現代の光をあて、昔を今に甦らせる感動のエッセイ。本当の愛を知った聖書の中の女たち……マリア、マルタ、サロメもあなたの中にいます。
  • 悪霊の午後(上)
    値引きあり
    4.0
    1~2巻300円 (税込)
    現代の魔女・南条英子の妖しい魅力を描く長編サスペンス。交通事故で夫を亡くした若く美しい未亡人に魅せられる男たち。作家・藤綱は、英子の夫の事故死に疑問を抱き、不可思議な事件の糸をたぐり寄せて、戦慄する。彼女のつつましやかな昼の素顔の下に隠されている魔性とは……。遠藤文学の異色作。<上下巻>
  • 年月のあしおと(上)
    4.0
    1~4巻1,023~1,353円 (税込)
    明治・大正・昭和の文学的追想。ことに大正から昭和の時代風俗、文壇の裏面史をぎっしりと埋め込み、芥川龍之介をはじめ同時代の作家の風貌をいきいきと捉えた、自伝的文壇回想録。正篇を上下二巻に編集、上巻には大正4年終生の友人・宇野浩二との親交を深めた三保松原の旅行、父・柳浪が病気療養のため東京から知多半島師崎に転ずる前後までを収録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。<上下巻>
  • 永遠のジャック&ベティ
    4.0
    英語教科書でおなじみのジャックとベティが、50歳で再会したとき、いかなる会話が交されたか? 珍無類の苦い爆笑、知的きわまるバカバカしさで、まったく新しい小説の楽しみを創りあげた奇才の、粒ぞろいの短篇集。ワープロやTVコマーシャル、洋画に時代劇……身近な世界が突然笑いの舞台に!
  • 抱擁家族
    4.0
    妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。不気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。<谷崎潤一郎賞受賞作品>
  • 戦後欲望史 転換の七、八〇年代篇
    4.0
    話題の人物や事件でつづる戦後史。世間を騒がせた大事件や懐しい風俗・流行など、時代の求める雰囲気をいちばん鮮明に映す「欲望」という観点か、「“我らの昨日」を再現する! ――連合赤軍事件や三島由紀夫の自決や、前総理大臣・田中角栄の逮捕から、近くはグリコ・森永事件まで……恐しい犯罪や奇妙な事件のあいつぐ1970~80年代の深層を、人間の「欲望」という視座から見据えて描く戦後の同時代史。詳細な社会風俗年表とともに、当時の懐しい雰囲気や時代相が甦る。全3冊。
  • 戦後欲望史 混乱の四、五〇年代篇
    4.0
    懐しの人物や事件でつづる戦後史――敗戦のあの頃は、みんなどんな生活をしていたのか? 敗戦ショックと混乱の中にも、大衆のエネルギ-が溢れていた4~50年代を、たった昨日のように生きいきと再現した同時代史。戦災による焼け跡、闇市、パンパン、米よこせデモ、メ-デ-事件から、美空ひばり、マッカーサー、力道山、東京ブギウギなど、懐しの人物や話題が鮮やかに甦って、過ぎし日の夢を思う異色の戦後史。全3冊。
  • モンキーアイランド・ホテル
    4.0
    骨董商の海都譲治が、その奇妙な名前のホテルを訪れたのは、10年ぶりのことだった。スコットランドの静かなホテルで、偶然出会った若く美しい日本人女性との、めくるめく日々――それが、彼をおびやかすことになろうとは……。という表題作のほかに、『奇跡』。名翻訳家が初めて挑戦する、ミステリー仕立ての珠玉の作品集。
  • スシとニンジャ
    4.0
    日米格差が生む笑いの渦! チャンバラ映画で日本研究、ブシドーに憧れ、ニンジャに会いに来日したアメリカ青年の珍体験の日本漫遊記――「スシが食べたい」「ニンジャに会いたい」と、心の底から願ってやってきた純朴なアメリカ青年が、ニッポンの地を踏んだことから始まる、大エンタテインメント。チャンバラ映画のビデオでブシドーを研究した、開拓魂(フロンティア・スピリット)あふれる男に、現代日本の真の姿はどう映ったか。異文化に接すれば笑いが生まれる。清水ワールド真骨頂!
  • ジェットエンジンに取り憑かれた男
    4.0
    日本のハイテクを担った技術者の情熱と苦闘の物語。終戦の直前、日本の空を国産ジェット機「橘花」が飛んだ。それから43年後、日本も開発に参加したエアバスA320が飛んだ。巨大なリスクを伴う最先端技術の集約であるジェットエンジン開発を通し、技術者たちのパトスを描く人間ドラマ=ノンフィクション大作。
  • 築山殿無残
    4.0
    養父・今川義元の命で、家康に嫁いだ瀬名姫は、一子・信康をもうけ、築山殿と呼ばれた。今川、織田、徳川一門の確執を背景に、家康は、信長の女を信康の正室に迎えた。渦まく政略の中の嫁姑の葛藤、今川崩壊、信康切腹、築山殿刺殺! 時の歪みに翻弄される戦国女人の哀れを、史料を駆使し鮮やかに描く、本格歴史小説。松本清張氏も絶賛した「築山殿刺殺事件」の真実!
  • 源内万華鏡
    4.0
    奇人・平賀源内の破天荒な人生と大志――平賀源内は、元祖マルチ・タレントだった! 本職は本草(ほんぞう)学者。エレキテル、万歩計、寒暖計を見様見真似で完成させ、鉱山技師として金銀を求めて山をウロウロ。風来山人の名で戯作、福内鬼外(ふくちきがい)の名で浄瑠璃を書けば、大ヒット。杉田玄白をして「非常の人」と言わしめた源内の、オモシロ人生を奇才が描く。
  • 虚構市立不条理中学校
    4.0
    学校とセンセイを笑いでフッ飛ばせ!! 世界一ヘンテコな教育の世界に「おも理科」の鬼才が挑む爆笑長編! ――中学校の三者面談に行った、妻と息子が戻って来ない。小説家の蓬原(よもぎはら)が学校にのりこむと、出てくるのはヘンテコな先生ばかり。「弁当は、おかずの体積がめしの体積を超えてはいけない」など、バカバカしい規則を掲げる教師との爆笑の戦いを描き、管理教育を笑いとばす痛快長編!! <支給『虚構市立不条理中学校(全)』改題作品>
  • 居なおり数学のすすめ
    4.0
    1巻660円 (税込)
    森一刀斎による、受験数学居なおり術の極意。数学となかよくなる秘訣は、まずさりげなくつきあい、つぎにチャンスをみて肉迫する。つまり、異性となかよくなるコツと同じ――といったアドバイスがいっぱい。受験術指南の佐保利(サボリ)流家元・森毅先生による、学生と教師のための受験数学攻略法を、ここに直伝する。
  • お金物語
    4.0
    金(カネ)を発明したときから、人類のさまざまな不幸せは始まった――。ひとの儲けを皮算用する「他人の懐」や相続をめぐるドタバタの「被相続人」ほか、恋愛、結婚、形見分けと、お金が生みだすペーソスを、明るく笑いのめす12編。読み出したとたん、お金の摩訶不思議な力に搦めとられていた自分を発見。笑うしかない! お金に換算するから悩みが始まる。人生をカネで眺めたパスティーシュ。人生を金に換えるといくらになる?
  • うるわしき日々
    4.0
    『抱擁家族』の30年後の姿 老いと家族をテーマの長篇――80を過ぎた老作家は、作者自身を思わせて、50過ぎの重度アルコール中毒の息子の世話に奮闘する。再婚の妻は、血のつながらぬ息子の看病に疲れて、健忘症になってしまう。作者は、転院のため新しい病院を探し歩く己れの日常を、時にユーモラスなまでの開かれた心で、読者に逐一説明をする。複雑な現代の家族と老いのテーマを、私小説を越えた自在の面白さで描く、『抱擁家族』の世界の30年後の姿。
  • 男

    4.0
    男は黙ってよく働いている だいじにしなければなあと思う 歿後30年。 「男」をめぐる初の随筆選。 羅臼の鮭漁、森林伐採、ごみ収集、救急医療、下水処理、少年院、橋脚工事―― 日常の暮らしを支える現場で働く男性たちに注ぐ、やわらかく細やかな眼差し。 現場に分け入り、プロフェッショナルたちと語らい、自身の目で見て体感したことのみを凜とした文章で描き出す、行動する作家・幸田文の随筆の粋。 (収録作品) 男(濡れた男/確認する/切除/火の人/傾斜に伐る/都会の静脈/まずかった/ちりんちりんの車/救急のかけはし/並んで坐る/橋) ちどりがけ 当世床屋譚 植える 出合いもの いい男 男のひと 素朴な山の男 男のせんたく 男へ
  • 遠藤周作短篇名作選
    4.0
    『沈黙』から『深い河』にいたる代表的純文学長篇小説の源泉ともいえる短篇の数々――遠藤周作には、代表的長篇小説が多くあるが、それぞれの長篇には、源泉となる短篇作品がある。その遠藤文学の核となる13の名短篇を集めた。「シラノ・ド・ベルジュラック」「パロディ」「イヤな奴」「あまりに碧い空」「その前日」「四十歳の男」「影法師」「」「母なるもの」「巡礼」「犀鳥」……遠藤周作の文学・人生・宗教観がすべてわかる短篇集。 ※本書は、『遠藤周作文学全集 第6~8巻』(1999年10~12月 新潮社刊)を底本としました。また『天国のいねむり男』は全集・文庫など未収録作品です。
  • ピアノ・サンド
    4.0
    好きな男のすべてはいらない。……離婚して二人用の家具が居心地悪くなった頃、ピアノを預かることになった。100年前のフランス製、燭台付き。元クラスメートの槙野と親密になりながらも、執着はしない日々に、ピアノは変化をもたらすのか? 詩人で作家である著者が、ぎこちなく生きる女の愛しさを描いた、心の空洞を照らす、全2篇。
  • 魔闘学園
    4.0
    地球防衛のために一人闘う高校生。ケンカに明け暮れていた彼は、謎の美少女の予言通り、エイリアンと死闘する! ――帝高校に謎の美少女・村雨紫水が転校して以来、学園には空飛ぶ警官や色仕掛けで迫る美人教師らが跳梁し始める。それまで喧嘩に明け暮れていた2年生の悪気乱作だが、紫水は「地球を救えるのはあなたしかいない」と言い、彼らはエイリアンだと主張する。著者入魂の学園バイオレンス・ロマンの最高傑作!
  • それ自体が奇跡
    4.0
    百貨店で働く貢と綾は結婚三年目。貢は婦人服売り場、綾は紳士服売り場で働いており、社内結婚だった。 貢はもともと百貨店のサッカー部に所属していたが、廃部に。しばらくサッカーとは無縁の日々を過ごしていたが、ある時社会人サッカーチームの強豪「カピターレ東京」からスカウトを受ける。 綾の反対にあいながらも、入団を決意する貢。 仕事よりも試合を優先しがちな貢に、上司も不満を募らせていく中、綾ともすれ違いはじめ――。 一方、綾は売り場に訪れた天野という男と映画や食事に行く関係に。貢よりも趣味が合う天野が徐々に気になり始める綾だが――。 結婚三年目にして初めて訪れる大きな危機を、2人は乗り越えられるのか!?

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