あやめ 鰈 ひかがみ

あやめ 鰈 ひかがみ

660円 (税込)

3pt

4.0

幽明の境を彷徨う魂。交響し合う3つの物語――冥界への入り口に咲くというあやめの名を持つスナックで、同級生との再会を待ち望む男。酒宴のために仕入れた鰈を詰めたアイスボックスを抱えたまま、地下鉄から降りることのできない男。横たわる妹のひかがみに触れた手が、噛み千切られる妄念に陶然となる男。妖しく絡み合う3つの物語。木山捷平文学賞受賞作。

...続きを読む

あやめ 鰈 ひかがみ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2010年03月14日

    推敲してるんだろうけど、「うまいこと言ってやろう」みたいな変な気負いが感じられず、非常に自然で綺麗な文章。尊敬する。

    0

    Posted by ブクログ 2017年04月26日

    「あやめ」の始まりかたが好きだと思う。事故で死んだ木原が立ちあがり死んだことを分かりながらずれた記憶の中を歩いていくところ。隣り合わせの記憶の世界では死者が生者のように動いている。「鰈」は「あやめ」にも出てきた土岐が死者の地下鉄に載って地獄の世界に足を踏み入れていくまでが書いてあった。これはちょっと...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2012年04月30日

    三本の短編からなる連作小説。
    主人公は多少の違いはあれ生と死の狭間の世界にいる。
    「あやめ」は生と死の間に生えているとされる花で、主人公の旧友がママをするスナックの名前でもある。主人公は交通事故にあって死んだはずの男だ。
    「鰈」は泥酔して記憶があいまいになりいつ買ったかわからない魚がクーラーボックス...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年03月10日

    暗くて抜け出せなくてどこかへ行きたいのに堂々巡り。
    でもそれが生きるってこと?
    妙にリアルでした。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2013年06月14日

     現実と幻想(?)のはざまを漂う男3人のそれぞれの話が、あとがきにもあるようにまるで輪のようでした。
     生きていることと死んでいることは、近いというより、少し重なっているのかなという気がしました。線を引くようにくっきり分かれるものじゃなく、生きてもいるし、死んでもいるし、そんな感じがしました。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2012年07月16日

    社会の底辺で幽明の境を彷徨う男達が落ちてゆく失墜の中に呑み込まれながらも、幸福を見出してゆく過程を描いている。虚実が定かでない幻想世界に今回もどっぷりと浸らせてもらった。花腐しや幽に比べると幾分弱いか。

    0

あやめ 鰈 ひかがみ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

松浦寿輝 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す