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プレイボーイの憂い
ロンドンのギャラリーに勤めるキャサリンは急病の雇主の代理でポルトガルの別荘に住む依頼人のもとに向かった。ところが絵画の鑑定を依頼したロベルト・デ・ソウザは現れたキャサリンが女性だと知って難色を示した。車の事故で脚に後遺症が残り、顔に大きな傷を負ったせいで彼は自分を醜いと思い込み、女性を避けるようになっていた。たとえ傷があっても気にならないほどすてきな男性なのに!一方、鑑定士としての経験も知識もあると自負するキャサリンは依頼人の信頼を得るため服装と仕事ぶりで“できる女”を演出し、ロベルトはしだいに彼女の人柄と美しさに心を開いていくが……。 -
ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて―
五大湖のほとりシカゴから西海岸サンタモニカまで全長三千九百キロ、米国の真ん中を横断する「ルート66」。イリノイ、ミズーリなど中西部を貫くこのルート上は、米国内の典型的「保守」層が多く占める地である。進化論も否定するキリスト教原理主義、中絶や同性婚を忌み嫌い、子供は公立学校に通わせず、小さな政府を熱望する……。ニューヨークでもロスでもない、“敬虔で頑迷な彼ら”こそ大国の根幹を成す実像であった。 -
あの子が彼を好きな理由
友達と偶然入ったカフェに、その人は居た--。大好きだった幼馴染み、優吾にそっくりな彼、花輪さんのことは絶対に好きにならない。好きになっちゃいけない。高校生の遠野望はそう思っていた。でも、たった一度のキスが望の心を裏切って……。 -
江戸歌舞伎役者の〈食乱〉日記
七代團十郎の鶴雑煮、瀬戸内の海水むすび、松茸出汁の蕎麦、伊勢の舟盛、糸魚川の鯛の潮煮、由比の鱚の蒲焼、五代高麗蔵の牡蠣雑炊……。幕末の名優・三代中村仲蔵の自伝『手前味噌』には、諸国の珍品、名物の記録が数多く遺されている。食べ物だけでなく、東海道から中山道、越後、伊勢、尾道など、旅興行で巡った土地の人情、風俗も活き活きと描写され、江戸時代がいかに豊かだったか実感できる美味しい一冊。 -
たかが恋だろ
倉田泉巳は、ある朝、思いがけない男と再会を果たす。それは中学時代の親友であり、卒業式の日、理由も告げず自分を拒絶した男、高津戸真だ。なにごともなかったように振る舞う高津戸に、泉巳は戸惑いながらも嬉しくもあった。一方、義兄の椹木とは良好な関係を築きつつも微妙な緊張感を抱えていた。そんなある日、高津戸は椹木に嫉妬のようなものを見せるのだが…。過去を抱えた大人たちの恋の物語登場!! -
大富豪に愛されて
秩序と規律を重んじるサイモンは驚かされるのが何より嫌いだ。そんな彼に衝撃の真実を伝えるため、トゥーラはサンフランシスコにある彼の豪華なオフィスを訪れた。「あなたには子供がいるのよ」という言葉を聞くが早いか、彼女の肘をつかんでドアの外へ追いだそうとするサイモン。まさか初対面の相手に突然子供がいると聞かされるとは。冷徹な敏腕社長として有名なサイモンも、さすがに度肝を抜かれた。トゥーラは自分の家で子供に会ってから話をしようと提案し、片手を差しだした。その手に彼が触れた瞬間、未来を予言するように熱い稲妻が2人の腕を駆け抜けた。 -
やさしさの住居学
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在の住宅は、若い建築家や金儲け第一主義のメーカーが、自分たちの勝手な都合で、高齢者の望まない家や製品をつくっている。だれも高齢者になった経験がないから、高齢者が望む住まいについて語れる人はいない。本書は、充分に高齢者のカテゴリーに在る者として、そして建築家としてのいままでの経験から、歳をとってから健康で安全に住まうための方法について、私なりに想った黙示録である。第1章 終の住処(ついのすみか)第2章 安全の「しつらい」第3章 老いの「しつらい」第4章 やすらぎの設計第5章 住まいと健康 -
冬きたりなば…
かねて病床にあった、メグたち三姉妹の母が亡くなった。家を売って、売上金は三人で分けましょう。いい値で売れるわ――長女の提案に、ロンドンで自活している末娘も大賛成。ただ一人、家を守り母の看病に明け暮れていたメグは気が重かった。大好きな田舎の家を手放して都会で働くなんて。私に何ができて?だが、メグは自己主張が苦手で、ひと言も反論でいないままだった。ふたを開けてみると家はなかなか買い手がつかない。ひょっとしたら、誰もこの家を買わないかもしれないわ。そんな期待が芽生え始めたころ、一人の男が現れた。現れ方のタイミングも最悪で、メグはぷりぷりしながら男を迎えた。 -
情熱から始まる関係
デザイナーのベルはギリシアの小島で大富豪ルーカスを待っていた。彼の妹のウエディングドレスを緊急で製作するため、これからプライベートアイランドに赴くのだ。だが迎えに来たルーカスは尊大な態度でベルに小切手を差し出し、事情が変わったからこのまま帰ってほしいと言う。お金ですべて解決できると思うなんて、どれほど傲慢な人なのかしら。でも、デザイナーとしての将来のために、私にはこの仕事が必要だ。ベルの懇願に、ルーカスは一度だけチャンスを与えようと言ってくれる。喜びいさみ、期待に胸ふくらませるベルは、彼が数週間だけの情事を楽しもうとしているとは想像もしなかった。 -
偽りの恋の報酬
炎天下、レイチェルは豪華な別荘のインターホンを鳴らした。どうしてもアレッサンドロに会わなければならない。はるばるイタリアまで来たのに、会社の資金繰りはうまくいかなかった。邪魔をしているのが彼なのはわかっている。しかし、アレッサンドロからはすげなく門前払いを食らわされ、レイチェルの視界は涙でかすみ、頭痛はますますひどくなった。それもこれも、すべては5年前の身勝手だった私への復讐なのだ。あのとき父親を喜ばせたかった私は愛よりもお金を選び、プロポーズしてくれたアレッサンドロの目の前で別の人と婚約した──生涯でただ一人、“愛している”と言ってくれた彼を拒絶して。■イタリアのポジタノから始まる激しい復讐のストーリーをメラニー・ミルバーンが華麗に描きます。 -
砂漠に燃える恋
フランキーは不動産会社を経営するハンサムなサイモンと婚約。美しい指輪を贈られて幸せの絶頂にある彼女のもとに、かつて憧れていた幼なじみのザヒドが数年ぶりに突然訪ねてきた。伯父から王位を継いだザヒドは今や中東の国カヤーザフの国王で、ロンドン郊外のこの小さな町を訪れることはめったにない。だが久しぶりに会ったフランキーに彼は明らかに興味を惹かれた様子で、その変身の理由が婚約のせいだと知るや、相手に会いたいと言いだした。ザヒドはいったい何をするつもりなの?フランキーはザヒドの端整な顔を見つめることしかできなかった。我知らずわいてくる熱い思いをもてあましながら。■ずっと憧れていたザヒドとの再会と彼からの誘惑に戸惑うばかりのフランキー。けれどそれは思いがけない運命の始まりで……。 -
愛されない宿命
キャットは高級レストランで子爵にプロポーズされ感動に震えた。不幸な境遇に生まれ、モデルになったものの、五年前に大富豪アンゲロスの誘いを断ったせいで人生を破滅させられた。どん底から再度這い上がり、今はシーアと名前も変え、人並みの生活を手に入れたばかりかこうして幸せもつかんだのだ。ところが、ちょうどそこに入ってきた男性を見て全身が凍りついた。アンゲロス! あれ以来、一日たりとも彼を恨まない日はなかった。なのにまた私の前に現れるなんて、どういうつもりだろう。口もきけないキャットの前に彼は名刺を置き、電話するよう言って去る。キャットの地獄の苦しみが再び始まろうとしていた。■本当は互いに惹かれながらも、重なる誤解のせいで憎み合うことしかできないアンゲロスとキャット。この恋のゆくえは? 人気作家が描くせつないラブストーリーをご堪能ください。 -
穂実くんのドSなダーリン
不良中年がツンな男子をエロくする!!男同士の新婚性生活!!隣に住んでる黒津吾郎はドSで鬼畜で絶倫、バツイチ、コブつき、コワモテの暴君だが、本当は敏腕編集者で優しい大人の男!!幼い弟を抱えて暮らす貧乏男子の穂実くんが心も躯も彼のキスとアレで征服されていく!!表題シリーズの他、エロ切ない主従SMシリーズ「秘密」、さらに読み切り2本と書き下ろし収録!! -
愛を忘れた花嫁
リンが離婚を宣言した直後、夫は事故に遭い亡くなった。遺品の中から見つけた日記には耐えがたい記述が……。“妻が不感症だから愛人を作った”ひどく打ちのめされたリンは、かつて愛し、その想いが実ることのなかった亡夫の兄、ソーヤーに慰められるうちに彼と一線を越えてしまう。そして思いがけない妊娠。だが、亡夫の子である可能性も否めない。とまどうリンにソーヤーは申し出る――どちらの子であろうと後継者として迎えたい、と。リンは悩んだすえ、彼の1年限りの花嫁となることに同意した。■明るい作風で人気のエミリー・ローズが、官能的な大人の恋を綴った異色の作品です。終盤明らかになる、二人を幸せに導く衝撃のある秘密とは? 劇的な展開をご堪能ください。 -
大人の恋の始め方
アイルランドから、姉が住むニューヨークを訪れたテスは、ふとしたきっかけで、サマンサという女の子の面倒を見るようになった。サマンサは姉の上司の娘で、父親のマットはまだ30代前半。目を奪われるほどすてきなのに、会社の経営に明け暮れてばかりいる。彼は離婚した妻が亡くなり、仕方なく子供を引き取ることにしたらしい。サマンサは何人ものナニーをやめさせてきた手のかかる女の子だが、ファッションの話題で盛りあがり、テスとはすぐに打ち解けた。そしてマットも娘と話ができる機会が徐々に増え、子供を持つ夫婦のような時間を、テスと過ごすようになっていく……。ある夜、テスは彼にバージンを捧げた。だがそのあと待っていたのは、2人の関係が結婚に行き着くことはないと言う、彼の冷たい拒絶だった。 -
テレビ局の裏側
明るい画面のすぐ裏で、スタッフは余ったロケ弁当で空腹をしのぎ、人気出演者は降板宣告に怯え、経営陣はタメ息をつく。広告費の激減、視聴率の恒常的低下……テレビという巨大産業が、もがき苦しんでいる。なぜ新聞を読み上げるだけの「情報番組」が横行するのか? なぜあの看板キャスターが交代したのか? スポンサーの地雷はどこにあるのか? ベテランディレクターが非難覚悟で業界の問題点と未来を実況中継。 -
阪神タイガース
縦縞のユニホーム一筋五十年。藤村富美男とプレーした思い出から、監督として日本一に輝いた八五年、「星野タイガース」で活躍する今岡誠、矢野輝弘たちを育てた裏話まで――。華麗なプレーで「牛若丸」の愛称を得た現役時、対巨人戦はいつの時代も熱かった。あるいは、不仲を噂されたエース村山実との関係、移籍問題に揺れた江夏、日本一の立役者、バース、掛布、岡田らの素顔も。今だから語れるタイガースの真説。 -
愛想尽かし
「…抱いてよ。一度だけでいいんだ。いい思い出にするから」ある雨の降る夜、椹木恭介は捨て猫と一緒にかつて自分が助けたことのある青年・春日柊也を拾った。その日から、ふたりと一匹の同居生活が始まった。他人を信じることができない柊也は、椹木とも寝ることで関係を築こうとするが、椹木は愛情や信頼のないセックスを拒絶する。ゆっくりと、少しずつだけれど、ふたりの関係に変化が表れ始めたある日、柊也が再び椹木の前から姿を消してしまい!? ※このお話は『たかが恋だろ』のスピンオフです。椹木&柊也のその後を描いた小説『花片雪』も大好評発売中! -
許されない結婚
ジョージーは姉の結婚式で中東の王国ザラクを訪れ、目をみはるほどゴージャスな男性と出会った。イブライム。ザラクの王子で、エンジニアとしても財を成した人。ひと目で彼に惹かれ、情熱のおもむくままに夜をともにするが、どうしても一線を越えることはできなかった。私は人には言えない大きな秘密を抱えているから。だが数カ月後、姉に呼ばれて再びザラクを訪れ、イブライムと再会したジョージーには自分を抑えることは難しかった。心の声に従って、彼と結ばれよう。その決心が、ある悲劇の始まりになることをジョージーは知らなかった。■砂漠の国での熱いロマンスを描いて大好評だった『砂漠の夜の誘惑』のスピンオフ作品です。前回のヒロインの妹であるジョージーと王家の末弟イブライムとのせつない恋のゆくえは? -
誘惑に満ちた再会
両親の結婚30年を祝う席で、シエナは我が目を疑った。まさかロンドンのレストランでニックと会うなんて。かつて、恵まれない家庭に育ったニックを父が支援していた関係で、シエナと彼は兄妹同然の仲だったが、5年前に一夜をともにした翌朝、気まずく別れたのだ。今や大物実業家になったニックには恋人が、シエナには婚約者がいたが、2人は互いを強く意識する。その夜、シエナのもとに婚約者からメールが届いた。“別の女性を愛してしまった。君の幸せを願っているよ”悲嘆にくれているところへ、ニックから電話が入る。 -
テレビ番外地―東京12チャンネルの奇跡―
カネもモノもヒトもない。1日4時間しか放送できない時もあった。視聴率の低さゆえについたあだ名は「番外地」――そんなどん底から、東京12チャンネル(現テレビ東京)が脱出した背景には、逆境を逆手にとった逞しいパイオニア精神があった。数々の名企画に関与、数々の猛抗議に対処、あるときは松本清張作品のネタ元に、あるときは深夜通販ブームの仕掛け人になった、元名物編成局長が綴る貴重な秘話の数々。 -
すれ違う恋心
かつて深く愛したイーサン。ミアは今も心を乱される彼が憎かった。9年前、イーサンの母親が校長を務める寄宿学校に入ったとき、内気なミアの話し相手になってくれたのは、6歳違いの彼だった。4年後、ミアは彼とデートし、ベッドまでともにするようになった。イーサンはその間に彼女の父親の会社に入り、着々と支配を強めていた。ミアの母の自殺と、彼女の父と自分の母親の再婚を待っていたように。イーサンが私に近づいたのは、父の会社を乗っ取るため。そして母の死は、父とイーサンの母親の情事を知ったから……。そんな仕打ちに耐えられず、ミアは彼らの前から姿を消した。なのにイーサンは5年もかけて彼女を捜しあて、父のもとに帰れと言う。ミアは目の前に彼を舞い戻らせた残酷な運命をのろった。■デビュー以来、150作以上の作品を書き、不動の人気を誇るC・モーティマー。すれ違う恋人たちの心情を確かな筆致で紡ぎ出す、正統派のロマンスをどうぞお楽しみください。 -
砂漠の夜の魔法
中東の王国カブヤディールで働く古美術研究家のジーナは、帰国を翌日に控えた夜、ひと目惚れの恋に落ちた。相手は褐色の瞳と浅黒い肌を持つエキゾチックな男性、ザヒール。再会を約束しながら、果たせないまま3年が過ぎたとき、カブヤディールの王家に代々伝わる家宝の鑑定依頼が舞いこんだ。いとしい人が住む国を再び訪れたジーナの胸は喜びにふくらむ。しかし、そこには思いもよらない衝撃が待っていた。宮殿で彼女を待っていたのは、なんとザヒールだったのだ。彼がこの国の王? 見ると、ザヒールの顔は憎しみにゆがんでいた。「君は約束を破った」その言葉はジーナの耳に呪いのように響いた。 -
殺意の残り香
★ゴージャスな外見にだまされてはならない。彼は血も涙もない捜査官なのだから。★「お兄さんの保険金はいつ受け取るんだ?」目の前の男性が発した非情な言葉に、ニーナは耳を疑った。異父兄デズモンドが故国モンテベロで殺されたとの悲報に接し、彼女は大急ぎでアメリカから駆けつけた。そしてたった今、遺体との対面を終えたばかりなのだ。驚きに声も出ない彼女に、捜査の責任者ライアンは再び言い放った。「知らないふりをするのはよせ。五十万ドルの生命保険のことだ」 なんてこと! この人は私を犯人だと思っているの?ようやく状況を理解したニーナは憤りをおぼえ、決意した。こんな人に捜査をまかせてはおけない。私が犯人を捜さなければ!さっそく彼女はひとりで行動を開始した。殺人犯の魔の手が迫っていることも知らずに……。 -
誓いは破るもの?
★ドクター・プレイボーイ、あなたのことはもう忘れたいのに。★ハニーグローブ記念病院の手術室に勤務するデイナの悩みは、病院じゅうを飛び交う魅力的な独身外科医トレバーの噂話。十代のころ、デイナはトレバーに夢中だった。思い出したくもない結末を迎えた恋だけれど、初めての恋人がどうしているかは今でも気になる。でも耳に入ってくるのは派手な女性関係ばかり。どうやら、彼は誠意のかけらすら持ち合わせていないらしい。もう二度と仕事以外では近づかないようにしよう……。しかし、事態はデイナの予想もしなかった方向へ動きだす。ある日突然トレバーが彼女の家に現れ、笑顔でこう告げたのだ。「僕たち、隣同士になるんだよ」悪夢だわ。デイナはうめき声をあげそうになった。彼は自宅にガールフレンドたちを招くに決まってる。夜ごと壁越しにドン・ファンぶりを聞かされるなんて! -
Love,Hate,Love.
28歳処女と52歳大学教授の恋。「あなたのことは好きだ 本当に」28歳の貴和子(きわこ)は、ある日、ベランダで煙草を吸う男に出会った。隣室に住む52歳の気怠げな大学教授・縫原(ぬいはら)。バレエダンサーになるのを断念しつつあった貴和子に、彼は誠実な言葉で語りかけてきた。今まで恋愛を切り捨ててきた貴和子の心に情熱の風が吹き――真摯(しんし)で臆病なピュア・ラブストーリー!描き下ろし後日談収録!! -
捨てられたプリンス
レオ――本当は今でも心から愛する私の夫。トロントの画廊で別居中の夫と再会したとたん、ベサニーの心はうずいた。イタリアの公国のプリンスであるレオとは、周囲の反対を押しきって結ばれたものの、夫はベサニーにプリンセスとしての役割を押しつけるばかりだった。3年間、彼が態度を変えてくれるのを願ったけれど、もう限界ね。張り裂けそうな胸の痛みを無視し、離婚を切り出した彼女は、冷淡な表情のレオの口から出た言葉にその場で凍りついた。「離婚を望むなら、もう一度僕と一緒にイタリアに戻るのが条件だ」■2011年にデビューし、華やかなストーリーと、傲慢ながらも一途なヒーローを描いて人気上昇中のケイトリン・クルーズ。今月は、苦悩するプリンセスとそれを見守る夫の物語です。 -
庭と日本人
縄文のストーンサークルも浄土庭園も、はたまた枯山水も京町家の坪庭も、日本の庭にはすべて魂(タマ)すなわちオーラがある。現代日本人をも魅了してやまない数々の名庭もまた、西洋の庭園とは異なり、ただ美しく快適なだけではない。それらは時代ごとの理想を体現し、日本人の精神の歴史をもの語る――。桂離宮や御所をはじめ、有名無名とりまぜた京都の庭めぐりを通じて読み解く「庭の日本文化論」。 -
健康の天才たち
腐らないコンドームを作った岡本巳之助、蛇口をひねれば安全な水が飲める日本を築いた遠山椿吉、計量カップで一流料理を家庭に普及させた香川綾、脂っこい西洋料理の汚れを簡単に洗い落とせる亀の子束子を発明した西尾正左衛門など……。明治維新以来、日本の近代化を支え、長寿大国の礎を築いたのは、西洋の新しい文化と日本古来の文化の狭間で、日本人の健康のために心血を注いだ六人の天才たちだった。 -
母の介護―102歳で看取るまで―
宝塚一期生のスターだった母。あんなにプライドが高く、かくしゃくとしていたのに、寝たきりになったとたん、「わがままな老婆」に成り果ててしまった。際限なく続く夜の拷問、減り続けるお金、家事と仕事のやりくり。すべては一人娘の私の肩にのしかかってきた。それでも九十六歳の母は「長くない」と思っていたのだが……。先の見えないトンネルの中で過ごした六年の記録。 -
億万長者のすてきな秘密
名門キング家のレイフ・キングは賭に負けたため、身分を隠し、偽名で一族が経営する会社で仕事をすることになった。地味な作業服姿の“レイフ・コール”は、とても大富豪とは思えない。そんな彼がひと目で恋におちたケイティは、可憐でセクシーで完璧。――ただひとつ、ある不可解な点を除いては。どういうわけか彼女は、金持ちとキング家を毛嫌いしているのだ。だから愛を交わしたあとも、レイフは事実を打ち明けられずにいた。■男らしく誠実な“レイフ・コール”に、ケイティは夢中だった。まさかそれが本当は彼の偽名で憎むべきキング家の人間だとは、知るよしもなく……。■モーリーン・チャイルドの人気ミニシリーズ〈キング家の花嫁〉をお贈りします。キング家を憎む女性に恋したレイフの苦悩――終盤に登場する、波瀾含みの恋の鍵を握る思いがけない人物とは?! -
月の砂漠の花嫁
「マドモアゼル、お目覚めですか?」看護師のやさしい声が、ローレンの耳に届いた。まぶたを開けたものの、砂嵐の恐怖がよみがえり、涙があふれてくる。「怖がらなくていい。もう大丈夫だ」力強い男性の声に、ローレンは不安が消え、ふたたび眠りについた。次に意識が戻ると、彼女はさっきの男性に手を握られていた。看護師の姿はなく、ベッドの横にその男性が座っている。高貴な雰囲気をまとい、まなざしには熱いものを見え隠れさせて。ローレンは初対面の相手に心がざわつき、体の震えを抑えられずにいた。彼こそ、ローレンが亡き祖母を偲んで訪れた砂漠の王国を、病気の父に代わって治める、ラシャド王子とも知らずに……。■人気・実力ともにシリーズを代表する作家レベッカ・ウインターズ。彼女が待望のシークの物語を書きました。月の光に美しさを増す、砂漠の魅力が余すところなく描かれた作品です。お楽しみください。 -
婚礼の夜をふたたび
大富豪ロークの妻として幸せに暮らしていたアンジーは、1年前に夫の浮気を知って家を飛び出し、今は独りで暮らしている。ある日、大学生の弟アレックスがやってきて、驚愕の事実を告げた。ロークの口座で決済されるアンジーのカードを無断で使い、インターネットの株取り引きで莫大な額の損失を出したというのだ。それを知ったロークが、アンジーに会いに来いと言ってきた。いちばん顔を合わせたくない相手に弱みを握られてしまった!屈辱をこらえ、お金は少しずつ返すと訴えるアンジーだったが、ロークはからかうような冷笑を浮かべ、妻を抱き寄せてささやいた。「きみを呼んだのは、このためだ」■ポルトガル人の夫が妻を呼び戻した理由――それは、あまりに残酷で甘美な復讐のためだった! -
富豪三兄弟の秘密
ダリウスは途方に暮れた。父親の不慮の死に遭い、海運グループの経営と屋敷は引き継いだ。会社の株は弟たちと分ければいい。だが思わぬ難問が立ちはだかった。3人兄弟のはずなのに、もう一人、弟が加わることになったのだ。父親が若い愛人とのあいだにもうけた、生後6カ月のジーノだ。しかも父と愛人は事故でともに亡く、後見人は長男のダリウスとなる。会社や弟たちとならうまく折り合える。しかし、赤ん坊となると……。ところがジーノの母親は、親友の弁護士にも遺書で養育権を認めていた。さっき事務所で顔を合わせたばかりのホイットニーだ。子供に接したことのないダリウスは、すがる思いで彼女に助けを求めた。屋敷に一緒に住んで、ジーノの世話を手伝ってくれないかと――。■浮気性の父親のために、離れ離れに暮らしてきた3人の異母兄弟、ダリウスとニックとケイド。富豪一族に生まれながら、家族の愛を知らずに育った不幸せな男たち。 -
インターバル
陸上部員である柏木歩は、同級生の篠原貴人に密かに想いを寄せていた。そんなある日、部活の先輩である沢渡にその想いを見破られたうえに、退屈しのぎの玩具として無理矢理抱かれてしまう。冷たいかと思えば、ふいに優しさを見せる沢渡に反発を感じつつも戸惑う歩だったが……!? -
遠い日の蝶
遊びだからお互いが何をしていようと干渉しない ……そのつもりだったのに…… ピアニストとして活躍中の成川佐紀は、ある演奏会に出るため、いとこでありバイオリニストである成川理也と一緒にとある別荘に招かれた。そこで、学生時代につきあっていた男、アーヴィンと最悪の再会を果たす。互いに想いを残しながらも、自分のプライドと意地から素直になれないまま別れたふたりだったけれども……!? 「G線上の猫」スピンオフ!! -
新聞社―破綻したビジネスモデル―
新聞という産業は今、様々な危機に直面している。止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し――そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。いったい新聞は大丈夫なのか。生き残る方策はあるのか。元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。 -
ある北朝鮮兵士の告白
食料が足りなければ農家を襲い、肉が食いたければ豚を盗む。上官に取り入るには賄賂を渡す。恋に破れた男は大量殺人のあげくに自爆死。脱走した兵士は自動車強盗を働く……。朝鮮族の研究者である筆者が中国で出会った脱北者から聞いたエピソードの数々。立身出世の夢を持って入隊した軍隊での生活は想像を絶するものだった。一人の北朝鮮人兵士が十年にわたる軍隊生活のすべてを包み隠さず語りつくした貴重な記録。 -
自爆テロリストの正体
貧しく純粋なイスラム教徒が、やむにやまれぬ思いに駆られてテロに走る――。自爆テロにはしばしば、こうした「美しい物語」が付いて回る。しかし、これは真実だろうか。現場を歩いてみると、自爆テロが「貧困」とも「イスラム教」とも関係がなく、「中途半端な若者たちの自分探し」の結果だった姿が見えてくる。「テロリスト」に対する甘い幻想を全て打ち砕く、画期的ノンフィクション。 -
愛に目覚めた乙女
幼い頃に母と死に別れ、父親は誰なのかもわからない。孤児のアシュリーはさまざまな里親の家を転々としてきたが、彼らはみな美しい少女を引き取りたがったため、地味で冴えないアシュリーを見て落胆し、虐げた。18歳になった今、そんな彼女の悲願は自分の家を持つこと。頭金をためるために、人里離れた荒野に住む貴族の秘書の職を得る。雇い主のジャック・マーチャントのもとを初めて訪れた日、傲慢だが大人の色香ただよう彼に、アシュリーは危険すら感じた。すると、まだあどけなさの残る彼女を見てジャックが皮肉を放った。「もっと経験豊富な女性に来てもらいたかった」■英国を代表する小説家、ジェーン・オースティンとブロンテ姉妹が生み出した豊穣なロマンの世界。傑作『ジェーン・エア』をモチーフに、S・ケンドリックが新たな快作を創り上げました! -
冷たい貴公子
仕事でイタリアのミラノを訪れたリリィは、身勝手な弟に泣きつかれ、通販カタログの写真撮影を引き受けた。すると撮影中、ドアが勢いよく開いて一人の男性が入ってきた。背の高い黒髪の男性は全身からいらだちと傲慢さを漂わせている。誰だか知らないけれど、この男性はモデルではない。すばらしい体の持ち主であることは一目でわかるけれど……。そう思ったとたん、リリィは不意に胸のときめきを覚えてうろたえ、無礼なほどつっけんどんな態度をとってしまった。その男性がイタリアでも有数の名家の一員である億万長者――マルコ・ディ・ルッケージであるとも知らずに。■長年のキャリアを誇るペニー・ジョーダンの筆が冴えるロマンスをお届けします。イタリアのコモ湖畔で繰り広げられる物語は緊張感にあふれ、主人公の揺れる心情が繊細なタッチで描かれています。 -
ゾハイドの宝石
ああ、彼が結婚してしまうなんて。ヨハラは、少女時代から恋い焦がれている砂漠の国の王子シャヒーンがアメリカから帰国早々結婚するというニュースを聞き、彼の送別パーティ会場にもぐりこんだ――ひと目でいい、彼に会いたい。8年ぶりに目にしたシャヒーンの高貴で圧倒的な存在感。ヨハラは世界でただ一人の愛しい男性をじっと見つめた。目が合った瞬間、ヨハラはまるで魔法にかかったようになり、彼にいざなわれるまま会場を抜け出すと、熱い時を過ごした。だが、魔法は一夜にしてとけ、残酷な現実がヨハラを打ちのめした。彼は私が誰だか気づきもしなかった。ショックのあまり、ヨハラはシャヒーンの前から姿を消すが……。■陰謀渦巻く砂漠の国の愛憎劇――オリヴィア・ゲイツが描く3部作〈ゾハイドの宝石〉は、〈ジュダールの王冠〉の関連ミニシリーズです。2012年1月にお贈りする次兄ハーレスの物語もご期待ください。 -
消えた子爵夫人
亡き父の借金で屋敷を失いかけている子爵のドミニクは、窮地を逃れるため、ほぼ面識のない裕福な令嬢を花嫁に迎えた。しかし結婚後まもなく、不器量で幼い妻レイチェルは、唐突にドミニクのまえから姿を消してしまう。探偵を雇って行方を捜させもしたが、6年たったいまも、レイチェルの消息はいっこうにわからない。そんな折ドミニクは、叔母の紹介で謎めいたレディと知り合い、やがて見目麗しく知的な彼女の魅力にとらわれていく。まさか夢にも思っていなかった――彼女こそが失踪中の妻だとは。 -
愛人と呼ばれても
19歳のニッキにはどうしても大金が必要だった。だから、ふたまわりも年上の雇主ジョゼフとの結婚を決めた――結婚前にわずか1週間の猶予をもらって。そして、たまたま出会った野心あふれる青年マッシモと身も心もとろけそうに甘く幸福なひとときを過ごし、1週間後、あまりにもみじめな結婚式を挙げた。だが、それ以上に過酷な運命がニッキを待っていた。式に現れたジョゼフの継子はなんとマッシモだったのだ。「この恨みは必ず晴らす」愛する人の憎悪の言葉は彼女を打ちのめす。それから5年後、ジョゼフの葬儀で二人は再会を果たしたが……。■メラニー・ミルバーンが、イタリア人ヒーローの復讐の物語を描きます。本当は愛し合う二人の葛藤する姿がせつないストーリーです。 -
砂漠に消えた妻
ジャーファル国の王子アダンは秘書からの報告に我が耳を疑った。2年ほど前に砂漠へと姿を消し、亡くなったものと思われていた妻、イザベラの姿をハワイで見かけた者がいるというのだ。王位継承を間近に控えているアダンは、自らの目で確かめるために自家用機で現地に飛んだ。マウイ島のバーで歌手として活躍しているイザベラは、ある晩いきなり控え室に現れた男性の言動に衝撃を受けた。射抜くような黒い瞳に怒りを浮かべ、彼はこう言い放ったのだ。「今すぐジャーファルに帰るんだ。君の息子が待っている」■セクシーなストーリーで人気急上昇中のリン・レイ・ハリス。今回登場するヒーローは、アラブの王国の王子アダンです。愛の記憶を失った妻に再会したとき、彼がとった行動とは? -
―昭和史発掘―
日本にもかつて防諜、謀略を担っていた極秘の組織があった。その名は通称「ヤマ」。戦後これまでも世に出ることはなかった存在である。わずかながらの手がかりを元に生き残りの関係者や資料をたどっていくと、次第に驚くべき実態が露になってきた。信書の開封、電話の盗聴、スリを使った秘密文書の入手、時に人殺しすら……。そして定説を覆す、「二十世紀最大のスパイ事件」ゾルゲ一団の摘発の真相も明らかに。 -
華麗なる一手
ギャンブル好きな父親のせいで、名門ベインブリッジ家は没落し、エイミーの社交界デビューはみじめな結果に終わった。日々節約に追われ、つましい生活を送っていたエイミーだったが、1枚の宝くじを拾ったことから運命は大きく動く。3万ポンドもの当たりくじ! でも落とし主はいったい誰?返すべき相手を見つけるため再び社交界に足を踏み入れた彼女は、兄の友人であり、放蕩者で知られるタラント伯爵と出会う。エイミーの本能は彼に近づくのは危険だと告げていたが、ひょんなことから伯爵と1週間過ごすことになってしまい……。 -
涙のバージンロード
キャピーは子どものころに両親を亡くし、兄のケルの手によって育てられた。ケルは軍を除隊してジャーナリストとなったが、取材先で負傷し、いまでは車椅子生活を余儀なくされている。サンアントニオで暮らしていたキャピーは、ある事情で兄とともにジェイコブズビルの近くに引っ越した。兄のつてでベントリー・リデルの動物病院で働きはじめたものの、獣医の彼は短気で気難しく、キャピーに何かとつらく当たる。そんなある日、車の衝突事故にあったキャピーは、偶然居合わせたベントリーの意外な優しさに戸惑いを覚え……。■〈テキサスの恋〉最新作。これまで脇役として存在感を放っていた獣医のベントリーがヒーローをつとめます。 -
許されない一夜の情熱
姉の死から3年経ったある日、ケイティは義兄アダムに突然呼び出され、思いもよらない告白を受けた――亡き姉の凍結卵子による代理出産を計画している、と。ならば自分がと、ケイティは代理母に名乗りをあげた。身の危険を冒してでもアダムの力になりたい特別な理由――それは、初恋の相手だった彼を、いまも人知れず想い続けているから。ところが受精卵を移植したまさにその晩、ケイティとアダムの間に起こった、一夜のあやまち……。事態はとんでもない方向へ向かうことになった。■センセーショナルな設定で読者の心を虜にするミシェル・セルマー。今回描くのは、亡姉の子を代理出産するはずが、運命のいたずらでずっと想い続けていた姉の夫と一夜をともにし、苦悩するヒロイン。複雑な状況をどう打破するのか――巧みなストーリー展開は圧巻です! -
いつか終わると知りながら
世界中の女性を虜にする悪名高き企業家、ウォリック・キンケイド。彼と一夜をすごすなんて、アンバーにとっては青天の霹靂だった。ましてや翌朝、一緒に暮らしてほしいと言われるとは。ただし、ウォリックははじめに釘を刺した――愛はおろか結婚も子供も望まないし、続いてもせいぜい1年だが、と。そんな身勝手な提案はつっぱねるべきだったけれど、すでに恋に落ちていたアンバーは彼の胸に飛び込んだ。10カ月後。最近、ウォリックの態度がよそよそしくなってきた。今夜も手料理を用意して待っているのに、彼は帰ってこない……。■アンバーの愛が深まるほど、ウォリックの態度は冷めていく。切ない恋の反比例には、彼の人生を享楽的なものにした、ある知られざる秘密が関わっていました。真実が明かされたとき思わず涙がこぼれる、ミランダ・リー渾身の感動傑作! -
マドリードの熱い奇跡
人でごった返すスペイン、マドリードの空港。搭乗便を待つメーガンは思いがけない人物にでくわした。エミリオ・リオス――以前から憧れていた兄の友人であり、いまや派手な女性関係で知られる裕福な実業家の彼。2年前に冷たくあしらわれて以来、距離をおいてきたけれど……。すると彼は挨拶もないまま、メーガンを引き寄せてキスをした。呆然とするメーガンに、彼は謎めいた視線を送ってたたみかける。「今夜、僕と一緒に過ごさないか?」「100万ドル出せるならね」動揺のあまりメーガンは軽口で返した。それが、めくるめく嵐のような1日の始まりだった――■恋する主人公たちの心の機微を繊細に描くキム・ローレンス。特に純真なヒロイン像に定評があり、その人気はじわじわと広がって、ハーレクイン・ロマンスを代表する作家になりました。先月の新刊『指輪より愛を』とともに、彼女の世界に浸ってください。 -
誰か助けて 止まらない児童虐待
虐待に走る母親の心にはいったい何が起きているのか。「底が割れた」と形容される虐待の現場には、どのようなメカニズムが働いているのか。私は我が子を虐待した母親を訪ね、ありままの声を聞くことにした。変化する家族、親や子どもが抱える悩み、主婦の現状などを自分の目で確かめてきた著者が、児童虐待の凄惨な現実を訴える。 -
初恋の夢のあとで
これは周到に計画された、私への残酷な仕打ち?シャーロットはローハンを前に、そう思わずにいられなかった。一族が代々暮らす広大な屋敷を買い取ったのが、彼だったなんて。あんなに愛していたのに、彼は追われるように町をあとにした。シャーロットの兄が、川で溺れて帰らぬ人となったりしなければ、すべては今と大きく違っていたかもしれない。一緒にいた兄の死の責めを負って、ローハンが町を出たのち、シャーロットは兄の友人と結婚した。結婚せざるをえなかったのだ。そのとき彼女は、かわいい息子のクリスを授かっていたのだから。シャーロットは怖かった。亡き夫と過ごした愛のない結婚生活よりも、ローハンになじられることよりも、彼がクリスを見てどう思うかが……。★昨年10月、上下巻の長編『地上のエデン』を刊行し、好評だったマーガレット・ウェイ。彼女のオーストラリアへの愛が余すところなく描かれた力作を、心ゆくまでご堪能ください。 -
花嫁までの距離
17歳の看護実習生ディーは、姉の帰りを待っていた。きょうは美人の姉シルビアが、家に新しい恋人を連れてくる。マークが玄関に現れたとき、ディーは息が止まりそうになった。こんなにもハンサムで、明るく大きな声で笑う人は初めてだ。姉とじゃれ合いながらも、ディーを一人前のレディとして扱い、きちんと話をしてくれる彼を、ディーはすぐに好きになった。姉の恋人でもかまわない。わたしたちはこんなにも気が合うのだから。だがディーはまだ知らなかった。姉のほんとうの心の内を。そして、マークの奔放な女性関係や、無鉄砲で命知らずな夢を。ディーの、長く苦しい片思いのはじまりだった。★危険と女性に愛され、母親たちが“彼は悪い男よ”と眉をひそめるような男性に恋をしてしまったディー。彼の心を射止めるまでの長い5年間を、人気作家ルーシー・ゴードンが、優しく見つめるように描きます。 -
一夜だけの身代わり
夜明けの光の中でキャロラインは愕然とした。そこは昨夜初めて会った男性――ルーカスの豪邸のベッドの上。大学の同級生ダニーからロシア語の通訳の代役を頼まれ、“ダニー”としてルーカスの通訳を務めた結果がこれだった。恥ずかしさのあまり、キャロラインは書き置きも残さずに立ち去る。一方、ルーカスは彼女に逃げられたと知り、自尊心を傷つけられながらも、後腐れのない別れに安堵した。だが翌日、仲介者から“ダニー”は娼婦だと聞かされて激怒する。それでも甘美な一夜が忘れられず、彼女の家を訪ねると、ダニーと名乗って現れたのは、まったく別の女性だった! -
とらわれのカリブ海
アレグラは運転していた車の事故で生後間もない娘を亡くし、かろうじて命をとりとめた彼女自身も大きな傷を負った。事故の前後の記憶がないまま数カ月の療養生活を送ったが、自らの企業帝国の拡大に奔走する夫のミゲルは見舞いにすら来ない。アレグラは結婚生活がすでに破綻していることを思い知り、癒えたばかりの体でメキシコのカンクンにあるビーチハウスを訪れた。ミゲルと出会って結ばれた思い出の場所で、すべてを清算する決意を固めようとしたのだ。ところが不意にミゲルがビーチハウスに姿を現し、憤怒の表情を浮かべながら驚くべき言葉を言い放った。★期待の新人ジャネット・ニー。今年の最初の作品は結婚生活が危機に瀕している夫妻の物語です。二人は子供の死を乗り越えて愛の絆を取り戻せるのでしょうか? -
お坊さんが隠すお寺の話
日本人から信心が失われて久しい。それでもお寺は、「葬式仏教」を頼みに、かろうじて生き延びてきた。しかし、法外なお布施や戒名料ばかりを要求する一部住職に、檀家さんの我慢は限界寸前。結果、仏教に頼らない葬儀が急増、さらに過疎化や後継者難の影響もあって、地方の末寺は崩壊の危機に……。自業自得の日本仏教に、再生の道はあるのか。お坊さんが黙して語らない、それでも知っておきたい、現代のお寺事情。 -
自閉症の子を持って
長男が二歳の段階で軽度自閉症と診断された。医者は「適切な訓練」を受ければ、小学校入学時までに健常児に等しいレベルになると言う。しかし、「適切な訓練」を求めた著者の先には数々の障害が待ち構えていた。「重度重視」の福祉政策、専門医の決定的不足、「特殊学級」を強いる教育関係者、そして、時に「鬼」と化する自分自身の心……。これまで語ることの少なかった自閉症児の父が綴る、渾身の手記。 -
愚問の骨頂
「答えが出ない」「煮詰まっている」のはあなたの頭が悪いからではない。悪いのは質問のほうである。良い質問のなかにはすでに正解が含まれているし、愚問はいくら考えても無駄なのである。花粉症の真の原因とは何か。なぜニュートンは万有引力を発見できたのか。この世にはびこる愚問を斬り、世界的発見、歴史的発明を生み出した賢問を見つめなおす。あらゆる角度から「問い」の構造を考える。
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