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Posted by ブクログ
『ふたつまくら』を読んで、日本って昔は驚くほど性におおらかな国だったんだなぁと感じた。
今とは価値観が全く違うというか、同じ国とは思えないけれど、そこがまた面白い!
物語では、吉原の遊女と客たちの日常が、切なさ、艶っぽさ、ユーモアを交えて描かれているとても粋な作品。
来世を約束した男に待ちぼうけをくらう遊女、
叔父に騙されてきた、初めての遊郭に戸惑う少年、
将来を語りたがる遊女をうまくかわす男、
棟梁をぶん殴って、やけくそで吉原にきた男、
一晩で5人の客を相手に走り回る遊女……。
遊女と客のやりとりから、遊女たちの暮らしや江戸の町や生活の様子、遊郭の建物の内部までが伝わってきて江戸の遊郭に実際に行った気分になる。
着物の柄やかんざし、髪の結い方、湯呑み、タバコ、灰皿、屏風、火鉢、伽耶などの小物から、壁や襖の模様や部屋割りの建物内の細部までも描かれていて、「へぇ〜」の連続。
部屋の広さも意外で、隣の話し声が聞こえるほど近くに並んでいたなんて、初めて知った。
この細部にわたるリアルさが、江戸へと連れていってくれるんだなぁ。
Posted by ブクログ
荒俣宏のかつての女房という紹介では失礼にあたる。江戸文化風俗の語り部。
1982年ガロ登場以来、時代考証にもとづく情念豊かな"江戸もの"を数多く著したが、研究に専念するため惜しまれつつ断筆。2005年没。タイトル『二つ枕』はガロに掲載された吉原の男女の話である。
浮世絵調の画風をとっており、それはもう見ているだけでほれぼれするものだが、われわれの知るいわゆる浮世絵にはない魂っ気ともいうものが宿っている。かつて東洲斎写楽がそれまでの浮世絵にない人情味あふれる画趣で人気をさらったのと同様、杉浦日向子の描く江戸は水戸黄門以上にナチュラルにエロティック、酔狂、微笑ましく、せつない。あとがきで「学などと、堅苦しい言い方をしたくはない」と留意しつつ、「考証学が、人間学にまで昇華されている」とした北方謙三の指摘は正しい。
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