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土方美月の館内日誌
月曜日だけ探偵事務所を開いているという博物館『姫神郷土博物館』。大切なものを失ってしまった人は、不思議とこの博物館に集まるという。 名前負けコンプレックスを持つ従業員・沖田総司もそんな風変わりな博物館の縁に引き寄せられた一人。彼は就職詐欺に遭い、途方に暮れていたところを“名前だけ”で見出され、美人館主に拾われた。 「すべてのものには来歴がある」が口癖の館主・土方美月は、卓越した古物知識と新選組をこよなく愛するちょっと不思議な女性。総司は彼女と奇妙な事件を解くうちに、美月が探偵として失せ物捜しをする理由に気付いていく……。 -
アガサ・クリスティー賞殺人事件
作家志望の青年は、新人賞に落ち続けることに絶望し、人生最後の旅に赴く。名前を棄て、家族を棄て、友人を棄て、わずかな金と数枚の黒い服、数冊の愛読書を黒いトランクに詰め込んだ。古今の名探偵にちなんで名乗った偽名ゆえか、青年は行く先々で奇妙な事件に出会う。そして、旅が終わりを告げるかに思われた東京・信濃町のアガサ・クリスティー賞授賞式の会場でも悲劇は起きた! 関係者が実名で登場する授賞パーティの最中に起きた殺人事件の真相とは? 『致死量未満の殺人』で正統派本格の新鋭として好評を得た第3回アガサ・クリスティー賞作家が贈る、5篇収録の本格ミステリ連作集。 -
天使の歌声
身体も顔も河馬に似ている弁護士に案内され、一登はまだ見ぬ父親に会うため秋庭邸を訪れた。そこで一登は言語能力を持たない弟に出会う。彼は言葉を話せない代わりに、聞くものの心を癒す特殊な能力を持つ〈天使の歌声〉を発することができた。訓練では決して到達し得ない、澄みきった神秘の歌声。その弟をめぐってある悲劇が起きる。そして六年後、一通の手紙によって、一登はふたたび秋庭邸を訪れた──。静かな探偵・嶺原克哉が、調査依頼を通して出合った六つの難事件。不思議な親子関係と複雑に入り組んだ謎、多重どんでん返しが魅力の、著者初のシリーズ連作集。 -
甘い罠―小説 糖質制限食
糖質は人類にとって、神か仏か、悪魔か鬼か。乱歩賞作家が問う、いま話題の糖質制限! ――美人料理研究家・水谷有明(みずたに ありあ)は、大手スーパーチェーンの社長・城田洋(しろた ひろし)から、全国的に展開する和食レストランのメニュー監修を依頼された。キャリアアップを狙う有明にとって大きなチャンスだった。しかし、父親の糖尿病発症で食事療法「糖質制限食」を知り、炭水化物を中心とした和食メニューに疑念を抱くようになる。そんな有明の前に、主食を転換することの危険性を説く城田の理想が立ちはだかった。 人類は何を食べてきたのか、主食とは何か、さらに文化を築いたものとは。人類史の謎に挑む「食」のミステリー。 -
ロード・キル
ウェインは密かな殺人願望を持っていた。一見するとごく普通の男性ウェインには昆虫や小動物などを殺し続けた過去があった。加えて隣人達の「犬のふんを掃除しない」といった些細な出来事を手帳に記し、「有罪」として復讐の機会を狙っていた。ある日、彼は恋人スーザンと散歩中、不意に彼女の首を絞めた。驚いたスーザンは咄嗟に逃走。だが、その時ウェインは偶然にも殺人現場を目撃。この日を境にして彼の心は次第に解き放たれてゆく。病めるアメリカをオフ・ビート感覚で描き切る超異常心理スリラー。 -
9割の日本人のための「ゆる読書」入門 :“活字マッチョイズム”の終わりと新しい読書推進
活字本だけが読書と思い込んでいませんか? 『「若者の読書離れ」というウソ』の著者がすすめる、新しいかたちの読書論。 日本は読書後進国!? 活字だらけの紙の本だけを読書と思い込んでいませんか? 子どもの活字離れを嘆く前に、日本人の大人が無意識で持つ“せまい読書観”の押しつけが、子どもや人々を読書から遠ざけているのである。 『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』『「若者の読書離れ」というウソ』の著者が、マンガもライトノベル、雑誌、オーディオブック、読み聞かせなども、立派な読書とみなせることを、豊富な海外の統計資料から綿密に分析し、その“せまい読書観”を斬り、今の時代に合った新しいかたちの読書論を提言する。 「活字マッチョ」とは「ほとんど字で書かれた紙の本」が好きな人が、無意識のうちにそうではない人に自分と同じような読書観や読書量、読書のレベルを期待し、求めてしまうことだ。私の造語である。 本や読書自体がマッチョ、つまり他者に対して攻撃的なのではない。 本や読書のかたちを広げていけば、とどく範囲もずっと広がるからだ。 (本書「はじめに」より) 目次 はじめにー活字マッチョはもうやめよう 第1章 観る読書 欧米で急拡大する児童向けコミック市場 「児童書出版社」が子ども向けコミック市場を開拓した コミックがほんものの読書と認められ、図書館が歓迎し、入れやすくなった理由 ① コミック読書に関する調査 、研究が進展し、ポジティブな効果が確認され、共有された ②レイティング(年齢区分)制度を確立した ③選書基準に活かせる賞や書評が整備された ④ 文字や読書が苦手な子、第二言語として英語を学ぶ読者にとってよい媒体として認められた ⑤ 絵があったほうがイメージしやすく、学びやすい ⑥ 受け身ではなく主体的・対話的にビジュアルリテラシーを学べる ⑦「スクリーンタイムよりはマシ」という思想の広がり アメリカの学校図書館団体による調査結果 第2章 聴く読書 アメリカの公共図書館ではオーディオブック利用者の4分の1は「それしか借りない」 「YouTubeを〝聴く〞」UKの子ども・若者たち 英語圏でのポッドキャストではトゥルークライム、ドキュメンタリー、スリラーも強い 「ラップは読書」 ①発達障害や学習障害当事者であるラッパーとリスナーの言語実践 ② 学校的な価値観とは隔絶した世界で生きる人たちにとどく言葉 ③ 小説よりもはるかに古くからある、詩や演劇、口承文芸の継承者 第3章 デジタル読書 Hi- Lo 「デジタル×やさしい本ほん」 小学生 好奇心を刺激するノンフィクションとキャラクターを好む 中学生 古典をグラフィックノベルで読む 高校生 Hi—Loを読む ①読み上げ機能やフォント変更が標準装備されている ②他人に見られない、なにを読んでいるのか知られたくない 本がある場所に行けない、行きたい場所ではない 待てない 雑誌や新聞の代替物ーウェブ小説、デジタルコミック、Substack ①ウェブ小説 ②マンガアプリ、ウェブマンガ、ウェブトゥーン ③Substack 第4章 読書推進の拡張 スペイン オーストラリア ①視覚的な文法の解読 ②グラフィックノベルの分析 ③マルチモーダルな創作 北欧(スカンジナビア) 第5章 読書観の整理 PISAのなんでも「リテラシー」として取り込むReading一元論 「勉強のための読書」( 課題図書)と「楽しみのための読書」( 自由読書) 読解指導、読書指導、読書教育、読書推進 探究的な読書の強制が、自由読書を阻害する矛盾 「ひとりで読む」と「みんなで読む」 実利でも娯楽でもない読書―教養・人文・良書 規範的な読書論と記述的な読書論ーポストクリティークと「生活読み」 BookTokー批評のHi-Lo化か 韓国のテキストヒップ現象 これまで否定されてきた読書も肯定する 第6章 読書の図り方 識字率の調査しかほぼしない国もある 期間の設定 過去1か月、3か月、1年 「完読」と「一部読了」を分ける 冊数と分数を分ける 「本」をどこまで分けるか 紙の本編 「本」「読書」をどこまで分けるか デジタル編 国際比較から考える おわりに -
私のドン・キホーテ
韓国の大ベストセラー作家による熱い最新作! 「では、冒険を始めよう。」 ソウルの映像制作会社で働く30歳のソルは、ヒット番組の手柄を奪われて退社し、大田(テジョン)に失意の帰郷中。中学時代に仲間たちと「ラマンチャクラブ」を結成し、入り浸っていたレンタルビデオ店「ドンキホーテビデオ」を訪れると、店は無くなり、敬愛していた店主のドンおじさんは行方不明になっていた。ソルは人生の一発逆転を賭けてユーチューバーとなり、ドンおじさんの息子ハンビンを助手に、「おじさん探し」の番組を開始する―― 韓国で2024年本屋大賞 翻訳小説部門第3位の大ベストセラー『不便なコンビニ』の著者が贈る、セルバンテスへの愛を込めた現代の夢追い人たちの物語。 (底本 2026年9月発売作品) -
怪談狩り 占い地蔵
幼い息子が語った生まれる前の記憶。一見、無邪気な話をきくうちに母親は驚きを隠せなくなって……(「行き先」)。中華料理店で食事をしている男性たちにタバコの火を借りて、大将と軽くおしゃべりをした若い女性。だが、彼女には奇妙なところがあった(「マフラーの女性」)、民間軍事会社で若い頃働いていたFさんは、過酷な戦場を潜り抜けてきた。死と隣り合わせの恐怖の中経験した不思議なこととは(「アフガンの戦場で」)、中学受験を控えた少年が父に連れられてきたのは、地元の人から信頼されるおばあさんの家。どの中学がよいかという相性を占ってもらうはずだったが……(表題作)、実話怪談の先駆者が放つ、日常の中に潜む恐怖。 -
幽霊屋敷の祓い屋医師
双子の兄と一緒に遭った交通事故をきっかけに、幽霊が見えるようになってしまった医大生の小夜。学業もままならず休学した彼女に、祖母は自身が所有する屋敷の管理を依頼する。そこで出会ったのは、昼夜逆転生活を送る謎めいた美貌の青年・深影。彼はこの世に留まる幽霊たちを治療し、最期の苦しみを取り除いてあの世へと送り出す「幽霊専門の医師」だった。事故で亡くなってからずっと小夜に取り憑いている兄・景を悪霊にしないためにも、小夜は深影を手伝うことになり――。 【登場人物紹介】 ・望月小夜(もちづきさよ) 幽霊が見えるようになってしまった医大生。双子の兄である景を交通事故で失い、その日以来、景の幽霊が常にそばに佇んでいる。 ・深影柾(みかげまさき) 屋敷に住み、幽霊たちを治療して隠世へ送り出す「医師」。ほぼ引きこもりのような生活をしており、死神のような美貌の青年。金平糖を常食。 -
質屋からすのワケアリ帳簿~鍵のない鳥籠~
人気のダークミステリー、ついに完結! 他人の不幸や欲望にまみれたワケアリ品ばかりを好む『質屋からす』の店主・烏島廉士は、 目黒千里のある特殊能力を買って店に雇い入れた。 ある日、男が「呪いの櫛」を持ってきて――。 人気のダークミステリーシリーズ、堂々の完結。 ●目次 呪いは盲目 悪事千里を走る 七杜という名の呪い 血を注ぐ器 オカルトの香具師 地獄逝き 鴨と山師 生贄の血筋 悪魔の証明 闇に息づく昔ばなし 祝宴と宿縁 三世の契り 七人の生贄 竜の血 逆鱗に触れる 宝箱と鍵 やさしい監禁 眠り姫 女の命 私を疵つけられる人 足元から鳥が立つ あなただけの人形 私の鳥籠 ●著者 南潔(みなみ・きよし) 小説とイラストで活動中。2013年には書籍『恋獄トライアングル』(新潮社刊)、2014年には『恋愛教室』シリーズ(徳間書店刊)、2016年『質屋からすのワケアリ帳簿』上下巻や『黄昏古書店の家政婦さん』(いずれも小社刊)を出版し、大好評を博した。その他、電子書籍も多数刊行。 著者公式サイト「nisemono cigarette」 -
ジンタルス RED AMBER
19世紀、弾圧的な帝政下のロシアで画業と詩作を志す農奴ミーシャ。13世紀、北方十字軍に故郷と家族を奪われ復讐を誓うジンタルス。自由とは、表現とは、生とは。時代と国を超えて描く圧巻の歴史長篇! 皆川博子でしか描き得ない世界がここにある。 希望と物語の歓びに満ちた傑作長篇、堂々刊行! 19世紀ロシア。伯爵に仕えながら絵画を学ぶ農奴のミーシャ。館で「亡霊(プリーズラク)」と呼ばれている青年ステンカとの出会いから、ペテルブルクで画才と文才を磨く道が開けるが―― 13世紀バルト。北方十字軍に故郷リヴォニアを侵略され、家族を失った少年ジンタルス。貴族の息子マクシミリアンの従者として遍歴の旅に出るが、復讐の念は彼を修羅の道へと導く。 圧政と戦乱――二人の青年が辿り着いた、自由とは、表現とは、生きるとは。 ミーシャの物語と、ミーシャが記したジンタルスの物語。 二つの物語を交錯させ、時代も国も越えて贈る、最新長篇にして最高傑作! -
宇奈月家の人びと
繁華街の雑居ビルの一角にある〈ヘアーサロン宇奈月〉は、銀座のホステス御用達のヘアセットと着付け専門の美容室。店主の宇奈月益美はその道一筋の美容師だ。ある夏の日、宇奈月家の四女・葉月がどうしても子供がほしいと思い詰め、還暦目前の益美にとんでもない相談を持ちかける。一方、ヘアメイクアップ・アーティストの長女・弥生は、専属契約を結んでいた女優の脱税疑惑に巻き込まれ、突然働き口を失ってしまい――。夫亡き後、店を守り続ける美容師と母親を支える五人の子供達の物語。 ※本書は、2018年8月に講談社より刊行された単行本『始まりの家』に加筆修正を行い、改題して文庫化したものです。 -
幽世までの寄り道 介護施設・灯影庵の謎日誌
どんな姿になっても、もう一度あなたに逢いたい―― あの世へ行く前に叶えたい願いが、灯影庵でいくつもの奇跡を起こす! (あらすじ) 湘南海岸近くに立つ高齢者介護施設「灯影庵(ほかげあん)」。元は病院だったこの施設では、不可思議な出来事が起こる。 施設に現れる座敷童の正体とは? 誰がバスを運転しても、送迎対象ではない特定の家に毎回停車してしまうのはなぜか。 突如、施設の各所から見つかった現金に隠された秘話とは。 強い霊感を持つ介護士・嶺玉(れいぎょく)やよひは、灯影庵の人々に寄り添いながら、数々の謎を解き明かしていく。 5回泣ける! 切なくも温かな連作ミステリー。 (目次) 第一話 座敷童の面会訪問 第二話 常世の手前で、もう一度ありがとう 第三話 まだ、ここにいる 第四話 今日もどこかで札が鳴る 第五話 たどり着けなかった春の下で 【著者について】 亀野・仁(かめの・じん) 1973年、兵庫県西宮市生まれ。1991年に渡米し、大学進学。卒業後も米国に留まり、NYにて映画助監督やCM海外撮影コーディネーター/プロデューサーとして約10年間活動。帰国後は映像制作会社、大手広告代理店勤務を経て、広告映像制作会社を仲間と共同設立、同社取締役。第19回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『暗黒自治区』で2021年にデビュー。他の著書に『密漁海域 1991根室中間線』『地面師たちの戦争 帯広強奪戦線』(以上、宝島社文庫)、『ブリザード・フラワー』『下請スパイの焦燥』(ハルキ文庫)がある。 -
鉱物怪談
キラリ、怪石。 その美しさは、地の底からの誘い—— 拾ってはいけない 魅入られてはいけない 地球《ほし》が紡いだ呪い、石たちの怖い話! 奇岩から天然石、鉱物、隕石に至るまで石に纏わる怪異を蒐集した取材録。 記念写真に写り込んだ白い石のオブジェとそれを抱く黒い腕。 そんなものが存在した記憶はないのだが…「悪魔の石」(吉田悠軌) 琉球王朝の地頭御殿の跡地にある黒い奇岩。触ると祟る霊石(ビジュル)だと言うが…「うるまの霊石」(吉田悠軌) 猟師が仕留めたヤマドリの上にあった欠けた蛍石。持ち帰った日から異変が…「片割れ」 蚤の市で手に入れたカメオ。フレームの金をバーナーで熔かした瞬間、叫び声が…「アナンダの行方」 川底で拾った美しい水入り瑪瑙。だが不幸が続発して…「大和川の瑪瑙」 祖母の桐箪笥に仕舞われていた葡萄状の緑石。触ると肉球のように柔らかで…「葡萄石」 他、結晶たちが引き起こす怪、禍々しく光る全30話収録! *本書に収録された鉱物たち 玄武岩 花崗岩 瑪瑙 隕石 蛍石 桜石 金 水晶 煙水晶 モリオン(黒水晶) アメジスト(紫水晶) トパーズ ペリドット(かんらん石) ポウナム(翡翠) ガーネット(柘榴石) プレナイト(葡萄石) ……ほか -
汽笛、聞こえる
辛い過去を抱え故郷を去り、奉公先である新潟静修学校に辿り着いたナカ。尋常小学校を出た後、家庭の事情などで進学を諦めた人たちのために開かれた私塾だが、幼い弟妹を働く親に代わって世話する生徒が多かった。そんな生徒たちのために子守をするのがナカの仕事だった。自らの過去を重ね合わせ、次第に子供たちと打ち解け、存在意義を見つけていく。やがて生徒以外にも子を預ける親が増え、校長の赤澤鍾美は託児所を「付設子守室」とした。しかし、幼稚園として独立しなければ違法だと官吏から忠告を受ける。それには学費を上げなければ続けることが出来ず、本当の意味でここにいる者たちを救うことにはならない。苦渋の決断を迫られたナカと鍾美がとった策とは――。 日本で最初の保育施設、現・赤沢保育園誕生の軌跡を描いた物語。 【著者略歴】 佐藤雫(さとう・しずく) 1988年、香川県生まれ。2019年「言の葉は、残りて」(「海の匂い」改題)で第32回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『さざなみの彼方』『白蕾記』『花散るまえに』『行成想歌』『残光そこにありて』がある。 -
父っちゃんは大変人
一晩で大富豪、起業・買収・ホスト(!?)を経て遂に独立国家を樹立 この男、めちゃくちゃだけど爽快、面白過ぎる! マンボウ先生驚愕の誇大ユーモア小説復刊 巻末解説・斎藤喜美子 妻が語る「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人の頃』」 一晩で大富豪に/税金の高さに戦慄く/オリンピック出場/何故かホストになる/日本国から独立を宣言/球団買収/ラーメン会社設立そしてついに…… いまだかつて味わったことのない読書体験。空前のスケール、予想を超えた展開へと疾走する物語。 「とにかくわしは断じてデンキチ王国を独立させる。わしは必然的に国王になる」 数あるマンボウ先生の作品の中で、ここまで振り切ったものがあっただろうか! 妻と中学生の息子とつましく暮らしていた桜井伝吉。突如莫大な遺産を相続して税金の高さを実感、激怒のあまりに日本国から独立を宣言! ラーメン工場とホストで金を稼いで球団買収、オリンピック出場、そしてついに日本政府と正面衝突する日が来た…。想像を遥かに超える空前絶後の物語。 解説 倉橋由美子 「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人の頃』」齋藤喜美子 カバーデザイン 芦澤泰偉 【目次】 第一章 父っちゃん、突如、大富豪となること 第二章 父っちゃん、突如、ケチになること 第三章 父っちゃん、突如、ラーメン長者と呼ばれること 第四章 父っちゃん、突如、金を稼ぎはじめること 第五章 父っちゃん、突如、オリンピックに出場すること 第六章 父っちゃん、突如、独立を宣言すること 第七章 父っちゃん、突如、王国づくりに励むこと 第八章 父っちゃん、突如、プロ球団の監督になること 第九章 父っちゃん、突如、精神鑑定を受けさせられること 第十章 父っちゃん、突如、日本国に宣戦すること 解説 倉橋由美子 「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人』の頃」 齋藤喜美子 -
実存と人生[新装版]
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カフカ、没後100年 カフカの世界、それは名状しがたい不安の告白であり、日常生活における〈ある闘い〉の記録である。深い実存の寓意は、あらゆる解釈を受け入れると同時に鋭く拒否する。それは一面では、難解さを表わすものかもしれないが、汲めどもつきぬ豊かさ、魅惑の証でもある。 本書はブロート版全集の『田舎の婚礼準備』と『日記』の巻から、アフォリズムのすべてと、比喩、そして生活表明に関する文章を訳者によるオリジナル編集でおくる。カフカのテクストは、長いものにせよ短いものにせよそれぞれが独自の振幅と強度を有すると同時に、それらすべてに「カフカ的」としか言いようのない何かが通底している。本書に収められた小さなことばの群れもまた、そうした「カフカ的」なものの結晶である。生きることと書くこととが相即不離のカフカにとって、本書はいわば、「彼自身によるカフカ」であり、その箴言と比喩の迷宮へとわたしたちをいざなう。 一六 籠が鳥をさがしに出かけた 二二 おまえはやらなければならない宿題そのものなのだ。あたりにはどこにも生徒はいない。(本文より) -
ダーク・ダーク
性と生殖への渇望が孤独と狂気を生む 13人の少女の妊娠騒動に揺れる高校と、夜の海で災難に遭う沿岸警備隊員を描く「総員」。夜ごと鹿に変身してしまうことを夫にどう打ち明けたものか悩む妻は……「獣」。爆弾魔の逮捕に執念を燃やし、爆弾ロボットを丹精こめて開発した男がたどる運命は……「愛の機械」。母親という自身の立場になじめず、周囲のなにもかもが不確かで、暗闇になにかが潜んでいるのではないかと恐怖に駆られる女性を描く傑作「ラブストーリー」。不妊の悩みを抱えるノーマが同じ名前を持つ“ダーティノーマ”と出会い、苛立ちを募らせていく「ストーリー・オブ」と、同じ主人公、ほぼ同じ場面から始まりながら、少しずつストーリーがいびつにずれていく連作短篇「ストーリー・オブ・オブ」。 暗く切実な感情が渦巻く出来事を、凝った構成、不気味な筆致で描き出す。一見落ち着いた日々のなか、満たされない思い、人生に対する葛藤や社会への諦念を抱く人々の孤独と狂気がリアルに迫る、ダークでシュールな十篇。 作家は米国出身、本短篇集はペン/フォークナー賞最終候補、NPR年間最優秀図書に選出され、高く評価されている。 [目次] ストーリー・オブ 総員 獣 黄色 殺戮者コルテス 家が傾きはじめた 愛の機械 ラブストーリー ウォンパム ストーリー・オブ・オブ 謝辞 訳者あとがき -
この中のだれかがうんこをガマンしています 爆発寸前!? 5時間目はうんこ人狼の時間です
前代未聞の!!! うんこ人狼小説!!! 見知らぬ給食のおばさんにもらったプリンを、こっそり食べたぼくたち6人。でも、その中には強力な下剤(うんこを出したくなる薬だよ!)が入っていた!! 不審者騒動&プリンをかってに食べた犯人さがしでクラスは大混乱! トイレに行けば裏切り者確定の中、ぼくらは必死にうんこをガマンすることに!! 「――先生! この中のだれかがうんこをガマンしています!」 それは学校史上、もっとも最低な告げ口。そしてその高らかな声は、ぼくらの友情とおしりの限界をかけた「うんこ人狼ゲーム」のはじまりの鐘の音だった・・・!!! 本のはじめにまんがつき!!! 友情×裏切り×知略×便意×愛×爆笑のうんこ人狼が、今、はじまる――!!! -
歌舞伎楽屋裏ばなし
【歌舞伎奮闘記シリーズ、第一弾!】 「この憂き世に夢を作り出すの」 当代一の女形・岩井半四郎の付き人になった希和が命じられたのは――? 〈あらすじ〉 今をときめく女形役者・五代目岩井半四郎の付き人として働く希和。 河原崎座の座元から、失踪した若手役者・藤助を千穐楽までに連れ戻すよう命じられる。 しかし、藤助の行方を尋ねる希和に河原崎座の人間は誰も口を開かない。 行き詰まったとき、大道具方の勘兵衛が教えてくれたのは、 藤助と同じ無名の役者だった亡き父の過去だった。 華やかな舞台の裏で働く少女の奮闘記が今、幕を開ける! 〈目次〉 第一章 幕ノ内 第二章 トチリ蕎麦 第三章 大入り 第四章 千穐楽 -
アンティークショップ探偵 4枚のクイーン事件
トランプの4枚のクイーンと共に教授が遺した謎の言葉―― 容疑者は4人の女? 宣伝チラシ片手に聞き込み開始! 素人探偵コンビの名推理 英国コージーミステリ 〈あらすじ〉 イギリスの小さな町でアンティークショップを開いたベラは、知人の邸宅に泊めてもらった翌朝、屋敷に隣接した遺跡で、大学教授の死体を発見する。警察は事故として処理しようとしていたが、刑事の娘でもあるベラは殺人事件ではと考え、副店長のジョンと調査を開始。トランプのクイーン4枚と共に教授が残した謎を追う。“愛しすぎる者、恐れをなす者、不滅を追い求める者。そしてわたしを惑わせる者―― ” 過去も秘密も見逃さない、アンティークショップ探偵ベラの事件簿、開幕! -
海が天に届くとき
三麓美術大学の大学院で復顔(遺骨から生前の顔を復元する技術)を専門にする綾木遥花(あやぎはるか)は、復顔が社会の何の役に立つのかと悩む日々を送っていた。ある日、遥花はバイト先の科学博物館の理学博士・郷間俊樹(ごうまとしき)から呼び出される。有名私立大学の東京春天大学から郷間の元に、行方不明になっていたある教授の復顔の依頼が来ていた。『教員アンドロイド化計画』によってアンドロイドとなるその教授の顔の復元を、遥花は請け負うことになる。 東京春天大学広報課の星悠月(ほしゆづき)は、復顔を記録するために遥花のもとに通い始める。行方不明の教授の事情を知って倒れた悠月は、遥花との交流によって次第に己の過去に向き合い始める──。 悠月に隠された秘密と遥花の悩みが交錯する。これは、過去から未来へと時間を追い越す感動の物語。 -
ゴシックタウン
自身が切り盛りするニューヨークの一流料理店を閉店し、母とも仲違いして落ち込んでいたビリーの元に、ジュリアナという南部の町への移住勧誘メールが舞い込んだ。たった百ドルでヴィクトリア朝様式の邸宅を提供し、しかも起業の資金援助もするという内容に、疑いつつも好奇心に駆られ返信して以降、ジュリアナの魅力に惹かれたビリーは夫と幼い娘と猫とともに移住を決断する。穏やかな気候、豪華な館、親切な住民、理想の仕事……だがジュリアナを支配する奇妙なルールが徐々に家族の生活を侵食してゆく。シャーリイ・ジャクスンを彷彿とさせるアメリカン・ゴシック・ホラーの新機軸。 -
あなたに訊きたいことがある
山崎まどかさん絶賛。 ピュリッツァー賞・全米図書賞ファイナリストのレベッカ・マカーイ、『戦時の音楽』に続く最新邦訳。 ワシントン・ポスト、ボストン・グローブ、USAトゥデイ、エスクワイア、グッドハウスキーピング、書評サイトCrimeReads……あらゆるメディアが「年間ベスト本」に選出。 高校時代、わたしのルームメイトが寄宿舎で死んだ。 美貌で名を馳せた彼女の死は、二十年以上が経った今もネット上でスキャンダラスに語られている。 そして今、映画論の教授となったわたしに、母校から短期の講座を引き受けてほしいというオファーが届く。ニューハンプシャーの森の中のあの寄宿学校へ──彼女が死んだ場所へ、わたしは戻る。 あのとき何があったのだろう。彼女を死に追いやったのは、あの男子生徒だろうか、あの男性教師だろうか、それとも―― あなただったのではありませんか? 『戦時の音楽』で繊細で魔術的な筆致を見せたマカーイが、謎めいた物語を眩惑的にドライヴさせる。若い女たちに向けられるまなざしの罪を暴き出し、骨太のストーリーテリングを見せつけて、アガサ・クリスティーのように周到な仕掛けをほどこしてみせる、瞠目の長編小説。
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