小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ母親の傲慢さに腹が立ちながら読んでいた。そして子供は親を選べず、小さい頃の環境により身についてしまった感性からの脱却は極めて困難であるというやりきれなさ。それでも親を悪く思う自身への罪悪感との戦い。あまりの逃げられなさに読者としても追い込まれた。母親の一筋の「息子を守るのは親の役目」という思いでぎりぎり持ち堪えたことや、息子にとっては殺したいと思うほど積まれた母への怒りが一筋の「諦めずに救ってくれた」で間一髪殺さなかったことから、人と人とは僅かな線でもいい方向へと転がれる可能性を持つことのできる、それを信じることのできる優しい生き物だと感じた。だからこそ愛はその人にとっての愛であり、自分にとっての愛の押し付けについては考え直す必要がある。
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Posted by ブクログ
『亡くなった方の人権を守る行為、元監察医の言葉の重みはずっしりと心にのしかかる』
法医学に最近興味を持ち、書店で思わず手に取った。
もちろん、法医学の知識を習得するのに非常に役には立つが、もう一方で“亡くなった方の人権を守る”こと、そしてそれを守ろうとしてくれる、いわばヒーローの様な先生の存在をよく理解できる一冊であった。
本作は、元監察医の上野先生のベストセラー。
実際に先生が検死をしたご遺体から気付いた違和感などの正体を医学的知識が少なくても理解が出来る様、非常に丁寧に語られている。
残念なことに、現在でもご遺体に生前何が起こったのかを隠されたままにされてしまう事は起こりうる、というのが本作を読むとよく分かる。
(例えば、虐待や故意のミスによる死亡など、それらは生者に隠されて、見逃されてしまうことだってある様だ)
ただ、先生はご遺体に残る違和感から読み取る。
それは小さな傷一つから、火傷の跡、死斑など、身体に残されたあらゆる“違和感”に着目し、真実を紐解いている。
真実を紐解くことで、亡くなった方の人権を守っているのである。
また、法医学の知識というところでも非常に勉強になる。
ミステリーを読んでいると、ご遺体の状態などが語られることがよくあるが、この知識があることで「もしかして、被害者の死因は〇〇かな?」など、意外な面から予想できたりもした。
なぜ監察医の制度があるのか、それを実際の先生から語られ、すっと頭に入ってくる作品であった。 -
Posted by ブクログ
『楽園のカンヴァス』を読み終えた直後、その余韻に浸りながら手に取った一冊。
ピカソを愛し、《ゲルニカ》の魅力に取り憑かれた二人の女性。時代を隔てて描かれるその物語は、どこまでが真実でどこからが虚構なのか分からなくなるほどリアルで、読み進めるほどに引き込まれていきました。
私自身、小学生の頃に親に連れられて大塚国際美術館で《ゲルニカ》の陶板画を見たことがあります。上からは暖色の照明が当てられていたはずなのに、心に強烈に残ったのは物悲しく冷たい感情でした。困惑や恐怖。作中で描かれるゲルニカを前にした人たちの感情は自分の記憶と重なり、強く共感しました。
人生で初めてピカソを意識したのがこの《ゲルニカ》だったため、主人公とは違い私はずっとピカソや彼の作品に苦手意識がありました。美術作品というより、もっと生々しい「何か」に触れてしまったような感覚。その正体がこの物語を読んで少し分かったような気がします。もう一度《ゲルニカ》を見に行きたくなりました。
※ 巻末に池上彰氏の解説がありますが、個人的には彼自身の思想や政治色が感じられました。物語の余韻を大切にしたい方にはおすすめしません。
原田マハ氏や本書そのものに対する講評ではなく、あの解説で締めくくられるのは大変残念です。 -
Posted by ブクログ
コロナ第3波にみまわれた2021年1月の地方の病院のコロナ診療の現状が描かれている。著者は実際にコロナ診療に携わり、肉体的にも精神的にも極限状態にあり、寸暇を使って書くことで正常を保てたようだ。リアルタイムで、切迫する現場の状況が書かれたことになる。医療崩壊の現場がどんなものであったか、初めて知った。いろいろな立場の医師が,コロナ診療の状況にどう考えたのかも知ることができた。コロナ罹患患者の病院への受入れの難しさも,触れられている。地域での感染症患者への対応体制が整っていないことが,医療崩壊をおし進めた要因の一つだったが,このときの教訓は生かされているのだろうか。
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Posted by ブクログ
ネタバレふらっと立ち寄った本屋で好きな作家さんの新しい単行本が並んでたので、8月という読書感想文の季節でもあり読んでみました。
【夏の体温】
二泊三日の中で友情を築く瑛介と壮太。
瑛介は壮太の人間に惹かれて、身長なんて関係ないと感じるが、壮太の心境を思って相手に伝えられないもどかしさ。
瑛介が病院に一人になったあとも、心の隙間を埋める壮太の行動に、瑛介は人の気持ちを汲み取り、解決する行動が取れる壮太の人間性を好きになったんだろうな。
最後の二人の別れるシーンは、さみしくなって泣いちゃった
【魅惑の極悪人ファイル】
小説のためにと紹介してもらって出会った人間の人生を動かしてしまう大原さんはなかなかのヤバ人。
ヘラヘラして見える倉橋くんも、誰よりも一生懸命で、責任感のある人間。
人は人に見せない一面を持っているから、偏見で接してしまうのは良くないと再認識。
【花曇りの向こう】
友だちと話すキッカケを作ろうとしてもうまくいかない明生。友だちが話すキッカケをくれてもうまくいかない明生。
梅干しをキッカケにうまくいくといいなあ。
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