ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかった――人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に向け、着々と進行する綿密で周到な計画とは? ミステリの常識を覆したと高い評価を得た野心作。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
冒頭で、殺人事件を考えることについて、つまりこの小説の書き方について語られる。 「殺人事件のニュースや小説を読む時、殺人事件の調査をする時、人々は殺人が起きたところから考え始める。しかし殺人は結果なのだ。因果関係はその以前から始まっている。あの目撃者がそこにいたのはなぜ?あの証人が嘘をついたのはど...続きを読むんな感情で?殺人事件に至るまでには、計画があり、多くの偶然により思いもかけない形が作られ、関係者となった人たち性質が影響して、殺人という”ゼロ時間”に集束するのだ。」 物語の前半は、ある年の月に海辺の町ガルズポイントに集まることになった人々の事情、それまでにした経験が語られる。 スコットランドヤードのバトル警視は、大柄で木彫りのような印象で、切れ者には見えないのだが警官としての素質は確かだった。今回も娘が学校でかけられた盗みの冤罪を晴らした。夏の休暇は家族と日程が合わず、少し遅い休暇を甥のジェームス・リーチ警部のいるガルズポイントで過ごすことにする。 アンドリュー・マクハーターは、何もかもうまく行かず自殺しようとするが失敗した。その後思いもよらない縁で就職が決まった。そこで改めて彼の地、ガルズポイントで最後の休暇を過ごして自分を振り返ってみることにした。 ガルズポイントの屋敷に老未亡人トレシアン夫人と使用人たちが住んでいる。今年の9月にはいつもと違った客が来ることになった。 テニス選手のネヴィル・ストレンジは、亡トレシリアン氏の遺産受取人だ。彼の現在の妻は若く美しく派手なケイ。最初の妻オードリーを追い出して結婚した。なんと今年はネビルの今の妻ケイと、以前の妻オードリーが同じ時期にトレシリアン夫人の屋敷で過ごすことになった。 オードリーは「白い幽霊のような印象」と言われる薄幸そうな女性。若いケイは自信家で自由気儘。「白雪ちゃんと紅薔薇ちゃん」と例えられたり、「目を引くのは間違いなくケイだが、眼の前にいない時に思い出すのはオードリーのこと」などと全く正反対だ。 さらに、オードリーに思いを寄せる昔なじみのトーマス・ロイド、ケイに思いを寄せる若い美男子テッド・ラティマーも滞在することになった。絡み合った恋愛、遺産受取人問題で緊迫感に満ちたトレシリアン屋敷。 そこへ、亡トレリシアンの旧友で、引退した名弁護士トリーヴが訪問してくる。共に過ごした夕食の場で、トレーブ氏はまるでその場の誰かに警告するかのような謎の物言いをする。 果たして「犯罪を犯したが罰せられず逃げ延びている」人物がこの場にいるのか?そして改めて事件が起きるのか…? 冒頭の「ゼロ時間」説明により、この小説は「殺人をスタートではなくて、そこに至る偶然や人間の感情から描き始め、殺人は結果として書きますよ」というものなのね、として読んでいきました。しかし実際に事件が起きてからは「あれ?普通の事件捜査小説だよね?」と感じました…が!しかし!終盤の謎解きでなぜこのような書き方をしたのか納得!!前半のガルズポイントに行く前の会話、体験が、ガルズポイントでの「ゼロ時間」に見事につながった! 「あの時こんな経験をしたので、犯人はこのよう殺人を計画し、関係者はこのように行動・証言し、探偵役はこのように解決した」がピッタリはまります。そして登場人物たちは、見かけと実際の性質が違うような人が複数いるのですが、その人がなぜ本質と見かけが違うのかも納得です。 やっぱりすごいなーアガサ・クリスティー。 探偵役のバトル警視も良かったなあ。一見冴えない無骨なのに、捜査の勘も、懐の大きさも、考え方の柔軟性も超一流。彼はエルキュール・ポアロといっしょに捜査したことがあり「あのベルギー人ならどう考える?」なんて考えたりします。 相変わらず「事件解決後、やたらにカップルが誕生する。たまに意外なカップル誕生」のクリスティーですが(笑)、今回も無事カップル誕生して終わりました(笑)
クリスティ自身が自作ベストテンに入れたことが肯ける作品。 普通の推理小説は“事件”から始まるが、この小説は“事件”に向かって話が進んでいく。 それを思いつくクリスティの発想の豊かさもさることながら、伏線の回収の仕方など、その見事さに唸るばかりで、読み終わったときは「お見事!」と思わず快哉を叫びそ...続きを読むうになりました。 ・・・ところで、メインキャラクターであるオードリー・ストレンジについて、目が離れていることが描かれているのだけど、これは何か意味があるのかしら?当時(1944年以前)の人相学などの影響か、単におっとりした印象を与える顔だと書きたかったのか? そこだけ不思議に思いました。
1944年の作品。 バトル警視が活躍するサイコスリラーサスペンス。 あらすじ 有名なテニスプレーヤーのネビル・ストレンジは、再婚したばかりの美しい妻、ケイ・ストレンジと夏の休暇を養母のトレシリアン夫人の屋敷、ガルズポイントで過ごすことにした。だが、ネビルは別れた妻のオードリーストレンジも同じ時期に...続きを読む招待し、元妻と現妻に仲良くなってほしいと提案する。 さらにケイ・ストレンジに想いを寄せるテッド・ラティマー、オードリーストレンジの幼なじみで、オードリーに結婚の申し込みをしようと決意しているトマス・ロイドも屋敷にはやってきて、ガルズポイントには居心地の悪い不穏な空気が流れていた。 そんな中、トレシリアン夫妻の旧友だった弁護士のトリーブスが屋敷を訪れ、凶悪な殺人鬼の性質を持つ恐ろしい子供の話をする。そしてその次の日トリーブスは持病の心臓病で亡くなってしまう。 さらに、トレシリアン夫人が何者かに撲殺される事件が起こる。 ロンドン警視庁のバトル警視とその甥リーチ警部は殺人事件の真相を暴くために捜査を開始するー ポアロでもマープルでもなく、バトル警視が主人公の作品を読むのは初めて。 シリーズ物が好きなのでどうかなー…と思って読み始めたら… なんだコレ…めちゃくちゃ お も し ろ い 序盤、全然無関係かと思われた何げないエピソードが後半に生きてくる。 様々に散りばめられた伏線が最後に全て回収されていく。 すごい…見事としか言いようがない。アガサクリスティ様。 マープルともポアロとも違うタイプのバトル警視は、天才肌ではなく地道に捜査をすすめてコツコツ考え犯人を追い詰めていく、いぶし銀のベテラン警部タイプ。松本清張の「点と線」の鳥飼刑事のような。娘の言葉からヒントを得るというところも似てるかも。 ポアロは登場しませんが、バトル警視がもしポアロがここにいたら…などポアロを思い浮かべながら捜査をするところも楽しいです。
文句無しに面白かったです。 俗に、ノンシリーズと言われる本作。事件の解決は、ポアロのような名探偵ではなくバトル警視。解説によると、このバトル警視の登場自体は5作目。彼は、それまで地味な扱いだったのが、本作で華開いたとのこと。 作中で、バトル警視がポアロの名前をあげて、意識的に違和感を嗅ぎ取って推...続きを読む理し、活路を見出すのがいいですね。ポアロの人柄や推理の仕方が出てくるので、一冊はポアロの登場する本を読んでおいた方がいいでしょう。自分は、一作目『スタイルズ荘の怪事件』を読んでいたのでイメージできました。 物語は、老弁護士が推理小説を読むときの持論を語り出し、「殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以前から始まっている - すべてがある点に向かって集約していく…クライマックスに!ゼロ時間だ。」というプロローグから始まります。 内容はプロローグ通り、ある人物が相手を破滅させるために、用意周到に計画を立て、その計画がまさに行われる「ゼロ時間」に向けて進んで行きます。つまり、逆に言えば中々事件が起きないので、ミステリ好きの人には退屈かも知れない。その分、人物描写や心理描写が丁寧で、男女のいざこざからくる緊張感もあり、自分は飽きずにどんどん読み進められましたけどね。結局、犯人当てはハズレて、またしても騙されてしまいましたが、伏線の回収も見事でとてもいい終わり方でした。 クリスティーは、まだまだ有名作品が多々あるので、他の本の合間に少しずつ読んで行きたいと思います。
謎が解ける直前まで、犯人の態度がいけ好かなくて、うっとおしいと感じていた。にもかかわらず、犯人は貴方ですの一言で状況がすっかり引っくり返ってしまって、明確な殺意があったからこそ、ああも様子がおかしかったのだと納得せずにいられなかった。疑心暗鬼になればなるほど余計にクリスティの掌の上でいいように転がさ...続きを読むれるとわかっているけれど、その見事な手腕に惚れ惚れしているのだから、これはこれで楽しい。
怒涛の伏線回収とどんでん返し 途中で最初から読み直したのだけどこんな真相わからないよ!すごすぎる 最初のほうで後のヒントになる話題が出てたのに自然すぎてスルーしてた いつもアガサ・クリスティーの作品って全部終わったあとのめでたしめでたしのオチが雑だな〜って思ってたけどゼロ時間へのオチはかなり好き...続きを読む 幸せになってほしい
ナニか物足りない
やたらと散りばめられた多数の伏線が 見事に回収されて、すごいなと思う。 ゼロ時間に向かって物語が進んでいくのも斬新だなと思う。 その一方で、後だし感が強いなとも感じた。
ゼロ時間。殺人はその結果であって、それ以前から物語が始まっている。タイトルから秀逸。クリスティの新たな試み、これまでのミステリーの常識を覆す画期的な作品。
【ノンシリーズ】 ポアロじゃない「ノンシリーズ長編」。 全ての伏線が最後に一気に回収される。 繋がりがないように思えたエピソードも全て 関係している。 偶然に起きる殺人なんてものはなく、たくさんの要素が絡まった時に殺人は起きてしまう。人間の心理を描いたクリスティーらしい作品。 今回も犯人を当て...続きを読むられなかった。 犯人がわかってからもう一度読み返すと、犯人の心理的な怖さをもっと感じられる。 バトル警視は、ポアロのような灰色の脳細胞を持つ天才タイプとは違って、良いお父さんであり人間味がある。作中でポアロの話も出てきてニヤリとしてしまう。 最初のエピソードが最後になって意味を持ってくる。そこにクリスティーのとてつもない巧みさと、格好良さを感じた。 後からジワジワくる深い渋い作品。 再読したらまた違う面白みがありそう ★4.5 ◆あらすじ 休暇を過ごす海辺のリゾート地に集まってくる多重三角関係の男女。そこには不穏な気配が漂う…
犯罪が起きた時がスタートではなく、様々な要素が絡まり合って収束する、ゼロ時間こそが全て。 中学の時に読んで感銘を受けたクリスティ作品。 改めて読み返したが、やはり素晴らしい!時代を感じさせない! 惜しむらくは、訳が堅苦しくてややぎこちないところ…。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ゼロ時間へ
新刊情報をお知らせします。
アガサ・クリスティー
三川基好
フォロー機能について
「クリスティー文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
そして誰もいなくなった
試し読み
動く指
カリブ海の秘密
ポケットにライ麦を〔新訳版〕
もの言えぬ証人
バートラム・ホテルにて
鏡は横にひび割れて
復讐の女神
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ゼロ時間へ ページトップヘ