小説・文芸の高評価レビュー
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何もかもを失った者が、再び栄光を取り戻すべく奮闘するお話。私も一時期ホームレスをしていましたので、冒頭は共感出来る部分もかなりありました。
作品としては、人間の精神の脆弱さを主軸として描かれている気がします。 鬱屈とした日々を過ごし、現状を打破してくれる救世主を求める人。心の弱みを看過され、相手は超常的能力を持っていると誤解し傾倒する人。自らを評価して欲しいと願い、自己顕示欲求に呑まれる人。実体を伴わない形だけの宗教に入信する方々だけでなく、運営をする人間にも心に脆弱性はあり、誰しもが渇望を抱えて生きているのだという主張があるように私は感じ、またその描写に心打たれました。
張りぼての宗教 -
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「仕事が大事だとか未来だ夢だ責任だとか。だけどさ、僕はここで二十年以上働いているけど、驚いたことに今まで目の前の命より大事なものなんて見たことがない。たった一度もだよ」
「亮太、どんな時だって食べなきゃもったいない。明日、お前のほうが食べられなくなるかもしれないのに」
「神様が乗り越えられる試練しか与えないって」
「もちろん。まあ、私はずいぶんと神様に過大評価されてるけどね」
「でも、昨日本を探してる時さ、すごいわくわくしたんだ。この本読んだら小春どんな顔するだろって。そしたら、もっといろんなことを小春に教えたいと思った。読んだことのない本とか、見たことのない景色とか、食べたことのないも -
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ネタバレ湯川と石神の賢さに圧倒された。創作において自分以上に頭の良いキャラクターを作り上げることはできないとどこかで聞いたことがあるが、それを踏まえると東野圭吾さんの聡明さを節々から感じる。
最後の石神の、「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある」という言葉が印象に残っている。靖子が、弁当屋の夫婦は石神が靖子に好意を持っていると言っている、ということを石神に告げた時に石神はまた容姿のことをからかわれているのだろう〜といったようなことを考えている。湯川はダルマの石神というあだ名を敬意で使っているが、一般的には丸いシルエットの人をダルマと呼ぶのにあまり良い気持ちはしない。石神は論理 -
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今村翔吾の珍しくも現代小説!さらに高校青春モノ!ええい、ひかえおれ!面白くないわけがなかろう!!!というわけで。
「全国高校生花いけバトル」。華道の大会なのだが、ステージ上で観客の前で即興で花をいける大会である。花をいける所作も審査対象となる。全国9ヶ所での予選を勝ち抜くと、栗林公園での本戦に進めるのだ。
華道部の顧問が経験者を教えてくれたので、大塚春乃はその男の子山城貴音くんを訪ねてみることにした。だが補習とバイトで忙しいという。体育に家庭科、古文、漢文に数学。しかも夏明けに引越すらしい。勉強をみてあげることで、大会出場の話がついた。
貴音のうちは大衆演劇の流しのうちなので、本当に貴音 -
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ネタバレ越後の縮仲買商人・鈴木牧之が、当地の風俗や雪国の生活を活写した「北越雪譜」を世に出すまでの歳月を描いた長編歴史小説。
牧之を始め、戯作者の山東京伝、その弟・京山、滝沢馬琴、板元・耕書堂の二代目である蔦屋重三郎など実在した人物が登場し、それぞれが絡みあう人間ドラマを繰り広げる。
物語の発端は、牧之が、行商で訪れた江戸で、人々の越後についてのあまりの無知さに落胆したことにあった。
彼は故郷のことを知らしめたい思いに駆られ、越後の綺談と風俗を描いた本の出版を目指す。
やがて、彼の執筆は人気偽作者・山東京伝の目に留まり、出版へと動き始めるが、板元・二代目蔦重から五十両という多額の金銭要求に耐えら -
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友人宅の留守を頼まれた、住んでみると古い庭には樹や草花の陰に不思議な動物や花の精のようなものが棲んでいた。
行方不明になった友人宅の家守をするまだ新米の文士、綿貫征四郎の著述をまとめたもの。
という形で、古い家と庭の木々、草花や狐、狸、隣の面倒見のいいおばさん、山のお寺の和尚さん、迷い込んで住み着いた犬のゴローなどとの交わり、はたまた床の掛け軸から時々亡友が訪ねてきたりするのを、暖かく記してある。
征四郎のまわりで起きる小さな不思議な出来事。サルスベリに小猿がちょこんと座っていたり、池で河童が脱皮していたり、白木蓮の蕾がタツノオトシゴを身籠っていたりする。
土間に生えたカラスウリが、天窓の -
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初めて読んだ松本清張です。
日本海側の厳しい寒さがよく伝わりました。
サスペンスの終盤によく出てくる日本海の源流を味いました。
日本海の寒風は寒いんだなと!
東京でお見合い結婚して、新婚旅行後に勤務地の石川に戻った旦那さん。石川勤務をしていた旦那さんが東京に戻ってくるはずなのに、いくら待っても、旦那さんが帰ってこない…
そんなところから話は始まりまして
夫が帰ってこなくて、旦那のことで知ってることが少ない主人公と共に、少ない手がかりを元に真実を追う話が、次のページへと読み進めいと思える作品でした。
最後のシーンも好きで、日本海の厳しさを知った上での行為に後ろめたさや懺悔の気持ちを抱えて -
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とても良い作品に出会えて幸せだと思えるものを久しぶりに読みました。
今の自分に刺さることが多く、最後は泣きながら読んでいました。
音楽といっしょに生きてきたと言っても過言ではないくらい、小学生の時から音楽を聴いて過ごしてきたのでふと脳内再生される歌詞とか共感できる部分が多く…語彙量がないので上手く感想を書けないのですが、読み終わったあとのこの感動と晴々とした今この瞬間を書き残したいと思い感想をかかせていただきました。
続きを読みたいけど読んだら終わってしまうけど読みたい!!と葛藤した小説も初めてでした。笑
私はだいすきな作品です。
自分の子どもにも中学生くらいになったら読んでもらいたい一冊です -
購入済み
おもしろい
少し前に好評なSF小説に挫折したばっかりですが
こちらは完読
とても愉快痛快おもしろかったです
超オススメ
格ゲーはよくわかりません -
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大好きな中山七里さん、
そして、大好きな岬洋介シリーズ!
今回は、なんと、ロシアのモスクワ音楽院が舞台。
ロシアの音楽教育が書かれている。
そして、じわじわとウクライナ問題に近づいて、
胸の中がチクチク、ザワザワしっぱなし。
なぜに戦争は無くならないのか?
犠牲になるのはいつも力の弱い民間人だ。
鉛筆の拷問場面、涙が出てきた。
誰かを救いたい、守りたいという気持ちは、誰しも持っている。
ただ武力や戦闘では対等に戦うことは当然無理だ。
岬洋介は、音楽で救おうとピアノを武器に果敢に立ち向かった。
それにしても、彼の生い立ちにロシアがこんなにかかわっていたなんて。
ラストはまるで映画を視てい -
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読むべき1冊だと思う。
末期患者と病院という場の相性の悪さを感じた。
この本の中では、看護婦や医師の態度の悪さが度々書かれている。末期患者側からしたら、怒りを感じるだろうが仕方ないのかもしれないと思いながら読んだ。
治療して良くなることを目指す場であるから。だからホスピスという場が生まれたのかもしれない。
末期患者の孤独、不安を汲み取り死をタブー視せずスタッフたちと向き合える病院があって欲しい。
死は死に至る過程が終わる瞬間に過ぎない。患者にとって死そのものは問題ではなく、死ぬことを恐れるのは、それに伴う絶望感や無力感、孤独感のためである。
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