【感想・ネタバレ】ネット右翼になった父のレビュー

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Posted by ブクログ

同世代と話して、親族で書名のようなことをする人がいるような話も多くなり読んでみた。

内容としては、思ったよりも過激でなく、考えさせられる内容。想像と違う方向に行ったが、楽しめた。

親と子の関係だけでなく、価値観の違う他者とどう向き合って行くか、考えさせられた。同じ行為でも、自分と人の捉え方は違うし、客観的にどう把握することの重要性に気付かされた。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

便宜上、カテゴリ分けをしたが、実際は父と子の物語だと思う。
一定の時代の父と息子にありがちな互いに壁のあるような、胸襟を開いて話すことのない関係性。
その関係性を改善するための指南書でもあると思った。
父がネット右翼になってしまったと感じた著者は、父亡き後その言動を紐解いていく。
その過程が書かれているわけだが、結局のところ分断は両方に原因がある。彼の父に対する拒絶は彼の中にある価値観や思い込みに端を発している部分もあり、彼が勝手に父親の像を作り上げていたのである。
小さいころの親子関係は、子供の自己肯定感に大いに影響するだろう。
彼も子供の頃の厳しい父との関係で屈折した考えを持つようになったようだが、同じ環境にいた姉はまた別の見方をしていたようだ。著者本人も書いているように、そこにはジェンダーギャップが見て取れる。
これも、古い時代の価値観を持った両親の元に育ったことが影響しているのだろうか。(つまり、男の役目、女の役目といったジェンダーによる役割を当たり前に思っていた父と母はその役割を演じ、それを見ている子供たちも無意識にジェンダーを意識し、父と同性である息子と、異性である娘はそれぞれの立場を刷り込まれたことで、父に対する違ったイメージを持ったのかもしれない)
父亡き後、生前イメージしていた父とは違った父に巡り合った著者は、自身の父への言動を後悔しているけれど、亡くなった後だからこそ、和解ができることもあるのだろう。
私は著者を素敵な息子だと思った。
そして、私自身親に対して色々気を付けねばと改めて感じた。
その年にならないとわからないことがあること。
例えば、難しい話を理解し辛くなるとか、情報のアップデートが難しくなるとか。
親と子の年齢差を考えたら、子供である自分が出来ることを親も同様に出来ると考えるのは早計だ。

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2023年11月02日

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私の父はネット右翼ではないと思いますし、右翼ですらないと思いますが、
父と私の関係は近いものを感じます。
分断を解消したほうがよいのはその通りだとは思うんですけどね、
死んでるからそう言えるのであろうと思いますよ。
生きていると難しいです。
相手が生きているとあちらの思い込みも存在しているわけで、私には上手に意思疎通ができるとは思えませんね。
ただ、心には留めておきます。チャンスがあったら挑戦してみようかな。
チャンスはないかもしれませんが。

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2023年10月28日

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父の葬儀に出た筆者は何故か無に近い心境であった。教養ある父だったはずが晩年はヘイトスラングを繰り返していたからだ。なぜ右傾化したのか?家族親戚友人から聞いた父の姿とは?実像に迫る事は出来るのか? 家族再生の物語でありとても刺さる内容です。おすすめ本。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

家族への愛の話であり、
対峙する相手の根底を理解する為の術の話であり、
分断が進む日本社会の話であり、
左とか右とかに留まらない、
人として大切にしたいことが書かれていた

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2023年04月06日

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ルポというか物語みたいだった。
読みものとしては面白いし、読みごたえもあったけど、実際に自分の周囲にあるお話としたら、誰の立場としてもしんどいなぁと思う。
ペルソナなんてどんなに円満に見える環境にいる人だって持ってるだろうし、心の中の醜い部分を全く持っていないという人もいないと思うし。

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2024年05月07日

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この本の端緒となった2019年のデイリー新潮の記事を当時読んだ。当時の著者と同じように、YouTubeでおかしくなる人おるなあとシンプルに捉えていたので、認識を更新できてよかった。

単語というか符牒というのか、仲間内に目配せするために使われる悪意と差別意識に満ちた言葉がネット空間には多く流通している。ネット上の一部の地域では、その言葉を知っていること、口に出すことが「山」「川」みたいな機能をもつ。その醜悪なやりとりを日々目にしているから、だれかがその言葉を発した瞬間に「あっこいつあっちやな」と判断してしまう傾向はわたしにもある。
が、それは発言者の拠って立つところを示すというよりは、うかつさ・不用意さ・認識の甘さ・知識のなさを示すことの方が多いのかもしれない。特に身近な人間に対して、少なくとも瞬間の判断は慎むべきだなあと思ったことでした。しかしその言葉の臭気を感じ取れないもんかねと失望はしますけど。

言葉に含まれる(言葉に含ませられている)背景や意味合いが多すぎて、アップデートったってしきれませんよという状況もあるのかもしれない。だからその言葉の意味合いをOKかNGかに単純化して「今はこれ言っちゃダメなんですよね」という認識になるし、そこから「自由に発言もできないこんな世の中」ってなるわけだ。分断は不用意な人間とそうでない人間の間にも生じるのかも。

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2023年09月14日

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ネタバレ

読み始める前と読み終えた後で全く印象が違う作品でした。テーマとしては『ネット右翼』より『になった父』に重きが置かれていて(もちろんネット右翼についての記述もありますが)、ネット右翼というテーマから筆者さんとお父様との凝り固まった家族関係を紐解き、最終的に「父と私はどうあるべきだったのか」という部分に着地します。
本筋からはずれてしまうかもしれませんが、私自身、現在父との関係がうまくいっていないこともあり、終盤の筆者さんとお父様の思い出の懐古描写で思わず号泣してしまいました。まるでうまくいっていない自分と父の関係性のように感じられ、感情が揺さぶられました。この描写で泣けたということは、私自身の中にまだ父との関係改善をしたいという気持ちがあるからかな、なんて思ったり。筆者さんの言うとおり、相手が生きている間に…とも思いましたが、私自身はまだ自分の中の感情の火事を鎮火しきれない、変な意地のようなものが渦巻いているのを重く感じました。でも、20代のうちにこの本に出会えて良かったと心から思います。相手を決めつける前に、まずは自分の考え方や捉え方を柔軟にしなければ、と気付かされました。

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2023年09月07日

購入済み

昔は世界に対する幅広い興味を失わなかった父親が、その晩年にその発言がネット右翼であるかのように変貌してしまったことに苦い思いを抱いていた著者。父の亡き後に改めてその足跡を丁寧にたどり、家族のつながりを回復していく話。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

強い思い込みから始まった父の像を、改めて検証していくプロセスが記載されている。
世代と年代を切り分けて考える、触れていると染まっているは異なる、などいくつか人間関係を考える上で大きなヒントになるキーワードがあった。
ここまで丁寧に掘り下げて検証するのはかなりしんどい作業だし、親が生きているうちにやるのはやっぱり辛いかもしれない。

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2023年08月23日

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タイトル通り、ネット右翼になった父親について終始書かれている本かな?と思ったら、最終的な着地は全然違っており、読み応えはあった。ただ、周りにネトウヨがいないとなかなか共感できない話も多くて、判断が難しいところ。

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2023年08月13日

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たまたま目にとまり購入したが、読み出すと止まらなかった。私の中にある固定概念的な嫌悪感と向き合うきっかけになった。自分は平成生まれだが、筆者とお父様との間の関係を見て、自分と両親との関係がいかにフラットかというのを改めて実感した。
また、思想の柔軟性と老いの話はたいへん考えさせられた。世の中の変化を理解しようとしているし誰かを傷つける意図はなくとも、老いによって理解が追いつかないことがあるということ。ちゃんと話して知ってもらうことが大事なんだと実感する。

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2023年08月02日

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弱者に寄り添う著作を執筆してきたルポライターの著者が、年老いて「ネット右翼」化してしまった(と著者が感じていた)父親に、その死後、とことん向き合った記録。
読んでみて、これはあくまでも著者とその父親のケースであり、中高年のネット右翼化の背景や対処といった一般論的な内容を期待すると肩透かしを食らうと思った。
死後になってしまったとはいえ、著者にとっては「パンドラの箱」だったであろう自分の父親に徹底的に向き合った著者には敬意を表したい。著者が父親について、「対峙」し、「検証」し、「追憶」し、改めて「邂逅」する様を臨場感をもって追体験できた。
身近な人こそ、相手の等身大の像を見失わないように、目を背けず向き合うことが「分断」を避けるために必要だという教訓を得られた。
ただ、やはり著者はまだ父親の呪縛から解けきれていないようにも感じた。著者の父親への態度は両極端に振れているように思う。当初の父親がネット右翼だという罵倒も行き過ぎの面もあったかもしれないが、著者の父親の言動は、「ネット右翼」の定義に当てはまるかどうかは別にして、明らかに外国人や女性などを傷つけるものであり、最終的な著者の擁護的態度には少し疑問を感じた。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

タイトルからしたら、いきなり老いてからネットにはまって、理解力の低下も相俟って右翼になってしまった父の話かと思ったが、そうではなかった。
父は若い頃から、当時メインであった左翼の学生運動のカウンターとして右翼的な傾向はあった。老いてからも(こういう言葉はいかにも老人みたいだが)矍鑠としていて、認知機能が著しく低下した、ということもなかった。
息子である著者が、ネット右翼的な発言のせいで拒絶反応を起こし、父を理解しないまま死別してしまったことへの蟠りから、父とはどういう人間であったか、そして最晩年にネット右翼的な発言を繰り返したのはなぜなのかに迫る本だった。

一読して感じたのは、ここまで息子に丁寧に人生を辿ってもらえる親とはなんと幸せであることか、ということ。大抵の子どもは、ここまでしない。それは著者の職業的な調査能力と無関係ではないが、調査能力があったとしても、親に対してその能力を発揮する人は希である。それだけ、愛情があったのだ。それを、「父」という人を全く知らない読者が読んでも興味深い内容に仕上げる能力、私が「父」だったら、本当に自慢したくなるだろう。有名人だった父について書いた本なら大した内容がなくても売れるが、一般人だった無名の父との相剋を小説ではなくノンフィクションとして描いて読み応えのあるものにしているのはすごいと思う。
そしてもう一つ感じたのは親子の難しさである。
子どもが幼い時は、自分が欠点だらけの人間であることはわかっていながらそれを隠して、人としてお手本となるようにふるまわなければならないときも多い。それは子どもに道徳心や社会性を身につけてもらうためである。しかし、その「ふるまい」を思春期の子どもは偽善や建前と感じ、反発する。ここを乗り越えて、子どもが大人になったとき、双方とも対等な個人として付き合えるようになれば成功だと私は考えていた。
しかし、どんなに能力の高い人でも老いるに従い能力は衰える。そうなってもなお対等な個人でいられるのか。特に賢い人は、認知機能、理解力が衰えたことを、子どもに覚られたくないという気持ちは強い。その焦り、足掻きのようなものを、この父から感じたのだった。
肉体も頭脳も衰えて、それでもなお対等な個人でいるのは難しい。昔の親子の立場が逆転し、面倒を見て時には叱るのが子どもで、どうしてよいかわからずおろおろするのが親になってしまう。その時の親の辛い、情けない心情を子どもは意外に考えないものだし、そこまでくると「対等な個人」として扱うこともない。
この人生最後の時期を尊厳を持って生き抜くのは本当に難しいのだ。老年期の親と中年以降の子の関係を考えるきっかけとなる本だと思う。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

コロナ渦に断捨離に励み過ぎたあまり、極度なミニマリストになり、家庭内からモノは減ったと同時に会話も減ったとか、妻がダイエット中にオーガニック食品にどハマりし、食品のみならず衣類にまでそれは及び生活費は毎月赤字続き…。

いずれも寸止めで止まれば、目的達成の副産物として解されるが、行き過ぎると脳内のドーパミンが過活動し、やがて制御不能となり、獅子身中の虫状態となる。

本書は、還暦を境に『ネット右翼』に豹変した実父を題材に取ったドメスティック・ドキュメント。

新書って、昨今の現象に対する考察・解説・警鐘を気軽に読める書物であるが、本書は異質も異質、読み進めるにつれ、はたしてこのネタを新書の形式で上梓するのが正しかったのか…と思ってしまうほど父親の価値観の変節を追う取材は、登場人物が少ない密室ミステリーを読んでいるかのような錯覚に陥るほどだった。

さて本書。
2019年に亡くなった父は、一流大学を卒業し、一流企業へ就職した高度成長期を駆け抜けた典型的な昭和のサラリーマン。ところが還暦の頃より『ネトウヨ用語』『ヘイトスラング』を含む嫌韓嫌中に類する言葉を何気ない会話の中で使うようになる。書棚には月刊Hanadaや正論が並び、社会的弱者への無遠慮な見解を述べ、盲目的安倍応援団となり、政権批判をする者は即反日と断定。価値観や思想が定食屋の品書きよろしく並ぶ典型的なネット右翼に。

その父と著者の関係は、若い頃から父親と折り合いが悪く家を飛び出す。以来、会話らしい会話はなくそこに晩年の変節。変わり果てた父親にただただ茫然とするしかなく、やがて病に冒され77歳で亡くなる。

死後から1年半が経過しても、失意と嫌悪感に苛まれている著者は奮い立ち行動を起こす。いつから『ネトウヨ』になったのか。価値観を変節させたものは何なのか…を探し始める。手始めに『敢えてパンドラの箱を開けよう』と腹をくくり、PCを開く。

通電しデスクトップに現れたのは、予想に違わず嫌韓嫌中のフォルダーにヘイト動画や記事、保守系のサイトの数々。嫌悪感を抱きつつも、自分の知っている父の言動と思い浮かべながら、丹念に検証を重ねていく。それ以降も叔父(父親の弟)に会い、母親・姉にも繰り返し父親の変節をめぐる取材を重ねていく。

ところが、調べれば調べるほど謎の霧は晴れるどころか深まるばかり。一般にネット右翼や保守が共通に持つ価値観と父親の価値観は一向に相入れない。もともと保守的な価値観があったのかすらあやしい。

いったい父は何者だったのか。父は、家では積極的に台所に立ち、会社では女性の社会での活躍に尽力し、定年退職後は中国に語学留学した後さらに韓国語も学ぶほどの知的欲求旺盛な人であり、地域福祉や住民ネットワークの構築に奔走するなど、保守的・伝統的家族感とは別の価値観を生きてきた人であった…。

晩年の父親の変節を文章にして晒すことは、家庭内の恥部を晒すことであり。事実、身内にも反対され、それでも敢えて綴ったのはルポルタージュライターのサガではなく、深い溝ができたまま死別した父への贖罪であり、次第に明らかになる父親の実像を知ったことへの懺悔録へ…と昇華していく。

『親孝行したい時に親はなし』というパラドックスを噛み締めた一冊。

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2023年05月16日

Posted by ブクログ

普段離れて暮らす年老いた父親を訪ねると、人種差別などに塗れたYoutubeのテキスト動画に熱中し、口に出てくるのはネトウヨ特有のジャーゴンばかり・・・、というのは現代における悪夢の1つのように思う。
その悪夢を実際に味わった著者が、父親を亡くした今、徹底的に父親の行動や思考を検証し、「本当に父親はネトウヨだったのか?」という問に答えを出すプロセスが本書には綴られている。

著者は子ども貧困問題などの社会問題を扱うルポライターであり、ネトウヨ的な価値観に全く相入れない中で、死ぬ間際の父親が自身が忌み嫌う言葉を口にすることで、ほぼ最後の瞬間を没交渉で過ごした過去を持つ。一方で、若いときの父親からはそうしたネトウヨ的価値観に該当するような言動はなく、一体どちらが本当の父親の姿なのかという答えを求めて、家族・親類・父親の友人らなどにインタビューを行っていく。

著者と父親は最後の瞬間を断絶のまま迎えてしまったが、本書ではその断絶に対する悔いが赤裸々に綴られており、そうした断絶を避けるための具体的な思考のステップがまとめられている。陰謀論なども含めて、愛する家族がそうしたものを信奉する状況は確実に今後も増えていくと思う。そのときに不幸な断絶を避けるための一助を本書は与えてくれる。

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2023年05月13日

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ルポライターの著書が、『ネット右翼』になったまま逝ってしまった父の本質を、関係者の証言や遺物から解像度高く解き明かして行く

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2023年05月03日

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著者の父がネット右翼になったか、著者がどっぷりの左翼であるのか、人によって見方が変わるかもと思いながら、興味深く読めた。
自分と相手の共通点を見出したり、自分の認知バイアスを理解したりしながら、分断の解消を図っていくことが大切と思った。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

父への鎮魂の本。そして亡き父へ向き合うための本だった。まさかこのタイトルの本で泣くとは思わなかった。
異なる世代、異なる年代への想像力不足と、今までのコミュニケーション不足が相まって生じた分断。
私の中にもある父への誤解と謎が解けてきた気がする。

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2023年04月08日

Posted by ブクログ

父の中には、自立に向かう思春期以降の子どもたちに対して、穏やかに軽口を交わしながら、それでいて本音を語り合い過ごすための「お茶の間のペルソナ」が存在しなかったし、あとから作ろうとしても、そこには子どもである僕側の問題もあって、失敗してしまった。父に対してコミュ障だったのは僕自身も同じだ。
ノスタルジー的軽い認知症気味の父の絶対右翼嫌悪の息子とコミュ障親子の話。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

この本のコンセプトがすごいなぁと思いました。
ここまでなくなった父親に対して、真摯な態度で検証できる人はなかなかいないと思います。

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

真相を追っていたら、自分が真相だった、というような、物語を聞かせられているような本だった。
この本で取り上げられているような何かを決めつけるような思考回路は、実は自分にもあるんじゃないかと思い、はっとさせられた。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

なるほど、父親がいかにネット右翼になっていったかを描きその危険性だけを解く本かと思いきや父と子の関係性や、過去の話、そして誤解を解いていく本だった。少々、感性が違うかなと思わされるところもあったが、なかなかの本だった。

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2024年01月10日

Posted by ブクログ

自分でも思うし、親しい友人や家族から見ても私はかなり左寄りの人だと思います。
だから、ネット右翼ってものに対してやはり嫌悪感はかなりあった。ってか、今もある。絶対的にある。

結局は、人は分からないもの、得体の知れないものが本能的に怖くて畏怖を感じてしまうだなということ。それゆえに、これまで自分が生きてきたなかで培われた価値観や知識を覆させられるようなものに出会うと、敵意にすり替わってしまうんではないかと思った。
私自身、重い病気や障がいを持った子供を授かってから理解できたことは数知れず。それまではどう接していいかわからない、とこの一点張りだった気がして。

そういう自分バイアスをまず理解すること。
嫌だなと感じる相手の言動の底には何があるのか、自分バイアスに引っかかる何かを考えること、相手を知ること。ネット上の分断も国と国との争いも、要はそこなんではと思いました。
知らないから怖い。怖いから寄ってきて欲しくないから嫌う。これを、
知って理解する。理解したから対話してみる。に変えていけたら。

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2023年10月24日

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ネタバレ

なぜ、に答えは無かった。でも、息子が危惧したホンモノのネトウヨでは無かった。どちらかと言うと息子の父親追悼の物語。

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2023年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネット右翼になってなかった!ということかな(違う)。
叔父さんのいう世代と年代は分けて考えるというのは腹落ちする。そもそもくるっと一纏めにするのもどうかという話しでもあるが。
ネトウヨになった身近な人はいないけど、陰謀論とかラジオフォビアやワクチンフォビアに傾倒した知人はいる。身内かそうでないかは心情的に大きく違うだろうとは思っていたが、自分の書いたものを推敲するという作業を常日頃行っている文筆家の著者でさえ接し方を間違い後悔している。身内と丁寧に向き合い死者と向き合い、著者は文体よりも遥かに苦しい産みの作業を経てこの本を書いたのではないかと察せられる。自分と向き合うことはとても苦しいものだ。
身内がネトウヨもしくは特定の思想に陥り出したときは冷静にまず自分がその考え方の何に嫌悪感を感じるのか、双方の価値観の洗い出しを試してみたいと思う。

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2023年08月24日

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2019年に逝去した父。その2か月後のWebメディアへの寄稿。晩年の”ネトウヨ化”を嘆く。そこから始めた検証。家族や友人の話を聞く。思い込んでいた父の像とは違う。偏執化などしていなかったのではないか。心を閉ざしていた自分にも問題はなかったのか。父への想い。右傾化と分断という社会問題を取り上げるつもりが自身の悔恨へ。差別表現は看過できぬが言葉狩りだけで終わらせてはよくない。発言は思想の断面に過ぎぬ。それが発せられる背景は何なのか。エンパシーを働かせねばならぬ。真の解決は探索と推測を繰り返し行きつくもの。

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2023年08月12日

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父の触れていたコンテンツや断片的な発言からネトウヨだと思ったが、死後に検証すると実はそんなネトウヨ要素を満たしていたわけではなく、父は父なりの価値観を構築していただけだった。リベラルな筆者側にも「こういうこと言うやつはネトウヨ」とのいわば過激な思い込みがあり、自ら父との間に分断を作り出してしまっていたということがわかった、という話。

筆者の思考の掘り下げプロセスが描かれていて面白くなくはなかったが、この内容ならzine でいいんじゃね?と思う。
社会派ルポでは全くなく、どちらかというと筆者と父の親子の物語に近い。
学術的な要素はなく、ちょっと期待外れだった。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

ラジオ番組で知った本書。
著者本人が電話出演されていた。

末期がんに侵されていた父親がネット右翼化して晩年を過ごす。
著者は父親の死後、それらのひとつひとつを丁寧に検証していく。

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2023年04月23日

Posted by ブクログ

著者は、ネット右翼になった亡き父を振り返り、その理由を考え抜いた挙句、自分を知っていました。著者がここまで掘り下げて考えられたのは、父との大きな葛藤があった故な気がします。安心できる自分の生活が確保された後、親との葛藤について深く考えることは、人によってはとても有意義かもしれません。
ただこの深く考える作業、著者の母は辛かったのではと感じます。この家族がそうとは思いませんが、人が自分の大きな傷を癒す時、他の誰かを揺らがせることもあるんだろうなと少し悲しいことを考えました。

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2023年05月21日

Posted by ブクログ

亡くなった著者の父はなぜネット右翼になってしまったのか、と言うことを探っていく社会派ノンフィクション、ではありません。亡くなった自分の父親が本当はどんな人間であったかを探し、それによって実は自分自身が勝手に父親をネット右翼に仕立て上げていたと気づくと言う、完全に著者の個人的な問題が描かれています。でも、この本を読むことで、まだ生きている自分の両親と、生きているうちにもっと腹を割って話しておこうと思わされた。

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2023年04月13日

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