ネット右翼になった父

ネット右翼になった父

小説・文芸
990円 (税込)

4pt

ヘイトスラングを口にする父
テレビの報道番組に毒づき続ける父
右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父

老いて右傾化した父と、子どもたちの分断
「現代の家族病」に融和の道はあるか?

ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!

<本書の内容>
社会的弱者に自己責任論をかざし、
嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。
息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。

父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?
父は本当にネット右翼だったのか?
そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?

対話の回復を拒んだまま、
末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。
父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?
解消は不可能なのか?

コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、
失望と落胆、のち愛と希望の家族論!

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ネット右翼になった父 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    このタイトルの本でこんなにも自分が涙を溢すとは思わなかった。そして自分の凝り固まったイデオロギーと対面し反省するとともに、これからの父との関係性に希望を持つことができた。

    0
    2026年07月15日

    Posted by ブクログ

    タイトルにインパクトがあったためずっと気になっていたが、もっと早く読めば良かった、、、

    前半は筆者から見て晩年ネット右翼化した父を死後振り返ることにより、現代におけるネトウヨや、右寄り左寄りの思想とは何か、が考察されている。どんな経験や世代の問題がその人をその思想に至らしめるのか、ということなどが考察されており、めちゃくちゃ興味深い。

    自分も含め「ネトウヨ」や「リベラル」という言葉に漠然としたイメージしか持っていない人が多いと思うが、実はそれらは本格的な保守派や左翼の思想とは程遠いということや、どういう発言それらの思想の持ち主と判断されるのか、ということが整理して書かれている。どことなく現代の左右の分断にモヤモヤを抱えていたり、身近な人との思想の違いに悩んだ経験がある人にお勧め。

    そして後半、、まさか泣くとは思わなかった、、ネタバレになるので全ては書かないが、著者が父親について調べるにつれて著者が思い描いていた人物像とは若干異なるということが分かってくる。それが単純な「実は良い人だった」という話ではなく、時代が親に与えた影響、世代間のギャップという視点で書かれており、なるほど確かに、、と唸らされる(例えば、年配の男性による、強い女性を蔑視する系のジョークは、実はその世代の男性による「弱い女性を守らなくてはならない」というその時代のフェミ的考えによるものだった、などなど、、)

    だんだんと父親と著者の不器用な関係性が見えてくるに連れて、何とも切ない気持ちにさせられた。ちょっとおかしみもあるけど、これは涙止まんないわ、、て雰囲気に、リリーフランキーの名著、東京タワーの思い出した。

    著者の飾らないフラットな文体も好感を持ったので、著者の普段のノンフィクションも是非読みたい。

    0
    2026年01月29日

    Posted by ブクログ

    私自身、つい最近アラフォーに差し掛かった。父は60を過ぎて早期定年退職を迎え、最近はYouTubeで色んな動画を見漁り、まさしく「ネット右翼」とも取られるような発言をしてしまうことが増えてしまった気がする...。
    そんなことをぼんやりと思っていた矢先に出会った本書。

    なんだか少し読むのが億劫で4ヶ月ほど寝かせてしまっていたが、読み始めたらあれよあれよと一気読みしてしまった。

    「コンテンツの摂取とは、食事によく似ている」という一文に恐ろしい程の共感を得た。

    読み進めて終盤に差し掛かると、自分でも驚く程に涙が止まらなくなってしまっていた。

    父との向き合い方を再考させられるとても良い一冊だった。

    0
    2026年01月24日

    傑作

    77歳で末期がんによりこの世を去った父は亡くなる直前にネット右翼になっていた。
    父の使う韓国中国人やマスメディア、シングルマザーなどの貧困層へのヘイトスピーチやスラングに心を痛めていた著者は父と最期まで本音で語り合えずに今生の別れを迎えてしまった。
    好奇心旺盛で流行り物に飛びつくのでなく「自分で考え自分で選べ」が信条だった父がなぜ老後ネトウヨになってしまったのか、を仮説を立て親族や地域コミュニティの人々に話を聞き検証して、また推論していくノンフィクションストーリー。
    その果てに待っていたのは著者自身のネット右翼への憎悪と過敏すぎるアレルギー反応による父への誤解、父の一部の言動に過剰に反応し、父をネット右翼と断定してしまった著者自身の過ち、そしてそれを認めたからこそ邂逅される等身大の父の姿だった。

    年末年始、久々に実家に帰ったら親が陰謀論や極左、ネトウヨのようになっていたと感じた人にはぜひ一読いただきたいです。
    著者は父との分断を生前に解消できなかったことを非常に悔やんでおりました。
    解消できる分断とできない分断の分類わけまで書かれている著作ですので、ぜひ大切な人の受け入れ難い思想や言動を見て見ぬ振りしていつのまにか手遅れになる前に、解消できる分断は解消を試みるのはいかがでしょうか?

    #アツい #泣ける #感動する

    0
    2026年01月08日

    Posted by ブクログ

    世代と年代を切り離して考える。ありがちな世代論を、我が家の分断というセルフルポによって見つめ直すすごい労作だった。

    0
    2026年01月04日

    Posted by ブクログ

    リアル本にて。
    引退後ネット右翼特有のスラングを口にするようになった父親に対して、逝去したあとになぜ父がそのような行動を取るようになったのかを、家族・友人等へのヒアリングをもとに考察したルポ。
    政治的な主張に伴う分断を感じる機会が増えている昨今、イデオロギーの異なる家族と家族で居続けるためのヒントのようなものを求めて、この本を手に取った。
    本書で紹介している対策自体は、取り立てて真新しいものではないかもしれない。認知バイアスを取り除いた上で、相手をできるだけ具体的に客観的に把握し、差分だけでなく共通点にも注目しよう、ということで、ともすればアンコン研修で説明される内容に近い。ただ、著者ご本人が相手が逝去してしまってるがゆえにどうあがいてもわかりあえないことを強く悔恨なさっていることと、イデオロギーの違いで家族が分断するなんてくだらないと言い切っていることに、少なからず心が動かされた。
    自分はイデオロギーについての議論に疎く、ともすれば「右か左か」のようなカテゴライズをしてしまいがちだが、「ネット右翼」と総称される集団が主張する政治施策につても、本来は独立した多数のテーマがあり、シンボル化された「ネット右翼」と完全な意味で同じ主張の個人は存在しないのだろう。それを「ネット右翼」とひとくくりにしてしまうことで、本来そこに存在しなかった分断を勝手に創ってしまう。。。今自分は小さな子供が3人おり、妻とは全力で力を合わせないと生活が成り立たないので、イデオロギーを理由に妻と対立している余裕なんてない。ただもし自分達に子供がいなかったら?子供たちが独立して、思う存分議論できる時間ができたら?ゾッとする。将来万が一にもそんな世界線に立たないように、安易なカテゴライズを避け、主張の背景を聞き、なによりイデオロギーの分断ごときに負けない繋がりを育んでいきたい。

    0
    2025年10月09日

    Posted by ブクログ

    鈴木大介『ネット右翼になった父』を読んで

    この本を読んで、まず気になったのは自分自身のイデオロギーだった。

    私は自分を比較的保守的だと思っている。しかし、右翼、とりわけネット右翼に対しては嫌悪感がある。だからといって、リベラルな考え方にすべて賛同しているわけでもない。残すべき日本の文化や伝統、国の在り方がある一方で、個人の尊重や社会の変革も必要だと思っている。

    右翼や左翼という枠組みには、自分たちと異なる考えを排除しようとする傾向がある。その排他性こそが、私が一部の政治家や、過激な右派・左派に嫌悪感を抱く理由なのだろう。

    では、自分のなかにある嫌韓・嫌中意識は、右翼的なものなのか。この疑問に対し、筆者が示した「国民一人ひとりへの嫌悪ではなく、政体への嫌悪」という考え方は腑に落ちた。隣国の反日政策や、一部の旅行客のマナー問題などを見聞きするたびに、自分の考えが硬化していく。それがメディアの報道姿勢によるものなのか、自分から否定的な情報を探していたのかは分からない。

    ヘイトコンテンツに染まる問題は、年代を問わず起こり得る。アルゴリズムによって似た情報ばかりが表示され、思考が固定化される影響も大きい。しかし、その根底には、自分でも言語化できていなかった感情を、ネット上の言葉が可視化してしまうことがあるのではないか。

    一方、高齢者の不用意な発言を、すべて政治思想の問題として捉えることにも疑問が残る。以前は許容されていた言葉が、現在では差別的とされることもある。社会の変化に合わせて、価値観や言葉の意味をブラッシュアップすることが難しくなる。それが七十代以降に顕著なら、世代固有の思想というより、「老い」の問題でもあるのかもしれない。

    高度経済成長期を企業戦士として生きた男性たちは、会社で求められるペルソナを身につけてきた。その時代を生きた人のなかには、仕事や生活を通じて在日韓国・朝鮮人との軋轢を経験し、個人的な嫌悪感を抱くようになった人もいる。背景を理解することと差別を肯定することは別だが、そうした感情まで「ネット右翼」という言葉だけで括ることはできない。

    筆者が、亡き父はなぜネット右翼になったのかを探った末にたどり着いた答えは、「父はネット右翼ではなかった」というものだった。父の価値観は、ネットによって一から作られたわけではない。生きてきた時代や過去の経験、老いによって更新できなくなった認識がすでにあり、そこへヘイトコンテンツが入り込んだ。もともとあった感情を増幅させていったのではないか。

    私たちは、自分が大切にしている思想を批判されたというだけで、相手をネット右翼や左翼と判定してしまうことがある。しかし、それは自分側の解釈であり、相手の真意とは限らない。その決めつけが対話を断ち切り、家族や社会の分断を生む。

    相手の発言を自分のなかだけで判断せず、なぜそう考えるのかを尋ねる。その人が生きた時代や経験に耳を傾ければ、避けられる分断もあるのではないか。本書は父親を一つの言葉で決めつけるのではなく、他者に貼ったレッテルと、自分のなかにある偏見を見直すよう迫る一冊だった。

    0
    2026年09月21日

    Posted by ブクログ

    さまざまなネット右翼化した家族の事例をまとめて時代を切り取るような内容かなと、タイトルだけで買って読んでみたら、完全に鈴木大介の父親に関してだけの超個人的な内容だった。

    いろいろな方法で丹念に父がどうしてそうなったのかを検証したり調査したりしていくんだけど、結果的には父はネット右翼じゃなかった、父と息子の間にある緊張感がそうさせたんだ、みたいな結論になった。どういう展開だよ、と思った。

    ただ、つまらないわけではないし、結構胸を打たれるシーンがあったんだよな。なのでクソだと一蹴はできなかった。

    これは失った父親への愛の歌だし、父の人生を振り返り、父のした子育てについて書かれた本だなあと思った。本当にタイトルからは想像できない展開だったよ。タイトルつけるのヘタクソかよ。

    しかし鈴木大介は多様性とか言ってるくせに、戦中生まれはネットの使い方はこうだとか、所々偏見が見えるな。これこそがステレオタイプだろ。

    0
    2026年08月19日

    Posted by ブクログ

    右翼やネトウヨとは何かを知るための入り口として読み、その目的はだいたい達成されたのでよかった
    (後半から「俺はネトウヨが嫌いすぎて、亡き父をネトウヨと決めつけてしまっていたんだ………!」という方向に行ったのでそこは読み飛ばしたけど)

    0
    2026年08月18日

    Posted by ブクログ

    きっと途中で諦めるだろうと思いつつ手に取った本だが、読み終えることができた。

    家族や大好きな友人が、自分にとって耐え難い言葉を吐く思想に染まったとしたら、ショックで当然距離を置いてしまうだろう。 君子危うきに近寄らずだし

    でもそこで終わらず、筆者が検証を始め、一定の結論を出して家族として受け入れることができた過程に大変驚いた。

    インターネットやSNSで溢れる情報の受け手はおそろしいほどの危険に晒されている。いつ自分の頭が制御不能な方向に流されてもおかしくないと思っている。 そして周りの人間を不快にさせるかもしれない。 怖い 

    ネットの危険性を再認識するとともに、筆者の検証の過程の論理性と家族を理解したいというエネルギーを感じた。

    0
    2026年07月25日

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