羽音さんのレビュー一覧
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傑作
77歳で末期がんによりこの世を去った父は亡くなる直前にネット右翼になっていた。
父の使う韓国中国人やマスメディア、シングルマザーなどの貧困層へのヘイトスピーチやスラングに心を痛めていた著者は父と最期まで本音で語り合えずに今生の別れを迎えてしまった。
好奇心旺盛で流行り物に飛びつくのでなく「自分で考え自分で選べ」が信条だった父がなぜ老後ネトウヨになってしまったのか、を仮説を立て親族や地域コミュニティの人々に話を聞き検証して、また推論していくノンフィクションストーリー。
その果てに待っていたのは著者自身のネット右翼への憎悪と過敏すぎるアレルギー反応による父への誤解、父の一部の言動に過剰に反応し、父をネット右翼と断定してしまった著者自身の過ち、そしてそれを認めたからこそ邂逅される等身大の父の姿だった。
年末年始、久々に実家に帰ったら親が陰謀論や極左、ネトウヨのようになっていたと感じた人にはぜひ一読いただきたいです。
著者は父との分断を生前に解消できなかったことを非常に悔やんでおりました。
解消できる分断とできない分断の分類わけまで書かれている著作ですので、ぜひ大切な人の受け入れ難い思想や言動を見て見ぬ振りしていつのまにか手遅れになる前に、解消できる分断は解消を試みるのはいかがでしょうか? -
ネタバレ
面白かったけど、長かった…
帯の「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」という文言に惹かれて購入しました。
親子三世代で理想の教育を追った話でした。
この本に出てくる塾は予備校ではなく学校で落ちこぼれを補習する塾で、公教育で輝けない子供たちを輝かせる意味で月との表現をした第一世代、塾に行けない子供達を学校教育で補う第二世代、塾にも学校にも居場所がなく、金銭的に困窮している子供を救う第三世代と役割分担されており、親子間で意思が受け継がれていく様がわかりやすく描写されており一貫性があってよかったです。
この本における理想の教育とは子供たちをコントロールすることではなく、自分の頭で考えて不条理に抗う力を子供達に授けることだと解釈しました。戦争や虐殺といったこれまで人類が犯してきた数々の過ちの原因は自分で考える力が欠けていたことだと私は思っています。もしナチスドイツの虐殺に対して立ち止まって考えられる人がたくさんいたなら、歴史は変わっていたかもしれません。あのような過ちを二度としないためにも周りの言葉に惑わされず自分で考える力を養うというのが理想の教育のあり方であると私も思いました。 -
ネタバレ
最&高
久々に読み返してやっぱり最高!!
血のつながりがあっても家族っていう無償の愛を捧げる関係にはなれない人たちもいる。
その人といるだけで幸せになれる人なら性別なんて関係なく家族になれるというメッセージを感じましたー(涙)
でも、一番私の心を動かした言葉は太一と直人の関係を知ったミカりんの「友達と友達が付き合うのなんてよくあることじゃん」というセリフでした。
彼女みたいに性別という窮屈なくくりに拘らずにその人自身を見ようとする人が増えていって欲しいなぁ。
最近は恋愛、結婚しなくても人を幸せにしてくれる娯楽や食事、仕事がたくさんあるからこそ、この人と一生一緒にいたい、家族の絆を結びたいと思う人に出会える機会って減っていってると思うんですよ。
なので、そういう人に出会えたら絶対大事にしたいですね(^^)