あらすじ
ひと癖もふた癖もある「光」と「影」のツアーメンバーたちは、ドタバタ騒ぎとニアミスをくりかえしながらも、それぞれのパリの旅を楽しんでいた――かに思えたが、ついにツアーの二重売りがバレそうになって、さあ大変。さらに「王妃の館」に秘められた太陽王・ルイ十四世の愛の行方をからめて、物語は十七世紀と現代とを縦横無尽に駆けめぐる。思いっきり笑って泣いて、ついに感動の大団円。
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2015年4月の映画化作品!映画と本筋は同じですが、それ以外はだいぶ異なるようなので安心してこちらもお楽しみ下さい。
倒産寸前の旅行代理店が、起死回生の策として講じたダブルブッキングツアーが舞台。150万円の高級組と20万円の格安組を、お互いにバレないよう同日・同部屋に宿泊させて費用を浮かせるっていくら小説だからって無理でしょ。
ツアコン二人の四苦八苦(一人がドジ過ぎて泣ける)と、両ツアー客の絶妙なすれ違い、散りばめられたオヤジギャグで、読む手が止まりません。
合間に、水谷豊さん演じるベストセラー作家「北白川右京」(あの右京さんとは違います)の劇中作が織り交ぜられ、物語を二重に楽しめるお得な作品です。
ちなみに、『王妃の館』はパリに実在する歴史的ホテルがモデルですが、普通にネット予約できます。お金と時間があれば・・・
感情タグBEST3
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『世の中ってね、幸せのかたちはみな似たりよったりだけれど、不幸のかたちはどれも別々なの。みんな特別の苦労を背負っている。貧乏な人も、お金持ちも。だからあなたはべつに、特別なひとじゃないのよ。もしあなたが特別の苦労をしているとしたらそれはーそう思いこんでいるあなた自身の姿が、不幸なのよ。』
後半グッとくる。期待通りの予定調和。
ストレートに響いてくる素敵な話。
面白かったなぁ〜。宝塚も観たいなぁ〜。
Posted by ブクログ
はあ、なんか思いがけずよかった…
どたばた群像劇なんだけど皆がほんのり前を向ける話。
宙組さんたのしみ!
世の中ってね、幸せのかたちはみな似たりよったりだけれど、不幸のかたちはどれも別々なの。
もしあなたが特別の苦労をしているとしたらそれは、そう思いこんでいるあなた自身の姿が、不幸なのよ
Posted by ブクログ
まだ終わりでもないのにこの展開は!
て、自分が話に慣れてなくてヨミが浅いからか???(^^;
コメディ調だと思ってたら。
歴史って出来事の集合と思うと単なる膨大な情報でしかない。
けど、連続した時間、どう流れたかがわかるとすごくよくわかるし深いし興味もわく。
普通に考えて、時間ははしょれないから、時間が過ぎたということはその中に意義の重さの差こそあれ何かが満タンに詰まっている。
この話の信憑性というか史実はどうなのか、調べちゃったし(笑)
終盤だから当然っちゃ当然だけど、こんなに詰め込んじゃっていいのかよ!(笑)
ちょっとだけ欲を言うなら、深い話にできそうなのもあるから、もう1巻あってもよかったんじゃ、ていう(笑)
本人がそれでいいと言っても、やっぱ片思いは端から見て辛いから、自分はハッピーエンドではないかなぁ(^^;
人なんだから、愛されることを放棄しろってのは人であることを放棄しろに聞こえちゃう。
もちろん、八方美人みたいのは問題だけど(笑)
ま、恋愛観は人それぞれだから、これは自分の場合って感じかな。
うるうる(泣)
むむ、この最後の方の「平和とは」の文章は深い。
言っていることはわかるがすぐには消化ができないから時間をかけよう(^^)
平和は手に入れるだけでは済まない。
維持するもの。
維持するためには守るために戦うことも必要である。
というのが私の考え方。
少しシンクロしているような気もする。
とにかく戦うことを否定するというのは虫が良すぎる。
好きな歌の1つ(^^)
「生まれたからには生きてやる」(ブルーハーツ「ロクデナシ」)
やはり最後は赤入れになった(笑)
あ、私が感心したとこにね(^^)
「人生で」の下りとか。
そう!
「ひとりひとりが」、それが薄れている。
負け組であることに少し矜りを感じた(^^)
「誇り」ではないよ!
とても良かった(^^)
Posted by ブクログ
後半は感動、感動、感動でした。まあ、しかし、登場人物たちの今後は、ちょっと無理ありすぎには感じました。そこまでしなくても収められたのでは?でも、もう一つの話も含めてすごく良かったです。
Posted by ブクログ
それなら、CHROMING ROSEの名2ndアルバムタイトルとなったルイ14世の知識を得ようと気持ちを切り替えて臨んだら、なんだか予想を裏切られる浅田次郎節。上巻より遙かに読み易くなっていた。
反戦についての主張にも納得、同意。岩波先生の昔語りに涙した。バカ自民党議員どもに読ませたいよ、ポップカルチャーはフランスから羨望の眼差しを向けられる日本ではあるけれど文化の側面では足下にも及んでないよ。外苑通りの銀杏を切り倒すの決めたの誰だよ。
小池ゆりこに投票したヤツ、都知事選挙に行かなかったヤツちょっとこい。
Posted by ブクログ
ヴェルサイユ宮殿に行く予習として、この下巻は良いと思った。飛行機の中で上下巻読み切れるくらいの本ですし。
下巻になって良い話になってきた。人生に対して明るい気持ちになれる。ルイ14世の考察が深まる。正統派喜劇だった。
17世紀のルイ14世の物語がちょくちょく間に挟まるなって思ったら、北白川先生の作品という、そういうメタ構造の小説良いなって思った。
ルイ14世がどうしてこれほど豪奢な建築物を作ったのか。ヴェルサイユ宮殿はルイ14世の心の陰に対をなす、太陽だったのである。
フロンドの乱でトラウマを覚えたルイ14世の心の闇を追いやるための、光り輝く「鏡の間」なんて、よくあるんだろうけれど、良い考察だよね。
シャトー・ドウ・ラ・レーヌに実際にパリで行ってみようとは思わなかったが、次回、二度三度目のパリ旅行で、ディープな旅をするって時に行ってみたいね。
p317 軍司令官コルティッツ
ヒトラーはパリ撤退に際して、街の破壊を命じた。しかし、ナチスのコルティッツはそれに反抗してパリの街を守った。そのために、パリ防衛のために残されたドイツ軍は戦わずに降伏した。それほどの伝統の力が、パリにはあった。
こういうの、かっこいいよね。
p322 古きものの良し
「美しいものをこしらえるのは為政者の実力ですが、それを守り続けるのは市民の実力です。悲しいかな我が国には、どちらの力もないと思った。そればかりか、力ある祖先が築き上げた美しいものを、自然にしろ、造形物にしろ、たかだか利益と便益のために惜しげもなく壊してしまう。」
こういうのはヨーロッパに旅行に行くと実感できるよね。
フランスはヒトラーにパリの街を壊されるくらいなら、降伏を選ぶという、プライドを見せた。これスゴイいい話だった。
あとがきの渡辺えり子の文章を好きといってる人がいるけれど、僕は気持ち悪かったです。
いやぁ、面白かった。
Posted by ブクログ
光ツアーと影ツアー、そしてルイ14世の子供がどうなるのか?の決着のつく下巻。
親子・恋人・教師と生徒、ライバル、色々な人間関係が入り混じった物語は、
誰もが納得できる終わりを迎える。
内容自体楽しめるとともに、人生について考えさせられる内容。
Posted by ブクログ
上下巻一気読み。素晴らしい群像劇。ひとつの舞台を時代が行き来しながらストーリーが進んでいくのも楽しい。しかしこれ、どうやってミュージカルにするのだ…
Posted by ブクログ
交差する過去と現代の話し。
太陽王を巡る愛の話にうるっときた。
現代はそれぞれのツアー参加者の人生が描かれて、最後は大円団。
映画はどんな出来なんだろう。
Posted by ブクログ
すごく引き込まれたし、面白かった!
随所に泣かせるシーンがあって、電車移動中に読むのに苦労しました。
けど、最後のまとめ方はちょっと乱暴すぎやしないか…
あと、朝霞と戸川のストーリーだけは、最後に救いがあるのかと思いきや最後までそのまま終わってしまい、なんだかものすごくガッカリというか悲しかった。
Posted by ブクログ
最後まで各キャラが立っていて、後半はぐいぐい引き込まれる。最後はハッピーエンドなんだけど、なんか、無理やり辻褄を合わせたようなエンディング。それにしても北白川先生いい!他の執筆も読みたくなるエンタティメント性。楽しいほんであった!
Posted by ブクログ
再読。やはり北白川先生いいですね~。その周りの人々もきっとこんな編集者が浅田さんの周りにも??なんて思ってしまいますね~。
ラストへの展開が、作者らしいなと思いつつ、今月末から上映がはじまる映画が楽しみになりました。
Posted by ブクログ
普段はほとんどミステリーしか読まない私ですが、映画のCMを観て、面白そうだなと思って読んでみました。
着想が面白くて、それぞれのツアー客の視点、中世フランスの人々の視点など、語り手がコロコロ変わる書き方で、登場人物を把握するまで、ちょっと時間がかかったけど、波に乗ってからはアッという間でした。
設定がご都合主義だったり、右京先生の小説のように予定調和だったりというところはあったけど、すごく面白かったです。
映画のキャストを調べながら読んだので、登場人物はすべて役者さんのイメージで読めました。
映画を観ても違和感はないはず。
映画が楽しみです。
Posted by ブクログ
映画化だって
この館、映像で観てみたいな。ベルサイユとかも
ストーリーはコミカルでどんどんすすむ
ルイ14世当時の話も加えて、うまいなあ
ラストは大団円
《 格式の 館でドタバタ 思惑が 》
Posted by ブクログ
普通の人々が気軽に外国へ行けるようになって四半世紀。こんなツアコンのドタバタ劇も当たり前の朝飯前。よーく解ろうものである。
文豪がふらんす物語を大上段に書き読者が雰囲気を味わい浸った時代があったのだよね。いやいや松本清張が「黒の回廊」(ヨーロッパツアーものミステリー)を書いたころ(1970年代)だってこんなに庶民が簡単に外国へ行きはしなかった。高根の花だった。いいなー!とミステリーに浸りつつ、行かれやしない旅行を一緒に楽しんだもの。と時代錯誤、思い出はこの辺でやめて。
浅田さんはこんな風のも書くのかと、王宮(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)のパロディとパリ観光案内っぽいのが面白かった。なぜかというと、パリへ行ったことのあるものにとって、ああ、あれね、あそこねとうなずけるので、これが現代の贅沢…といっても「影(ネガ)ツアーメンバー」の19万8千円コースだけどね。
この対極の「光(ポジ)ツアーメンバー」の百五十万円コースとダブルブッキングされてドタバタ劇が展開するのだ。
そして、きっと「ベルサイユのバラ」を読んでいたらよかったのかもとも思う。それこそフランスの王宮のことをもっと知っていたらパロディも冴えてわかったであろう。
まあ、軽快すぎてちょっと泣きは短編ほどでなかった。読んでいた私もだれていたのかもしれない。
しかし、日本人のツアー一行のキャラクターの設定は無理がなく、いるいるこんな人と思わされ、てだれであるよ。浅田さんはさすがである。
特にベストセラー作家の描写はご自身のパロディかしらなんて思って、作家は早死にするというくだりに真実を感じぞっとして、身を削って書く「さが」の悲哀を感じた。それほんとだもの。しかし、読者としては渾身の傑作を望むもの。勝手だわ。
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ルイ十四世の時代の十七世紀の話と現代のホテルの話が融合し、ダブルブッキングの問題もそれぞれのツアー客が打ち解けたことで丸く収まり、ハッピーエンド。まさに娯楽小説。
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下巻はツアー客の話とルイ14世とプティ・ルイの話を交互で楽しめました。ツアーの方は「光」ツアーと「影」ツアーのメンバーが思わぬ所で巡り合いその回収も見事でした。楽しめました。ルイ14世とプティ・ルイの話は結末が気になって仕方なかったです。プティ・ルイが健気で愛おしくて読んでいて癒されました。浅田次郎さんの作品を読んだのは久しぶりですが、やっぱり面白い!!!と改めて思いました。
Posted by ブクログ
ひと癖もふた癖もある「光」と「影」のツアーメンバーたちは、ドタバタ騒ぎとニアミスをくりかえしながらも、それぞれのパリの旅を楽しんでいたーかに思えたが、ついにツアーの二重売りがバレそうになって、さあ大変。さらに「王妃の館」に秘められた太陽王・ルイ十四世の愛の行方をからめて、物語は十七世紀と現代とを縦横無尽に駆けめぐる。
Posted by ブクログ
笑いと泣きの割合でいうと、泣きのほうが多かった。特に、ヴォージェ広場のビストロ「マ・ブルゴーニュ」の店主であるマイエの言葉「愛されるより、愛するのです」という言葉が胸にぐっときた。彼は死ぬまで愛するディアナとプティ・ルイのために晩餐を届け続けたのだ。途中でディアナに愛の告白を拒まれても、死ぬまで愛し続けた美しい心の持ち主であり、大尊敬に値する。プティ・ルイの物語は途中から北白川右京の作品と、老コンシェルジュが語るものとがごっちゃになってきて、どちらの話なのかまったく検討が付かなくなるのだが、どちらにせよ涙無しには語れないほどの感動ストーリーで、最終的にはどちらでも構わないという不思議な気持ちになってしまう。近藤とクレヨンも無事結ばれたことだし、吉本新喜劇的なエンディングも良しとしよう。
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浅田次郎の人間ドラマが読みたいと思って買ったけど、現代パートのコメディ要素が強すぎて読むのが辛かった。結局読み終わるまで3ヶ月くらいかかった。ストーリー自体は、こらぞ浅田次郎という温かいヒューマンドラマ。現代パートのしょうもないやりとりさえなければ、、、という感じ。
Posted by ブクログ
光と影、太陽と月が陽と陰をなし、お話は自分の幸せは自分が決めるって感じでハッピーエンドなんだけれども…。
後半はルイ14世とその認知されなかった息子さんの創話がメインになっちゃって、ツアーに参加した人生いろいろの陰と陽の方々の交流が「みんなでラスベガスにリゾートを作るぞ!」で簡単に終わっちゃったのが残念。
浅田さんだったら、もっと彼らの心の交流を機微に至るまで描けただろうに…。
ルイ14世時代の話はアレクランドル・デュマさんに任せて、そっちをメインに描いて欲しかったな~。
らじのなかでは、幼いルイ14世をフロンドの乱の夜に抱いて守ったのは料理長さんじゃなくて、ダルタニャンだからさ…。
ちょっと尻すぼみなお話でした。
Posted by ブクログ
感想は上下合わせてのものです。
なんというか・・・結構わかりやすいエンタメ小説!って感じ・・・その割には途中途中で挟まる17世紀の話が結構重かったりもするんですが。
良くも悪くも「こうなるんだろうな」という感じに予定調和的に話が進み、なんだか無理やりに綺麗に終わったというか終わらせたというか。要所要所にバカバカしさが見え隠れするお話なので「これはそういうものなんだ」と割り切ったほうが楽しめるかと。
Posted by ブクログ
まざりきったクリームはほどよく角の立った状態に。
(以下抜粋)
○「どうしておまえは、そんあにやさしいの。
どうして何でも、自分のせいするの。
どうして他人のことばかり、そんなふうに心配するの」
「どうして、って、べつにたいそうなことはしてないよ。
自分にできることをやってるだけさ」(P.54)
Posted by ブクログ
何の事前情報も無く、いきなり読んだので、途中までコメディとも思わずに、頭に?を浮かべて読んでいたかも。
コメディ作品を書く人だったんですね。
予備知識がなくてすみませんという感じです。
何か少し強引な展開でしたね。