あらすじ
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あの頃、これまでに誰も経験したことのない事態の中でもがいていたのは大人も子どもも同じだった。人と距離を取る風潮の中、リモート会議を駆使して全国で繋がっていく天文部の生徒たちの姿は希望そのもののように感じ、スターキャッチコンテストの次の目標を定め、さらに輪を広げていく姿に背中を押されるような気がした。
それぞれの進路に旅立っていっても、「あの時ああやって繋がれてたんだからこれからも会えるよね」と笑い合える彼らの姿がとても輝いてる
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記録用
すごく面白かった、記憶。辻村深月は昔から読んでたけど最近になってからは書いてることなかなか重たいし、潔癖すぎん?となりつつ、でも好きになれるキャラが多いから好きって感じで昔のほうが好きは好きだったし、昔の作品って何かラノベっぽいというか、いかにも夢小説って感じの、大胆で、大げさで、でも正しくて、優しい、みたいなおよそ現実には居ないタイプのキャラ造形や人格が多く、そこに惹かれてた。ラノベよく読んだことないけど笑
しかしここに出てくるキャラたちは魅力的で冷めているようでありながら、かなりそう言った辻村節が抑えられていて、むしろリアリティに重きが置かれている気がする。
コロナがメインの話だし。
これはかなり現実的で、それでいて優しさや正しさ、妙に生々しいリアリティある心理描写、がやはり昔の作品から受け継がれて作品に織り込まれているのがとても面白かったし興味深かった。
随分前に読んだので詳しい内容覚えてないけど、所々自分もそんなだったなあと学生時代を思い出しつつ、だけどえ?そんな感じ?それは思ったことないかも、も心のなかで思いつつ、繊細な青春時代を思い出しながら読んだ記憶あり笑
最近は明るいものが読みたくなったし、笑えたりする感じの作品が好きになっていってるからもうあまり響くことはないのかもしれないけれど、確かに読ませる筆力とどこまでも優しく正しい辻村先生の作品が大好きです。
すごく、おすすめですね。
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各地の若者たちや見守る大人たち、それぞれの関係、友情や家族との関係も心地良い。
星に詳しい友人からの情報で、自分もISSらしきものの光を垣間見たことがあるけれど、また機会があったら確信を持って見たいものだ。
凛久同様、望遠鏡の視野に「星を入れる」という言い方が好きだ。
今すぐ夜空を見に出たくなるお話だった。望遠鏡も欲しくなる…。
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茨城、五島、渋谷それぞれでいろんな出来事が起こる中、それぞれが悩みながら、思いをぶつけながら前に進んでいく。そしてまた遠くのみんなと繋がっての観測会。臨場感あふれる描写で一緒に参加してる気になるほど、ワクワク。一年後の夏、またたくさんの仲間と一緒に星が見れて良かった。
コロナの中だけど、コロナだからだったかもだけど、遠くのたくさんの仲間と、同じ星空を共有できたことって、素晴らしい。
私の今は、今しかない。もう少ししたら、なんて待ってられない、というくだりが印象的。
青春じゃなくたって。今しかないをかみしめて、後悔しないよう楽しんで。
自分もこんなふうに生きていこうと思いました。
そして、星を見るのが好きだった自分を思い出しました。
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本来ばらばらの場所にあるはずの星を、地球という一点から見て、つないでいくと星座になります。
中学生、高校生も、別々の場所にいて、それぞれの事情もいろいろ。そんな彼らが星を見るために、ISSを見るためにつながっています。
そしてそれを陰で支える大人がいる。そんな大人でありたいものです。
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泣く本ではないと思っていたのに、気づいたら涙が、それも何度か溢れていました。
コロナ禍、、これ以上何も失いたくない、奪われたくないという思い、一方、悪いことばかりではないという思い、何より楽しもうという思いが。前向き三段活用的な、まあそうとでも思わないとやってられん!ですよね。
コロナ禍となったからこその状況があり、それにしっかり向き合って考え、対応方法をひねり出し、またその交わりの中でさらに成長してる。子どもの可能性は∞だな。
そんな風に、子どもを導ける大人になりたい。
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ついにスターキャッチコンテストかと思っていたら思いの外あっさり終わり、クライマックスはISSの観測だった。厳しい制限の中でできること、やりたいことを詰めていった結果、自分たちの世界を広げていく中高生たちが眩しくてしょうがない。惰性で部活をしているだけで記憶に残る学生の夏にこんな経験をしたら堪らない思い出になるんだろうな。
宇宙飛行士の花井さんが言っていた通りそれぞれが自分の好きや興味、好奇心を携えていた。それは宇宙への興味だけでなく、異性への恋心、家族愛、昔からの幼馴染との友情、きのこなど多岐にわたるがそれぞれを大切にするという心持ちを覚えた彼はきっとこれからも輝き続けるだろう。
そんなふうに感じさせてくれた一冊だった。
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『スターキャッチコンテスト』開催〜終了後の彼らの話。
新型コロナウイルスが蔓延した当時を改めて振り返ると、自分たちの『好きなこと』ができなくなり、悶々と送らなければいけなかったあの日。わたしたち大人だけじゃなく、一番辛かったのは子どもたち。新しい経験を得られる時期なのに、すべてがなくなるもどかしさ…。(上下巻ともども)ところどころ新型コロナウイルスに罹患した人の話もでてくるが、忌避反応もこの時期にあって、自分が罹りたくないからって人を避けるっていう表現も心苦しい場面もあった…。
この物語の下巻では、いろんな『好き』も見られた気がする。人・物事・街・そして星。すべて『縁』としてつながりひろがっていき、みんなが持ってる『好き』を壊したくないなと願いながら…。こういう体験をする時は、本当にそわそわ落ち着かなくて、こんな時期だったからこそ好きなことがやれるとワクワク感が止まらないんですよね。
このコンテストがきっかけで、茨城・東京・長崎から日本全国に広がる、たくさんの『好きなことができる』日本全国の学生たち・社会人たちの温かみのある世界を体験できた物語だったと思います。できなかった経験・体験をこのコンテストで実感して欲しい。
そして自分の『好きなこと』や『好奇心』を持つことは人生にとって大事なことで貫いていきたいなと。
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映画を観てから原作を読んだ。
どちらもよかった。
原作は心理描写が丁寧で、登場人物の心理により近づくことができた。
中高生もそれを取り巻く大人たちもいい人ばかり。人間の持つ善性にあふれた爽快なストーリー。儚くて切ない青春のキュンとくる場面も多く、心に沁みた。
おとぎ話みたい?夢見る少女マンガみたい?
いいじゃないかそれで!お話の中だけでもせめて!
と思った。
映画は時間の制約もあり、ロマンチック青春要素を抑えめにした、同時代を生きる仲間の物語という面にフォーカスした感じだった。
この全部載せの原作からその世界を編み直してまとめ上げたことに改めて感動した。
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スターキャッチコンテストの本番のことや翌年のこと、まだコロナ禍前のことなどいろいろな場面が書かれており、楽しく読むことができた。大人も初めて直面するコロナ禍を中高生たちはどのような思いで過ごしてたのかも少しわかった気がした。うみかさんの好奇心をもってそのまま大人になってというメッセージが再び出てきたとき、胸が熱くなった。
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楽しかったです。途中涙を流した場面もありました。
コロナ禍における中高生の物語りではあるのですが、登場する大人たちも含めて皆がやさしさにあふれていて、読んでいて気持ちのいい小説でした。
大人の中だと、五島(長崎)の高校の吹奏楽部の先生とかいい人だなーと思いました。ただ、天体観測が基本線にある小説なので登場シーンは少ないですが・・・。
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人生出会いと別れで溢れているけど、結局みんな同じ空の下生きてるんだなと痛感した。
苦しい別れもあるけど、それも素敵な出会いの前触れだったりするし。全てが運命だというマインドで私は生きてるけど、実際そうなのだろうなと。
あとは青春を痛いほど感じて良いな〜と。
私もコロナを中高で経験した世代だから実質同年代な訳だけど、こんな青春はなかったよ!って羨ましい。武藤かっこよすぎるねさすがに!
趣味で繋がり合えることって素敵!
部活に生きてる人生だけど趣味も楽しんでいきたいなって!
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『国際宇宙ステーション。キャッチしてみたくないですか?』
茨城、渋谷、五島、御崎台による〝スターキャッチコンテスト〟は天候にも恵まれ成功を収めた。 そして二学期が始まった。
卒業。転校。皆ずっと一緒にはいられない。 バラバラになってしまうその前にもう一度皆で…
友達同士、先輩後輩、先生と生徒、そしてPC画面に開いた たくさんの窓。
星を通じてできた奇跡みたいなつながり…。
できる事なら窓の一つからでもいいので私もつながってみたかった。
なんというか… すべてが尊かったです。
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好きなことで繋がるって素敵。そしてちょっとでも好奇心があるものに対して、興味を向けようと思った。掘り下げた先に未来の自分の幸せや充実があるのかも。
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あの終わりの見えないトンネルの中をマラソンしているような数年間を思い出して胸が痛くなった。
特に自分のような30代の1年と登場人物の中高生の1年は全く意味が違う。本当に悔しい思いをした子達が多い中、やれることを実現していく静かに漲るパワーを感じた。
それぞれの拠点から視点を変えることで、コロナ禍の地域の考えの差、子供と大人の視点の差など1人が主人公でないからこそ、多面的にコロナ禍が描かれていて良かった。誰しもがあったなと思う部分があると思う。
個人的には先生sがやりとりしている姿がよかったですね。自分たちで動いていく生徒たちの今できることを介入ではなくサポートしていく姿が、頼りになる大人でした。
Posted by ブクログ
上下の感想をひとつに
なんか久しぶりの辻村氏で読む前から鳥肌
読んでて(もし作者を当てるクイズがあったら)ああ誰の作品か分かるな(これよこれ)と
期待を裏切らない繊細なやりとり、少しどんでん返しみたいなのを期待してたけど、作者が今伝えたいとする原点みたいなものが溢れていた気がした
何あの凛久と亜紗の心理戦みたいなやりとり(褒めてる)
長崎の県民祈りの日を想い 人との繋がり 宇宙を感じながら いつか五島の地で夜空を見上げたくなった
好きなフレーズ引用
海と空 二つの青が涙で潤んで溶けだし混じり合っていく 悔しかった
邪魔してごめんって なんかズレてる
しばらくはそれもいいなんてことはない 高校三年生の一年は今年しかないから 部活にもどってきてほしい あきらめないでほしい
もしそちらの方面に才能がない と思ったとしても 最初に思っていた好きや興味 好奇心は手放さず それらと一緒に大人になっていってください
空に顔を向ける 吸い込む空気に 夜の匂いがした
どちらがよかったのかなんて葛藤をあの子たちが持たなきゃならないことがもどかしい
そりゃ 泣くでしょ 青春ですから
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コロナによって様々なことが奪われてしまった学生たち。でもこんな時代だからオンライン化が加速し、これまで出会えなかった遠方の人も繋がって、同じ空を見上げて感動を分かち合える。
冒頭の人物紹介のイラストを見た時、若者向けの本なのかなと思って読むの止めようかと思ったけど、でもさすが辻村さん、一気読みでした。
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コロナで変わってしまった日常で
失われた物は必ずある
でもだからこそ得られたものもある
感性豊かな学生たちが巻き込まれたコロナ禍という
歴史に残るような出来事の中で
出来ることを見つけて進んでいく姿に
大人では気づけなかったものがある
何事も考え方次第で良くも悪くもなる
子供たちにそんな選択をさせるのは
良くないけれど
それでも、悪いことばかりじゃない
そんな世の中で居てほしい
色々考えさせられる
そして胸が熱くなりますほっこりとできる
良い作品でした
Posted by ブクログ
コロナ禍で、活動が制限される中、『スターキャッチコンテスト』で、茨城、東京、長崎の中高生たちがつながっていく。
平常な時ならつながらなかっただろう、つながりが広がっていく…
『COVID-19』パンデミックによる『緊急事態宣言』、2020年4月から何度発令されたことか…
春の甲子園、夏の甲子園は中止、東京オリンピックは延期、中高生の修学旅行や行事は軒並み中止…
わすか5年ちょっと前のことなのに。
そんなこともあったというように、今、何もなかったように生活している。
コロナ禍だからこそ、できたこと、気づいたことがあっただろう。
それをこれからの人生に活かしてくれたら、と願う。
Posted by ブクログ
上巻と下巻の間で映画を見た。
そのため下巻は脳内が映画のビジュアルで再生されてた。
五島の天文台のイメージとかしやすくてよかった。
スターキャッチコンテストは意外とサクッと終わってびっくり。
それがメインだと思っていたので、意外だった。
あと星空案内人として活動している自分にとって、天体望遠鏡の身近な存在。だからこそ、ISSキャッチはちょっと無理がないか??ってなってしまった。
写真に収める人もいるので絶対無理ってわけじゃないのは、分かっているけれどすごい速さで動くから導入できても一瞬でいなくなるからさ。。。
オンラインと空で、たくさんの中高生が繋がってる姿は胸熱でした。
そしてそれらをサポートする大人たちの姿もまた、眩しいなあって思う。
一番好きなフレーズは上巻の
「趣味っていうと軽く聞こえるかもしれないけど、案外、人生を豊かにするのは、そういう役に立たないところにある興味や好奇心なんだよ」
星を見上げることで、私は何倍も人生が豊かになったから。
激しく同意したフレーズ。
Posted by ブクログ
変化とは、怖いものだと思っていた。しかし、この本は変化がもたらす素敵な出会いについて教えてくれた。また、花井うみかの言う、好きなことを大人になるまで大事にしろ、と言う言葉も、選択を迫られる場面が多い僕のような学生に刺さった。
Posted by ブクログ
やっぱり学園モノは素晴らしく
皆それぞれキャラが立っていてコレまたアニメになる予感。
コロナ禍のあの閉塞感の中で学生達は何を感じてたのだろう。
夜空に輝く星々は未来の希望に見えたかもしれない。
Posted by ブクログ
コロナ禍の中、色々な経験出来なかった学生さんたちの、とある部活の話。
色々な葛藤があるけど、今出来ることを学生さん達が、一生懸命探して忘れられない思い出を作っていく。
特にハラハラドキドキは無いけど、暖かくてほんわかした雰囲気。
読み進めるのに時間はかかりましたが、オンラインでの繋がりとかあって良かったと思います。
Posted by ブクログ
久しぶりに上下巻の小説でした。
コロナ感染症が世界中に拡大し
たのは数年前だけどずっと昔のような感じがする。序盤の方は学校や日々の生活の描写が多くスピード感も薄くあまり読むページの量は、進まなかったが、人の縁が繋がリそれが広がるところが不自由の日々の中で見つけた光のような感じがした。登場人物が多く少し読み難さも感じたが、柔らかな暖かさを感じる一冊でした。
Posted by ブクログ
あたたかい印象の物語。終盤、凛久がナスミス式望遠鏡を作ろうとしていた理由が明らかになり、静かな感動が残った。天体にはあまり関心がなかったが、この作品を読んで、一度望遠鏡で星を見てみたくなった。
Posted by ブクログ
コロナ禍って、ホント何だったんだろと、苦々しく思い出す。あんなに色んなことを、いろんな人から奪って。 実態がどんなかもわからんのに、まぁ
だからこそかもしれないけど、私には全てが過剰反応過ぎて、とてもイヤな記憶だ。
まぉ、そんな中、いろいろありながら、
皆んなで星を見よう!という爽やか青春小説!
素晴らしい。爽やかさ。
なんだろうけど、スミマセン。
なんかめっちゃ退屈に感じてしまったダメな大人でした…
こういうのに感動できないとは、濁ってしまったなーとは思うケド…
すごーく進まなくてやっと読んだ…