あらすじ
あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスといっしょに、他の家族が皆殺しにされたこの屋敷で、ずっと暮らしている……。惨劇の起きた資産家一族の生き残り。村人から忌み嫌われ、外界との交流も最低限に止める彼女たちは、独自のルールを定めて静かな生活を送っていた。しかし従兄チャールズの来訪をきっかけに、美しく病んだ箱庭世界は大きな変化をむかえる。“魔女”と称された異色作家が、超自然的要素を排し、無垢な少女の視点から人間心理に潜む悪意が引き起こす恐怖を描く代表作。/解説=桜庭一樹
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Posted by ブクログ
メリキャットとコンスタンス、ジュリアンおじさんの暮らしにうっとりしながら読んだ。彼女たちなりの生活の秩序はとても美しく、メリキャットが大切な物を土に埋める場面がとくに好きだった。城が破壊されても「とってもしあわせ」に暮らせるふたりだけの世界は、もう外部の人間の接触も無い為メリキャットがよく語っていた〝月の上〟のような、理想の場所そのものになったのだと思う。彼女たちの生活は埋められた大切な物で キッチンは彼女たちを隠すやさしい土だから、このまま誰にも掘り起こされずに美しいまま守られていて欲しい。とても好みの文章と物語。この作品に出会えて本当にしあわせです。
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最初から最後まで気味の悪さが漂う異質な、ヒビ割れたガラスのような物語。
外界から鎖された箱庭。その箱庭の周囲を絶えず節足動物が這いずり回っているかのような嫌悪感。
このガラスは最初から割れていたのかもしれない。最高だ。
Posted by ブクログ
閉鎖空間ヤンデレ姉妹百合〜謎の一家殺人事件を添えて〜。
タイトルにもある「ずっとお城で暮らしてる」感というか、おとぎ話感というか、キラキラ感というか、そういうものが、逃れがたい時間経過、自分たちの成長、当たり前に起こる周囲の変化という風化に伴って、話の展開とともにぺりぺりと剥がれていく様が本当に気味が悪くて最高だった。おとぎ話のようなお城に暮らしていても、おとぎ話の住人にはなれないのだと、まざまざと見せつけてくる作品。読者である私が何気なく1ページをめくるごとに、きっと「お城」のどこかでタイルや壁紙が剥がれているのだろうと思わされる。コンスタンスとメリキャットの姉妹の生活を壊したのは、ページをめくり話を進め、停滞していた空気を動かした私なのかもしれない。
Posted by ブクログ
読んでいて村人からブラックウッド家に向けられる過剰なまでの悪意は純粋に不快だと感じる。けれどそれが幼い精神のままここまで過ごしてきたであろうメリキャットの視点からしか語られないから、どこまでが本当で現実はどの程度のものなんだろう、とここまで考えて悪意の許容の程度について自分が考えてしまってるのに気付いて物語の外から見透かされてるような気分になった。
情景がすべて美しい風景で思い浮かべられるのでより悪意が引き立って村人たちの事が本当に嫌だなと感じた。
この作品を踏まえて、ミツバチのささやきをもう一度見てみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
生活の描写がとても好みだった。お屋敷の中でルーティンの様に細々と暮らす様子は、私の理想の生活そのままだった。家族が死んでいるのは寂しいかもしれないが、作中で未練に思う様子が無かったので、私は、いない方が静かで良いのではないかと思った。
チャールズがやってきて生活が今まで通りでなくなった時は、私も怒りを覚えたし、早く出ていってくれと思った。静かで美しい生活を邪魔しないで欲しかった。
しかし最後には、様子は随分変わってしまったけれど、小さく静かに暮らし始めてくれたので、心底嬉しかった。私も静かに、家のやるべきことだけを熟して生きていきたい。
ホラーとかゾッとするとかの前評判をうっすら聞いていたので身構えたが、物凄く理想的なお伽話の様な生活に触れることが出来て嬉しかった。繰り返し読みたい。
悪意のある村人達のことはよくわからなかった。集団ヒステリーを起こすほどにブラックウッド家が嫌いだったとして、その後に食事を供えるようになったのがよくわからない。滅べばいいと思っていた者を、どうして生かすのだろうか? 姉妹が生きられるので私としては嬉しいが、行動原理がわからないので不気味だと思った。
Posted by ブクログ
ユニコーンは処女にしか懐かない、翼の生えた馬もきっと同じなのだろう。なぜなら、清らかなふたりを月の上へ連れて行ってくれたから。
家族を毒殺した理由は書かれていなかったが、サマーハウスでの記述を見ると家族の一員として大切にされていなかった様子がうかがえる。これがひとつの大きな原因なのだろう。
Posted by ブクログ
ずっと読みたいと思ってたのをやっと読んでみた。
ホラーや恐怖小説とされるようですが、私は恐怖や不快感はあまり感じなかった。
確かに村人の集団からの悪意は読んでいてつからったし、チャールズがメリキャットにキツくあたるのも辛かった。
でも、どうしてもメリキャットには不快感を感じなかった。
確かに妄想も激しいし普通とは言えない状態ではあるのだろうけど…なんでだろう純粋さを感じるからだろうか、つい同じ目線になってしまった。
語り手がメリキャットじゃなければ凄く異様な光景だったのだろうけど、メリキャットが語るとそれでいい気がするし美しくも感じる。
結局私の中には村人もチャールズもいるのだろうけど、メリキャットもいるのだと思う。それなりの大きさで。
ふたりはこれからも幸せなんだろう。
それがいつまで続くのかはわからないけど、幸せでいて欲しいと願ってしまう私がいる。
Posted by ブクログ
ぞわぞわするお話
個人的にはチャールズが本当の本当にカスで救いようのない男だなと感じた
作中のお屋敷が火事になってからの「暴徒」には目も当てられない
あのシーンは顔を歪めながら読んでしまった
メリキャットはなぜ狂ってしまったんだろう
元からなのか、この生活からの逃避なのか
Posted by ブクログ
人間の悪意がすごい!
この一家がなぜここまで憎まれているのか、こんな仕打ちを受ける理由はなんなのかわからないけれど恐ろしすぎる。火事の場面で集団になって家を破壊して回る村人たちに虫唾が走るような気持ちになった。その後罪滅ぼしかのように食料を置いていくのも気持ち悪い。ずっとメアリの視点から語られているからだろうけれど、チャールズには私も苛立ちを感じてしまった。本当は姉妹もおじさんも適切な治療を受けるべきだったのかもしれない。でも二人が好きなようにこのお城でずっと暮らしていけるのならそれが一番幸せなんだろうな。
Posted by ブクログ
面白い。
とある事件で家族のほとんどが亡くなって以来、近隣住民から忌み嫌われている名家で静かに暮らす姉妹2人とその伯父と猫。
姉と身体の悪い伯父は屋敷に引きこもり、買い出しに出かける妹は近隣住民たちから心ない言葉をかけられている。
広い敷地の中は平和で、家族の仲は良いが、どこか違和感のある会話が多く...。
最後まで読んでからまた読み返すと違和感にも納得がいくが、不気味な作品である。
Posted by ブクログ
毒殺事件が起きた屋敷で暮らす姉妹を中心とした麗しい姉妹愛…ではなく事件の影響で家から出られなくなった姉と精神年齢が幼く自分の世界に姉と閉じ籠ることを願う妹、そして彼女達を排斥する村人達という登場人物の誰もが普通ではない状況で不穏な雰囲気が終盤まで続く展開に胃もたれしそうだった。ラストは…もうタイトルどおり…
Posted by ブクログ
少なくとも3つのタイプの人間の邪悪さか描かれている様に思う
一つは異物を排除する邪悪さ
一つは偽善の邪悪さ
一つは好きなものと楽園を作りたい邪悪さ
とにかくジワジワ来る嫌なお話なんだけど、お話自体は御伽噺の様でどこかファンタジーな空気が流れてます。
この作品はもう少し深掘りして考察したい作品。
Posted by ブクログ
オーディブルで聞いたので、メリキャットの可愛い声とコニー姉さんの美しい声が印象的だった。子供たちのメリキャットを囃し立てる声も文字で読むよりきっと憎らしい。
なぜメリキャットは家族を殺したのか(おそらく「お仕置き」が原因なのだろうけど)、またなぜブラックウッド家はそこまで村人たちに嫌われているのかなど最後まで明らかにされないことはあったけど、2人の姉妹がひっそりとお城のようなお屋敷で暮らす様は退廃的な美しさがある。金さえあれば私もそのように暮らしたい。
Posted by ブクログ
ドロドロしてるいのにどこか美しくて童話のような不思議な世界観で、よくわからない感じもありながらも読み進めてしまう作品で、意外と好きになりました。著者さんの他の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
何かで紹介されてたのを見てずっと読んでみたいと思ってた。
空想と現実が半々ずつで、空想が幸せかと思えば必ず現実に引き戻されて嫌な目に遭うところが妙に現実的。姉妹以外(+おじさん)の人間の悪意がこれでもかと姉妹を襲い、ずっと嫌な気持ちになる本。
チャールズは最初からどう見ても金目当てで姉妹の元を訪れたとしか思えないのにね…せめて繕うくらいしろよと思ったけどその欠点こそが人間の醜悪さを出していてよかった。
途中から、ブラックウッド家の毒殺の犯人ってもしかして…?と思ったらその通りだった。今18歳で事件が起こったのが6年前ということはメリキャットは当時12歳。空想癖、妄想癖は家族からの虐待(お仕置きとか)からくるものなのか、それとも発達障害のような元から持っていたもののせいかのかな。
メリキャットは優しい姉のことは大好きだけど、他の家族に対してはそこまででもない、もしくは嫌いだったのかなと思わせるほどに他の家族への心理描写がない。実際にお仕置きと称して晩ご飯抜きにされていたわけだし、多分そういうことなんだろうなと解釈した。
ジュリアンおじさんに対しても似たような気持ちだったのかな。彼は後遺症があるとは言え終始メリキャットをいないものとしていたし…だから彼が弱ってから向けた感情は上の立場の者から弱者への憐れみに近いのかなと思った。
この話のように「外に一歩踏み出すことはしないでずっとお城(自分たちの安全圏)に閉じこもって暮らしました」という閉じた終わり方は珍しいように思う。素晴らしい。欲を言えばメリキャットに村人全員滅ぼして欲しかった。
村人たちの心変わりが謎だけど、誰かが食事を提供してくれるならもう外に出る必要ないもんね。いつまで続くかわからないけど。
この先どちらかが病気にかかったり死ぬことになった時、残された方はどうするのか、そこまで描写されないところが空想で終わる感じがして良いな。そこは現実的に終わっちゃいけない気がしたので…
Posted by ブクログ
お城のような豪邸で暮らす姉妹とその叔父.6年前の毒殺事件の生き残りの3人が家に閉じこもっている.何かを埋めて結界を作ったり独自のルールで生きる妹と料理だけが楽しみの姉.敵対する村人たち.張り詰めた緊張感,不穏な空気が後半爆発して炎上!現実社会は薄い皮膜に覆われたまま,月の上のような世界で二人生きていく姿はゾッとしつつも美しい.
Posted by ブクログ
家族が殺された屋敷で姉、伯父と暮らしてるメアリ。
週に2回(1回?)村に買い物に行くことと、たまに訪ねてくるお医者さんと知人以外外の人に会うことはありません。
姉は外に出ることはできないし、伯父さんも障害があるので日常生活が困難な状態。
ある日従兄が屋敷に訪ねて来て…。
読み進めるうち色々なことがわかってくるのですが、両親が殺された理由は最後まで分かりませんでした。なんとなく想像はできますが。
悪い人沢山いるんですが、一番村人が怖ったです。
Posted by ブクログ
家族の大半が毒殺された貴族の屋敷で暮らし続ける姉妹と叔父の歪んだ日常と狂気を描くミステリ調ホラー。
多くの作家さんの紹介文に登場する古典なので気になって手に取ってみたが、前評判ほど鮮烈な印象は感じなかった。鮮烈ではないが、最後まで読むとじわじわと不安感が募る。姉を溺愛し良識のタガが外れた妹、妹の不始末を全て背負わされながらも妹に共依存する姉、彼女らの境遇に憎悪や侮蔑や罪悪感を勝手に抱く村人たち。すべてが少しずつ不安定で、ところどころに救いがあるようでどこにもない、そんな作品だった。
Posted by ブクログ
ヒトコワなホラー。家族を殺した犯人がメリキャットだったのも怖いし、よってたかって姉妹に嫌がらせする町の人たちも怖い。火事になった家に色々悪さするひとたちに、そこまでする〜!?って嫌悪感。従兄弟も最悪。
とにかくコンスタンスが可哀想な気がするけど、メリキャットとコンスタンスがボロボロのお屋敷で誰にも頼らず生きていこうとするメリバなラストは好きでした。
コンスタンス姉さんが魅力的なので誰にも渡したくないメリキャットの気持ちはわかる。
Posted by ブクログ
高い塀に囲まれた屋敷に姉妹はひっそりと暮らしている。外界を拒むような孤絶した日常から物語を始める。毒殺事件の記憶を背負いながら姉妹は“普通”から離れた世界で互いを支え合う。
閉ざされた空間は安心と恐怖の揺らぐ境界となり外の人間との接触が緊張を孕んだ変化を呼び込む。
常識という名の暴力が心の領域まで踏み込んだとき人は何を守り何を失うのか。この不穏で繊細な物語は他者との距離と共存の在り方を私たちに問いかける。
Posted by ブクログ
メアリーが立派な大人だと気づいたときの戦慄。
『火垂るの墓』のように、きょうだいふたりの世界で神話をつくりたかったという話なのだろう。
あらすじから想像した雰囲気とは違ったけど、じっとりとした陰鬱さは好み。(オーディブルで聴くと演技が少々やり過ぎに感じた)
Posted by ブクログ
コンスタンスは叔父さんを病院に入れておけばとか言ってる場合ではなくて、この懐疑的で衝動的な妹をこそ精神病院に放り込まないといけない。
この邪悪な妹のおかげで貴族一家総員が死亡し、屋敷は外界から隔絶することになった。
奇跡のように訪れた社会への復帰への切っ掛けも、持ち前の猜疑心で妹が叩き潰す。チャールズがまともな人間だったら結末は違っていたんだろうか。
Posted by ブクログ
退廃的で美しい、邪悪なお伽話のよう。
廃墟のようなお屋敷で、姉妹はずっと生きていくのだろう。
あーでも、やっぱり翻訳ものはちょっと苦手だなぁ。
Posted by ブクログ
いわゆるホラーにありがちな肉体的な恐怖とは一線を画している。怪談とも違う。
一人の少女の目線から描かれた小説だからかひたすらにモヤモヤが続く。
あえて言うならばこの作品は徹底して「病んでいる」。人間は優しい生き物ではなく、邪悪さを優しさという上っ面で隠している、そんな印象を受けた。
余談。10年以上前に読んで再読したが、その時も「病んでいる」と思った気がする。
Posted by ブクログ
純粋で、幼さと悪意に彩られた、(病んだ)少女の心理を堪能できるのはなかなかにフェティッシュで素晴らしい。誰にも覚えがあるような無意味な願掛けや空想は、メリキャットの子供っぽさと静かな異常さを絶妙に演出している。
一言で言えばメリキャットかわいい。
そんな彼女の視点を透かして状況の異常さが際立つが、こういうホラー演出は好き。
これだけで十分だよって人も多いとは思うが、個人的にはメリキャットの世界観の崩壊、または状況の致命的な破綻など一つ最後に大きな動きがあればなお良かった。
Posted by ブクログ
なんだか不穏でオシャレな外国映画を観たような感覚。特にびっくりするような展開はないけど、静かに狂気じみた姉妹の生活がゆるやかに進んでいく。いや〜な気持ちになった。
Posted by ブクログ
世界観がとても好き
コンスタンスが作ってくれる食事が
美味しそうだし
キッチンもお庭もきっと素敵なんだろうなあと
想像しながら読んだ
メリキャット目線の空想のような日常のなかに
村人たちの悪意、過去の惨劇がひそむのが不気味で、人間の狂気を感じた
特にジュリアン伯父さんの存在はパンチが効いててとても印象的だったな
外から見れば姉妹は狂った生活をしているのだろうけど2人はとても幸せそうなので
このままお城で暮らしてほしいと思ってしまう
Posted by ブクログ
お化け的な怖さかと思っていたので、正直怖くはなかった。最初から信頼できない語り手だなぁと思っていたので、もしかしてメリキャットは本当は死んでいるのか?とか深読みしすぎてしまった(ミステリ読みすぎですね)。メリキャットの狂気よりも村人の悪意の方が怖かった。でもこの物語、コニー目線で描かれてたら怖いかもしれない
Posted by ブクログ
なんとも言えない読後感。家族が毒死した屋敷で、姉と叔父と犬と生活を続けるメリキャット。とある事件をきっかけに状況が一層狂気的になるも、それが淡々としてすんなり受け入れられていくのがまた恐ろしい。
Posted by ブクログ
幻想文学のような雰囲気の、これはホラーの分類かな。
邦題がいい。これは「お城」だよね。「城」じゃだめだ。
家族が殺された屋敷で暮らす生き残りの姉妹とおじ。
閉塞した村で村八分にされているからお金はあってもほとんどのことは自給自足。
おとぎ話のような敷地内と悪意渦巻く村の境界をこえて従兄弟が入り込んできたときからバランスが崩れていく。
登場人物はみんな、理解できる程度にどうかしてる。
ブラックウッド家はそれぞれ自分の領域に閉じ籠ることで自分の内側の世界を安定させている。
語り手のメリキャットは自分の決めたルールを守る。その姿は強迫的だけどこだわりの強い人にはままあることだ。
姉のコンスタンスは台所に執着する。外には出ずに家の中を居心地良く整え続ける。
おじは「その日」のできごとを綴り続け、「その日」の中を今も生きている。
俗っぽさが丸出しで小者臭ただよう従兄弟チャールズは、がめついだけで詐欺師の才能すらない。
冷酷な悪役になるだけの器もないから、この中にいるとまともに見えてくる。
だから、凡庸なこの人が入り込むと、閉じた村の閉じた屋敷の閉じた世界の均衡が崩れてしまう。
資産家たちと村人たちは分断されている。
「違う」から。
村人の何人かは「わざわざ」ブラックウッド家に憎しみを向けるけれど、たいていの人は習慣でなんとなく嫌っている。
おじさんは罵倒の言葉に「私生児」を使う。
実際の生まれにかかわらず、いけ好かないやつをそう呼ぶのが男たちの決まり文句。
両親が村人を嫌がったのも、メリキャットの好き嫌いも、村人たちが雰囲気で炎上したり気に病んだりするのも、みんな同じ。そういうものだからそうしてる。
こんな因縁があって恨んでいますとかそんな説明はない。
理由はない。感情があるだけ。
そこが怖い。
カタカナ語を極力排した翻訳は昔風で読みやすい。
でもテーブルを雑巾で拭かないでほしい。
村人はともかくコニーは布巾を使おうよ。そこはこだわってほしいところ。
解説は桜庭一樹。
この人がシャーリイ・ジャクスンを大好きだというのはわかる気がする。