【感想・ネタバレ】思考停止という病理のレビュー

あらすじ

教育から政治・社会問題、歴史に至るまで、いかに日本の社会が思考停止に陥っているか。実例を交えながら検証し、その対策を考える。

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Posted by ブクログ

今まで物事を理解したり、考えたりする時には「わかりやすさ」を重視していたが、必ずしもそれが良いとは限らないことに気付かされた。具体例などを用いてとてもわかりやすく説明されていたため、理解が深まったし、これからの自分自身の学びに大きな影響を与えた本だった。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

第一章は筆者による違和感総まとめになっていたので気になるトピックスだけ読んで、「分かるわ~」で軽く読めた。
二章以降からは思考停止に陥る理由となる日本人特有の思いやりや忖度文化についての解説がある。そして時代が進み技術の進歩によって変化する教育現場の課題が深く、読書をして思考力や読解力を鍛えないとあっという間に資本主義社会に飲まれてしまうぞという警鐘があった。疑うことをしない人が多いなっていうのは自分もよく感じることで、毎日生きてるだけで自動的に情報が入ってくるけど、鵜呑みにしてる人ばっかりで心配になる。まさに今選挙期間中で、排外主義のデマを宣う政党とその様子を垂れ流すテレビとか。印象操作で騙せちゃう人が多い国民性にはあまりにも危険なのでは?とヒヤヒヤする。

批判的に物事を捉えるように教育されてないってことに日本人は気が付いているのだろうか…そこにたどり着く為にもやはり読書、これに尽きる。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

成人年齢の引き下げは成熟が遅くなり、寿命が延びているのになぜ行われたか。
兼業副業容認の意図は人件費削減ではないか。

簡保保険の不祥事は、分化の違いを踏まえずに成果主義を取り入れたことに問題がある。
日本は信頼社会、お任せ文化。
おせっかいな注意書き。天気予報でおすすめの洋服まで。駅のアナウンスが過剰。ものを考えさせない雰囲気。
本を読まないから、語彙が乏しい。
ネット社会は、幻想的万能感を持ちやすい。匿名性が保立てる。即時反応が可能=考える間がなく感情をむき出しにする。

生まれた社会の文化にふさわしい人間になる=社会化。
日本では自己主張を慎み謙虚でいる方がうまく生活できる。
アメリカでは説得力を磨き堂々と主張する。
日本の教科書では温かい人間関係、最後には誠意が通じる物語が多い(ニャーゴ、きつねのおきゃくさまなど)。性善説。
中国では逆(尻尾を振る狼、農夫と蛇など)

何のために勉強するか。アメリカでは自分の知識が増える、日本ではお母さんが喜ぶ、だれかのために。罪悪感に基づく達成への義務感=モラルマゾヒズム。
絶えず相手の期待を意識して裏切らないように行動する。

制空権がない中で大和が沖縄まで到達することはできない、と分かっていた。空気で突撃が決まった。
採否は空気で決まる。

日本ではお任せする方式になじんでいる。
寛容な態度で良好な雰囲気で相手の譲歩を引き出すことが日本流。
コロナで罰金ではなく自粛要請で大丈夫だった。
自粛でうまくいくことの功罪=本屋の営業を続けるか、自主警察が出現する。
県外ナンバーの車に張り紙がされる。県内在住者です、のステッカーまで出現した。

英会話は頭を鍛える勉強ではない。英語が学びなおしの一位。
小学校低学年から英語を始めることは効果的ではない。母語をしっかりしてからのほうが効果がある。言語は思考の道具でもある。
英会話は幼児期にできることを教えるだけ。文章を読むことは言語能力も鍛えられる。日本語への翻訳は国語力と英語力が必要。英語ができる子は勉強ができる子である理由。
実用性を重視して英会話を教えると英語力は低下する。

見ればわかる教材の功罪。スライドの功罪。ノートを取らない=スライドを配るから。
現代文は、論理国語と文学国語に分かれる。

知識は思考の邪魔をしない。知識と思考は双方向の関係にある。
ネットで得られる情報は答えではなく考える素材。

日本では認知的複雑性の高さに価値がある。多方面から見る習慣。反論しにくくなる。
欧米人は、自己主張しなければ生き残れない社会。薄っぺらな意見でも堂々と自己主張する。
日本人の礼儀正しさ、思慮深く不平不満を口にしない。お上にお任せ、謝罪すれば水に流す。
欧米ではうっかり謝ると責任がかかる。「アイムソーリー法」=患者が死亡したとき医師がアイムソーリーといっても、医療過誤の証拠にしないという法律。自己正当化が必要な社会。
日本では、非を認めているのに責めるのは弱い者いじめ、みっともない、粋ではない。世間体を気にする感受性がある。
日本組織は空気で動いている。コンプラ重視は運用面で属人志向が入り込む。

2016年の大統領選では、イギリスのコンサルティング会社が、Facebookの個人情報を不正利用してトランプ当選の後押しをしたといわれる。
マニュアル主義の功罪。
脱知識偏重教育の弊害は知識がなくて視点をもてないこと。指示待ち人間や承認欲求に振り回される。思考停止に向かっている。
知識を高めることと思考は矛盾しない。知識の吸収は思考力を高めることに必要。
本を読むと情報収集だけでなく素材が活性化せれる効果がある。
グループワークよりも知識の吸収が必要。
考えることの苦痛=昔は外に出ると考える以外にできることはなかった。
考えることは魅力的な娯楽。

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

タイトルですべてを語っている本。そしてデータというよりは、著者の主張がひたすら続くんだけど、まあそうだよね〜と共感する点は多かった。日本は性善説、海外は性悪説っていうので、どなたかが調べた小学校の国語の教科書のお話のテーマの話はほんとかいな、と思いつつ気にはなるエピソード。

思考停止はマズいけど、かといって陰謀論もヤバいしなあ。まあ陰謀論もある種の思考停止なわけだが。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

欧米人は性悪説、日本人は性善説、ここに大きな隔たりがあるという発想はなるほどと思えた。他の本からは、先進国を含む25%は男女平等社会、それ以外の国75%は父系社会、日本は父系だったのを急に男女平等に舵を切ったために混乱をきたしているとあった。なんでもマネをするのではなく、知識を蓄え、思考して最善策を取るべきだ。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

日本人は性善説を前提に教育が行われており、相手にお任せすることで悪いようにはされない風土が根付いている。しかしそれは思考停止へ拍車がかかっておりコロナ禍で強制力のない自粛要請が成り立つほどのものだった。
上に任せておけば大丈夫、疑うのは失礼だという風土が根強く、何を言ったかではなく誰が言ったかが重視される。現状の描写は普段の生活においてまったく異議がないが、インプットを重視する原点回帰を提唱するのは疑問だ。時代が変わることで思考力を鍛えることは必要だと思うがただインプットすれば思考に繋がるわけではなくどのようにアウトプットをするか想定しながらインプットすることで、自分なりに噛み砕ける部分はおおきい。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

礼儀正しくて、従順な日本人。政策に対して不信感を抱いても他国のように抗議デモから暴動に発展することはない。アメリカのような自己主張は慎み、良好な人間関係を好む。また、教科書から性悪説が読み取れる中国に対し、日本は人間不信になるような教え方はせず、性善説を掲げる。
著者は、こういった良さげに思える日本人の特質、文化・習慣が「思考停止」を招いていると警鐘を鳴らす。
要するに、何でも「お任せ」にする習慣があるというのだ。
その上で、自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、都合よく利用される危険性が高いと主張する。
著者は、また、近年の教育が「思考停止」を招いていると論じる。
英語教育を引き合いに出し、会話ができさえすればよいという実用性重視により、英文解釈のような知的格闘もなく、読解力の向上など本当の知的能力を高める教育ができていないと主張する。
現在の教育では、思考力重視のため、知識偏重教育からの脱却が強調されているが、知識が乏しければ思考も深まらない。知識・教養を身につけることの再認識が必要だとする。
さらに、スマホの検索に頼り、自分の頭でじっくり考えない、SNSによる発信主義による自己主張が「認知的複雑性」という多様な視点からのものの見方を阻害するなどの問題点も指摘している。
やや、極端で力み過ぎた議論であると感じながらも、スマホに頼る弊害、自己中心的で異質な他者の考え方や感じ方を攻撃的に見る危険性、読書習慣を促し、読解力、思考力、教養、多様な視点からの見方を身につける重要性など、共感できることも多かった。

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2023年06月13日

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