あらすじ
会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは……。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。
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Posted by ブクログ
なんてことのない日常のでこぼこを描いたこの短編集が、暑い日に飲むよく冷えた麦茶のように、心にすーっと沁みました。気づけば、柴田錬三郎賞の受賞作だったりもします。
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面白すぎて3日の移動時間だけで読みきった。
間違いなく今年読んだ小説の中でぶっちぎりNo.1
家族をテーマにした話が5つあるんだけど、
どれもありそうで、でも素敵な夫婦関係で、
こんな人と出会えたら楽しいだろうなと思える夫婦像だった。
特にここが青山、家においでよが最高。
人生ベストに入る最高の話だった。
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ほっこりした。特に「ここが青山」が良かった。子供が無邪気に『トウサン』というワードを言っていて面白かった。夫が外に出て働くては行けないという考えは古いと思う。
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おもしろかったです!大きな事件は起きない日常を描いた短編集ですが、それを魅力的に感じさせるのが、著者の真骨頂です。
そして、読みはじめると、不思議な魅力の虜となり、読む手が止まりません。
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「ここが青山」は特に良かったあ!
人間到る処青山有り、なんだってさあ!
東京で働き続けるのか、九州に帰るのか、帰るならいつ帰るのか、なんてこの問題について深く考えすぎなくてもいいかって開き直りの精神を与えてくれる内容でしたね。描かれている家庭も温かい。
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家族小説が好きだ。
奥田英朗さんの
ユーモアのセンスが好きだ。
柴田錬三郎賞受賞の短編集。
中でも「家においでよ」が一番好み。
妻が出て行った家。
オーディオに凝り、自分の趣味のインテリアにする。
同僚が集まり、夜な夜な学生時代に戻ったように自由に過ごす。その結末は?
どの短編も、身近でくすりと笑える。
益田ミリさんの鑑賞という、マンガが最後に。これが、また、良いっ!
私と同じ感覚で奥田英朗さんファン!
奥田さんがファンレターの返事をくれたという、心温まる話。
今回は
お風呂タイムの読書本に選んで正解だった!リラックスして読むのがオススメ。
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伊良部シリーズ以外は初めて。
とても読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。どこにでもありそうな日常で、結婚して家庭のある方は特に共感できると思いました。
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“読むなら長編を”の人である。
あまり短編集を読んでこなかった。
たまたまお勧め本に入っていたので、、、
六つの作品からなる。
出だしは まあまあかな。私的には。
次とその次「ここが青山」と「家においでよ」が絶妙に良かった!会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマンの話。それこそ突然に妻が家を出てしまい 戸惑いながらも 自分好みの暮らしを謳歌する夫の話。
最後が「妻と玄米御飯」。この著者の家族かなと一瞬思わせる家族の話などなど。
どれも大変なんだけど 悲壮感がない。
ほっこりさせられる。
読後感が いい。
Posted by ブクログ
久しぶりの小説に心がぽかぽかした。どれも何気ない日常を切り取ったものであり大きな起伏はないのだが、絶妙にスパイスが散りばめられており、ワクワクとして読み進められた。いかにもフィクションのような驚きはないが世の中こんなもんだよなと言う気持ちになりながら楽しませてもらった。
Posted by ブクログ
以前「短編工場」に入っていた「ここが青山」に心を打たれ、「家日和」を購入。
様々な家庭の様々な人間模様が描かれていて、それぞれの家庭にお邪魔しているような気持ちになった。
やはり「ここが青山」が1番好き。
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やさしい世界。
どの短編も、誰も不幸にならないし、くすっとするし、ほっこりした気持ちになれます。疲れてる時に何も考えず読めて元気もらえる作品です。
Posted by ブクログ
著者は『空中ブランコ』などの伊良部シリーズを書かれており、この作品も面白い物語が展開されるのかと思い、手に取りました。
作品は短編集で、日々の暮らしの中のちょっとした瞬間に少しだけ心を揺るがす事があった人達の物語となっていました。作中の人物の心の動きや描かれている家庭環境が、現実のどこにでもありそうな場景であり、物語にすっと入り込みやすい内容となっていました。描かれ方も嫌な感じは覚えず、人物が抱く心境を理解できる表現でした。
作中でも『ここが青山』が特に気に入った作品でした。内容としては会社が倒産し、主夫となったサラリーマンの物語です。職を失った場合、不安を抱き次の仕事を探すため四苦八苦するものだと考えていました。しかし主人公は家事を自分の仕事として受け入れており、子供にとある野菜を食べさせるための弁当作りのアイデアを考えており『今自分がおかれている状況』で『自分がやりたい事・するべき事』を見出すまで適応していました。
職を失うことで周囲は同情や哀れみを抱いて接していましたが、主人公はマイナスに考えている様子も見られません。これは主人公が悲観的に捉えず、自分が何をするべきかと客観的に捉える視点が持てていたからなのかな…と推測しました。
自分はマイナスな物事が生じた際、どうしてこの状況になってしまったのか…と悲観的な思考に偏る事があります。作中の主人公のように、今置かれている状況を歪めずに捉え、何をすべきか・この状況の中で自分の居場所はここにあると思えるよう、心の広さを持てたら人生も生きやすくなるのかな…と思いました。
Posted by ブクログ
奥田英朗さんは初読みの作家さん。
『家日和』
いろんな家族の肖像が心にじんわりと温かく響いてくる短編集
どの話も全く異なるシチュエーションなのに、身近に感じられる家族の情景がしっかりと描かれていて、穏やかな余韻を感じさせる終わり方が秀悦だった。
巻末の益田ミリさんによる「解説」ならぬ「鑑賞」も意表を突いていて味わい深かった。
収録は以下の6編
簡単な内容と感想
「サニーデイ」
専業主婦紀子がネットオークションに嵌っていく様子が微笑ましい一方、危なっかしい。
でも素敵なご主人と子供達が傍にいる事に気付けてホッとした。皆さん、くれぐれも所有者の許可なく物品を売り捌くことのないように気をつけましょう!笑
「ここが青山」
作中何度もでてくる台詞
「パパの会社トウサンしたんだよ」
「人間(ジンカン)至る処青山(セイザン)在り」
根強いジェンダー意識の世間体に屈することなく専業主夫になる夫と復職する妻のお話。まさにここが青山!息子とのブロッコリーに纏わる奮闘劇もホッコリした。価値観なんて夫婦で分かり合えれば万事うまく行くのかもしれない。
「家においでよ」
金のない独身時代には実現しなかった「男の王国」を妻と別居してから着々と築いていく主人公の正春
多くの既婚男性の本音が垣間見れて微笑ましい。
マイホームは「女の城」とばかりに拘りを見せる妻たちも、たまには亭主の居心地の良さも考えた方がいいという作者のメッセージを感じた。
「グレープフルーツ・モンスター」
専業主婦で家に籠った主婦が、筋肉質で柑橘系の香水つけた若い男性相手にこんな妄想を抱いているなんて・・・
自由自在に夢を操れる力も凄い。
むしろ彼女が妄想モンスターだと思った。
訪問先にこんな主婦がいたらちょっと怖いな。
「夫とカーテン」
根っからの営業マンの栄一の猪突猛進が止まらない。
型破りで奔放で人懐っこい栄一に魅せられながらも、自分の夫にはご遠慮願いたい笑
妻の春代は四の五の言っても、栄一のことを心底大切にしてるんだろう。お互い相手に尊敬出来る部分があるってやっぱり素敵だ。
「妻と玄米御飯」
ロハスに嵌る妻と、その様子をユーモア小説で描きたい小説家の夫のお話
おもろいなぁ〜。描いて世に出せば妻との関係悪化は免れない。果たして夫が選んだ答えとは・・・
そういえば、ロハスってどこ行った?笑
特に印象的だったのは、
「ここが青山」「家においでよ」
「妻と玄米御飯」の3話
でもどれもいいお話だった♪
Posted by ブクログ
6作品収録の短編集
いろいろな家族の物語でした
そのいずれもが楽しめました
もしかしたらどこかにいるかもと思わないでもない
ような家族の日常を描いているんだろうけど
それがまたよくてなんかたまににやにやしてました
Posted by ブクログ
心理描写や行動、温かさが実在している人物・家族のようで読んでいてほっこりする。「妻と玄米御飯」は主人公が小説家だが、奥田英朗自身に近かったりするのだろうか?笑。どの話もヒヤヒヤする場面はあれどとてもいい結末で、全てを語らない終わり方が潔くて気持ち良い。余韻を大切にしてくれているから温かさが残ります。
この本を手に取ったのはたまたまフリマアプリでセット売りにされてて、作家も作品も知らなかった。「家日和」というタイトル名とレビューで温かくて面白いとあったから。ただでさえ読みたい本が超山積みなのに新たな作家との出会いでまたまた忙しくなります 笑。
鑑賞/益田ミリの四コマ的なイラストも奥田英朗をもっと知りたいと思わせる、いいアクセントになっていました。
Posted by ブクログ
『これヤバいんじゃない?』と思わせる状況を描かれているのに、なんだかユーモアに溢れていて主義主張が違う人たちも、そのまま認められている感じで、読んでて幸せな気分になった。
相手を認めるって、好きになることだと勘違いしがちな私にとって、認めているけど嫌いっていう状態もいいんだなと思えて嬉しくなった。
奥田さんの本は元気になれるから好き!
Posted by ブクログ
奥田英朗さんの家族小説はいくつか読んだが、本作もやはり良かった。
「妻と玄米御飯」はもしかすると奥田英朗さんご自身のことを書かれているのかな?とふと思った。
益田ミリさんのマンガも巻末にあり、奥田英朗さんとの意外な繋がりに驚いた。
そして益田ミリさんも大好きな作家さんなので、思わぬコラボで嬉しかった。
読み終えてから気付いたが、本作で柴田錬三郎賞を受賞されているそう。
奥田英朗さんの未読作品も、この夏沢山読みたいと思う。
Posted by ブクログ
リバーからの奥田さん2作目。
なんだか、可愛い主人公たち。(とはいっても。30歳後半から40歳前半の方々)
なんか優しい人たちで、ほっこり。
「妻と玄米御飯」は最後の一行に、ほっこりした。
夫とカーテンなんて、転々と職を変える旦那さんに「いないと寂しい」と離婚は考えない。すごいなぁ~。
ここに出てくる夫婦は、お互いを思いやっている感じが素敵。
穏やかな一冊だった。
Posted by ブクログ
短編集だったか〜!
誰かのお勧めだった気がして読んでみた、けど、
短編集だったか〜!
(短編集も悪くはないけど今の気分じゃなかった)
奥田英朗さんの作品は前に夢中で読んだ記憶あって、
でもどの作品でどんな話だったかが全然記憶なくて、
また絶対にきちんと読みたいと思ってはいた、けど、
短編集…以下略。笑
しかも今の自分のモードに、あまりハマらないような、
家族や、日常をテーマとしたユーモアと毒のある物語。
いや「家日和」て題名から察しろよ自分て感じだね苦笑。
でも面白く読めたので、お勧めじゃないわけじゃない笑。
1.サニーデイ************************************
ネットオークションに出会った専業主婦の紀子は、
「出品する楽しみ」にハマり、次第にエスカレートしていく。
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わかるわかるー!と思いながら読んだ。怒られちゃう。笑
最後のオチなんか、同じようなことしたよ私…と思ったり。
2.ここが青山(せいざん) *************************
会社倒産で主夫になった裕輔は、周囲の声に戸惑いつつも
家事や育児に穏やかに向き合っていく。
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夫婦関係が素敵。奥さん肝が座ってて器が広くて格好良い。
お互いが無理せず、世間の目を気にせず、頑張って欲しい。
3.家においでよ**********************************
妻と別居することになった正春は、自宅を好きに再構築し、
同僚達も訪れる居心地の良い秘密基地へと変貌させていく。
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わかる。私も同居解消し広い家に一人になった時に、
言いようのない開放感を味わったことある。結末も良い。
4.グレープフルーツ・モンスター*****************
内職中の主婦は、若くて不躾な営業マンに妙な興味を持ち、奇妙な夢を見るようになる。エロティクスとユーモアと。
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ねえ!!破廉恥奥さん!!!笑 でも全部妄想!夢!!笑
もうこんな奥さん怖いよ!!キモイよ!!でも笑える!!
5.夫とカーテン**********************************
イラストレーターの妻と、突如カーテン屋を起業する夫。
「しっかり者の妻×無鉄砲な夫」のユーモアとハートフル。
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おいこんな夫、私は許せんぞ!でもキャラてあるからね。
あと相性も。二人はこれでベストバランスなんだろうね。
6.妻と玄米御飯**********************************
小説家の康夫と、その妻ほ里美、双子の子供達の一家。
里美が“ロハス”に傾倒し、家族の価値観や日常は変化する。
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無理無理キツい。子供達可哀想。夫、優しいって!!
最後も「してやったり」感のある妻、私はイラつくぜ。
クスッと笑えたり、イラッとしたり、モヤッとしたり。
シニカルで、ユーモラスで、ハートフルな、家族の話。
Posted by ブクログ
短編集でとても読みやすかったです。いろいろな事例があり、飽きずに読み進めることができます。特に大きな事件が起こらない物語などもあり、日常の小さな浮き沈みをよく捉えて描かれています。
読んだ後に自分の日常が少し愛おしくなる一冊。
Posted by ブクログ
いつもはミステリーを読みことが多いけど、面白い一冊だった。
すごい山場があるわけではないけど、淡々とした日常が物語りになっていてさらっと読める!
Posted by ブクログ
奥田英朗さんのユーモアたっぷりの小説。面白かった。あとがきの益田ミリさんの漫画がとても心に残って、ミリさんと奥田さんの関係が素敵だなと思った。