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青年安兵衛
青雲の志を抱いて、中山安兵衛は、生まれ故郷の越後・新発田から江戸へ向かうが、ひとり巡礼の旅をする美少女・お世津が女衒の権六に襲われたのを助けると、江戸まで一緒に旅ををすることになった。高田馬場の18人斬りで有名な決闘、血気盛んな安兵衛の無事を願うお世津のひたむきな恋心……。映画化もされた傑作。 -
青春峠
幕末の世、戸田の渡し近くで、一人の若い浪人が、近くの名主の老人と出会う。時も時だけに、尊王攘夷に命を懸ける浪人たち、またそれを口実にタカリを働くような不逞の輩も多くいた。二人が意気投合し、一緒に歩いていると……。江戸の道場で修行に励む若き浪人の姿を描いた傑作。 -
青雲の鬼
遠州は浜松の浪人・早水東吾は、遊び人ふうの捨吉、深川の岡っ引の娘・お袖と、江戸に向かっていた。旅の途中で覆面の剣客たちに襲われた旗本の娘・千鳥を救い出し、その後同行し小田原まで行くが、彼女の父の松浦石見守は暗殺されていた。後妻の父親で組下与力の石垣綱右衛門が天草屋と結託し悪事に手を出していると聞き、その暗殺の謎を追い、4人は江戸に入ると……。映画化もされた傑作。 -
江戸の虹
時は幕末。米問屋近江屋の娘で主のお蘭は、男まさりの商売人で肝が据わっている。江戸へ向かう途中で、幕府の歩兵を名乗り官軍を見つけるというタカリの者とも堂々とやりあい、挙句のはてには六連発銃まで出して追い払った。そこに居合わせた志賀仙三郎は助けに入り、二人は出会い……。幕末両派の暗躍と争闘を描く傑作長編。<上下巻> -
江戸の朝風
難破して無人島で死んだ7人の仲間に頼まれて、7人の人間を探すために、大枚の金子を懐中に江戸へ出て来た海の男・黒潮太郎は、第一の尋ね人・お弓に会うため浅草へ出たが、そこで不思議な女占師・天明堂白蘭に会い、第一の尋ね人の手がかりを掴んだ。白蘭と、浅草で知り合ったおとぼけ仙太との助けで、数々の危難をくぐりぬけてゆく黒潮太郎。長編時代小説。 -
元禄いろは硯
誰もがご存じ、殿中、松の廊下での刃傷事件。江戸屋敷は引き渡しとなり、赤穂でも大変な事態が起きていた。そして時は過ぎ、吉良邸への討ち入り……。時代小説の第一人者が描く、赤穂浪士の物語。 -
鉄火奉行
現将軍派の頭領、老中・水野越前は、大御所派に属する遠山左衛門尉を失脚させ、自派の鳥居忠耀を奉行職に就かせようと画策し、兇悪五人組の召捕りに、ひと月の日限を切った。しかし、金さん自ら張込む陣頭指揮、町方躍起の探索にもかかわらず、連日市中を荒し回る傍若無人ぶりに、就任当時は江戸市民に人気のよかった金さんにも、「あんまり当てにならねえな」と、非難の声が起こり出した。窮地に立つ金さん! そして、仲秋8月15日、深川八幡祭りの夜、意外な事件が突発した。御家人くずれの馬場陣十郎に行手を阻まれた遊人風の男を見て、笠井小平太は思わず叫んだ。「あっ、親玉が危い!」……。 -
青空剣法
曽我平九郎は、たとえ貧乏でも浪人暮らしが性に合うという。しかし、剣の腕も立つし、情にも厚い。長屋の隣人に紹介されて質屋の深夜番に雇われたことで……。時代小説の名手による名作。続編『曽我平九郎』とともに。 -
人魚鬼 若さま侍捕物手帖の内
超美貌の姫の不老不死を願って、人魚の棲む南の孤島への渡航という奸計が進む中、悪と善、美女と剣客が入り乱れての、ファンタジーの味も加味された一大活劇――推理の第一人者・若さま、バテレンの怪医師・江川了巴、絶世の美人・うつぼ姫、姫を守る武芸者・小森新太郎、辰巳芸者・おさい、巡礼姿の娘、了巴に反対する岳庵と浪人の群れ……。不老不死の人魚島探検をめぐる大陰謀のメロドラマは、読者を誘って不可思議の魅力を満喫せしめる! エンターテインメント長篇小説。 -
紅顔夜叉
拝領物の短刀を持ち出し、主君を脅迫する国老・鬼頭。この鬼頭一派に挑戦して国許へ赴く、当主の妹君・百合姫の旅姿。美少年・新宮百合太郎が東海道に一歩踏み出したとたん、その後を追う小悪党・彫虎、不気味な浪人・のら旦那、つきまとう美人道中師・御守殿お兼。そして早くも、高輪大木戸に、百合姫を待伏せていた国老・鬼頭一味……。東海道から笹山へ、繰り展げられる虚々実々の戦い。 -
巷説水戸黄門
水戸光圀は、63歳で家督を養子にゆずり、水戸の西山荘へ隠退した。天下の副将軍として30年、非常に惜しまれてのことであった……。お馴染み、ご隠居・水戸黄門さまの、水戸での、そして道中・旅先での姿を、時代小説の第一人者が描いた傑作。 -
浪人市場シリーズ
江戸南町奉行・矢部駿河守が、老中・水野越前守の懐刀・鳥居耀三の奸策で、奉行職を罷免された天保12年の暮、御側御用人・堀大和守の公用人・黒川内記と結ぶ豪商・佐原屋九郎兵衛の毒牙をのがれたお美也を救った大川忠介が、極道ぞろいのはだか長屋に住んだことから、剣難女難の絵巻となる。忠介に助けられた鉄火姐御・お照と材木問屋の女主人・お杉の恋の鞘当てと、佐原屋配下の町道場の殺し屋剣客たちの物凄さ。世に謂う水野の天保改革を背景に、矢部直系の隠密をやめた一介の素浪人に対する鳥居新奉行の執拗な探索と、これに敢然と正義の戦いを挑む大川忠介の虚々実々のかけひき……。<全8巻> -
七姫伝奇
松平右京大夫は小藩ながら、内実は豊かな財政を誇っている。その松平家の世嗣ぎ3人が、相次いで怪死した。どうも右京大夫の腹違いの妹・七姫の、7匹の愛猫のたたりらしい。若さま侍は、娘手妻の幻術師・おしの、七姫の寵愛をうける剣士・堀平四郎らの助けをえて、事件の真相に迫って行く……。怪猫と幻術師、術師と術師の妖幻なまでの闘いを迫力ある筆致で織りなし、猫を使ってのお家乗取りという謎の真相をうきあがらせる世界は、まさにこの作者独自のものである。ご存知長編「若さま侍捕物手帖」のうち。 -
江戸の暴れん坊
鳶太郎は旅に出た。「蛮社の獄」で身辺に危険が迫ったので、崋山・長英らのすすめで、しばらく難を避けようと、家督を弟にゆずり、住みなれた江戸をあとにした。両国の骨つぎ・名倉の門弟を名乗り、股旅姿の身軽なひとり旅……のつもりであった。 高輪の大木戸を出ると、鳶太郎を待ちうけていたのが、年の頃なら19かはたち、ひどくあか抜けのしたお侠な下町っ子・お夏、次いで六郷の渡しで供に加わったのが、度胸と足が自慢の木更津屋佐平。さて、三人旅の行手に次々起こる剣難女難。鮮やかな鳶太郎の秘剣が舞って、胸のすくような、山手文学十八番の娯楽大作! -
弓削道鏡
河内国弓削ノ邑に住む貧しい鷹の羽取りの青年・道鏡は、馬の化身かと疑われるほどの肉体のために、村の娘にも相手にされなかった。弟の浄人が恋人を抱くのを垣間見るにつけ、道鏡は懊悩した。そして憤りは野心に変った。彼は家を出奔した。都大路で若く美しい皇女のお姿を拝した。思えば、後に女帝の御寵愛を一身に集め、空前絶後の権勢をふるった怪僧・道鏡の第一歩はここにあった。 -
隠密三国志
浪人・古賀新三郎と神田連雀町の小料理屋・松葉屋のお葉は、尼ヶ崎藩・松平家の家老・鷲尾刑部の奸策にかかり、隠れ切支丹の汚名をきせられ毒殺された天野屋浪右衛門の遺族と誤解されて、黒い剣風に襲われる。天野屋の埋蔵金100万両の行方を追って、江戸を舞台に、老中・稲垣伊勢守の放った公儀隠密・黒住鬼堂とその一党、鷲尾党の総帥・大倉玄蕃の率いる7人の忍者と、天野屋の娘・千鳥を擁して復讐に燃える天狗党の、三つ巴の乱戦の中に捲き込まれた。古賀新三郎に近づく謎の男・伊太吉に、新三郎とお葉の安否を気づかい、探索の眼を光らす八丁堀同心・清川一馬の活躍……。謎は謎をよぶ、異色時代長篇。 -
わんぱく公子
わんぱく公子とは、浜町に棄て扶持・五千石の気儘な生活をしている、松平鶴七郎のことである。江川坦庵について西洋流の砲術を、小野派一刀流の浅利又七郎に剣をまなんで、滅法強いが、将軍家御連枝だけに世上の事にはうとい。泥棒のかくし金を探し出す名人が、それを助けて活躍する。わんぱく公子・鶴七郎と忍者とのやりとりなど、これが家斉将軍の子かと思うほどだが、尾州家の駄々姫にはコロリとまいる。金子調達を依頼する棚倉屋の娘誘拐を解決したり、大衆文芸の独擅場ともいうべきお家騒動を中心に展開する道中記のおもしろさは、この作者ならではの時代明朗小説。 -
のっそりと参上
お香の人相をひと目みた易者の天運堂は、「あんたは“帝王の星を持った女”だ。しかし盗難の相がある」と言った。江戸は日本橋堀留の材木問屋の女主人で、鳶の頭と番頭を供に江戸へ戻る途上……。そのお香が、高崎城下のはずれで、旅の浪人・浅香八百太郎と道連れになった。一見茫洋としているが、江戸前の年増盛りで、娘時代には日本橋小町と謳われたほどの美人のお香が、ほれぼれするような男ぶり。お香の女心は、次第に八百太郎に傾いていった。さて、お香の胴巻と美しい身体を狙って出現した怪盗・稲妻小僧と旅人やくざ・杉次郎、そして悪旗本の頼光組。正義の味方・八百太郎の活躍は!? -
おこま
二十歳になるおこまは、15年ほど前にさらわれてきて、スリの姉御にあずけられ、一人前のスリに育て上げられた。そして今日、親分から一人ずつ女の子を手渡された。今度はおこまがその子を育てろ、ということであった……。江戸に住む女スリを描いた傑作長編。 -
又四郎行状記
この「又四郎行状記」は、「鬼姫しぐれ」「美女峠」「又四郎笠」の3部作からなり、戦後の時代小説不遇の折に「夢介千両みやげ」とともに時代小説のエポック・メーキングとなった、山手文学の代表作。剣をとっては滅法つよいが、絶対に人を斬らない笹井又四郎、じつは松平和泉守の若君・源三郎が、深川で辰巳芸者お艶姐さんを助けたばっかりに、養子先の磐城平7万石・内藤丹後守のお家騒動にまきこまれる。多恵姫を育てた国家老・内藤治部右衛門と、八重姫を擁して起つ江戸家老・大島刑部の対立は、江戸と国許の道中双六に正邪入り乱れて暗雲をよび、茫洋とした風貌に似合わぬ又四郎の大活躍! <上下巻> -
放れ鷹日記
高崎藩・松井家の新当主の迫姦におびえる先君・河内守の後室・お美世の方に近づき、古河藩・土肥家の家名に傷のつかぬよう処置する密命を帯びた峰村鷹之助は、大名同士の複雑で陰湿な関係を知り、悲壮な決意で高崎へ潜入する。切り髪屋敷に下郎奉公した彼は、名倉の療法でお美世の方の寵愛をうけ、露の命を後室との痴情にふけるが、使命と愛情の板挾みになやむとき、運命は皮肉にもお美世の方を乳母の手で死なせる。放れ鷹の境涯におちた鷹之助は、危難をさけた街道で道連れとなった江戸娘・お光と新生活の夢をひろげる……。巨匠・山手樹一郎の新傾向をしめす問題長篇。 -
天を行く女 若さま侍捕物手帖
将軍家の寝所に夜毎現れる白い影……若さま登場して姿なき賊に挑戦――ヨガ念術の両派、友成・阿羅目の宗家争いを探り出した若さまは、念術者の巣窟を求めて単身、甲州の山深く入りこんで行ったが……。怪奇な念術者の行と生活。人間を超脱しようとして超脱できず、若さまへの恋に悩む女念術者・おゆう。若さま侍捕物手帖の長篇異色作。 -
千姫春秋記
千姫は、祖父・家康の命のままに、豊臣秀頼に嫁いだ。そして大坂夏の陣。秀頼は城と共に滅び、千姫は炎の中を助けられた。心ならずも永らえた千姫は、様々の想いを秘め、再び祖父の意に従って本多忠刻の妻となった。美男の忠刻に彼女は、かりそめの幸せを託したが、秀頼の旧臣・菅野長三郎に再会したことから、姫路城での千姫の春秋に秘密の翳がさすようになった。忠刻に死別した千姫は、江戸に帰った。やがて美しい女主人の住む竹橋御殿は、妖しい噂につつまれて行った……。数奇な運命を生きた美女・千姫の、嫋やかな肉体にすむ官能の妖しさと、孤独な愛の姿を描いた長編。 -
旋風に告げよ
海賊王と日本女性との間に生まれた鄭成功は、崩れゆく明王朝のために、若い情熱を燃やす――福建の海の実力者・鄭芝竜を父に、日本女性を母にして、長崎で生まれた鄭成功は、父ともども明朝復興のためにたたかう。折しも中国大陸は、弱体化した漢民族の王朝(明朝)が叛乱軍にかき乱され、その混乱の機に、北から満洲族の侵攻を許し清朝が誕生しようとしていた。鄭芝竜は投降するが、大目標へ若い情熱を燃やす鄭成功の気力は衰えない。強力な水軍を率いて、ついには清朝とオランダから台湾を解放する。水軍の若き将である鄭成功の前途は? 国姓爺こと英雄・鄭成功の劇的な生涯を描く歴史ロマン巨篇。<上下巻> -
江戸の御庭番
【待望の新シリーズ、堂々開幕!】 昼は婿殿、夜は凄腕隠密。 「秋山久蔵御用控」「新・知らぬが半兵衛手控帖」の著者入魂、これぞ忍者時代活劇! 江戸の隠密仕事専任の御庭番・倉沢家に婿入りした喬四郎。 着任早々、八代将軍徳川吉宗から、神田に現れた盗賊・牛頭馬頭の始末を命じられる。 嫁の佐奈と仮祝言を上げたのも束の間、喬四郎は探索に乗り出した。 盗賊の隠れ家はなんと武家屋敷。 背後に潜む者を感じた喬四郎は、次の押し込み先で盗賊頭の義十をわざと逃がし、真相を曝くために後を追うが、 義十は謎の武士に斬られてしまう――。 息を呑む展開とアクション。 時代劇の醍醐味が詰まった新シリーズ、堂々開幕! -
これが真相! 光秀と盟友細川藤孝が知る「本能寺の変」
明智光秀と盟友細川藤孝の視点で「本能寺の変」をまるごと明らかにした、変の通説・新説、読者もひっくり返る上中下の三巻。 「神君伊賀越え」の一行に三河一向一揆の武将が多く、本多正信・鳥居元忠がいない謎。自筆本『信長公記』の改竄とその目的。連歌と源氏物語の繋がりや愛宕山と光秀・藤孝・島津家・朝廷・本願寺・徳川家の深い関係。また光秀天海説では、天海の関与した建造物に、必ず左甚五郎の彫物があるという謎など、多くのテーマを満載し究明した書。 -
大正野球娘。
男子に野球で挑む、名門女子校のモガ9人! 時は、大正十四年七月――。 東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅は、洋食屋《すず川》の一人娘で、十四歳。 ある日突然、級友の小笠原晶子に、「一緒に野球をしていただきたいの!」と誘われた!? 親が貿易を営む御令嬢の威厳に圧され、思わず頷いてしまう小梅……。 野球がどんなものかをまったく知らないのに! どうやら、小笠原家のパーティーに出席していた、朝香中学の岩崎荘介に関係している模様。 しかも、晶子と荘介は、なにやら因縁があるらしく――。 なんとか、英語のアンナ先生から野球を教えてもらえることにはなったが、思わぬ壁が立ちはだかって。 大正モガが、野球にグルメにと、ハイカラな時代を奔り回る、シリーズ第一弾! -
女性兵士
話題作『戦場のハローワーク』の著者が贈る、「戦いに魅せられた女」たちとの濃密で壮絶な日々の記録――16歳のニカラグア女性高射砲部隊リーダー、元ミス・クロアチア、セルビアの狙撃兵姉妹……彼女たちはなぜ兵士になったのか? 軍事好きが高じて戦場ジャーナリストとなり、紛争地域を渡り歩いてきた著者が、戦いに魅せられた女たちとの日々をつづる。濃密な戦場描写と冷静な観察眼が光るルポ。 <本書に登場する女性兵士たち> ●元ミス・クロアチアで愛国心にあふれるドブラフカ(クロアチア) ●女性高射砲部隊のリーダーで16歳のエスメラルダ軍曹(ニカラグア) ●ロシア包囲下で決死の戦いに身を投じた3人の美女(チェチェン) ●抜群のチームワークを誇る狙撃兵姉妹(セルビア) ほか -
モンゴルの残光
あの強大をほこったモンゴル帝国。もし、日本や西欧への進出が成功裡に終わっていたなら……。物語は、元が世界を支配する、ジンギスカン紀元811年に始まる。虐げられた白人の怒りは、激しい抵抗運動となり、主人公・シグルトは、白人支配の世界を創るべく、タイムマシンで時を駆ける。彼の眼前を滔々と流れる巨大な歴史の姿を、若々しい筆致で描く、著者の処女長篇。 -
おたみ海舟 恋仲
勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。 辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。 麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。 一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。 麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。 -
連合艦隊 大進撃~新・太平洋戦記2~
日本軍は勝利の美酒に酔いすぎていた。猛将・フレッチャー少将の米機動部隊は深い手傷を負いながらも猛反撃し、サンゴ海海戦は壮絶なる相打ちで終わった。ついでミッドウェイ決戦では山本五十六長官座乗の大和を先頭に、連合艦隊は総力戦に突入。だが、兵装転換にミスをした連合艦隊は、赤城を始め各艦に甚大な被害を受けた……。著者入魂の海戦大作第二巻。 -
平成の紫電改局地戦闘機
昭和20年、B29迎撃に飛び立った紫電改4機が、現代にタイムスリップした。新たな敵は、SVLF(南沙義勇解放軍)だ! アジアの火種・スプラトリー諸島を舞台に描かれる迫真の戦闘シーン! 世界の政治・軍事情勢に精通した著者が、“今”を冷静に分析し、大胆にシミュレート! これは、もはや、フィクションの世界のことだけではない。 -
幻の戦艦空母「信濃」沖縄突入
米軍が沖縄に大艦船を集結させ、上陸を開始。満身創痍の連合艦隊が乾坤一擲(けんこんいってき)の反攻を、戦艦大和を囮(おとり)として計画。主力は米潜水艦が撃沈したはずの超空母「信濃」。艦上にはミッドウェー以降の海戦で戦死者扱いのベテラン操縦士たちの護国軍神隊が搭乗する「紫電改」。手に汗握る感動のシミュレーション架空戦史。 -
もんなか紋三捕物帳
桃太郎が女岡っ引に!? 快刀乱麻を断つ捕物帳界の新ヒロイン誕生!大好評!もんなか紋三捕物帳シリーズ! 〈若君〉が町娘に姿を変えて江戸に巣食う鬼を成敗! 讃岐(さぬき)綾歌(あやうた)藩の若君・桃太郎、実は女である。役目の合間を縫って深川の呉服問屋のご隠居の姪っ子・桃(もも)香(か)に早変わり、十手持ちの紋三親分のもとで、事件に足を突っ込んでいる。仇討、島抜け、連続殺人……次々起こる事件の背後に隠れた鬼を成敗せんと、南町奉行・大岡越前や謎の老女〈花咲か婆さん〉も巻き込んでの大立ち回り!? 大好評痛快捕物帳。 -
砂子のなかより青き草 清少納言と中宮定子
美しいあの方のお傍に、恥じることなくいられるだけの強さが、ほしい―― 平安中期、時の帝の寵愛を受ける中宮(平安時代の皇后)定子に仕えることになったなき子(清少納言)。 当時としては「年増」と呼ばれる年齢になってから才を買われて宮中に入ったなき子だが、定子に瞬く間に魅了される。 華やかな宮廷で卑屈に縮こまっていたなき子の心をほぐしてくれた、眩いほどに美しい年下の主人。 「女が学をつけても良いことは何もない」といわれていた時代、共に息苦しさを感じていた定子と清少納言は強い絆で結ばれていくが、定子の父の死によって栄華を誇った一族は瞬く間に凋落していく……。 定子の兄・伊周との身分違いの恋に苦しむなき子、そして紫式部との因縁。 悲運の時代を描いた哀切にして美しい平安絵巻に仮託した、女性の自立の物語。 「わたくしたちがずっとその心を忘れなければ、女が役に就ける御世がきっと来る。この悔しさを、のちの世の女は味わわなくてすむようになる」 -
刃鉄の人
『風の市兵衛』の著者入魂! 書き下ろし時代小説、新シリーズ開幕! 鍛え抜かれた刃鉄のように純粋で強靱な、孤高の刀鍛冶・一戸前国包、見参! 時は元禄。 一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。 家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。 武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。 「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は――。 孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし新シリーズ第一弾! 解説・北上次郎 「もしいま、書店でこの文庫本を手にとって迷っているなら、『ちょっと面白いよ』と、あなたの耳元で囁きたい。ただいま、そんな気分である。」(解説より) ――文芸評論家 北上次郎氏
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