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北面の武士佐藤義清(のりきよ)は、決然と出家した。忘れ得ぬ女院への激しい恋を秘め、仏の救いを願いながら歌に執着する懊悩の日々。源平の争乱の世に歌一筋、草庵閑居と漂泊の旅。矛盾と相克の末に西行は、わが心ひとつがついに捕えきれないことを悟る。人間西行を描いて深い感動をよぶ、芸術選奨文部大臣賞受賞作。
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Posted by ブクログ
西行にかかわる人や場所、歴史の流れなど詳しく書かれている。他の文献の著者の説に反対や賛同の意見も多々述べてる。同じ出家者として、西行の出家の理由を推測しているのが興味深い。待賢門院璋子のことはその理由の一部でありすべてではない。出家に明確なひとつの理由はなく、何か不思議なものにそそのかされるようにし...続きを読むて出家した。若かったとはいえ、妻子もいながら、待賢門院璋子への一途な思いで出家したというのには無理があるように感じていたので、この説に納得した。
西行法師のことは、元武士で、若くして出家して、歌人として有名だという以外に、知る事は殆どなかったのですが、こうして同じ出家者の視点から見た西行というのも面白いですね。出家しても尚捨てられない西行の一途な恋は、人間的でもあり、現代人が見ても魅力的な人物だと思います。
若き日の西行、武士佐藤義清は女院への恋を秘め決然と出家した。矛盾と相克の末に西行は、わが心ひとつがついに捕えきれないことを悟る。この頃の常で姻戚関係がややこしく、??となりましたが、リアルな感情の機微を書く円熟した筆運びには感服しました。
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