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友情に応えて事件を解決
第1話「彩雲」は、立花平七郎が青春時代に剣術修行に励んだ頃の友人に係わる事件である。
上村左馬助と瀬尾鹿之助がその友人だが、それぞれが成人になり、鹿之助は下野国に帰り、黒金藩で藩主のお側で仕えていた。
この鹿之助に幾つもの不幸が降りかかるのである。御前試合で藩主の遠縁の富山伊一郎からいかさま試合を強要されるが、それを断り、勝利したことから不幸が始まる。その時以降、鹿之助は伊一郎から手酷く苛められる。結局、藩士の資格を取り上げられてしまい、浪人となって江戸で甲州屋の用心棒で生計を立てている。甲州屋が屋根船で武家のお客を接待したある時、宴席で諍いが起き、主が殺される。
その犯人として鹿之助が捕らえられて、小伝馬町送りにされた。
平七郎は、鹿之助の妻の依頼受けて探索を始め、やがて殺しの現場の目撃者が現れた。更に、鹿之助を現場から引き離した男、徳次を捕らえて無事鹿之助の無実を証した。
国元で鹿之助といざこざを起こした伊一郎こと、江戸では丹羽弥左衛門が甲州屋主を殺害したのだが、その罪を鹿之助に擦り付けようとしたのである。そして、鹿之助の不幸は未だ続き、丹羽とその一味に殺害されてしまった。
この物語の結末を読んで、すっきりと納得できたわけでは無い。
当時陰間と呼ばれたおかまの化粧品の辻売りから物語が始まる。男は強い者という観念があるが、おかまとは女のような優しさを持ち、少し病的な性質の者を感じるのだが・・・。それと伊一郎という人物のひがみや負けず嫌い、妬み強さは異常な程で、これは男の強さを極端にした性格でやはり病的なものであろう。
どちらも普通の性格ではない。鹿之助がその犠牲になったことは気の毒な思いがする。
黒金藩の内部の事件として、これを処分するのも止む無しと思えるが、江戸で起きた事件を秘密裏に処理しているようで、納得できない部分も残るのだ。友情に応えるという美しい話しで、鹿之助を牢から出した平七郎の活躍の部分までが、物語の中で至誠な事として印象に残った。
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小説・文芸
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