【感想・ネタバレ】麦湯の女 橋廻り同心・平七郎控のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年05月17日

内容(「BOOK」データベースより)
本所・法恩寺橋袂で麦湯屋をやっている器量よしの娘。奉行所が総力を上げて追う浪人は、必ずその娘と接触するはずだった。だが、そこに現われたのは吟味方与力の一色弥一郎。娘を見張っていた橋廻り同心立花平七郎は、娘と楽しげに語らう一色の姿から情報の漏洩を疑う。自らを犠牲に...続きを読むしてまで浪人を救おうとする娘のひたむきな想いとは…。待望の第九弾。

令和元年5月15日~17日

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友情に応えて事件を解決

2022年06月09日

第1話「彩雲」は、立花平七郎が青春時代に剣術修行に励んだ頃の友人に係わる事件である。
上村左馬助と瀬尾鹿之助がその友人だが、それぞれが成人になり、鹿之助は下野国に帰り、黒金藩で藩主のお側で仕えていた。
この鹿之助に幾つもの不幸が降りかかるのである。御前試合で藩主の遠縁の富山伊一郎からいかさま試合...続きを読むを強要されるが、それを断り、勝利したことから不幸が始まる。その時以降、鹿之助は伊一郎から手酷く苛められる。結局、藩士の資格を取り上げられてしまい、浪人となって江戸で甲州屋の用心棒で生計を立てている。甲州屋が屋根船で武家のお客を接待したある時、宴席で諍いが起き、主が殺される。
その犯人として鹿之助が捕らえられて、小伝馬町送りにされた。
平七郎は、鹿之助の妻の依頼受けて探索を始め、やがて殺しの現場の目撃者が現れた。更に、鹿之助を現場から引き離した男、徳次を捕らえて無事鹿之助の無実を証した。
国元で鹿之助といざこざを起こした伊一郎こと、江戸では丹羽弥左衛門が甲州屋主を殺害したのだが、その罪を鹿之助に擦り付けようとしたのである。そして、鹿之助の不幸は未だ続き、丹羽とその一味に殺害されてしまった。
この物語の結末を読んで、すっきりと納得できたわけでは無い。
当時陰間と呼ばれたおかまの化粧品の辻売りから物語が始まる。男は強い者という観念があるが、おかまとは女のような優しさを持ち、少し病的な性質の者を感じるのだが・・・。それと伊一郎という人物のひがみや負けず嫌い、妬み強さは異常な程で、これは男の強さを極端にした性格でやはり病的なものであろう。
どちらも普通の性格ではない。鹿之助がその犠牲になったことは気の毒な思いがする。
黒金藩の内部の事件として、これを処分するのも止む無しと思えるが、江戸で起きた事件を秘密裏に処理しているようで、納得できない部分も残るのだ。友情に応えるという美しい話しで、鹿之助を牢から出した平七郎の活躍の部分までが、物語の中で至誠な事として印象に残った。

#切ない #深い

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Posted by ブクログ 2022年08月27日

橋廻り同心・平七郎控 シリーズ9

当番寄力・一色弥一郎の失敗の責を背負わされ、平七郎は、閑職と言われる、橋廻りにされた。
しかし、奉行・榊原主計頭忠之から「歩く目安箱」
としての密命を受けている。

《彩雲》
かつて、千葉道場で、一緒に稽古に励み、青雲の志をぶつけあった仲の、瀬尾鹿之助が、人殺しの...続きを読む容疑で取り調べを受けていると聞いた、平七郎は、もう一人の道場仲間・左馬助と、鹿之助の無実を暴く。

《麦湯の女》
切り放ちで、戻って来ない、科人・沢木富三郎を探して、麦湯屋をしている、昔馴染みの娘・お馬を見張ってると、何と、そこに現れたのは、吟味方与力・一色弥一郎だった。お馬と楽しげにしている一色を見て、情報漏洩を疑う。

《迎え松》
石川島の人足寄場から、放免になった、栄次郎を、昔馴染みの悪友から救い、真っ当な人生を送れるように、尽力する、平七郎達の活躍。

平七郎と一緒に、橋廻りをしている、秀太が、平七郎を段々尊敬しだした様子が、伺える。

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Posted by ブクログ 2011年03月20日

第九弾
何か、久しぶりに読むが意外と登場人物を覚えている。取り上げて感じることも大きくはないが、短編三話心地よく収まっている。

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