歴史・時代作品一覧

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  • ジロキチ 新説鼠伝
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    時は文政。庶民には倹約を強い、己は贅沢三昧の将軍・家斉の治世に、救世主のごとく現れた一人の盗人―次郎吉。実は、盗んだ金子を誤って長屋にばら撒いたことから、英雄視されるハメになってしまったのだ。ケチで女好き、でも、どこか憎めないこの男、いったい何故盗むのか―!?新たな解釈で蘇った“鼠小僧”の活躍がここに!!
  • 青志郎秘拳帖 夢の仇路
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    寛政の改革の後、五島列島のはずれの島で、母の手ひとつで武士の子として育てられた青志郎は不思議な老人と出会い、獣拳道(じゅーくんどー)という秘拳の修行に明け暮れていた。そんな日々に突然訪れた母の死。遺言に従い、夢を探すために旅立った彼が命を救った謎の女とともに徒手空拳で立ち向かう先は…。純情青年時代小説。
  • つくもがみ艶香
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    黒船来航以来、日本中が大きく揺れ動く安政六年。人々が先の見えぬ変転に苛立つなか、最下級の御家人・島尾信二郎は旗本の息子たちにいじめられる日々だった。ある日、いつものように六百石新番組頭の息子・柴崎竜太郎から暴行を受け、脇差の鞘を割ってしまった信二郎だったが、刀屋の娘・真紀の親切によって代わりの鞘を得ることに。実はこの鞘、九十九神・沙耶が宿るあやかしの鞘。沙耶の力を貰い、女運と剣の技を身につけた信二郎は、講武所の勝海舟に認められ、遣米使節団に大抜擢。出世への道を歩みだすのだが……。大人気書下ろし時代官能シリーズ第五弾・完結編!
  • 流星刀しのび恋
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    内藤新宿の本屋『東西屋』に勤める夕吉は、下総生まれの百姓の末っ子。江戸で奉公を始めて三年になる十八歳だ。夕吉は手習いの頃から学問が好きで、読み書き算盤はもとより、読み物が何より大好き。そして中でも、不思議な話に目がなかった。そんな夕吉は、ある日、隣の空き家で二百四十年先から来たという謎の女刀鍛冶・美百合と出会う。怪異も畏れず、美百合から流れ星の隕石で作った「冥王丸」という脇差を預かった夕吉。女将に頼まれて、喘息が快癒したという『東西屋』の娘・多恵を迎えに療養先の鎌倉に迎えに行くことになった夕吉だったが、そこで彼を待っていたのは!? 好評江戸あやし官能シリーズ第三弾。
  • 江戸ねこ捜査網
    3.0
    化け猫騒動で知られる鍋島藩の末裔、今は江戸で暮らす鍋島通茂は25歳だが総白髪、人嫌いの変わり者で知られる。しかし彼には猫の言葉を解する能力があり、「猫のため」様々な難事件に立ち向かう!
  • つくもがみ蜜楽
    5.0
    文政十年正月四日の夜半、日本橋葺屋町で生じた火災は、江戸市中の多くを焼く大火となった。焼け出された上州屋の菓子職人・余七は、焼け跡の瓦礫の中から一振りの刀を拾う。それは鞘の九十九神・沙耶が宿るあやかしの脇差だった……。沙耶との情交によって不思議な力を得た余七は、浜町の割堀で、破落戸どもに拐課されそうになっている娘を救う。娘は沢部藩三万石藩主の娘・春香。焼けた上屋敷から逃げる途中、災難に遭ったのだという。このところ町中で、春香のような生娘を狙う拐かしが行われているという噂を聞いた余七は、春香のお付きである女剣士・香織とともに、裏に潜む黒幕を探る探索に乗り出すが…。好評シリーズ第四弾!
  • 三匹の守役
    -
    某藩江戸勤めの武士。生真面目な青年、遊び人の男、目立たぬ中年男の取り柄のない3人が、世継ぎ問題で命を狙われているとの噂もある側室の子を隠れ育てる任を受けるが問題続出。イクメン侍奮闘記!
  • 流星刀ぬめり花
    -
    病弱だった藩主の娘・小夜姫の危篤を知らされ、蘭方修学のため留学していた長崎から急遽江戸藩邸に戻ることになった長塚藩の下級武士・浅見順吾。だが、途中数人の山賊に襲われ、逃げるうちに迷い込んだのは青梅の山中だった。そこで出会ったのは、二百六十年先の世から来たという謎の女刀鍛冶・美百合。事情を聞いた美百合は、流れ星の隕鉄で作られた[冥王丸]と、和合によって授けられる人智を超えた力を順吾に与えてくれた。流星刀の妖力に導かれ、小夜姫の命を救った順吾。だが、本復までの治療を続けるうち、姫にせがまれた順吾はついに一線を越えてしまう。さらに、主君の正室・和泉までも娘の恩人である順吾に執着して……。好評シリーズ第二弾!
  • 流星刀みだら蜜
    -
    関ヶ原の合戦で西軍に与したため家康の追及を受け、国許から逃れた常陸国麻生藩の真奈姫と数名の家臣たち。逃亡のさなか一行とはぐれた雑兵の山中耕太は、武蔵国青梅の山中で不思議な女と出会う。山小屋で刀を打つ彼女は不思議なからくりを使い、類いまれな剣技をもつ神仙のような美少女だった。美百合と名乗った少女から流星刀[冥王丸]と妖しい力を授かった耕太は姫たちと再会し、お家再興の道をめざす。そんな耕汰に手を貸す美百合だが、はたしてその正体は?耕太は彼女の不思議な力と美貌に惹かれるが、一方で真奈姫に藩の跡取りを産ませるという大役を仰せつかって…。待望の江戸あやし官能、新シリーズスタート!
  • 月下におくる(上) 沖田総司青春録
    4.0
    嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、試衛館の内弟子となる。並外れた才で頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる頃、相次いで少年殺しが横行する。魔の手は宗次郎の知己・藤吉にも及ぶ。道場でいくら強くても、友の仇一つとれない……。葛藤は宗次郎の青春に影をおとす。十九歳になった宗次郎は名を総司と変える。尊王攘夷の思想が時代を動かす中、試衛館の面々は浪士隊として京を目指す転機を迎える。
  • つくもがみ爛辱
    -
    小塚伊十郎は父の後を継ぎ、将軍家の甲冑を管理修理する具足奉行を拝命したばかり。そんな伊十郎が、初めて入った具足蔵の鎧櫃の中で見つけたのは女物の鏡だった。それは、神君家康の正室・朝日姫の心を宿した魔鏡で、鏡の邪気に操られた伊十郎は、上役である留守居の娘・桔梗を凌辱してしまう。下級旗本である伊十郎の狼藉が知れれば切腹もの。だが、そんな伊十郎の窮地を救ったのは、ひょんなことから手に入れた脇差の鞘に宿る九十九神の沙耶だった。  魔鏡の正体をつかみ、その力を封印すべく埋葬しようとする伊十郎たち。だがその矢先、鏡は何ものかに盗まれ。直後から、武家娘が手籠めにされる事件が立て続けに起こった! 大好評シリーズ第三弾!
  • ご隠居さん
    3.3
    「軍鶏侍」の野口卓、渾身の書き下ろし! 腕利きの鏡磨ぎ師の梟助じいさん。江戸に暮らす人たちの家に入り込み、おもしろい話を披露して、ときには事件を鮮やかに解決します。
  • 夢も定かに
    4.0
    聖武天皇の御世、後宮で働くべく阿波国から上京してきた若子。同室になった姉御肌の笠女、魔性の春世ともども暮らす宮中は、色と権謀の騒動続きで……。仕事に意地をかけ、乙女心に揺れ、人知れぬ野望を育む先に何が待つ? 平城京を蔭で支えた女官たちをいきいき描く宮廷青春小説!
  • 笛吹川 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    老母の暮らす郷里に帰った、出入り医師の下男・新次郎が、小仏峠で追い剥ぎに遭い、だるま屋に戻って来た。雪隠から忽然と消えた、料理屋の主の神隠し騒ぎを見届けている伊織は、出所不明の景徳鎮が、二つの事件を繋ぐ鍵だと察知する。氾濫した笛吹川に別たれた、不遇の兄弟。哀しき邂逅を描く文庫書下ろし第七弾。
  • 番付屋小平太
    -
    深津小平太は、旗本の三男坊だが、火盗改の父親との折り合いが悪く家を飛び出した。幼馴染みの版元に言いくるめられて、番付屋を始める。江戸で大流行(はや)りの番付表。浮き世の陰に隠された人情の機微を織り込んだ小平太の番付は、相手に覚られないように潜り込んで内情をつかんだものだった。今日も小平太は、辛口の江戸っ子を唸らせるため花魁(おいらん)や火消しの番付調べに余念がない。
  • 覇王の海 海将九鬼嘉隆
    -
    永禄8(1565)年7月、波切(なぎり)大王の海城を逐われた23歳の九鬼嘉隆は、まだ明けきらぬ伊勢海に血走った目をぎらつかせていた。敵対する千余の志摩地頭軍に砦を囲まれ、暗夜の海を逃げてきたのだ。だが、ただ逃げ出したのではない。嘉隆は、海をへだてた尾張国の当主、まだ見ぬ織田信長のもとに走り、世に出る機縁をつかもうとしていた。一介の志摩の海賊の身から日本水軍の大将にまで上り詰める九鬼嘉隆の凄絶な海の闘いを描く、海洋時代ロマン。
  • 五代友厚
    3.0
    NHK 朝の連ドラ「あさが来た」のヒロインの縁故者、薩摩藩の異色の開明派志士の生涯を描くオダサク異色の歴史小説。後年を描く「大阪の指導者」も収録する決定版。
  • 名将 山中鹿之助
    3.0
    山陽、山陰11カ国を支配した出雲の戦国大名・尼子氏は、台頭する毛利元就の圧迫を受け滅んだ。逃れた遺臣たちは、山中鹿之助を中心に主家再興を誓う。急成長する織田信長に接近した鹿之助は、羽柴秀吉の支援を取りつけることに成功するが…。それから160余年後の江戸中期、京都・大徳寺に人々が集い、鹿之助の末裔であることを公表した。その一族とは…? 戦国武将の意地と誇りはいかに引き継がれたか。傑作歴史長編。
  • たからもの 深川澪通り木戸番小屋
    4.8
    江戸・深川澪通りの木戸番小屋に住まう夫婦、笑兵衛とお捨。二人のもとには、困難な人生に苦しみ、挫けそうな心を抱えた人々が日々、訪れる。傷ついた心にそっと寄り添い、ふんわりと包み込む。その温かさに癒され、誰もが生きる力を取り戻していく。人生の機微をこまやかに描く、大人気シリーズの最終巻! 著者没後2年。ついに文庫刊行!
  • 封鎖海域(上)
    3.8
    三陸沖で中国軍人から救難依頼が舞い込んだ。海中に浮かんでいた彼らは記憶を失い、しかも何かに怯えている。自衛隊により近くに浮かぶ不審船の捜索が行われたが、海自の特警隊一個小隊が船内で何者かに襲われ全滅。そこで、存在自体が極秘の陸自特殊部隊《サイレント・コア》に敵殲滅の命が下り――!? ※ C★NOVELS『謎の沈没船を追え! 上』改題。
  • 斬ばらりん3 薩摩炎上編
    -
    最後のサムライが疾駆!幕末痛快活劇第3弾! 文久二年(1862年)、港には諸外国の軍艦、攘夷や佐幕を声に志士たちは血気にはやっている時流。東海道は生麦村のはずれで、英国商人四名が島津久光率いる薩摩藩の行列と鉢合わせ殺傷された。現場近くから横浜の外国人居留地へ連行されたのは、土佐勤王党を脱藩した坂本龍馬、そして元薩摩藩の鉄炮指南・斬(しばし)善次郎とその妻子だった。英国人襲撃の疑いは晴れず、過激派の住民に殴打される善次郎。反撃に転じ、愛刀の剣先を銀髪の大男に突きつけたとき、善次郎の一子・爽が両手を広げて立ちはだかる。――刀をお納めください。われらは争ってはなりませぬ。  善次郎らは横浜から江戸に勝麟太郎(海舟)を訪ね、勝の名がレンズに浮かび上がる望眼鏡を差し出したところ、勝は故島津斉彬から預かったという懐中磁石を爽に託す。そこには一首の漢詩が彫りこまれていた。これが斉彬公からのメッセージなのか。善次郎は、勝が洩らした斉彬公の死に隠された真相を糺すべく、島流しにされたと噂の西郷吉之助(隆盛)へ書状を認めるが……。  くすぶる薩摩藩と英国との火種、爽を連れ長崎から戦地へ急ぐ善次郎。激動の時代を最後のサムライが疾駆する書き下ろし痛快幕末活劇第3弾。
  • くじら組
    3.4
    巨大クジラとの死闘に挑む! 土佐国室戸岬で威勢を誇った鯨組。深い智恵と高度な技を駆使して鯨を仕留める漁師集団である。嘉永六年、沖をはしる黒船を発見した鯨組に、幕府から召し出しの話が舞い込む。その栄誉の前に、仲間の命を奪った巨大マッコウクジラとの死闘が待っていた――。海の男たちの心意気、命がけの連係プレーに酔う、迫力に満ちた長篇時代小説。
  • 花晒し
    4.0
    元芸者の右京は、亡き夫の後を継いで広小路を仕切る元締となった。ある日、美人で評判の娘が行方知れずになり、数日後に家に戻っても引きこもってしまう、という出来事が続いていることを知り、調べを始めたが……(「花晒し」)。急逝した著者の最後の連作短編のほか、新人賞を受賞した幻のデビュー作を特別収録。
  • 塩谷隼人江戸活人剣 一 晴れの出稽古
    -
    尼崎藩江戸家老を長く勤めた塩谷隼人(しおやはやと)であったが、藩主松平忠告も死去。家中の落ち着きを待ち三回忌の後、ついに暇をもらい晴れて隠居の身となった。主家から離れた後の月々の暮らしを考えた隼人は、八丁堀に土地を借りて長屋を普請。しかしどうしたことか、店子がまったく集まらない。窮する隼人だが、尼崎藩や船宿『海ねこ』の面々に頼るわけにはいかぬ。職を求め、口入屋を訪ねるが……。
  • 武蔵と無二斎
    -
    宮本武蔵天下無双の二刀流ここに生まれる。  孤高の剣客・宮本武蔵。その生い立ちは苛烈きわまりないものであったことは、あまり知られていない。母親の愛を受けられず、父・無二斎に木刀で打ち据えられる日々。いつしか武蔵は人の心を無くしていった。しかし一方で剣の道では、そんな父との関係から多大な影響を受けることとなる。剣客である父の流儀は当理流十手剣術。後年、武蔵は、父無二斎の当理流から着想を得て、独自の二刀流を編み出し、希代の剣豪宮本武蔵が誕生することとなる。息詰まる凄絶な親子関係を描いた表題作「武蔵と無二斎」。他、6編の剣客にまつわる物語を収録。剣の時代を生きた男達の生き様に迫る。
  • 炎環
    4.1
    京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭――その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
  • 鉄砲三国志 大坂の陣外伝
    -
    日野鉄砲衆惣年寄の父から密命を受けた和田重友は、秘伝の「巻張り」製法を窃取すべく、堺にに潜入する。だが、その背後に国友からの刺客が・・・。
  • 零式戦闘機
    3.9
    設計主務、堀越二郎34歳。開発スタッフの平均年齢20代。国家の存亡を賭けた新鋭機は、若者たちの手によってつくられた――。 日中戦争後期から太平洋戦争を通じ、5年もの間日本海軍の主力戦闘機として戦い抜いた零式艦上戦闘機、通称零戦。今また映画『風立ちぬ』や百田尚樹さんの小説『永遠の0』などで注目を集めていますが、この高性能戦闘機が世に出るまでには、若い技術者たちの長く苦しい闘いがありました。彼らは、技術後進国という厳しい条件下で、いかにして外国機をしのぐ新鋭機をつくり出したのか? 『風立ちぬ』主人公のモデル、堀越二郎氏へののべ40時間にわたるインタビューをはじめ、当事者たちへの徹底取材に基づいて書き上げられ、1977年に刊行された長篇ノンフィクション。「零戦」を知るのにこれ以上の本はなく、当時を知る人のほぼすべてが鬼籍に入ってしまった今、これからも書かれることはないでしょう。
  • 大江戸もののけ拝み屋控 ろくヱもん
    3.0
    時は宝暦。花のお江戸の辻に立ち、頼まれたらいかなる妖怪・魔物・祟り神でも必ず祓う──辻風の六、通称拝み屋ろくヱもんはある日の夕暮れ、逢魔ヶ辻に見台を出した。夢が「ここに立て」と教えてくれたのだ。果たして現れたのは、いま話題の看板女形とひとりの少女。そして少女の背中にいたのは侍姿の猫神さま? 猫神さまの依頼を受けて、ろくヱもんはとんでもない妖怪と戦うことに!
  • 謙信の軍配者(上)
    4.2
    信濃の守護・小笠原長時との戦で、窮地に陥った武田軍を、自らの軍配で救い、無敵の軍団に変貌させた山本勘助。一方、曾我冬之助は、予測不能な天才・長尾景虎の軍配者となった。だが、景虎と彼に反目する家臣団との対立を目の当たりにしてしまう――。第三の軍配者・冬之助は、好敵手・勘助率いる武田軍と戦場で、相見えることができるのか!?
  • 叛旗兵
    5.0
    上杉勢を率いた直江山城守が関ヶ原の戦いに敗れて10年。大御所家康の近くより難題が持ちこまれた。家康の懐刀、本多佐渡守の次男長五郎を、山城守の養女の婿に、というのである。本多の狙いは直江家乗っとり、上杉家の監視にあるのだろうか。山城守秘蔵の家臣、直江四天王は猛反発を示した。長五郎は本多が仕立てた隠密の噂さえあるのだ。山城守は苦慮の末、上杉、直江両家の安泰を図る一計を案じた。四天王の力を活用した、その一大奇策とは? 豪放大胆な構想で描く傑作長編。
  • 陽炎時雨 幻の剣 - 死神の影
    3.0
    団子屋の看板娘・おひのがかどわかされた。夫である桶屋の波津彦とともに姿を消してから十日。七緒は二人の探索を引き受ける。一方、北町奉行所同心・和倉信兵衛は、両目がくり抜かれた死体と対峙していた。かつての繁盛が嘘のように閑古鳥の鳴く団子屋。おひのの明るい呼び声は戻ってくるのか。シリーズ第二弾。文庫書き下ろし
  • 猿飛佐助 真田十勇士
    3.0
    猿飛佐助は武田勝頼の遺児であった――。初妊婦の陰毛を集める修行で百本以上の成果をあげ、天才的な忍者に成長。善良すぎて人を殺すことが苦手なのが欠点だが、それを愛され、真田幸村に仕える。信長、秀吉など戦国の名だたる武将の活躍と死の裏で、忍者や剣客たちが暗躍する! 柴錬先生の筆が冴え渡る、奇想天外の歴史娯楽小説。
  • 新装版 柳生非情剣
    4.3
    剣に生きる一族として、将軍家指南役となった柳生。連也斎、友矩、宗冬、十兵衛、新次郎、五郎右衛門。尋常でない修行による技、将軍家と関わることによって起こる惨憺たる一族の相克、死を見据えてなお剣の道に生きざるを得ない激烈な生きざまを、乾いた筆で描き切る。作者が生前に世に問うた唯一の短編集。
  • 平家(一)
    4.3
    京では公家が権力を争い、地方では武者が土地の利権を奪い合う平安末期、地下人と蔑まれた武家平氏に清盛という英傑が現れた。並外れた知略と先見性、そして果敢な決断によって権力を勝ち取った清盛は、行き詰まった藤原官僚体制の改革と、新しい国家構想の実現を図る。諸行無常の哀れを語る『平家物語』とは一線を画し、時代の扉をこじ開けようとする、まったく新しい清盛像を描いた、雄々しくも壮大な物語。
  • 天下騒乱 鍵屋ノ辻 上
    4.0
    将軍職は秀忠に譲るがそちには幕府を与えよう。揺がぬ天下を築け――大御所家康が死の床で宰相・土井利勝に遺したのは意外な言葉であった。しかし十数年後、一浪人の刃傷沙汰が招いた仇討に、天下は不穏な動きを見せる。幕府の行った処遇に不満を抱く旗本一統と外様大名が、この事件を巡って激しい暗闘を開始したのだ。家康の遺命を奉じる利勝は、騒乱の芽を摘み取るべく、敢えて「悪」をなすことを決意する。
  • 下天は夢か 一
    3.5
    群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた…。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。全4巻。
  • 英雄にっぽん
    3.5
    出雲の富田城主尼子氏に仕えた山中鹿之介は、十六歳の折、伯耆の行松氏との合戦に参加、敵の猛将を討ち取り、勇名を馳せた。だが、虎視眈々と中国地方の統一をもくろむ毛利元就は、凄まじい謀略と圧倒的な軍事力で富田城を攻め落とす。牢人となった鹿之介は艱難のすえ、一城を奪い、織田信長の支援を得て尼子家の再興をはかるが……。“忠誠心”の代名詞として、日本人に愛されてやまない武将の生涯を描く戦国ドラマ。
  • 四千万歩の男 忠敬の生き方
    3.2
    素晴らしきかな、忠敬的セカンドライフ。50歳で隠居するまでの忠敬は下総の名家の旦那。隠居と同時に本格的に星学暦学の勉強をはじめ、56歳から72歳までの17年間で35000キロ、約4000万歩を歩き尽くして、日本地図を完成させた。愚直にも思えるその精神が支えた、第2の人生を全うする平凡な覚悟は我々の生き方に大きな示唆を与える。(講談社文庫)
  • 巷説百物語
    4.3
    怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧――。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが……。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。世の理と、人の情がやるせない、妖怪時代小説、第一弾!
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一
    4.1
    盟友・橘逸勢らと共に、遣唐使として長安に入った若き僧・空海。密教の真髄を「盗みにきた」と豪語する空海は、ありあまる才で多くの人を魅了していく。一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる──! 中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
  • 時雨ごこち 紋ちらしのお玉
    4.0
    柳橋の売れっ子芸者・玉勇は、千人の男に抱かれる〈千人信心〉の願をかけている。男たちの家紋を刺青にして体に入れるのが、その証だ。いつか、惚れた男の「桔梗紋」を刻み込みたいと願いながら、今は「四つ目紋」の男を情人にしている。その体を、幕末を彩る男たちが通り過ぎてゆく。最愛の男が命を落とし、別れと再会が錯綜する中、お玉は芸者の意地にかけ、江戸の粋と共に生きようとするが。シリーズ完結。第3弾、書き下ろし。
  • ひとり夜風 紋ちらしのお玉
    4.0
    柳橋芸者のお玉は、山内容堂や松平春嶽など、名だたる大名たちから贔屓にされる売れっ子だが、裏の稼業があった。男に抱かれては、その相手の家紋を刺青にして体に彫る。忘れられない男たちの思い出を体に刻み、それを千個集める〈千人信心〉の願をかけて。だから、二つ名は「紋ちらしのお玉」。幕末を騒がす事件とともに、変わりゆく時代の波が、お玉と男たちを呑み込んでゆく。好評シリーズ第2弾は、書き下ろしで登場!
  • ほうき星 上
    3.8
    天保6年、76年に一度現れるほうき星が江戸の空に輝いた夜、気鋭の絵師・黄泉と、日本橋の鰹節問屋の娘・さくら夫婦の間に、さちは生まれた。深川に隠居所を構えた祖母・こよりも加わり、家族の愛情をいっぱいに受け、下町の人情に包まれて育つさちを、思いがけない不幸が襲う。両親の突然の死、そして、慈しんでくれた祖母の死。しかしやがて、絵師としての天分を発揮してゆく。苦難を乗り越え、凜として生きた娘の感動長編!
  • 龍馬(一) 青雲篇
    3.5
    土佐郷士の家に生まれた坂本龍馬は、ジョン万次郎からアメリカの文明について聞かされ、まだ見ぬ世界への期待に夢を膨らませていた。嘉永六年、親友の妹と結婚の約束を交わした龍馬は一年間の江戸遊学へと旅立つ。小千葉道場で剣術修行に励む一方、佐久間象山を知るなど見聞を広めるが、折しもペリー率いる黒船が来航し、外国の脅威を目の当たりにする。土佐では、思わぬ悲劇が待ち受けていた。等身大の英雄像に挑む歴史巨篇。
  • 雲ながれゆく
    4.1
    老舗菓子舗「笹屋」の若後家・お歌は、雨宿りのひととき、行きずりの謎の浪人に手ごめにされてしまう。体も大きく気が強い自分が、犯されて抵抗しなかったことに納得がゆかぬお歌だったが、奇妙な再会をとげ、やがて男への憎しみは愛しさへと変わってゆく。少女のようにときめくお歌。二人の深まる恋は、ひょんなことから敵(かたき)討ちの助太刀に発展し、やがて迎える別れの朝…。江戸に生きる勝気な女の姿が、21世紀の日本人をも魅了する、新感覚の長篇時代小説。
  • 日の丸・君が代の戦後史
    3.8
    掲揚・斉唱の強制によって、さまざまな軋轢を生み出しながら、人びとの心に入り込もうとする日の丸・君が代。それに抗する人たちは何を訴えてきたのか。占領期から国旗国歌法成立後にいたるまで、数々の事件や出来事をたどり、思想・良心の自由と歴史の問題に戦後社会がどう向きあってきたのかを浮かび上がらせる。

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  • 弾正の鷹
    3.4
    死する定めの刺客たち、最後の愛とは―― 直木賞作家の原点を収録した傑作時代小説集! 信長の首を獲る。 それは堺の商人だった父を殺された 桔梗の悲願。 信貴山に籠もり信長への叛旗を企む松永弾正の側女となり仇討ちの機会をうかがっていた。弾正から鷹を使った暗殺法を知らされた桔梗は、韃靼人の鷹匠頭と契り秘術を体得。ついに信長との謁見の場を得るが……。(「弾正の鷹」)
  • 神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)
    3.2
    背は低く額は禿げ上がった老侍で、なにより無類の大酒飲み。だが、ひとたび剣を抜けば来島水軍流の達人である赤目小籐次が、次々に難敵を打ち破る痛快シリーズ登場。
  • 逃亡
    4.1
    戦争に圧しつぶされた人間の苦悩を描いた傑作 戦時下の緊迫した海軍航空隊で、若き整備兵が背負った過酷な運命とは? 軍用飛行機をバラせ……その男の言葉に若い整備兵は青ざめた。昭和19年、戦況の悪化にともない、切迫した空気の張りつめる霞ヶ浦海軍航空隊で、苛酷な日々を送る彼は、見知らぬ男の好意を受け入れたばかりに、飛行機を爆破して脱走するという運命を背負う。初期の力作長篇が待望の再登場。 解説・杉山隆男
  • しのぶ梅 着物始末暦
    完結
    3.5
    着物の染み抜き、洗いや染めとなんでもこなす着物の始末屋・余一は、職人としての腕もよく、若くて男前なのだが、人と深く関わろうとしない。一方、余一の古馴染みで、柳原土手の古着屋・六助は、難ありの客ばかりを連れてくる。余一の腕を認めながら、敵対心を燃やす呉服太物問屋の若旦那・陵太郎。朴念仁の余一に片思いをしている一膳飯屋の看板娘・お糸など……。市井の人々が抱える悩みを着物にまつわる思いと共に、余一が綺麗に始末する!! 人情味溢れる筆致で描く、時代小説。
  • さばけ医龍安江戸日記
    -
    富める者も貧しき者も、わけへだてなく治療するお助け医者--菊島龍安(きくしまりょうあん)を人は「さばけ医」と呼ぶ。今日も母を喪った幼子のために身銭を切って治療する龍安だが、その名を騙る医者が現れた。しかも偽医者は治療と称して病に苦しむ人々を毒殺していったのだ! 偽医者の正体と目的は? 人の命をもてあそぶ者がいた時、癒やしの手は裁きの剣となる!
  • 深川鞘番所
    5.0
    無法地帯深川に凄い与力がやって来た! 弱者と正義の味方―― 鉄心夢想流秘剣「霞十文字」見参! 北町奉行所与力大滝錬蔵は、深川大番屋支配を命じられた。奉行とつるんで米買い占めに走る越中屋を捕縛したための左遷である。同心たちの緩み切った綱紀のなか、錬蔵は芸者のお紋から神隠しに遭った妹分お美津の探索を依頼された。折しも深川では岡場所の女たちが同様に姿を消していた。江戸の無法地帯を舞台に、鉄心夢想流“霞十文字”が悪を斬る!
  • 収容所(ラーゲリ)から来た遺書
    4.4
    戦後12年目にシベリア帰還者から遺族に届いた6通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。 敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕らわれ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を敬慕する仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容所(ラーゲリ)に屈しなかった男たちのしたたかな知性と人間性を発掘した感動の傑作。第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)、第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)を受賞。 解説・吉岡忍
  • 風草の道 橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    生き残った流人(るにん)の最後の願い。盗っ人に墜(お)ちた男が命懸けで捜そうとしたものは?……久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。しかし三日後、彼は姿をくらます。北町奉行の榊原は鹿之助が親友の倅でないかと危惧し、同心・立花平七郎に極秘の探索を依頼する。探索の中で、徐々に明らかになる鹿之助の閉ざされた過去。養子としての葛藤、凄絶な恋、そして流人になった理由……数奇な運命に翻弄された男を、平七郎はどう裁くのか!?(「風草の道」)。円熟のシリーズ第11弾!
  • 残り鷺 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    「帰れない…あの橋を渡れないの…」 謎のご落胤(らくいん)に付き従う女の意外な素性とは?…… 江戸市中に現われた、宮家のご落胤を名乗る一行。大奥とつなぎを取ってやると称して商家から金を巻き上げ、奉行所を悩ませていた。平七郎が探索に乗り出した直後、真福寺橋に二人の女の亡骸(なきがら)が流れ着き、一人はご落胤一行と共にいた女と判明する。女が持っていた伊勢神宮のお守りに込められた哀しき想いとは? 平七郎が非道な輩の正体を追う!(「ご落胤の女」)。シリーズ急展開の第10弾!
  • 麦湯の女 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    「命に代えても申しません」 犯人を庇(かば)うひたむきな娘。平七朗、どうする!?……本所・法恩寺橋袂(たもと)で麦湯屋をやっている器量よしの娘。奉行所が総力を上げて追う浪人は、必ずその娘と接触するはずだった。だが、そこに現われたのは吟味方与力の一色弥一郎。娘を見張っていた橋廻り同心・立花平七郎は、娘と楽しげに語らう一色の姿から情報の漏洩を疑う。自らを犠牲にしてまで浪人を救おうとする娘のひたむきな想いとは……(「麦湯の女」)。人気シリーズ、待望の第9弾!
  • 喧嘩旗本 勝小吉事件帖
    4.0
    口先と押しの強さは天下一品! 勝海舟の父、最強にして最低の親ばか小吉。無頼がたたって座敷牢に閉じこめられていた。牢での暇をもてあますあまり、奇妙な才能を開花させた。江戸市中で頻発する事件の謎を、たちどころに座敷牢探偵(アームチェア・ディテクティブ)するのだ。涙あり、喧嘩あり、これぞ人情時代小説!
  • 追われ者 風烈廻り与力・青柳剣一郎[13] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    如月、梅も盛りの江戸で名残の雪が降った夜、嫌われ者の金貸し一家が惨殺された。町方は、妾宅で妾とともに死んでいた主の金兵衛の無理心中と断定。しかし前日、金兵衛に会った青柳剣一郎は違和感を覚える。やがて浮かび上がったのは、富三郎なる不可解な男。富三郎は残忍な盗賊一味にも狙われていた…。逃げ回る富三郎の正体、そして息詰まる追跡行の結末とは?
  • 女形殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[7] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.3
    友右衛門が市中引廻し、斬首のうえ晒し首にされた。「おとっつあんは無実なんです」お弓の悲痛な叫びに、親子と親しい青柳剣一郎の胸は痛んだ。一度下された裁きは撤回されない。だが、もし冤罪だとしたら? 奉行所で孤立しながらも再捜査する剣一郎。一方、お弓の兄も人殺しの濡れ衣を着せられる。兄の斬首執行が刻々と迫るなか、真相究明に剣一郎が奔走する!
  • あやかし裁き ご隠居同心探索異聞
    -
    角野伊右衛門は倅の忠助に家督を譲り、半年前に南町奉行所の臨時廻り同心を退いたばかりの新米ご隠居。だが、現役のころの癖が抜けない伊右衛門は、隠居の身であることも忘れてついつい探索に乗り出してしまい、周囲をやきもきさせる困り者でもあった。そんなおり、両国西詰の広小路で夜な夜な犬神が現われて暴れているという噂が広まった。顔は人間で髪を振り乱し、胴体は狼。たんなる噂ではなく、実際に本所の大工が襲われて怪我をしたという。あやかしのたぐいを一切信じない伊右衛門は、事件が人のつくりごとであると見抜き動き出すのだが……。探索の末に伊右衛門が暴く、思いもかけない事件の真相とは?気鋭が贈る新シリーズ登場。
  • やぶひげ祥庵 房中指南
    -
    深川不動尊裏手の松風長屋に住まう町娘の佳代が行方知れずになった。佳代は、父親をなくして母と妹三人暮らしの十二歳、薬研堀の医師・五十嵐祥庵の患者だった。祥庵はその評判と風貌から“藪髭先生”と綽名されるが、元は某藩の剣術指南役だった凄腕。体の弱い佳代の身を案じた藪髭は、その行方探しに乗り出すが、八丁堀同心・鎌谷厳重郎らの助けによって浮かび上がったのは、旗本の三男・馬場千士郎が佳代を拐かしたのではないかという疑惑だった。どうやら千士郎には女に対する異常な性癖があるらしい。町方も手が出せない旗本を相手に、藪髭はある策を弄して千士郎を誘き出した…。男と女の心の傷を、情けで癒し、剣で繕う長編官能時代小説。
  • はぐれ十左暗剣殺 笑う女狐
    -
    賭場で召し捕られた男の密告から、老中首座・松平定信の暗殺計画を察知した火付盗賊改方の同心・鏑木十左。長官である松平左金吾は、もう一人の長官・長谷川平蔵とともに、暗殺を阻止するべく、探索を始める。そして、十左は国元に向かう定信を守るため、隠密の紫乃らとともに奥州路へ向かった。その頃、江戸では、事件の首謀者を捜索中の平蔵が、怪しげな美女を追っていた…。新章シリーズ第四弾!
  • はぐれ十左暗剣殺 悪の華
    3.0
    下野国の下級武士・由利権八は、常日頃、上級武士たちから、いじめを受けていた。彼は、溜まりにたまった不満を野心に変え、出奔する。その数年後、火付け盗賊改方の同心・鏑犬甘八兵衛が、急死した娘の死因に不審があると、相談にやってくる。探索を引き受けた十左は、本所・深川・両国の貸元の親分たちをも怖れさせる無法者たちの存在を知り…。新章シリーズ代三弾!
  • 百まなこ 高積見廻り同心御用控
    -
    定廻りに加勢し、大捕物で手柄を立てた高積(たかづみ)見廻り同心・滝村与兵衛。見込まれて新たな探索を命じられる。五年前から〈百まなこ〉と呼ばれる面をつけ、極悪人のみを殺す義賊が横行していた。南北奉行所ともに威信をかけて捕縛を競うも、正体は杳として知れない。与兵衛は江戸一の悪党“千頭(せんず)の駒右衛門”に接近、〈百まなこ〉を炙り出そうとするが…。気鋭の著者による文庫書き下ろし、痛快時代小説!
  • 相棒同心 左近と伸吾
    4.0
    大江伸吾は、南町奉行所の定町廻り同心。五年前に亡き父親の跡を継ぎ、お役目もそこそこに日々をお気楽に過ごす伸吾だったが、ひょんなことから臨時廻りの先輩同心・鞠小路左近の相棒にさせられてしまったから、さあ大変。この左近という同心は名うての変わり者で奉行所内でも一匹狼。しかも極端な潔癖性で、不潔なものが大嫌い。さらに、人の都合など何処吹く風の自分勝手な男なのだ。左近に振り回されつつ、嫌々行動をともにする伸吾。だが伸吾は、次々と起こる事件を解決するうち、左近が表の顔とは裏腹に優れた探索の才と剣の腕を持っていることに気づく。そして、左近には何故か、お奉行大岡越前守の後ろ盾が…。気鋭が贈る時代シリーズ登場!
  • 若さま包丁人情駒
    4.0
    主人公は旗本の三男坊(実は、将軍家斉の御落胤)で部屋住みの飛川角之進。将棋が得意で、根津の湯屋の二階で町人たちを相手にその指導をしている。この快男児がさまざまな事件に巻きこまれ、ときには悪人を成敗し、またときにはともに人情に泣く。人気作家が描く、時代小説の新シリーズ開幕。
  • つくもがみ情炎
    4.0
    吉野丈二郎は北関東里吉藩一万石の下級武士の次男。ある日、彼は土蔵の箪笥のなかから刀身のない脇差の鞘を見つけだす。自分が使っている傷だらけの鞘から本身を抜き、蝋色塗りの立派な鞘に納めてみると、なんと誂えたようにピッタリ。とその時、異変は起こった。煙のようなものが立ち昇り、それが赤い着物を着た清らかな美少女になったのだ。彼女の名は沙耶。勇猛で知られた吉野家の祖先が遺した鞘に百年宿る九十九神だという。  武具に憑く彼女と契ってしまい、武芸の力を得た丈二郎。大抜擢されて藩主の江戸行きに随行することになるが、そんな彼の前にはさまざまな美女が現れて……。妖しの力で運を開く、新シリーズ第一弾!
  • かげろう艶火 摩利支天あやし剣
    -
    北関東五万石の皆川藩にかつて膳奉行として仕えた大門重郎は、不思議な力でみるみる出世し、城代家老の娘を娶った伝説の人物。だが、その曾孫の不二郎はひ弱で何の取り柄もなく、とうとう膳奉行の役職を解かれて足軽にまで格下げされてしまう始末であった。  だがある日、重郎の残した書き付けに従って魔物が棲むという森に分け入った不二郎。そこで曾祖父と同じく摩利支天の化身・摩利と出会ったことによって、その運気は一変する。摩利に貰った淫気と武芸の力によって頭角を現した不二郎は、主命によって江戸に行くことに…。江戸藩邸で待つのは藩主の娘・真由姫とその守役の桔梗。あやかしの力を得た不二郎が繰り広げる色と剣の活躍は? シリーズ完結編。
  • かげろう秘苑 摩利支天あやし剣
    -
    今村喜十郎は下野国白沢藩の下級武士。江戸で生まれ、十八になるこの歳まで江戸を出たことがなかったが、父の死をきっかけに、国許で然るべき役職に就くよう江戸家老に命じられた。  道中、小山宿の手前で日が暮れるとともに雨に降られ、偶然道連れとなった若い娘とともに古寺に泊ることになった喜十郎。だが、この娘が摩利支天の化身・摩利だったことから、彼の運気は一転する。  国家老に初めての役職を任ぜられた喜十郎は、領内の外れにある藩校に赴く。ところがそこは、生娘ばかりが寄宿して勉学と剣術に励む女の園だった。摩利に貰ったあやかしの力で、剣技鋭く淫気旺盛となった喜十郎に、娘たちのみならず藩主の姉までが…。シリーズ第四弾。
  • かげろう淫花 摩利支天あやし剣
    -
    明暦三年一月、本郷の本妙寺より出火した火事はまたたく間に燃え広がり、江戸中を焼き尽くした。世に言う振袖火事である。上野で小間物屋を営む大店・辰巳屋の奉公人・雪彦は、湯島の芝居小屋で火事に巻き込まれた主人の娘・小夜を炎から救い出す。だが、その身を挺した活躍は、あやかしの美少女・摩利によって与えられた人ならぬ力のおかげだった。  摩利支天の淫気を貰った雪彦の運気は硬軟取り混ぜ急上昇。女将の澄江、武家女の香織など様々な女性と情交を結ぶばかりでなく、江戸を闊歩する旗本奴の成敗まで成し遂げてしまう。そして遂には小夜の婿として逆玉の輿に乗ることになるのだが……。好評シリーズ第三弾。
  • かげろう夢幻 摩利支天あやし剣
    -
    上野の国の山奥から江戸に向かう途上、いかなる因果か男装の女剣士に情交を迫られたあげく、刀で胸を刺し貫かれてしまった矢田二郎。死を覚悟した二郎だが、そこへ現れたのは摩利と名乗る天女のごとき美少女だった。摩利があふれる血をすすると傷はたちまち癒され、なんと二郎は死の淵から蘇ることができたのだ。二郎は、住吉藩の先藩主によって滅ぼされた素破一族の生き残り。此度の江戸行きは、主家に仇をなすべく江戸屋敷に乗り込み、願わくば藩主の一人娘・彩香姫を孕ませるという目的があった。摩利のあやかしの力を得て、まんまと家臣になりおおせた二郎だが、藩邸には例の女剣士が剣術指南役として勤めていて…。シリーズ第二弾!
  • 見習い同心如月右京 予言殺人
    3.0
    文政五年、師走の江戸。如月家の次男、如月右京は、南町奉行所への初出仕の朝を迎えていた。二十六歳という見習い同心として遅すぎる始まりだが、それには、ある事情があった──。右京の兄、右門は、優秀な奉行所同心であったが、ふとしたことで事件に巻き込まれ、町民をかばって自らの命を失った。学者を志していた右京は、如月家のため、兄の跡を継いで同心となる。 非凡な推理力と、長崎で学んだ西洋剣術の腕で、見習いながらも次々と手柄を立てていく右京。しかし、その心の奥底には、同心という職務に対する疑問や不満、学者として身を立てたいという欲求が渦巻いていた……。
  • つくもがみ蜜乱
    -
    脇差の鞘に宿る九十九神・沙耶が数十年ぶりに目覚めたのは、神田にある刀屋「備前屋」の土蔵の中だった。沙耶を見つけたのは奉公人の純吉。見習い程度の扱いしかされていなかった純吉だが、沙耶と情を交わしたおかげで運気が一変する。刀屋としての腕前が上達したのみならず、男女のまぐわいの力が増し、さらには武芸の力まで会得してしまったのだ。  折しも巷では辻斬りが横行。若い娘ばかりが殺され、その陰戸を貫かれるという事件が起きていた。偶然、辻斬りの現場に出くわし、下手人と相対した純吉。一旦は撃退するものの、相手に憑いていた刀の本身の九十九神が目覚めてしまい……。大好評シリーズ第二弾!
  • 白道
    3.7
    北面の武士佐藤義清(のりきよ)は、決然と出家した。忘れ得ぬ女院への激しい恋を秘め、仏の救いを願いながら歌に執着する懊悩の日々。源平の争乱の世に歌一筋、草庵閑居と漂泊の旅。矛盾と相克の末に西行は、わが心ひとつがついに捕えきれないことを悟る。人間西行を描いて深い感動をよぶ、芸術選奨文部大臣賞受賞作。
  • 黄金の血脈(天の巻)
    完結
    -
    時は慶長、徳川との雌雄を決する大坂の陣が迫る中、豊臣方の起死回生策が密かに進行していた。かつて太閣の金塊移送に関わった牢人・鈴波友右衛門への新たな密命は、信長の血をひく美童・三四郎の会津への護送であった。背後で糸をひく豪商・今井宗薫、真田衆の猿飛佐助、霧隠才蔵、さらに猿渡一族とは……。壮大な構想で関ヶ原後の暗闘を描く鬼才・半村良の大河時代小説、待望の電子化、感動の第1弾!
  • 夢草紙人情おかんヶ茶屋
    3.3
    四十路半ばとは思えぬ嫋やかな美しさを備える女将・お蝠が営む『おかんヶ茶屋』に出てくる惣菜は、ごく普通の家庭料理だが、豊潤で心を和ませるあたたかい味だ。人は癒やしを求めこの茶屋に集まってくる。そんな中、欽哉が人足寄場から戻ってくることに。みんなに温かく迎えられ、歓迎会ではお蝠の惣菜を口にし、うめぇ、うめぇと涙をこぼす。欽哉は火消し人として精を上げることを決めるも、食事もせずに引きこもってしまった。欽哉の想いとは?
  • 用心棒血戦記
    3.0
    武者修行の旅の途中、隠密葵十三郎(あおいじゅうざぶろう)は暗殺されかけていた岩田藩の跡継ぎ松太郎を救った。その腕を見込まれて用心棒に雇われることになった十三郎は、お家騒動の渦中に巻き込まれていく。謀反を起こした家臣らが、城代家老の片岡を人質にして、国許へ帰る松太郎一行を皆殺しにしようと罠をしかけてきた――。田宮流居合の太刀捌きが夜の闇にきらめく、圧巻の剣戟時代小説。
  • 首斬り浅右衛門人情控
    -
    斬首刑を受ける者が腰を下ろす場所、土壇場。そこで、科人の最後の呟きに耳を傾けるのは、代々首斬り役を務める七代吉利。売られた娘のために強盗を、死罪になってなお仇討ちを願う女…。死の間際に彼らが語る真実とは?人間の弱さと哀しき業を知り抜く吉利が、残る悪しき宿縁を断つべく弔いの剣を振るう!
  • 怨刀 鬼切丸 介錯人・野晒唐十郎〈十〉
    3.5
    唐十郎の叔父が惨殺され、将軍への献上刀「鬼切丸」が奪われた。 刀を追う仲間が次々と刺客の手に落ちる中、唐十郎の前に最強の敵が出現。 「こやつに、鬼哭の剣は通じぬ」唸った。剣気には覇気すら感じられないのに、なぜか、切っ先が喉元に穂先のように鋭く迫ってくるのだ!
  • 鬼哭 霞飛燕 介錯人・野晒唐十郎〈九〉
    3.5
    「こ、この傷口は!」唐十郎の体に衝撃が走った。 首筋には鬼哭の剣の斬り口が刻まれていた。ふとある兄妹の顔が浮かんだ。同門である天才剣士と唐十郎との将来を約束しながらも自害した妹である。 十年の苦い思いを秘め、“鬼哭の剣を超える”べく秘剣開眼に命をかける!
  • 妖剣 おぼろ返し 介錯人・野晒唐十郎〈八〉
    3.5
    かっての門弟が郷里から、幼き息子を連れてやってきた。お家騒動に巻き込まれ、一時匿ってほしいという。 そして追手が迫ってきた。その中に居合最強の武者・市子畝三郎の姿があった。 神速の太刀筋、最強の居合が!?小宮山流居合・唐十郎に襲いかかる。 不可視の抜刀術とは……。
  • くらがり同心裁許帳
    4.3
    一年前に内藤新宿の飾り職人が、酔って大川に転げ落ち溺死した。  奉行所の調べでは、単なる事故として片づけられたが、その死を受け入れられない母親は、月命日のたび南町奉行所に再吟味を哀訴していた。  同心の角野忠兵衛は、事件の真相をつかむため探索を始める・・・。彼のお役目は迷宮入り事件ばかりを扱う「永尋書留役」。奉行所の角に忘れ去られた事件を追って、窓際同心角野忠兵衛が八百八町を駆け巡る!
  • かげろう蜜書 摩利支天あやし剣
    -
    北関東五万石の皆川藩で、膳奉行を務める大門重郎は十八歳。先ごろ父親から役目を継いだばかりの若輩だ。ある日、主君の鷹狩りの最中に事は起こった。昼餉に用意した重箱の蓋が突然のつむじ風に飛ばされ、崖下に落ちてしまったのだ。役目として、蒔絵の施された家伝の名品を探しに行くはめになってしまった重郎は、意を決して断崖絶壁から飛び降り大怪我を負ってしまう。崖下で気絶していた重郎を助けたのは、この世のものとも思われぬ美少女。彼女に蘇生させられ、人ならぬ力を貰って城に戻った重郎だったが、そんな彼を待っていたのは思いもよらぬ幸運だった。永遠の命を持つ魔少女が、冴えない若侍にもたらす淫気の力とは!?
  • あやかし秘剣
    5.0
    鬼塚弥四郎は常陸吉住藩見廻り役の四男坊。梅雨明けのある日、弥四郎は村の視察中、家宝の名刀をうっかり谷底に落としてしまった。途方に暮れるそんな彼の前に現われたのは十七歳の美少女・千夜。ところがこの少女、鬼の里から人を食うために下りてきたあやかしだった。切腹か、鬼に食われるか、いずれにせよ死を覚悟していた弥四郎は、どうせ死ぬならその前に一度と、千夜に頼み込んで初めての情交を経験してしまう。一方の千夜も弥四郎に情が移ったのか、他の者に姿が見えないのを幸い屋敷までついてきてしまった。千夜と契ることによって次第に鬼の力が宿り始めた弥四郎。ある日、御前試合で別人のような剣術を見せた彼は、藩主の江戸行きの供に選ばれるのだが…。
  • ふうらい指南(新装版)
    3.8
    真夏の江戸。大川が江戸湾に流れ込む鉄砲州で、日がな釣りを楽しむ四十なかばの武士──もと火盗改め同心、矢沢冬馬である。武芸百般、悪党に恐れられた凄腕の剣士であったが、大捕物の最中のある出来事により、火盗改めを引退。息子に家督をゆずり、釣り三昧のなんとものどかな日々を送っていた。命を賭す激務からは解放されたが、幾度も死線をくぐり抜けた歴戦の武者にしてみれば、やはりちと退屈。ふとした事情から、市井の人々に武芸の個人指南をはじめるのだが……!?難事件からおかしな騒動まで、あざやかな剣さばきと人情で解決する冬馬の活躍!
  • 新装版 顔十郎罷り通る(上)
    4.0
    おそろしく長い顔とその中央に盛りあがった巨大な鼻、一度見たら忘れられない顔である。本名は誰も知らない。自称・顔十郎。酒と女をこよなく愛し、名誉や義理は大嫌い。金のためにはどんな危険な仕事も引き受ける、浮世の常識の埒外で生きる素浪人だ! ダーティーヒーローの剣が冴えまくる痛快大活劇。(講談社文庫)
  • 飛龍の剣 介錯人・野晒唐十郎〈七〉
    4.0
    信州松田藩のお家騒動の発端となった妖刀「月華」。 小宮山流居合の達人・狩谷(通称・野晒)唐十郎は、その刀を密かに国許へ運ぶように依頼され、中山道へ旅立ったが、次々に謎の剣士たちが彼を襲った……。 乱歩賞作家が贈る大人気シリーズ、躍動の第7弾! これぞ正統派剣豪小説!

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  • 猫の椀
    3.5
    会心の品を作り上げた漆器職人の兼七は、その注文主の突然の死に落胆する。あてどもなく町をあるくうち、ふと気づくと路地の奥の奇妙な小店にたどり着いていた(「猫の椀」)。大人気「軍鶏侍」シリーズの著者が放つ傑作時代短編集。

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  • 養生所見廻り同心 神代新吾事件覚  指切り
    3.3
    書き下ろし時代小説、神代新吾事件覚シリーズ第1弾! 北町奉行所小石川養生所見廻り同心、神代新吾。南蛮一品流捕縛術を修行する、若く、未熟だが、熱い心を持つ同心である。新吾が、幼馴染みの養生所医師小川良哲、臨時廻り同心白縫半兵衛、手妻の浅吉らと共に、様々な事件にぶつかり、悩みながらも成長していく姿を描く。
  • 耳袋秘帖 深川芸者殺人事件
    3.8
    秋の月夜に、深川きっての名芸者力丸が、お座敷から忽然と姿を消した。町奉行の根岸は、配下の栗田と坂巻に探索を命じるが、やがて栗田の新妻・雪乃も行方知れずに……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第4弾。根岸と力丸が知り合った一件を描いた、書き下ろし短編「芸者と化け猫」を特別収録。
  • 十手人
    4.5
    死んだはずの母親の消息を訊いた酒場で暴れ、入墨者になった源七は、奉公先で盗みの濡れ衣を着せられた娘・お菊を救うため奔走する。町方同心・佐々木弦一郎の下で、十手捌きを身につけていく源七に、渋柿長屋の人々の眼差しは温かい。お菊を陥れた悪党を源七は炙り出せるのか!? 江戸の人情を描く<第10回時代小説大賞受賞作>捕物帖。(講談社文庫)<第10回時代小説大賞受賞作>
  • 奇策―北の関ヶ原・福島城松川の合戦
    3.7
    独眼竜vs.老将!圧倒的な軍勢に真っ向立ち向かった、知られざる“北の関ヶ原”。――慶長五年(1600)、東北の覇権を狙う伊達政宗が二万の兵を進めるなか、福島城を守る上杉方は僅か四千だった。圧倒的不利の中、裏切りの常習者である福島城代・本庄繁長は、いかにして戦うか!?

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  • 江戸の検屍官 北町同心謎解き控
    5.0
    本所三笠町で見つかった若い女の死体。鳩尾に殴打の痕があり、拳の大きさから、情夫の千吉が下手人と思われた。だが…真相に疑問を感じた北町奉行同心・北沢彦太郎は、意外な事実を掴む。江戸の検屍官が医者の玄海、絵師お月とともに“死体が語る”謎を解く、時代医学推理の傑作!

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  • 闇医おげん 謎解き秘帖
    -
    堕胎医が軒を連ねる江戸・薬研堀。腕利きの闇医おげんの元に、手込めによって陰部を裂傷した娘が訪れた。五日後、またしても若い娘がやって来る。連続強姦か?そんな矢先、おげんが堕胎術を施した娘が身投げし…。おげんが解決する時代医学推理集!

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  • 見習い用心棒 本所剣客長屋
    2.0
    本所入江町の柿長屋に住み込んだ若い浪人孫谷兵六。夜襲をかけられ、町人ばかりの長屋は大騒ぎとなる。兵六には藩の剣術試合で勝った古井虎之助に逆恨みされ、一家を惨殺された過去があった。長屋の住人たちに癒される兵六に、腕を見込んだ岡っ引の岩吉が近づく。人情が沁みる新シリーズ開幕。
  • 増上寺刃傷
    -
    将軍家光の死に際し、殉死しなかった祖父と、遊里で横死した兄。この二つの屈辱感を払拭するため、永井尚長は傲慢にふるまっていたのだが……。自らの生を見誤った者たちを描く歴史短編集。
  • 江戸の闇風 黒桔梗 裏草紙
    4.0
    美人常磐津師匠・お沙夜の裏稼業は、大泥棒。ある時お沙夜は借金に苦しむ兄妹を助けるが、直後にその兄が何者かに殺されてしまう。きな臭さを感じ、相棒の彦次郎らと真相を探るうちに、八千両という大金の怪しい動きに気づく。あわよくばと大金を狙うお沙夜一味を待ち受けていたのは、江戸を揺るがす大悪党だった――。手に汗握る痛快時代小説。
  • 峠越え
    3.8
    元禄三(一六九〇)年七月、深川冬木町の裏店に住む女衒の新三郎は、仕事の不始末から莫大な借金を背負うことになった。その返済のため、重い足取りで向かった江の島の賭場で、運命的な出逢いを果たす新三郎と壺振りおりゅう。その偶然が、新三郎の人生を大きく変えることになる。二人で新たに人生をやり直すべく、おりゅうが考え出したのは、江島神社の裸弁天を江戸へ持ってきて公開する「出開帳」だった。成功すれば何千両もの拝観料が手に入り、堅気に戻れるのだが……。次から次へと押し寄せる難問、問われる新三郎の器量とおりゅうの知恵。乾坤一擲の大勝負の首尾やいかに。おりゅうに美質を磨かれ、度重なる試練にも鍛えられ、一歩一歩登っていく新三郎。手に汗を握るハプニングの連続に一喜一憂しながら、気がつくと二人と一緒に人生の峠越えをしている気分になる。様子のいい登場人物たちの温かい真心と共に、爽やかな余韻が胸に残る傑作時代小説。
  • 町奉行内与力奮闘記 一 立身の陰
    3.3
    「儂を大坂町奉行で終わらせるつもりか」。若き内与力(うちよりき)・城見亨は、主の曲淵(まがりぶち)甲斐守から叱責を受けた。だが配下の町方は怠惰と汚職にまみれ言うことを聞かない。どころか甲斐守を排除すべく老獪な一計を案じる。思惑の渦にのみ込まれた亨。忠義心ゆえの生真面目さは町方の餌食か? 保身と出世欲が衝突する町奉行所内の暗闘を描く新シリーズ第一弾!

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