歴史・時代作品一覧
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3.7万葉集の歌の数々が味わえる!新シリーズ。 日本橋の伊勢屋で奉公する助松には、父親の大五郎がいた。しかし、一年半前に伊勢屋の仕事で富山に出かけたまま、行方不明になっていた。父は、助松に日記を残していた。このことは決して他人に話さないように言われた。日記には和歌らしきものがいくつも書かれている。 伊勢屋の一人娘しづ子は助松より六歳上で、和歌が好きで賀茂真淵に学んでいた。そして、店の大切な客人である占い師の葛木多陽人も和歌に造詣が深かった。多陽人は京都生まれの京都育ちで、回りがぽかんと見惚れてしまう程の美男子だった。 助松は、二人に事情を知らせずに日記に記された歌の意味を少しずつ、教わっていた。 ある日、体調を崩した大友主税という若い侍を助けたことがきっかけで、しづ子に和歌を学びに主税が訪れるようになった。しかし、主税がしづ子に近づいたのは別の理由があったのだった。 その後、しづ子は密かに姿をくらましてしまう。 大五郎としづ子の失踪には、関連があったのだ。 日記に記された和歌の数々には、どんな意味があったのか。 一連の謎は解き明かされるのか――。 万葉集の和歌が面白さが判る、新シリーズ!
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-人の絆の大切さを描いた時代小説。 館林藩の武士である村瀬家の長男惣一郎は、弟の芳之助や妹千佳、友人の梅次と塾や道場通いを続けていたが、成績優秀な芳之助が藩校に行くことになった。それを妬んだ幼馴染みの寿太郎たちが乱暴し、寿太郎は塾や道場を変え離れていった。父源吾は、罪人を逃したことで家禄を減らされていた。やがて、病に倒れた父に代わって、藩の仕事を行うことになった。 そんなある日、筆頭家老の岸田が殺された。表向きは病死とされた。背景には藩を二分する派閥争いがあり、源吾は牢破りの件もその内紛が関わりがあると、真相を告げたのだった。 やがて、浜田藩への国替えが決まる。子どもの頃から一緒だった綾を嫁に迎え、子どもも生まれた惣一郎は、主君の松平斉厚に従い、家族と浜田へ移った。そこに、生田万の元にはせ参じたまま音信不通となっていた寿太郎からの手紙が届く。そこには、故郷に帰りたいと書かれていた――。 家族や友情の絆の大切さを歌いあげた、長編時代小説。
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4.0その戦闘機には死角が存在しない。脳に直接アクセスする電子装置を兵器に運用しようとする危険な野望。米空軍の暴走を阻止すべくチーム・ゼロのメンバーが再集結するが、作戦を実行できるのはあの男しかいない。日本で唯一の撃墜マークを持つパイロット、那須野治朗。人智を超えたシステムを相手に、伝説の戦闘機乗りは賭けに出る。脳科学の進化を四半世紀前に予見していた伝説の航空小説第3弾。
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3.5元幹部自衛官の著者が放った話題の書、文庫化に伴い最新ブラッシュ・アップ電子版発進! 陸上自衛隊特殊作戦群が“竹島奪還”!? 陸上自衛隊特殊作戦群の秋津陸佐率いる約40名が失踪。直後に「竹島を“奪還”した」と驚愕の宣言がなされる。緊張が走る自衛隊。はたして彼らの真の目的は? 日本政府はどう動くのか? そんななか秋津の婚約者で空自幹部の倉橋日見子は、孤独な24時間の戦いをはじめた……。元空自幹部が、今そこにある日本の危機を描く、迫真緊迫のエンターテインメント!
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3.7越後・上杉家と関東・北条家を結ぶ重要拠点、上野沼田。この地にて若き真田幸村は十倍以上の数で攻める北条家に対し、知略と勇猛さをもって必死の攻防戦を繰り広げていた。それは後の北条征伐のきっかけとなる名胡桃事変の開幕でもあった──。小競り合いを繰り返す真田と北条にやがて豊臣秀吉から停戦勧告が下される。沼田を与えられた北条だが、名胡桃城だけは真田領として残された。最前線では過去から続く因縁が爆発し、ついに名胡桃侵攻が始まった。果たして北条家滅亡を目論んでいるのは誰なのか。そして若き幸村の想いとは──。
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3.7昭和19年、潜水特攻隊伏龍に志願した少年を待っていたのは、予想を超えた戦時の「日常」だった。上官のイジメに怒り、ライスカレーをむさぼり、友人の溺死に涙する――戦時下の青春を描く新世代の戦争文学。
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-稀代の名軍師「黒田如水」を無頼派「坂口安吾」がリアルに描く! 【大活字シリーズ】黒田如水 豊臣秀吉の参謀として仕え、調略や他大名との交渉などに活躍し、後世では「両兵衛」「二兵衛」と並び称された竹中半兵衛と双璧をなす「黒田如水」。彼らなくして秀吉の天下統一はなかったかも知れない……。 その証拠に、秀吉は黒田官兵衛の才知を高く評価すると同時に、己の座をも脅かしかねないものとして恐れたとも言われています。 そんな稀代の軍師「黒田如水」を歴史小説、推理小説、文芸から時代風俗まで多岐にわたって活動した「無頼派」と呼ばれる作家の一人である坂口安吾が、歴史書を元に描いているのが本作です。 豊臣秀吉、徳川家康ら時の戦国武将たちと黒田如水が生き生きと描かれています。 【大活字シリーズ】は、通常の電子書籍よりも約200%拡大した大きな文字が初期設定されており、小さな文字を読むのが苦手な方、高齢者の方をはじめ、端末操作が苦手な方でも気軽に電子書籍を楽しめるような設定となっています。 タブレット型電子書籍リーダーでの読書に最適な設定となっています。
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5.0結衣は殺された家族の仇を討てるのか。 五年前に源太と江戸に逃げてきた三村結衣は、徳蔵親方に拾われ、仏壇師の仕事で暮らしていた。 しかし、結衣には殺された家族の仇を討つという思いがあった。 下沢藩の御馬頭取の家に生まれた結衣は、聡明で身体能力にも優れていたため、隠密となっていた。そんなある日、他の何人かの隠密の家と同様に、一晩で家族を皆殺しにされたのだ。何者がいったいなぜ? 修復した仏壇を納めにいった先で、父の部下が不審死したことを知り、事件について調べ始めると、しだいに、藩の中枢にいる者による不正の数々が明らかになってきた。そして主流派と反主流派の争いに留まらない、権力維持のための黒い構図も、見えてきた。結衣たち家族の殺害も、藩の不正を調べていたことが背景にあったことがわかってくる。 自ら家屋に忍び込み、闇の核心に迫っていく結衣は、何者かに付け狙われ壮絶な斬り合いとなる。 仏壇の前で、復讐を果たすために人を殺してもいいのかどうか思い悩む結衣。また、江戸で再会した藤代弥一郎への思いも再び募って……。 はたして、結衣は家族の仇を討つことができるのか。 新進気鋭による書き下ろし時代小説、熱く登場!
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4.0大空の騎士リヒトホーヘンが飛んだ複葉機の時代から、ジェット機が高速で旋回する現代の空まで―日本機の制式名称の由来や初の音速を記録したP38ライトニング、見えないステルス機が見える話など、戦闘機に関する洞察に富んだ話題八十項目をあつめたファン待望の一冊。細部にわたるメカニック図面多数収載。
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3.4「いつの世でも、人が生きてゆくということは、むずかしいものである」(序より) 正史にもとづいた大作『三国志』全12巻を書き上げた著者が、時代の潮流の外にいながらも忘れがたい12人の生涯をたどった。 『三国志』をあらわした陳寿(ちんじゅ)、輝ける倫理観と志望をもっていた太史慈(たいしじ)、魏の名臣・王粲(おうさん)・・・。 ある者は、権力者や政治の中心に近づきながら、遠ざかることを余儀なくされた。その苦難をどのようにしのいだのか。曹操、孫権、劉備、関羽といった英傑たちとはことなり、歴史の中で一瞬だけ輝いた人生。その輝きが愛惜の念とともに描かれる。 著者による後漢・三国年表つき。
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-1943年、山本長官撃墜死……戦史に残されたこの記述は、実は軍部の捏造だった! 真珠湾の英雄の名誉を守るため、墜落後も生き延び、そして自殺したという事実は闇に葬られ、目撃者は次々に消された……。綿密な史料調査に裏付けられた、迫真の実録小説!
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-戦争の足音が近づく昭和十二年から昭和十九年に発表された珠玉の短篇集。戦争の不条理を訴えるものや、現在のミサイル戦を予見する異色作品を多数収録。
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3.7水谷豊主演でドラマ化された話題作、待望の文庫化! 礼金と引き替えに世の悪党どもを退治する殺し屋・月影。追う北町奉行筆頭与力・仙波一之進は、事件現場に倒れていた娘を救う。が、娘は記憶を失っていた。仙波は平賀源内に依頼し、エレキテルで娘の記憶を呼び起こそうとする。施療のあと、娘の口をついて出た言葉は「おっとつぁんは歌麿」。 滞在していた房総から呼び戻され、歌麿は娘と涙の顔合わせを果たす。ところが、殺人現場を見られたかもしれないと考えた月影が娘を誘拐した。娘を取り返すべく、月影の呼び出しに応じる歌麿だが…。表題作など3編収録。
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3.3表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕! 第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれます。幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。 とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。 お竜の庇護者となる仕立屋の主・鶴屋孫兵衛、鶴屋の碁敵で謎のご隠居・文左衛門、そして鶴屋の用心棒で、ちょっととぼけた吉岡流剣術の使い手・井出勝之助など、お竜の脇を固める登場人物たちも魅力たっぷり。そして何よりの読みどころは、お竜の艶やかさと痛快アクションシーンです!
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-「鬼役」の坂岡真、渾身の新シリーズ発進! 火盗改の駆け出し侍が、個性豊かでアクの強い仲間たちと江戸の巨悪に敢然と立ち向かう。 九代将軍徳川家重の治世。越後新発田藩の浪人の息子・伊刈運四郎は、直参旗本・坂巻讃岐守に中小姓として召かかえられるが、出仕初日から御先手筒(鉄砲)組二十四番の手伝いを命じられる。 筒組二十四番は火付盗賊改の助役代理を命じられていて、運四郎も火盗改の見習いになってしまったのだった。 初仕事は、口から鯖の尾鰭が飛び出した血腥い屍骸の検分――。 火盗改本役の弓組二番は優秀な人材が集められたエリート集団。 かたや、筒組二十四番は出世とは無縁な外れ者ばかり。 博打にのめり込んでいる者、金勘定にやたら細かい者、記憶力だけは抜群に良い者、変装に長けた者などなど、個性的でアクの強い連中がいがみ合うが、顔に大きな刀傷がある供頭・杉腰小平太がまとめ上げて、難事件に立ち向かう。
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3.5桓武天皇の子孫にして、陸奥鎮守府将軍・平良持の子、将門。右大臣藤原忠平卿に仕えることになった将門は、父の命で従兄弟で幼なじみの平貞盛とともに京にのぼることになる。都では市中を荒らしまわる群盗を退治したり、先の左大臣藤原時平の娘で、忠平の姪の褒子に恋をしたりと多忙な日々を送る将門。しかし父良持の死がきっかけとなり、運命は一変する。なんと故郷の地で将門を待っていたのは、一族相手の血で血を洗う抗争だった。父の遺領をめぐって戦いを仕掛けてくる伯父達を相手に必死で戦い、打ち破ることに成功する将門。紛争を解決するうちに、坂東一円の豪族達から支持を集めるようになった将門は、「新皇」として朝廷からの独立を宣言する。しかしその野望を打ち砕かんと一人の男が都から帰ってきた。圧政に苦しむ領民たちを助けるべく、あえて逆賊の汚名を被る覚悟で、朝廷に叛旗を翻した男の壮絶な生涯を描く歴史人物小説。
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4.0滝沢馬琴の名作『南総里見八犬伝』で知られる房総の戦国大名・里見家。しかしその実像はこれまで、史実とフィクションの入り混じった八犬伝によって、かえって陰に隠れてしまっていた。本書は、里見家中興の祖・義堯の波瀾万丈の人生を描いた長編小説。甥・義豊との骨肉の争いを制して里見家の当主となった義堯は、安房一国を統一、関東制覇を目論む日の出の勢いの北条氏に敢然と立ち向かう。敵味方入り乱れての戦いが続く関東の地で、一時は房総半島全域に勢力を拡大するも、北条氏に二度までも大敗。絶体絶命の窮地に陥るが、そのたびに義堯は家臣一丸となり、不屈の闘志で存亡の危機を乗り越えていった……。弱肉強食の覇道が横行する戦国にあって、宿敵・北条氏からも「仁者必ず勇あり」と、その人柄と戦いぶりの見事さを称えられていた里見義堯。北条の野望を阻むとともに、ひたすら領民の安穏と繁栄を願い、戦いに明け暮れた勇将の真実の姿に迫る力作。
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3.0天下人となるチャンスが誰にでもあった動乱の時代に、我が故郷の武将は一体どうしていたのだろうか? 応仁の乱ののち群雄割拠する有力大名や、信長・秀吉・家康による天下統一だけが“戦国”ではない。地方各地に目を向ければ、自家の存亡を賭けて勢力拡大を目指した武将たちのドラマが見えてくる。本書は、室町幕府以降の全国各地の武将たちの野望と動向を、勃興期から47都道府県別に調べ尽くした一冊。「京都:足利一門では傍流だった細川家の出世」「山口:陶晴賢が大内氏を滅ぼしたのではない」「鹿児島:島津氏が頼朝の子孫を称する意味」「千葉:房総半島では意外に新参者の里見氏」「茨城:古河が関東の首都だった理由」「宮城:伊達藩家老は東北の名族だらけ」「愛知:名門織田家と用心棒稼業の松平家」など“それぞれの戦国時代”を克明に描き出していく。そこから導かれる「国盗り」から「天下取り」への条件とは? 戦国ダービー、いざ開幕!
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-上皇や摂関家などに仕える番犬のような存在でしかなかった武士層が、保元・平治の乱を経て、武力によって朝廷を左右する存在へと変貌した。なかでも源氏と並ぶ平家の総帥平清盛は、もともと皇位に就くなど考えられておらず、あくまで一時のつなぎ役でしかなかった今様狂いの後白河天皇と組んで、後白河の兄・崇徳上皇、摂関家ならびに源氏の勢力をつぎつぎに失脚させ、位人臣を極めるまでになる。だが、武力と財力を独占し、皇位継承にまでかかわりを見せ始めた清盛の存在に警戒心を抱いた後白河は、それまでの二人三脚の関係をかなぐり捨て、一転して旧勢力である上級貴族や寺社勢力とひそかに結び、平家の追い落としを企てようとしていた……。家族・一門の安泰のため、かつての藤原摂関家のような最高権力を掌中にしようとする清盛と、王権ならびに旧秩序回復のためこれを阻止しようとする後白河の、謀略を駆使した激しい確執、二人の権力者の心の葛藤を描く。
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-池田屋に踏み込む近藤勇以下四名の新選組隊士。そこには三十名を超える志士が潜んでいた。志士と隊士、入り乱れての大乱闘。怒号と悲鳴の轟くなか、突如、総司の意識は徐々に遠ざかってゆく――各種メディアで、新選組が話題となるなか、近藤勇、土方歳三とならび、最も人気のある人物の一人、沖田総司にも注目が集まっている。しかし、隊士きっての剣豪でありながら、出生からその死まで、多くの謎に包まれている。土方や近藤のように本人だと断定できる写真も残っておらず、肖像画と伝えられるものも血縁者をモデルにして書かれたものだといわれ、わずかに自筆の書簡七通が残されている程度である。伝説的な逸話も多く、現代からは「沖田の実像」というものはなかなか見えてこない。本書は、これまでに書かれた文献を踏まえつつ、断片的な資料のすきまを紡ぎ、幕末の動乱を駆け抜けた男の雄々しくも儚い生涯を力強く描く、著者会心の長編小説である。
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4.0「秀忠さまは、当年おいくつですか」お江は淀殿の顔色をうかがうように訊いた。我ながら(もう負けている)と感じ、みじめな気分になっていた。「十七歳におなりです」(六歳も年下のお相手。ましてこちらは三度目の結婚ときている。なんとまあ……)お江は打ちひしがれて、黙り込んだ──。信長の妹・お市の方の三女・お江は、幼くして父母を殺されるという悲運を味わう。そして23歳のとき、三度目の結婚で家康の三男・秀忠に嫁ぐ。このとき、秀忠が将来二代将軍になるとは、だれもが夢想だにしていなかった。関ヶ原の戦いでの大失態、大御所家康の院政、春日局との確執……数々の苦難を乗り越え、江戸幕府の土台を築いた夫婦の波瀾の生涯を描く力作長篇小説!
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3.5下剋上の世、武将なら誰でもが、彼我の動静をかんがみながら、隙あらば天下をねらっていた時代……そんな中に一人、「人間としての信義」を自らの心の軸に据えて生きようとしている男がいた。本書の主人公、丹羽長秀である。織田信長の四天王の一人として、羽柴秀吉、柴田勝家、佐久間信盛らとともに、多くの武勲を立てながらも、天下への野望などは、寸刻も抱かず、淡々と臣下として、“頼れる男”であり続け、かえってそのことによって人望が高かった。やがて信長は、本能寺に消え、秀吉の天下となれば、秀吉に忠誠を尽くしながらも、織田家の子孫たちのために、努力する。秀吉が次第におごり高ぶり、織田家への恩を忘れたようにふるまえば、長秀は、自らの死をもって、その誤りを訴えるという風に、信義一徹を貫き通した人生であった。上司にとっては最も部下にしてみたい男の生涯をたどりながら、自らの利を超越した生き方の美しさを訴える、長編歴史小説。
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4.0下谷にある〈出直し神社〉には、人生を仕切り直したいと願う人々が訪れる。縁起の良い〈たね銭〉を授かりに来るのだ。神社を守るのは、うしろ戸の婆と呼ばれる老女。その手伝いをすることになった十六歳の娘おけいは、器量はよくないが気の利く働き者だ。ある日、神社にお妙と名乗る美女が現れる。蔵茶屋の商売繁盛を望む彼女が授かったのは大枚金八両。さらにうしろ戸の婆は、お妙に相談役としておけいを連れていくように言い、おけいには「蔵に閉じ込められたものをすべて解き放ってくるように」と耳打ちして──。読み応え抜群の時代小説。(解説・吉田伸子)
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5.0蔵前の大店に盗賊が入り、一家皆殺しのうえ火を点けた。隣で絵双紙屋を営んでいた新吉の家も燃えて二親は焼け死んだが、新吉は命からがら逃げ出し事なきを得る。 頼る先もなく町をさまよい、死をも覚悟した新吉だが、神田の町外れのお堂で妖しい美女と出会ったことから、彼の運命は激変。虚弱だった新吉は仄香と名乗る美女から不思議な気を授り、別人のように生まれ変わったのだ。 破落戸に絡まれていた小間物屋の娘を助けたことから、彼女の店で仕事を得た新吉。次々と舞い込む幸運だが、八丁堀同心の瓜生千之助に蔵前の火付け盗賊の仲間ではないかと疑われ……。 妖しの美女が無垢だった若者を翻弄する、書下ろし新シリーズ!
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-妻の病をきっかけに隠居を決めた、南町奉行所定町廻り同心の日暮慶一郎。だが、養子を迎えて家督を譲ったものの、ふたり寄り添う日々は短く、呆気なく妻の千代は亡くなってしまう。 養子の新之助との暮らしに気詰まりを覚えた慶一郎は、岡っ引きの亀次郎が営む船宿「大黒屋」に居候し、一日のうち半分眠っているようなのんびりした毎日を送ろうという思いから、名を「日暮半睡」と改めた。 今は勝手気ままに飄々と暮らす半睡だが、もとは新陰流の免許皆伝、難事件をいくつも解決してきた南町一の腕利き同心。そんな半睡と真面目一方の新之助、型破りの親子同心がさまざまな事件の裏に潜む悲哀を裁く。 気鋭が贈る書下ろし人情捕物時代小説。
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-船橋の外れでひたすら剣を修行する若侍……影山彦十郎のもとへ、八州廻りの大野兵庫が訪れる。若くして直心影流の達人となったが、道場内のいざこざで勘当された彦十郎を、公儀の裏仕事へと誘うためであった。 依頼内容はやくざと内通している裏切り者の役人を、事故に見せかけつつ始末するというもの。思わぬ荒事に緊張しつつも、彦十郎は木刀による絶技で、裏切り者を見事仕留める。 密命を果たした彦十郎は、望みどおり江戸に舞い戻ってくるが、それは同時に、表沙汰にはできぬ役所の制約を飛び越えた悪党退治……裏の処刑人の世界に飛びこむことを意味していた。 数奇な運命を、おのれの豪剣で切り開く若侍の活躍!新シリーズ開幕!
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