国内ミステリーの検索結果
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アスファルトの上
おれは何か得体の知れない怒りのようものにとりつかれていた。それは多分に生理的な感情だったが、おれにとってはじめての積極的な意志だった。おれは拳銃をもう一度使いたいと思ったのだ。(「アスファルトの上」より) つまらぬ好奇心から女を助けてしまった男の転落劇を描いた表題作など、8篇を収録したハードボイルド・タッチのミステリ短編集。 *八月は残酷な月 *ヒッチハイク *殺人者 *ある再会 *橋の上の男たち *まぶしい季節 *黒人リュウ *アスファルトの上 ●河野典生(こうの・てんせい) 1935年1月高知県生まれ。詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。日本のハードボイルド小説の先駆者となる。幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。 -
修羅の高峰
長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉が直面する3つの難事件。 「岩稜の記憶」 鶴田家の長女・左蓉子の結婚式当日、新婦の父・晴良が溺死体となって上高地梓川上流のダムで発見された。 晴れの日に自殺などするはずもない。が、他殺と断定する証拠もなかった。 所轄の豊科署刑事・道原伝吉は、晴良がなぜ、長女の結婚式当日の朝、ダムに行くことになったのかを推理し、地道に捜査をつづけると……。 「氷雨の感染」 長野県穂高町で、宅配業者が見つけたのは、玄関に溜まっていたおびただしい量の人血だった。 この失血量ではとても生きてはいられないはずだが、人はどこにも倒れていなかった。 死体なき殺人事件の様相を呈するなか、捜査を進める道原伝吉は、その家に、殺意が潜んでいるのを読み取った……。 「高峰の掟」 豊科署長宛に、「宮坂刑事の妹は『変態教室』というAVに出演している」といった内容の手紙が送られてきた。 名指しされた刑事とその妹は実在し、妹は現在、行方がわからなくなっていた。 刑事課次長から相談を受けた道原伝吉は、東京に出向き、AVの制作会社を訪ねることからはじめた。 思わぬ展開に向かうなか、人情刑事・道原伝吉の胆力は見事であった。 -
十字の記憶(角川文庫)
新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓も同じ事件を追っていた。捜査が難航するなか、今度は市職員OBの諸岡が同じ手口で殺される。やがて福良と芹沢の同級生だった小関早紀の父親が、20年前に市長の特命で地元大学の移転引き止め役を務め、その後自殺していたことがわかる。早紀は地元を逃げるように去り、行方不明になっていた……。 -
屍実盛
1183年。寂れた京都に留まった、平家一門の唯一の離脱者・平頼盛の元に、ある日依頼が来る。京都を占拠する木曾義仲からで、「首のない五つの屍から、恩人である斎藤別当実盛の遺体を見つけてほしい」というものだった。断れば家族や家臣の命が危うくなると考え、頼盛は難解な謎に挑むことになるが……。『平家物語』や謡曲『実盛』に取り上げられた実盛の最期を題材にした、歴史ミステリの傑作! 第15回ミステリーズ!新人賞受賞作。/第15回ミステリーズ!新人賞選考経過、選評=大崎梢 新保博久 米澤穂信(本電子書籍は『ミステリーズ! vol.91』(2018年10月初版発行)に掲載の同作品を電子書籍化したものです。) -
翼をください
愛らしい笑顔と親身な気遣いで、周囲の男たちから好意を寄せられる女子大生・石元陽菜。だがその本性はきわめて自己中心的なものだった。最近ストーカーの無言電話に悩んでいた陽菜は、受話器に罵詈雑言をぶつける中で憂さ晴らしに、周囲の人びとから聞き出した「秘密」を暴露するようになる。一方電話の向こうでは、信頼して打ち明けた自分の秘密を軽々しく漏らされたストーカーが怒りに震えていた。この秘密を守り抜くためには、彼女を殺さなければならない――あまりに意外な犯人の正体、そして戦慄の真相。濃密な人間関係に仕掛けられた大胆なトリックをあなたは見抜けるか?