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一九九八年、和歌山市内の夏祭りでカレーを食べた住民六十名以上が中毒症状を呈し、四名が死亡した。県警から、毒物中毒の第一人者である沢井直尚九州大学医学部教授のもとに、協力要請が入る。現地入りした沢井は、事件の深刻さを前に誓う――本物の医学の力で犯罪をあぶりだすと。被害者たちの診察と診療録の解析の果てに浮上する、小林真由美の保険金詐取疑惑と過去の事件、戦慄の闇。
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真実は此処に在る…!
2021年8月読了。 この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。 和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったが、あれからもう20年以上経つのか…。 先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキ...続きを読むュメンタリー番組を見たばかりであったのと、その直前には「(彼女の)長女が幼い娘と心中自殺」と云う報道も有った為、この事件の真実は何だったのかを改めて確かめたい思いも有った。 地下鉄サリン事件の方も凄まじかったが、こちらの方も何と凄惨な事件だった事か…、文中にも出てくる「ガヤガヤと騒々しいメディアやワイドショーの類の取材攻勢」ばかりが記憶に残っていたので、本書で綴られる詳細を読み、改めてこの事件の残酷さに言葉を失った。 上記の番組で、事件後あの家は放火され全焼したと知り、「そこまでしなくとも…」と云う気持ちも多少有ったのだが、事件の仔細を知るにつれ、誰が放火したのかは知らないが「(決して良い事ではないが)止むにやまれぬ気持ちが有ったのかもしれない」と、思い直す気持ち に至った。 それにしても一審判決から最高裁まで、「物的証拠が確定」していたとは…。 「本人自供(無し)」にばかり拘るメディアに翻弄され、騙されていた様な気分にも正直成った。詳しくは本書を読んでいただきたい。 これでは再審請求など今後も通らないだろうし、刑の確定は必然と思うが、本人が真実を語らぬまま執行される日が来るのかと思うと、オウム事件同様やるせない気持ちにさせられる。 又、前著『沙林』同様、こんなにも毒物の検出や対策が困難であった事、更にこの主人公が居なかったらこの事件とてこんなに迅速且つ正確な捜査~公判には到らなかった事などを読むにつけ、改めて当時の関係者の苦労と主人公の活躍に心から敬意を捧げたい。 日本国民であれば一度は読むべき貴重な労作だと強く推奨する。
#深い #タメになる #怖い
Posted by ブクログ
1998年、和歌山毒カレー事件。よくよく見れば20年前のこと。当日の報道映像を思い出し、小林真由美へのインタビュー映像も思い出す。 大学教授たちの毒物鑑定や被害者の診察状況などの事実の積み重ねが語られる。感情的な部分が少ないのに心の底に怒りと疑問が溜まっていく。書かれる医学用語のほとんどはよく理解で...続きを読むきないのに異常さは伝わってくる。 そして保険金詐欺も……
1998年に発生した和歌山毒物カレー事件を覚えておられる方も多いのではないでしょうか。本書はその事件を題材にした小説で、登場人物は架空(例えば容疑者の林眞須美は小林真由美の名前で登場)のフィクションの体裁をとっていますが、基本的には警察から調査協力を依頼された毒物中毒の専門医が調査を進める過程を忠実...続きを読むに描いています。 著者が九州大学医学部卒の医師ということもあって、被害者の毒物中毒の描写、カルテや調書から混入された毒物が砒素であることを確定していくプロセスはかなりリアルです。私自身は毒物や医学に特別詳しくないので、本書で述べられている症状などがどの程度正確なのかの判断はできませんが、すべての描写が事実に即したものであるという前提で読んでいると、相当細かい症状まで描写されています。 私自身もこの事件の全容についてはだいぶ記憶が薄れていましたが、夏祭りで砒素が混入されたカレーを食べて中毒となった60数名の被害者以外にも、その10年以上前から容疑者宅に出入りしていた人たちや、容疑者の夫までもが砒素を食事に混入され、容疑者が多額の保険金を手にしていた事実が描かれています。 本書上巻では夏祭りでの砒素中毒の10年以上前から砒素を食事に混入されていた被害者のカルテや調書の分析がメインですが、砒素による毒殺は本書でも述べられている通り、「初めからヒ素中毒を疑ってかからないと、なかなかたどり着けない」とのことで、被害者が入院した病院ではギランバレー症候群や、他の神経障害などの所見にとどまり、真実にたどり着けない様子なども描かれています。 事件性を煽ることも劇的な展開もなく(例えば、容疑者が食事に砒素を入れるシーンの描写などは皆無)、淡々と資料と向き合う主人公の医師の分析の様子を描くノンフィクションのような読後感でした。
和歌山カレー事件を題材にしたノンフィクションに近いフィクション。 事件の裏側で奮闘する警察と、それに協力する医師たちの使命感が窺える。 カレー事件だけではなく、その前より始まっていたと思われる数々の砒素に纏わる事件の真相とは… 実際に起こった事件だからこその恐怖が張り付いてくる。 2022.7.1
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