奇をてらうわけではなく、切実に産婦人科医療の現状を語りかける小説。
産婦人科医の著者だからこそ書けるリアリティが満載だ。
医療現場において「if」は360度広がっていて正解がない。だからこそ医者は身を削って奮闘してくれているのだ。恋人との時間も精神も肉体も全て削ぎ落として、その先になにがあるのかと
...続きを読むいうと、終わりはない。
主人公の菊池のように第一線で活躍したいというプライドと、医者としての救済心から突き進んでいくだけなんだろうと思う。これはどんな仕事にも言えることかもしれないけれど。
11月に出産したばかりだったので、産婦人科に興味を持ち手に取った本書。
母子ともに健康で出産できたことは当たり前なんかじゃないということ。
医者と助産師への感謝の気持ちがわき起こりました。
菊池先生、結婚と再就職おめでとう。
これからも時間に追われる日々だと思いますが、どうかご自愛のうえ邁進してくださいね。