作品一覧

  • マニラの帝王
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    1巻880円 (税込)
    灼熱の混沌都市フィリピン・マニラ。ひょんなきっかけでこの地に暮らすことになった3人の日本人青年――スラムの病院の勤務医、在比日本大使館の書記官、ナイトクラブの俄かオーナーに、それぞれ厄介なトラブルが降りかかった。殺人、恐喝、汚職、麻薬、詐欺、訴訟……「何でもあり!」の喧騒の街で頻出する突発事故〈アクシデンテ〉に、命懸けで立ち向かわねばならなくなった3人。はたして彼らの運命は? “マニラの帝王”の座には誰が……。映画化された衝撃のデビュー作『緊急呼出し』(『灼熱の病棟 エマージェンシー・コール』)の作者が、『約束の十字架』に続いて放つ第3弾! 異国の地で葛藤する日本人の実態を見事に描いた、やるせなく、哀しく、だが爽やかな異色のヒューマン・サスペンス!
  • 約束の十字架
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    1巻880円 (税込)
    喧騒と汚濁の熱帯都市フィリピン・マニラ。この国ただ一人の日本人実習医である僕(オオタ)は、同僚の女医ニッキと婚約し、この地で医療を続ける決意をした。ある日、僕は謎の青年ホセ・デラクルースと出会う。ホセはなぜか僕に心を開き、驚くべき秘密を告白した。家族を地主の私兵に惨殺され、反政府ゲリラに加わったこと。やがてゲリラとも決裂、今は銀行強盗となり、貧しい人々に金を分配している……ホセは言った。〈俺はいずれ、警察かゲリラに殺られる。そうなったら先生、俺を故郷の島に埋めてくれ〉数日後、はたしてそれは現実となった。僕には彼との約束だけが遺された……。鮮烈のデビュー作『緊急呼出し』(『灼熱の病棟 エマージェンシー・コール』)に続く俊英の感動巨編第2弾、熱い要望に応えて電子版で復刊!
  • 灼熱の病棟  エマージェンシー・コール
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    1巻770円 (税込)
    熱帯都市フィリピン・マニラは雨季の最盛期。僕(オオタ)は、ただ1人の日本人実習医(インターン)として,国立北部総合(ノース・ジェネラル)病院の産科に勤務していた。昼夜分かたず、東洋一のスラム地区から次々に患者が訪れ、医師への緊急呼出し(エマージェンシー・コール)は引きも切らない。貧困と無知がもたらす想像を絶する混乱の中で、明るく逞しく生きる人々。生命の誕生、そして夥しい死。やがて僕はダンサーの美少女カティーと知り合い、恋に落ちた。だが、歓びも束の間、彼女を恐ろしい運命が襲い、僕に“緊急呼出し”が……。灼熱の異国での稀有な医療体験を、瑞々しい感性で描き切った異色の青春ドキュメント小説! 現役医師にして実力派作家・太田靖之の原点、映画化(監督/大森一樹 主演/真田広之)でも話題を集めた鮮烈のデビュー作、待望の電子化!
  • 渡り医師犬童
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    1巻880円 (税込)
    「いいから黙ってろ」「ちゃんと見とけ」・・・その男の剣幕に、産科医師となって5年目の神岡好乃は圧倒された。医師不足で存亡の危機に立つ市民病院に助っ人として現われた男――フリー医師・犬童道也は、好乃の目の前で母子ともに危険な早期剥離(はくり)の分娩を無事成し遂げたのだ。好乃はその技量に感嘆するが、同時に医療事故すれすれの無謀なやり方に反感を覚えた。時には現代医療の常識から逸脱しても、自らの方法を貫いて恥じぬ犬童。はたして、この男は何者なのか!? 崩壊に瀕する周産期医療の現場に立つ医師たちの苦闘と成長を、現役医師にして熟達の作者が見事に描いた迫真のサスペンス、待望の電子化!
  • 産声が消えていく
    3.9
    1巻754円 (税込)
    現場の医師が綴った迫真のサスペンス、待望の電子化! 〈24時間対応〉〈いかなる患者も断わらずに診る〉という診療方針を掲げる希望会総合病院。医療関係者からは異端と見られ、ハードな研修制度で知られるこの病院に、志あふれる産婦人科医・菊池堅一は入職した。しかし現実は甘くなかった。慢性的医師不足、過重労働、そして理不尽な医療訴訟。過酷な労働環境は、精神的にも肉体的にも菊池を疲弊させていく。そして、降りかかった予想外の事件。入院患者の分娩中に救急産婦の治療が重なり、生まれた新生児に障害を残してしまったのだ。人手のない夜勤中での出来事だったが、菊池は適切な医療措置を怠ったとして、巨額の賠償金支払いを求める訴訟を起こされる。はたして菊池に過失はあったのか? 最前線で奮闘する現役医師が、現代日本の医療崩壊の実態をあますところなく描いた渾身作!

ユーザーレビュー

  • 産声が消えていく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    奇をてらうわけではなく、切実に産婦人科医療の現状を語りかける小説。
    産婦人科医の著者だからこそ書けるリアリティが満載だ。

    医療現場において「if」は360度広がっていて正解がない。だからこそ医者は身を削って奮闘してくれているのだ。恋人との時間も精神も肉体も全て削ぎ落として、その先になにがあるのかというと、終わりはない。
    主人公の菊池のように第一線で活躍したいというプライドと、医者としての救済心から突き進んでいくだけなんだろうと思う。これはどんな仕事にも言えることかもしれないけれど。

    11月に出産したばかりだったので、産婦人科に興味を持ち手に取った本書。
    母子ともに健康で出産できたことは当た

    0
    2019年01月18日
  • 産声が消えていく

    Posted by ブクログ

    終わりよければすべて良し、とか
    結果がすべて

    ってすごく怖いことだと思いました。
    今まではポジティブな意味でしか
    とってなかった。

    途中で気を抜いても、結果が良ければ
    経過なんて関係なし。
    でも、死力を尽くしても悪い結果になると
    死力を尽くしたことすらもなかったことになる。

    コード・ブルーでもこの話ありましたね。

    冴島さんはバックに器具を1つ入れ忘れちゃったけど
    結果的に患者さんは助かったから良し。
    檜山は患者さんを想って最善と信じる行動をしたのに訴えられる。

    本当に怖い。

    そんな恐怖を知ってもなお、
    良いお産を、と思い続け365日24時間の拘束を受け入れる。
    精神的に仕事を続けら

    0
    2012年10月06日
  • 産声が消えていく

    Posted by ブクログ

    どこの産婦人科でもこの物語のような出来事があったと思う。この物語は2000年代の産婦人科のある総合病院が舞台だけれど今はアクティブバースとか自然派みたいな流れはどのようになっているのか知りたい。
    20年後の菊池先生の物語が気になりました。著者の他の作品も読んでみようと思います。

    0
    2023年10月20日
  • 産声が消えていく

    Posted by ブクログ

    産科医の先生が書いた、ドキュメンタリー?な本、一応フィクションらしいけど、実話でしょ?って感じ。めっちゃリアルだった(ガチ)日本のお医者さんの数は、先進国の中で、ほぼ最下位…外科も少ないけど、特に産科医と小児科は悲惨。激務。過酷。これは平成22年に出たやつやから、コロナのことは書いてないけど、医療崩壊でこれからもっとひどくなるんかな?、
    産科医が少ない理由は、夜間でも関係なく勤務が必要で必然的に激務になるから、それと訴えられることが他の科より圧倒的に多いからだって。裁判になって優秀なお医者さんも追い込まれていく…。
    健診もまともに受けてなかったテキトーなお母さんが救急オペで運ばれて、無事に産め

    0
    2022年09月03日
  • 産声が消えていく

    Posted by ブクログ

    産科医が減ってるというのはなんとなく知ってたけど、実際の医療現場がここまで逼迫してるのは驚きだった。自己犠牲の元成り立ってる日本の医療体制がどうか改善してほしい。医療関係者に、頭が下がります

    0
    2022年03月25日

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